2021/5/21 UP!
おクルマを運転する時は、皆さん、もちろん安全運転を心がけていると思います。でも時に、思わぬ錯覚にとらわれて、事故へとつながってしまう場合があります。そこで今週は「運転中の錯覚」をテーマに、さまざまな錯覚とその対処方法などをご紹介したいと思います。
【溶け込み現象・蒸発現象】5月17日(月)放送分
今週は「運転中の錯覚」をテーマにさまざまな錯覚とその対処方法などをご紹介します。
ところで、明るい所から暗い所へ急に入ると、目がその変化について行けず、目の前が真っ暗になったこと、皆さんはありませんか?実は同じことが、トンネルの入り口でも起こります。特に前のクルマが黒っぽい色の場合、トンネルの暗さの中に溶け込んでしまったようになり、見えづらくなることがあるんです。
これは「溶け込み現象」と呼ばれるモノで、トンネルへ入る時には、十分気をつけなければいけません。また同様に、自分がトンネルへ入った時も、後続車から見えにくくなる可能性がありますので、ライトオンしてテールランプを灯すなど、トンネルへ入る前から対策を心掛けておきましょう。
トンネルでは、出口付近も要注意です。暗いトンネルから外に出た瞬間、その明るさに目が追い付かず、やはり前のクルマが見えなくなることがあるんです。こちらは「蒸発現象」などと呼ばれる状態で、特に白やシルバーなどの明るい色のクルマが見えづらくなりますので、注意しましょう。
さらに、トンネル出口からカーブが始まるような場所では、車線を見落とさないよう気をつけることも肝心ですよ。
【ライトによる蒸発現象】5月 18日(火)放送分
今週は、「運転中の錯覚」をテーマにお送りしています。
きのう、トンネルから出る時に、前のクルマなどが外の光に包まれて見えなくなる「蒸発現象」についてお話しました。でもクルマを運転していると、昼間のトンネルの出口以外にも強い光によって蒸発現象が起きる場合があるんです。それが、夜間のヘッドライトです。対向車のヘッドライトと自分のヘッドライトが重なる位置に道路を横断中の歩行者などが入り込むと突然視界から消えて見えなくなってしまうことがあります。それが、夜間に起きる「蒸発現象」です。
ドライバーにとっては、「走行中、突然目の前から人が消える」あるいは「何も無いところからいきなり人が飛び出してくる」ように見え、ひとつ間違えばパニックにも陥りかねないこの現象。しかも原因がヘッドライトですので、ライトを点けている限り、いつ発生するか分かりません。この「蒸発現象」自体をなくすことは難しいので、事故を防ぐためには、日頃から左右に目を配り、歩行者や自転車などがいないか、常に意識することが大切です。
また、蒸発現象が起こっている中でも、かすかに歩行者の足元が見えているようなこともあります。夜間の運転中、光の中に何か動いている感じがしたら、そこに歩行者がいるかもしれないと思い、くれぐれも慎重に運転するようにしてくださいね。また、歩行者や自転車に気づいたら、すぐに止まれるよう、スピードを控えて運転することも重要なポイントです。
特に雨の日は、蒸発現象が起こりやすいので、要注意ですよ!
【コリジョンコース現象】5月 19日(水)放送分
出会い頭の交通事故といえば、「見通しの悪い交差点などで起こるもの」と、皆さんは思っていませんか?ところが田園地帯のような、周りに遮るものがない見通しのいい場所でも、出会い頭の事故が起こることがあるんです。
その原因の一つとして考えられているのが、「コリジョンコース現象」です。これが、どんな状況で発生するかといいますと、まず、直角に交差する2つの道路を想像してください。辺り一帯は田園風景が広がっていて、視界を遮るものはありません。そして交差点に向かって、2台のクルマが同じスピードで走っているとします。当然、ドライバーからは、相手のクルマが見えているはずですよね。ところがこの時、2台が同じスピードで走っていると、ずっとお互いのクルマの見える角度が、変わらないことになります。すると、なんと相手のクルマが走っているにもかかわらず、止まっているように感じてしまうというのです。
実は、人間の視野は、物の形や色がはっきり認識できるのは、中心部分の「中心視野」だけなんです。それ以外の「周辺視野」では、物の形や色、動きなどを認識しづらいという特徴があります。そのため、視野の端で、動きのはっきりしないクルマを見ても、正確には認識できず、停まっているぐらいにしか感じられなくなるんです。
ということで、見通しのよい場所でも漫然と運転したりせず、意識して顔を左右に向けて、クルマが接近してきていないか、しっかり注意するようにしてくださいね!
【視界吸引作用】5月 20日(木)放送分
今週は、「運転中の錯覚」をテーマにお送りしている、千葉トヨペット「レガーメ・ワンダフル・ドライブ」。ところで、「目が釘付けになる」という言葉がありますが、これは、魅力的なものだけでなく、危険なものを目にした場合にもいえるようです。そんな、魅力的なもの、危険なものを見た時に、無意識に見つめてしまう人間の習性を、「視覚吸引作用」といいます。
クルマの運転でいうと、例えば、斜め前を走っている大きなトラックが車線変更をしてくると、トラックの点滅するウインカーなどから目が離せなくなります。さらに見つめていると、無意識のうちに、そこへ引き寄せられるように近づいてゆき、その結果、ハンドル操作を誤り、事故となってしまうことがあるんです。また、トンネルの中でも、隣りを走るトラックなどに危険を感じて見つめていると、自然と隣の車線に近づいてしまったりすることが、皆さんにも、あるのではないでしょうか。
ではこのような、知らずに起こりうる視覚吸引作用に、いったいどのように対策すればいいのでしょうか?まず大切なのは、凝視しているモノからいち早く視線をはずすことです。ただ、無意識のうちに凝視している場合がありますので、普段から、安全な範囲で周りにも視線を向けるようにしましょう。ちなみに、思わず凝視してしまうものは、クルマの中にもありますよ。ダッシュボードの上に置きっぱなしになっていて、落ちそうになっている荷物など、つい視線を奪われ、わき見運転の原因になりかねません。運転の邪魔になるようなものは、日頃から片づけておきましょうね。
【カーブでの錯覚】5月 28日(金)放送分
「運転中の錯覚」がテーマの千葉トヨペット「レガーメ・ワンダフル・ドライブ」。最終日のきょうは、カーブで起こる錯覚を取り上げてみたいと思います。
その錯覚とは、左右それぞれのカーブの内側にクルマが寄って行ってしまう、というもの。つまり左カーブだと左側に、右カーブだと右側に寄っていくということです。でもどうして、こんなことが起こるのでしょうか?その原因は、人は広く見える方につい寄って行ってしまう、という性質があるからなんです。
片側一車線のカーブを思い浮かべてみてください。左カーブの時には、自分の走行車線の方が広く見えます。反対に右カーブの時には、対向車線の方が広く見えるんです。しかし、その錯覚のままにカーブの内側に寄っていくと、左カーブでは、道路脇を歩いている歩行者などに接触する可能性がありますし、右カーブでは、中央車線をはみ出し、対向車と衝突する危険性もあるでしょう。
カーブの多い場所を走行する時には、そうした錯覚があることをしっかり理解したうえで、十分スピードを落とすとともに、車線内をはみ出すことなく曲がるよう気をつけてくださいね。
今週は、「運転中の錯覚」をテーマにお届けしました。ぜひチェックして、ワンダフルドライブめいっぱい楽しんでくださいね!