2022/1/28 UP!
普段クルマを運転していて、坂道に出合う機会、ちょくちょくありますよね。何気なく通過している人、多いかもしれませんが、そこには平坦の道とは違って、いろいろと気をつけたいポイントがあるものです。
そこで今週は、「坂道でのポイント」をテーマに、お送りしていきたいと思います。
【坂道のルール】1月24日(月)放送分
まず初日のきょうは、坂道に関する交通ルールを 改めて確認しておきましょう。
まず気をつけなければいけないのが、坂の頂上付近です。坂の頂上付近は、その先の交通状況を見通しにくい場所。そのため、事故の原因になりかねませんので、頂上付近では駐停車が禁止されています。
また、そんな坂の頂上付近を、スピードを出して通過しようとすれば、向こう側に停車車両や横断中の歩行者がいた場合、気付くのが遅れてしまいます。そのため、坂道の頂上付近は、徐行するのがルールです。スピードを落として、向こう側の安全確認をしてから下り始めるようにしましょう。
さらに頂上付近では、追い越しも禁止されています。そして坂道と一口に言っても、緩やかな坂と、勾配が急な坂がありますよね。特に勾配の急な坂道では、上りも下りも駐停車は禁止されています。さらには、徐行するのがルールで、追い越しも禁止されていますよ。
みなさん、ルールを守って、安全に坂道を通行してくださいね。
【下り坂でのポイント】1月 25日(火)放送分
「坂道でのポイント」をテーマに、坂道を通行する時の注意点などをご紹介しています。
坂道にはもちろん「上り坂」と「下り坂」がありますが、みなさんはどちらの方が、事故の危険性が高いと思いますか?実は「下り坂」の方が、事故が多い傾向にあるんだそうです。その理由は、やはりスピードが出やすいからで、死亡事故につながりやすいというデータもあります。
そのため、きのうも少し触れましたが、勾配が急な下り坂では、徐行するのが決まりです。また勾配が緩やかな場所でも、次第に加速していきますので、こまめにスピードメーターを確認して、安全なスピードを保つようにしましょう。
さらに下り坂では、カーブも要注意。カーブに入る前に、十分に減速するのが基本です。下り坂では、カーブを曲がっている間でも加速しますので、減速が不十分だと、遠心力が働き、センターラインをはみ出したり、ガードレールに接触するなどして、事故につながる危険性が高くなります。そして、カーブを曲がりながらブレーキを踏むと、クルマが不安定になりやすく、場合によっては、スリップなどを起こすことがあります。カーブの手前で、しっかり減速しておきましょう。
また、狭い坂道で、上りのクルマとすれ違う場合は、基本的に上りの方が優先です。下りの側は、一時停止して道を譲るようにしてくださいね。
【オートマ車の坂道発進】1月26日(水)放送分
きのうは、「下り坂」での注意点についてお話ししましたが、今朝は「上り坂」についてです。
「上り坂」での運転といえば、まず坂道発進を思い浮かべる人、多いんじゃないでしょうか?
ただ、この坂道発進が難しいのは、なんといってもマニュアル車ですよね。以前は、クラッチをうまくつなげず、ズルズルと坂道で後退するクルマを見かけたものですが、最近では、ほとんど目にする機会がなくなりました。
今大半を占めるオートマチック車の場合、クリープ現象でクルマが常に前に進もうとするので、
アクセルを軽く踏めば、後退せずに坂道発進することができます。
ただ、急勾配の上り坂の場合、クリープ現象の力より、後ろに下がろうとする力の方が、強く働くケースもあります。そんな時には、まずサイドブレーキをしっかりと引いて、クルマが後退しないようにします。そしてアクセルを踏み込んでいき、エンジン音が変わってクルマがガクンと振動すれば、後ろに下がる力より、前進する力の方が強くなったという合図。サイドブレーキを徐々に戻して発進しましょう。
また、坂道で下がるクルマが少なくなったとはいっても、上り坂で、信号待ちや渋滞などで停車する時は、念のため、前のクルマとの車間距離をあけて停まるようにしてくださいね。
【長い下り坂ではエンジンブレーキを併用】 1月27日(木)放送分
ところで、長い坂をクルマで下る時、フットブレーキだけに頼らず、エンジンブレーキを併用するよう、よく言われますよね。みなさんは、それがどうしてかご存知でしょうか?そこには、二つの理由があります。
一つは、ブレーキに発生する「フェード現象」です。フットブレーキを踏むと、ブレーキディスクとブレーキパッドが接触して、摩擦熱が発生します。しかし、これがあまり長時間になると、ブレーキパッドが許容できる温度を越えてしまうんです。そうなると、ブレーキパッドの摩擦係数が急に低下して、ブレーキの効きが悪くなってしまいます。これが「フェード現象」です。そして二つ目の理由が、「ベーパーロック現象」です。こちらはフットブレーキをかけ続けることで、その摩擦熱が、ブレーキペダルの力をブレーキパッドに伝えるブレーキオイルへと伝わっていきます。ただ、それがあまりに高温になると、ブレーキオイルが沸騰して、中に気泡が発生してしまうんです。こうなると、ブレーキペダルを踏んだ力が気泡をつぶすことに使われてしまうため、ブレーキパッドを押す力とならず、ブレーキが効きにくくなります。これが「ベーパーロック現象」です。
坂道でブレーキが効かなくなることほど、怖いことはありません。そんな事態になるのを防ぐために、長い坂を下る時には、低めのギヤを使い、エンジンブレーキも併用しながら走ることを、心がけてくださいね。
【坂道でAT車がエンスト?】1月28日(金)放送分
今週お送りしているテーマは、「坂道でのポイント」です。
ご存知の通り、坂道では重力の働きで、上り坂なら後ろ方向、下り坂なら前方向に進む力が働きますよね。これによって、意外なことが起こる場合があるんです。それが、オートマチック車のエンストです。その原因となるケースが、「クルマが進む方向」と「シフトレバーの位置」が合っていないときです。
例えば、上り坂にいる時、Dレンジのまま勾配を利用してバックしようとしたり、反対に下り坂で、Rレンジのまま前進させたりすると、エンジンへの負担が大きくなり、オートマチック車でも、エンストを起こすことがあります。
理由がはっきりしているエンストは、機械的にはそれほど大きな問題ではありませんが、ただ、事故につながる危険性があります。というのも、エンジンが止まると、パワーステアリングが作動しなくなって、ハンドルが重くなったり、ブレーキをアシストする機能がストップして、ブレーキがとても重くなったりします。坂道でそんな状態になると、クルマをコントロールできず、前後のクルマにぶつかったり、ガードレールに接触したりする恐れがあります。
ということで、特に坂道でのシフトレバーの操作には、十分注意してくださいね。
「坂道でのポイント」ぜひチェックして、ワンダフルドライブ、楽しんでくださいね!