2022/12/2 UP!
「交通事故」は、ここ数年、減り続けているとはいえ、昨年も全国で30万件以上発生しました。事故のケースは、状況によりさまざまありますが、中でも、被害や周囲への影響が大きいものの一つが、踏切事故ではないでしょうか。それだけに踏切では、十分な注意が必要です。
そこで今週は、「踏切に注意」をテーマに、事故を防ぐための注意点などを、お伝えしていきたいと思います。
【踏切を通過する際の基本】11月28日(月)
初回の今朝は、踏切を通行する時の基本について、改めてチェックしておきましょう!
まず踏切を通過する時には、停止線やその直前で必ず一時停止し、場合によっては窓を開けるなどして、目と耳で安全を確認しなければいけません。前のクルマに続いて通過する時でも、ちゃんと一時停止を行い、安全確認をしてくださいね!このとき、警報器が鳴り始めていたり、遮断機が下り始めていたりするのに、強引に進入するようなことは、絶対にしてはダメですよ。
そして踏切に進入する前に、必ず確認しなければいけないのが、渡った先に、自分のクルマが入れるスペースがあるかどうかです。前が混雑しているのに無理に渡ると、踏切の中で立ち往生することになり、大変危険です。マニュアル車の方は、途中でのエンストやスリップを防ぐために、「1速」のまま、変速しないで一気に通過するようにしましょう。
また、歩行者や対向車に十分注意して、落輪しないようにやや中央寄りを通ることも、大切なポイントですよ!
【踏切に閉じ込められたら】11月29日(火)
もし踏切を渡っている途中に、遮断機が下りて、中に閉じ込められてしまったら、みなさんはどうしますか?
もちろんそうなったら、速やかに脱出しなければいけませんよね。
クルマが動かせる場合、ぜひ試して頂きたいのは、そのまま前進して、遮断棒をゆっくりクルマで押すことです。遮断棒はクルマで押しても折れずに、根本から斜め上に曲がるようになっているものが多く、クルマで押し切れば、脱出することができます。でも、「遮断棒が折れたらどうしよう・・・」とか、「クルマに遮断棒が当たって、キズが付くのがイヤ・・・」など、この状況で、そんなことを考えている猶予はありません。また、もしそうなったとしても、電車と衝突する損害と比べると、費用ははるかに安く済むはずです。列車との衝突を避けることを最優先に考えましょう。
もちろん、踏切の中に閉じ込められないようにするのが一番大切です。警報が鳴り始めたら、踏切には絶対に進入しないでください。また、前方が混雑している場合など、渡り切った先に、自分のクルマが入れるスペースがない場合も、踏切に入ってはいけませんよ。
踏切には、渡りきるまでに距離のあるものや、ふたつの踏切が連続していて、その中間に停止ゾーンがあるものなど、見極めが難しいものもあります。
決して無理はせず、しっかり安全を確かめてから、渡るようにしてくださいね。
【踏切で動けなくなったら】11月30日(水)
遮断機が下りて、踏切に閉じ込められてしまった場合の対処法は、列車との衝突を避けることを最優先にできれば車を前進させて脱出すること、とご紹介しましたが、踏切では、落輪したり、故障したりして、まったくクルマが動かせなくなってしまうこともあり得ます。
そんな時、まず何より先にしなければいけないのが、警報器付近に取り付けられている非常ボタンを押して、列車の運転士に、危険を知らせることです。
ところが、このボタンを押すことに、強く抵抗を感じる人が少なからずいるようです。でも、ぐずぐずしている余裕はありません。場所によっては、遮断機が下りてから、15秒ほどで列車が来ることもあるといいます。列車はすぐには止まれませんから、一刻も早く、行動に移すことが大切です。
ただボタンを押したからといって、踏切より前で、列車が必ず停車できるとは限りません。ボタンを押したことで安心して、踏切に入ったり、クルマに戻ったりすることは、絶対しないでくださいね。そして非常ボタンを押したら、そのボタン付近に表示されている連絡先へ、電話するようにしましょう。
ちなみに、もし踏切に非常ボタンがない場合は、クルマに積んである発炎筒を使って、列車に危険を知らせるようにしてください。もちろんその時も、踏切や線路の中にいてはいけませんよ!
【踏切で他にも気をつけたいこと】12月1日(木)
今週お送りしているテーマは、「踏切に注意」です。
列車との事故防止に加え、踏切を通過する時には、他にもいろいろ気をつけなければいけないポイントがあります。
まず踏切は、クルマだけでなく、多くの歩行者や自転車も行き交います。中には、踏切を斜めに横断する人も少なくありません。クルマで通過する時は、歩行者や自転車の動きに、よく注意するようにしましょう。もし、歩行者や自転車が多くて混雑している場合は、先に渡ってもらい、踏切の中がすいてから、通行するようにしてくださいね。また踏切の幅が狭く、対向車とすれ違うのが難しい場合にも、踏切の手前で停止して、対向車が通過してから進むようにしましょう。譲り合いの気持ちが大切ですよ。そして、踏切のレールの部分は、ご存知の通り、鉄で出来ています。雨や雪の日は、スリップしやすいので、スピードを出し過ぎたりしないように気を付けてください!
最後に、踏切を通過する道路は、線路に向かって、小さなのぼり坂になっていることがあります。そうした場所で、夜間踏切待ちをしていると、下向きのロービームでは、対向車に真っすぐライトが当たってしまうことがあるんです。夜間の踏切待ちでは、対向車のドライバーさんを眩惑しないよう、ヘッドライトを消すなどの配慮をお願いします!
【踏切の警報器は故障するかも】12月2日(金)
テーマは、「踏切に注意」です。
28(月)にもご紹介しましたが、踏切を通行する時には、一時停止して、安全確認をしてから渡るのが、交通ルールです。
しかし今や、ほとんどの踏切に警報器や遮断機が付いていますから、「警報器が鳴っていないなら、大丈夫なんじゃない?」と、減速だけして、踏切を渡ってしまうクルマをよく見かけます。ただ、この踏切の警報器、100%信じていいんでしょうか・・・?
実は去年の6月、大阪府堺市で、こんなことがありました。南海電鉄高野線で、急行電車が、遮断棒が上がったままの踏切を通過し、その直後、緊急停止したというんです。これは電車の接近や通過を検知する装置が正常に作動していなかったのが原因。
電車の運転士は、踏切のおよそ100メートル手前で、横断しているクルマに気がつき、警笛を鳴らして非常ブレーキをかけたそうです。しかし結局停止できたのは、踏切を60メートルも通過した後でした。
もし後続車がいれば、事故になっていたかもしれませんね。
こうした踏切装置の故障は、そう起こることではありませんが、過去にも例がない訳ではありません。
ということで、踏切の手前では、やはりちゃんと停止して、目視で、そして見通しが悪ければ音も聞いて、安全確認を怠らないことが大切ですね。
今週は、「踏切に注意」をテーマにご紹介しました。
踏切での事故は周囲に大きな影響や被害を与えます。通行するときは充分注意して、ワンダフルドライブ、続けてくださいね。