2023/5/19 UP!
今年4月1日、自転車に乗る時に、ヘルメットの着用が努力義務になったのは、皆さんもご存知だと思います。どうして、自転車でもヘルメットをかぶらなければいけないかといいますと、それだけ自転車での死亡事故が多いからです。自転車事故でヘルメットを着用していない場合の致死率は、着用している場合と比べて2倍以上も高くなったというデータが、近年ではあるんです。
もちろん、クルマのドライバーさんは、そうした自転車を保護し、事故を防止する義務があります。
そこで今週は、「自転車に注意」をテーマに、さまざまな注意点などをご紹介していきたいと思います。
【自転車との出会い頭の事故に注意】5月15日(月)
ところで、自転車とクルマの交通事故で、目立って多いのはどんな状況の事故か、ご存知でしょうか?
それは、「出会い頭の事故」で、実に半数以上を占めています。
特に注意しなければいけないのが、信号機のない交差点です。
住宅街には見通しの悪い交差点がたくさんあって、そこから自転車が飛び出してくることが、よくあります。そのため、「一時停止」の標識や道路標示がある場合は、必ず止まって安全確認をしなければいけません。
では、そうしたものがない交差点では、そのまま通過していいのでしょうか?
もちろん、そんなわけはありませんよね!徐行するなどして、必ず安全を確認するようにしてください。また住宅街には、丁字路がいくつも続いている道路があります。その多くも、見通しの悪い危険な交差点なので、十分にスピードを落として、走行するようにしてくださいね!
【5月・6月は高校1年生の自転車に注意】5月16日(火)
4月は、小学1年生が入学したばかりで、歩行中の子供の事故が増える時期です。一方、5月・6月は、特に高校1年生の自転車事故が多くなる、ということを、皆さんはご存知だったでしょうか?
これは、「自転車の安全利用促進委員会」が2017年5月に公表した、「中高生の自転車事故実態調査」で判明した内容です。そのデータによりますと、2015年に発生した、高校生の通学時の自転車事故のうち、およそ半数が高校1年生の時に起きているんだそうです。さらにそれを月別で見ると、「5月・6月」が他の月に比べて1.4倍と、目立って多かったといいます。
でもどうしてこの時期、高校1年生の自転車事故が多くなるんでしょうか?まず高校生は、中学生と比べると、通学路が長距離になる傾向があります。そのため高校生になって、初めて自転車通学をするという人や、距離が中学の時より長くなったという人も多いでしょう。ただ4月は、まだ緊張感をもって走っていたものの、5月・6月になって慣れてくると、注意不足を招く上、危険な場所もまだよくわかっていないため、事故を起こしやすくなると考えられるそうです。
そうした事故の発生場所としては、センターラインや歩道のない裏道交差点での割合が最も高く、そのおよそ9割が、クルマとの出会い頭の衝突なんだそうです。
そこでドライバーさんは、特にこの時期、裏道の交差点などでは、「自転車が飛び出してくるかもしれない」…と考えて、徐行するか、一時停止するなどして、十分に安全確認するようにしてくださいね!
【自転車との意識のギャップを理解する】5月17日(水)
クルマを運転している時、ヒヤリとさせられることが多いのが、「自転車の無謀な運転」です。
自転車は道路交通法では軽車両に分類され、いわば「クルマの仲間」です。それだけに本来なら、様々な交通ルールがあるのですが、それが守られていないケースが多いようです。
実際、警察庁の統計によりますと、2022年中に発生した自転車に乗っている時の交通事故で、死者の78.0%、負傷者の63.6%で、自転車の側にも何らかの法令違反が認められたそうです。
ただ、残念ながら自転車に乗っている人の多数は、「車両」を運転しているという意識が低く、安易な行動を取りやすい傾向があります。例えば、一時停止の標識が自転車側に出ていたとしても、停止線で止まらずに出てくるケースが多くなっています。
でも、ルール違反をしたのが自転車だからといって、それで交通事故を起こしていい、仕方がない、というワケは勿論ありません。自転車に乗っている人は、事故になると大きなダメージを受け、死亡したり、重傷を負ったりしやすいものです。そこでドライバーさんは、自転車側との意識のギャップを理解し、「自転車は止まらないかもしれない」という前提で危険予測をして運転することが大切なんです。
クルマには、自転車を保護し、事故を防止する義務があります。ルールを守らない自転車に対して思うところはあるかもしれませんが、その動きに十分注意を払い、事故防止に努めてくださいね!
【自転車への追突に注意】5月18日(木)
クルマと自転車の事故にもいろいろな形がありますが、中でも死亡事故が最も多いのが、追突事故なんだそうです。特に、昼間と夜間で比べると、追突による死亡事故は、圧倒的に夜間に多いといいます。
その原因としては、自転車側からすると、後ろから接近してくるクルマに気付かず、避けることもできないままに追突され、死亡事故に至っていると考えられます。
逆にクルマからすると、自転車は見落としやすいという事情もあるようです。
さらに、自転車のなかには、夜間走行に備えて、後部に点滅ライトを付けたものもありますが、ほとんどの場合は、泥除けカバーとペダルの所に、小さな反射器材が付いているだけです。ただこの反射器材、遠くからではよく見えないことも多く、発見しにくいようですね。そんなこともあって、クルマのドライバーさんは、追突する直前まで自転車に気づかず、減速しないまま衝突して死亡事故に至ることが多いようです。
そこで、そんな追突事故を防ぐためには、特に夜間であれば、極力ライトを上向きにして、早めの発見に努めましょう。そして自転車を発見したら、自転車との間隔を十分にとって、慎重に追い越すようにしてください。
また自転車は、駐車車両などの障害物をよけるため、道路の中央に出てくることがあります。自転車の前方の状況にも目を配り、進路変更など、その動きを予測した運転を心がけましょうね。
【雨の日の自転車に注意】5月19日(金)
「自転車に注意」をテーマにお送りしてきた今週の、「千葉トヨペット レガーメ・ワンダフル・ドライブ」ですが、いよいよ梅雨の季節がやって来ますね。
雨の日には、自転車を利用する人は減るものの、それでもゼロということにはなりません。ただ、雨の日の自転車の運転は、さまざまな危険を伴いますので、近くを走るクルマも、十分に気をつけたいものです。
雨の日、自転車に乗っている人が事故に遭う場合、その原因は大きく分けて2つあります。
1つは、傘を差したり、カッパを着たりすることで、左右の視界が遮られ、近づいて来るクルマに気が付かなかったり、気が付くのが遅れたりするためです。そして、もう1つの原因が、自転車のブレーキが、雨に濡れると効きが悪くなることです。そのためいつもの調子でブレーキをかけても、思ったように止まれず、クルマなどに衝突してしまうことがあります。
ということで、雨の日に運転していて、傘を差したり、カッパを着ている自転車を見かけたら、クルマの接近に気づいていないかもしれない、と考えた方がいいでしょう。また、交差点に近づいて来る自転車は、止まり切れずに飛び出してくる可能性もあると想定して、スピードを落とし、その動きに注意を払うようにしてくださいね。
今週は、「自転車に注意」をテーマにご紹介しました。