2025/6/20 UP!
高速道路での逆走車は年々増える傾向にあり、周りのクルマを巻き込んだ事故も多発しています。そこで今週は、社会問題となりつつある「高速道路での逆走」をテーマに、さまざまなポイントなどを取り上げていきたいと思います。
【逆走はどのぐらい発生しているのか】6月16日(月)
まず、逆走ってどのぐらいの頻度で発生していると思いますか?
2015年から2023年に、全国の高速道路で、逆走によって事故になったり、逆走車が確保されたりした事案を集計した結果によりますと、平均して2日に1回以上、発生しているんだそうです。その内、事故になっているのは毎年40件程度だといいます。
こうした逆走による事故では、死亡事故となる割合も高くなっていて、高速道路での事故全体に比べて、およそ38倍も高いといいます。それだけ逆走が、命にかかわる危険な行為だということが分かりますね。
では、こうした逆走をする人は、どのぐらいの年齢層が多いんでしょうか?
リスナーさんの中には、年配の方々に多いのでは、というイメージが、ひょっとしたらあるかもしれませんね。そこで、2023年の統計を見てみますと、65歳以上の高齢者が、全体のおよそ7割を占めていました。確かに高齢者による逆走が多く発生しているんですが、それだけではありませんよ。30歳から65歳未満が23%、30歳未満も9%となっていて、高齢ドライバーだけでなく、若い年代も逆走していることが分かります。
若い方も、逆走を決して他人事と思わずに、日頃から十分注意してくださいね!
【逆走車に備える】6月17日(火)
今週は、「高速道路での逆走」をテーマにお送りしています。
きのう、高速道路で多くの逆走が発生していることをご紹介しました。では、いつやって来るか分からない逆走車に対して、ドライバーさんはどんなことに注意したらいいのでしょうか?
まず高速道路では、逆走車が発生すると、電光掲示板やハイウェイラジオで知らせてくれます。そうした注意喚起を見のがさないように、十分気を付けましょう。
逆走車が発生したことが分かったら、近くにサービスエリアやパーキングエリアがあれば、一旦そこに入って、逆走車をやり過ごすのが一番安全です。しかしそうした場所がない場合は、まず速度を落として走行します。速度が速いと、逆走車に遭遇した時に、接近するまでの時間が余計に早くなります。万一衝突すれば、それだけ衝撃も大きくなりますからね。
また逆走車は、自分は左端の走行車線を走っているつもりで、中央寄りの追越車線を逆走してくることが多いそうです。そのためできるだけ、左寄りの走行車線を走る方が安全です。
そして、車間距離を開けておくことも大切ですよ。十分な車間距離がとれているほうが、逆走車を見つけやすくなります。さらに、インターチェンジの出入口付近は、突然逆走車が出て来ることがありますので、注意しましょう。
【実際に逆走車に遭遇したら】6月18日(水)
きのう、高速道路を走行するとき、逆走車に備えて心がけた方がいいことを取り上げました。では、もし実際に逆走車を発見したら、どうすればいいんでしょうか?
まず、前方や周囲のクルマの動きに違和感を覚えたら、「まさか逆走車?」などと考えているヒマはありません。すぐに「逆走車かもしれない!」と考え、対処するようにしましょう。
そして逆走車を確認したら、後続車などを確認したうえで、車の速度を落とすためブレーキを踏みます。減速して逆走車と衝突するまでの時間を稼ぐと同時に、たとえ衝突したとしても、被害を軽減することができますよ。またブレーキランプが点灯することで、後続車にも異常があったことを知らせることができます。
逆走車が同じ車線を走ってきている場合は、左側の車線に移ります。
この時は、路肩や路側帯でも構いませんよ。もし、左側の車線に他のクルマがいて車線変更できない場合は、さらにブレーキを踏んで、そのクルマを先に行かせ、その後につくようにしましょう。
それでも車線変更が難しい場合は、何とかして正面衝突は避けなければいけません。走っている車線内でクルマをなるべく左端に寄せるなど、少しでもクルマを左に向けます。日本では非常時、とっさにハンドルを左に切る人が多いので、逆走車も左にハンドルを切ってくれれば、ギリギリ回避できるか、軽い接触で済む可能性があります。
みなさん、最後まであきらめてはダメですよ。
【高速道路を逆走しないためには】6月19日(木)
きのうまで、逆走してくるクルマについての対処を中心にお話ししてきましたが、今朝は、自分自身が高速道路で逆走しないためにはどうするべきか、取り上げてみたいと思います。
まず、高速道路で逆走してしまう原因の一つとして考えられるのが、一般道から高速道路に乗ろうとするとき、間違って出口から入ってしまうことです。また、サービスエリアやパーキングエリアから出る時、出口と入口を間違えて、逆走してしまうケースもあります。
そこで大切なのは、手前にある進入禁止の標識や、進行方向を示す矢印などを見落とさないことです。
また、本線上を走っていて、目的の出口を通り過ぎたり、行先を間違えたりしても、絶対にバックやUターンはしないでください。例え少しだとしても、これも立派な逆走です!
そんな時には、次のインターチェンジまで行って、一般レーンのスタッフに申し出れば、高速道路を下りずに戻る方法を案内してくれます。これは「特別転回」という方法で、料金についても、間違えて走行したところは徴収されず、目的のインターチェンジまででOKです。ただ、一部のインターチェンジでは構造上、「特別転回」が出来ないケースがありますので、その際は、ご了承ください!
【高速道路を逆走した時は?】6月20日(金)
きのう、みなさん自身が逆走しないためのポイントを取り上げましたが、もし気付かないうちに、自分が逆走していたら、どうしますか?今朝は、そんな「もしも」の時の対処法について、チェックしておきましょう。
高速道路などを走行していて、中央分離帯が左にあったり、目の前に見える案内標識や規制標識の裏面が見えたりしている場合、逆走していると考えられます。
そんな時は、まず路側帯など、安全な場所に停止してハザードランプを点灯させます。この時、わざわざクルマの向きを直す必要はありませんよ。路上でUターンしたり方向転換したりする行為は、みなさんが考える以上に危険ですからね。
続いて、ガードレールの外側など安全な場所に避難してください。
クルマの中にとどまったり、クルマの周囲をウロウロしているのは、大変危険です。そして、携帯電話で110番や道路緊急ダイヤル#9910、または設置されている非常電話で、逆走したことを通報するようにしてくださいね。
今週は、「高速道路での逆走」をテーマにご紹介しました。