2021/9/3 UP!
今週水曜日、9月1日は、「防災の日」ですね。
「防災の日」は大正12年に発生した関東大震災にちなんで制定され、「災害についての認識を深め、これに対処する心構えを準備する」日とされています。そこで今週の「千葉トヨペット レガーメ・ワンダフル・ドライブ」は、「クルマと防災」というテーマでさまざまなポイントをご紹介していきます。
【地震が起きた時の避難】8月 30日(月)放送分
皆さんは運転中、もし大地震が発生して避難しなければならないような時、どうやって避難しますか?そこには、大切なポイントがあります。それは、クルマを運転中でない限り、クルマに乗って避難しないということです。
東日本大震災の時もそうでしたが、大地震の後は、ただでさえ交通が混乱します。そこへ避難するクルマが一斉に加われば、渋滞がさらにひどくなります。そうなると、救急車や消防車といった緊急車両が通行できなくなってしまい、被害への対応がどんどん遅くなってしまうんです。さらに、家屋の倒壊や落下物などによって、クルマではスムーズに行動できない事態も起こります。その結果、身動きが取れなくなり、かえって避難が遅くなるため、災害に巻き込まれる可能性が増していきます。避難には、クルマを使わないようにしましょう。
そうした中で、例外とされているのが、津波から逃げるためにやむを得ないケースです。その場合も、道路が損壊していたり、停電で信号機が停まっていたりすることがあります。また、道路上に落下物などの障害物があるかもしれません。どうしても走行しなければいけない場合は、道路状況を見極めて、最大限の注意をしながら退避をお願いします。
【運転中に大地震が発生したら】8月 31日(火)放送分
大地震が発生した時は、クルマの運転中や、津波から逃げる場合を除いて、クルマで避難してはいけない、というお話をしました。では、クルマで移動中に大きな地震が起きたなら、一体どう対処したらいいんでしょうか?
まず、急ハンドルや急ブレーキを避け、できるだけ安全な方法で、路肩にクルマを停車させます。そして揺れがおさまるまで、外には出ず、そのまま車内で待機しましょう。続いて、ラジオなどで地震情報を確認し、その情報や周囲の状況を見て、次の行動を決めます。やむを得ず運転を続ける場合は、道路の破損や障害物、停電による信号機の停止などに十分注意してくださいね。
一方、クルマを置いて避難する場合は、道路の外、またはなるべく左に寄せて停車します。クルマを離れる時は、エンジンを切ってサイドブレーキを掛けますが、ドアロックはせず、キーも挿したままにしておきましょう。スマートキーの場合は、内蔵されているメカニカルキーを自分で保管し、本体はダッシュボードの上など、クルマの目立つ場所に置いておきます。これは緊急車両などの通行の邪魔になった時に、移動できるようにしておくためです。余裕があれば自分の連絡先を車内に残し、車検証を持ち出すようにします。そして何より、落ち着いて行動するようにしてくださいね。
【津波の後は車両火災に注意】9月 1日(水)放送分
2011年の東日本大震災では、揺れそのものはもちろん、太平洋沿岸各地を襲った津波が、被害をさらに大きくしたのは、みなさんもご存知の通りです。さらに、この津波の影響により、至るところである現象が発生して、被害が拡大しました。それが、車両火災です。
水没したクルマから火災が発生するなんて、ちょっと不思議な感じもしますが、実は、珍しいことではないそうなんです。海水は、ご存知の通り塩分を含んでいるので、電気を通しやすい性質があります。そのため、水没したクルマのライトや電気系統から漏電し、火災の原因になってしまうというんです。
JAF・日本自動車連盟では、そんな津波で冠水したクルマの取り扱いについて、いくつかのポイントを呼び掛けています。まず、いきなりエンジンキーを回したり、スタートボタンを押したりしないでください。電気が通ることで、火災に結びついてしまいます。そして、ボンネットを開けて海水に浸かっているようなら、火災防止のために、バッテリーのマイナス側の端子を外します。外した端子は、バッテリーと接触しないように、ビニールテープなどを巻いて絶縁しておきましょう。これで火災対策はOKです。ただし、ハイブリッドカーや電気自動車は感電の危険性があるので、むやみにさわらず、カーディーラーなどへ連絡するようにしてくださいね。
【大地震の時にはシートベルトも大事】9月 2日(木)放送分
交通事故が起きたとき、私たちの命を守ってくれる大切な命綱・シートベルト。実は、大地震が発生したときにも、このシートベルトは、とても重要なんですよ。
というのも、2011年の東日本大震災の時、震源に近い地域では、地震が発生した際、まるでトランポリンでクルマが弾んでいるかのような強い揺れと衝撃を感じたといいます。そんな揺れの中では、どんな事故が起きるかわかりませんよね。それに、緊急地震速報が流れると、「エ~ッ! 大きな地震が来るかも!?」と緊張して、つい運転操作を誤り、事故へとつながる可能性もあるでしょう。シートベルトは、そんな地震が原因で起こる事故から、身を守るために欠かせません。ただし、地震の発生を予測することはできませんので、家具などの転倒防止と同じく、日頃から装着していないと意味がありませんよ。
また、万一、大地震によって事故に遭った場合、シートベルトが外れなくなったり、ドアが開かなくなって、車内に閉じ込められることもあります。そんな場合に備えて、シートベルトカッターや窓ガラスを割るための非常用工具を備えておくと安心です。普段からの小さな心がけが、もしもの時にあなたの命を守ります。
普段からシートベルトは、必ず装着するようにしてくださいね。
【給電システム】9月 3日(金)放送分
今週は、「クルマと防災」をテーマにお送りしてきましたが、最終日は災害時のクルマの利用法のひとつ「給電システム」をご紹介します。
大地震などの災害が発生した時、その後の生活で困る事態の一つが、停電によって電気が使えなくなることです。そうなれば、当たり前の日常生活さえ送れなくなってしまいます。そんな時に、電源プラグを差し込むと電気を取り出すことができるクルマがあるのを、皆さんはご存知でしょうか?これは給電システムというもので、例えばトヨタでは、ハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー、電気自動車など、対応車種はどんどん増えていて、消費電力が400ワットなら、およそ4.5日分の電力供給が可能だといいます。
この給電システムには、2つのモードがあります。1つは、クルマが走行時でも停車時でも給電可能なもので、トヨタでは「アクセサリーコンセント」と呼んでいます。もう1つは、走行機能を停止した状態で給電するもので、こちらは、「非常時給電システム」と呼ばれています。車種によっては、両方を備えたものや専用のコネクターが必要なものもあります。災害の時はもちろん、アウトドアでも活躍する給電システム。新車を購入される際には、対応車種を検討してみてはいかがでしょうか。