2021/10/8 UP!
クルマ同士の交通事故には、いろいろなものがありますが、みなさんは、どんな事故が一番多いと思いますか?2020年の交通事故の発生状況をまとめた
警察庁の統計によりますと、一番多かったのは「追突」で、9万5520件。
これは全体のおよそ36.6%を占めています。次いで、「出会い頭」が7万9363件で、およそ30.4%、そして、「右折時」の2万7091件が、およそ10.4%と続きます。つまり、クルマ同士の事故で最も多いのは「追突」。
そこで今週は、「追突事故を防ぐ」をテーマに、さまざまな注意点などを取り上げていきたいと思います。
【わき見運転をしない】10月4日放送分
追突事故を起こす原因として、何より注意しなければならないのが、わき見運転です。道路脇の店や看板に目を奪われたり・・同乗者との会話で横を向いていたり・・・。そして、近年大きな問題となっているのが、携帯電話やカーナビなどを操作していて起こる、いわゆる「ながら運転」です。
本人は、ほんのわずかな時間と思っても、クルマはその間に、意外と進んでいるもの。例えば、クルマが時速60キロで走行しているとき、1秒間に進む距離は、およそ17メートル。2秒間なら34メートル、3秒間なら51メートルも進むことになります。わき見運転は、その間、目をつぶっているのと変わりません。その危険性をよく認識して、みなさんもハンドルを握ったら、どうぞ運転に集中してくださいね。
【追突を防ぐために大切なこと】10月5日(火)
今週のテーマは、「追突事故を防ぐ」です。
きのう、わき見運転の危険性についてお話しましたが、その他にも注意しなければいけないことが、色々あります。例えば、「漫然運転」もその一つです。
これは「ぼんやり運転」などとも言われますが、ぼんやり考え事をしながら運転をしている状態です。もちろん、他のことを考えながら運転すること自体、法律にとがめられることではありません。しかし、他のことにとらわれすぎるあまり、運転がおろそかになるのは問題です。特に渋滞中など、前のクルマが停止したことに気が付かず、追突してしまう原因となります。また、疲れている時や病気の時、心配事がある時などにも、注意力が散漫になりやすくなります。このようなときは、運転を控えるか、体の調子を整えてから運転するようにしましょうね。
そして運転中、注意を払うのは、すぐ目の前を走っているクルマだけではありませんよ。2、3台前や、隣の車線のクルマの状況まで、常時確認しておくことが大切です。というのも、前方のクルマの前に、隣の車線からの割り込みがあったりすれば、前方のクルマが急に減速することが考えられますよね。周囲の状況を常に見ていれば、そんな時に、早めに減速して追突を防ぐことができる訳です。
追突事故は、主に油断が引き起こします。「走行しているのは自分だけではない」ということ、みなさん、くれぐれも忘れないでくださいね。
【十分な車間距離】10月6日(水)
追突事故を防ぐために、とても有効な対策があるんですが、みなさんはご存知ですか?
その方法は、いたって簡単!そう、車間距離を十分に取ることです!
十分な車間距離がとれていれば、前のクルマが、仮に急ブレーキをかけたとしても、止まったり、避けたりするための時間的な余裕が生まれます。
では、どのぐらいの車間距離を取ればいいんでしょうか?この車間距離を考えるときオススメなのが、前のクルマが通過した場所を、自分が何秒後に通過するかをみる、「車間時間」でチェックする方法です。その方法で、近年よくいわれているのが、一般道で、2秒以上あける「2秒ルール」です。ただ、普通に「1、2」と数えてしまうと、大抵早すぎてしまいます。そこで「ゼロ、イチ、ゼロ、ニ」と数字の前にゼロをつけて、ゆっくり数えるようにするのがいいそうですよ。そうすれば、ゆとりのある2秒以上の車間時間を取ることができるはずです。
狭すぎる車間距離は、危険を増大させるほか、前のクルマに、あおり運転を思わせる余計なプレッシャーを与えることにもなり、なんのメリットもありません。みなさんも、ぜひこの機会に、ご自身の車間距離が近すぎないか、確認してみてくださいね。
【追突されない運転】10月7日(木)
運転中に、前のクルマへ追突しないためのポイントをお話してきました。では、自分が追突されないようにするには、どうしたらいいんでしょうか?
「後ろのクルマに気をつけてもらう」しかないようにも思えますが、実は、いくつかのポイントを注意することで、ある程度、追突されるのを防ぐことができます。
まず基本中の基本は、急ブレーキをかけないことです。そして、右折や左折をするときや、道路脇に停車するときなどは、ブレーキを踏む前に、必ずウインカーを出して「これから減速する」という意思を、後続車に伝えるようにしましょう。また、赤信号などで止まるときには、早めにスピードを落とすのがポイント。徐々に進みながら止まるようにすれば、追突されにくくなります。
一方、高速道路などで、渋滞によって減速から停車しなければならないことがありますが、渋滞の最後尾に付くのは、実は危険な行為。というのも、スピードの速い後続車に、追突される可能性が高くなるんです。そこで前方に渋滞が見えたらすぐに、ハザードランプを点けてゆるやかに減速を始めましょう。そしてゆっくりと渋滞に近づき、後ろに2、3台クルマが連なっている状態になれば、自分が最後尾にならず、追突されにくくなります。
その他にも、急な進路変更をしないようにするほか、ミラーで後ろの状況を、常に把握しておくことも大切ですよ。
【発進時の追突にも注意】10月8日(金)
今週は「追突事故を防ぐ」をテーマにお届けしてきましたが、走行中に十分な車間距離を取ることはもちろん大切ですが、信号待ちなどで停車したときの車間距離について、みなさんは、これまで考えたことがありますか?実はこれも、思わぬ追突事故を防ぐためにとっても重要なんです。
例えば、こんなシーンを想像してみてください。信号待ちをしている時に、信号が青へと変わる。前のクルマが発進したので、自分もそれに続こうとアクセルを踏みます。ところがその途端、前のクルマが何らかの理由で、急ブレーキをかけて急停止!気付くのが遅れれば、追突を免れないシーンです。走行中だけでなく、こうした発進直後の追突事故が、意外にも多いといいます。
そんな事故を防止するためには、停車中の車間距離を十分に取ることが、何より大事。具体的な距離としては、およそ4メートルから5メートル。クルマ1台分ぐらいのスペースを空けるのがポイントです。追突の危険性は減りますし、前のクルマに、余計なプレッシャーを与えることもありませんよ。
今週の特集は「追突事故を防ぐ」。ぜひチェックして、追突事故を起こしたり、巻き込まれたりしないようにしてください。