2024/7/26 UP!
全国各地で、すでに6月から猛暑日を記録していますが、本格的な夏の暑さは、これからが本番です。暑すぎる気候は、熱中症や脱水症状など、さまざまな悪影響を体に及ぼします。でもそれは、人に限ったことではありません。実はクルマにとっても、いろいろなトラブルの原因になるんです。
そこで今週は、「猛暑でのクルマのトラブル」をテーマに、注意点やその対策など取り上げていきたいと思います。
【ブレーキのトラブル】7月22日(月)
ということで、まず取り上げる「夏場に起こりがちなトラブル」は、ブレーキのトラブルです。特に、熱くなることで、より起こりやすくなってしまう現象が二つあるといいます。
一つ目は長い坂道をくだる時など、フットブレーキを使いすぎることで発生する「フェード現象」。ブレーキディスクとブレーキパッドが摩擦によって加熱し過ぎ、その結果、摩擦係数が極端に低下し、ブレーキが効かなくなる現象です。
もうひとつ、「ベーパーロック現象」は、やはり坂道などでフットブレーキを使いすぎることにより、ブレーキフルードが沸騰して気泡が発生するため、ペダルを踏み込んだ力をブレーキに伝えることが出来なくなってしまう現象です。
どちらもブレーキの熱が関係した現象ですが、暑い日の運転では、元からブレーキ部分の温度が高いうえ、放熱性も悪くなるので、フェード現象やベーパーロック現象がより起こりやすくなるそうなんです。
ということで、特に夏場は、長い下り坂を走行する時は、エンジンブレーキなどを上手に使って、フットブレーキばかり使いすぎないように心がけましょうね。
【バッテリーのトラブル】7月23日(火)
今週は、「猛暑でのクルマのトラブル」をテーマにお送りしています。
今朝取り上げるのは、バッテリーについて。夏はバッテリートラブルが多い季節、というイメージを持っている方、たくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか。でも、バッテリーは寒さには弱いんですが、暑さが直接バッテリーに悪影響を及ぼすわけではありません。
では、どうして夏場、バッテリートラブルが多いかといいますと、それは電力の使い過ぎが原因です。
クルマには、さまざまな電装品がありますよね。中でも電力消費が激しいのが、夏には欠かせないカーエアコンです。しかし空気を冷やすためのコンプレッサーは、主にエンジンの出力によって動いているので、それほど多くの電力を消費しているわけではありません。何が電力を使っているかというと、実は風を送るためのファンなんです。暑さが増すと、ついファンを最強にして使いがちですが、これがバッテリーに負担をかけているんですね。
さらに夏は、レジャーや帰省などで、渋滞に巻き込まれることも多いと思います。そうなるとノロノロ運転になりますよね。当然、ブレーキを度々踏むことになりますが、その度に点灯するブレーキランプも、かなり電力を消費する原因になっているんです。
もちろん、バッテリーが元気な状態なら、多少の無理でも乗り切ることができるでしょう。しかし、何年も使って劣化したような状態では、ちょっとした負担でも、バッテリー上がりにつながります。もう長くバッテリーを交換していないとか、劣化が心配というような方は、この機会にぜひ、カーディーラーなどで、バッテリーの点検・交換を行っておきましょう。
【オーバーヒート】7月24日(水)
「猛暑でのクルマのトラブル」をテーマにお送りしている今週の「千葉トヨペット レガーメ・ワンダフル・ドライブ」。
ところで、暑い夏場に起きるクルマのトラブルというと、昨日のバッテリートラブルにつづき、オーバーヒートを思い浮かべるという方、おそらく多いんじゃないでしょうか。オーバーヒートは、クルマのエンジンが熱くなりすぎた状態のことで、最悪の場合はクルマが動かなくなります。では運転中に、オーバーヒートが発生したら、どうなってしまうのでしょうか?また、その時、適切に対処する方法を、皆さんはご存知でしょうか?
まず、水温計の針が異常に高温を示したり、警告灯が点灯したら要注意。他にも、「スピードが出ない」「エンジンの回転が安定しない」などの症状が出てきたら、オーバーヒートを起こしている可能性があります。すぐに周囲の安全を確認して、他のクルマの邪魔にならない場所に停車しましょう。ただ停車した際に、エンジンを止めてしまうと、冷却ファンなどの冷却機能がストップしてしまうので、すぐにエンジンを切らないようにしてくださいね。
そして、ボンネットを開けて、エンジンルームの風通しをよくします。この時、エンジンルームは非常に高温になっていますので、中のパーツ類に触れることのないよう、十分に注意してください。もしも、冷却ファンが止まってしまっていたり、冷却水が漏れてなくなっていたりした場合は、すぐにエンジンを止めましょう。
オーバーヒートの状況によっては、再度エンジンをかけることもできますが、できればそのままカーディーラーなどに連絡し、原因や経緯を調べたうえで、修理など行うようにしてくださいね。
【ETCカードの破損】7月25日(木)
今週お送りしているテーマは、「猛暑でのクルマのトラブル」です。
炎天下の車内は、エアコンを止めてから、1時間ほどで50度を超え、直射日光が当たるダッシュボードなどでは、70度にも達するといいます。そんな高温に、長時間さらされることもある車内ですから、熱に弱いものを放置するのは、当然、良くありません。そして、その置き去ってはいけないモノの一つが、ETCカードです。
ETCカードを挿したままエンジンを切ると、ETC車載器から「ETCカードが残っています」などと、アナウンスが流れますよね。それでも、つい面倒くさくて、そのまま挿しっ放しにしてしまうという方、リスナーの皆さんの中にも、いらっしゃるかもしれませんね。
ETCカードも、一般的なカード類と同じくプラスチックで出来ていますから、熱には弱いんです。気温が50度を超えた中では、変形してしまう可能性さえあるといいます。さらに、ETCカードに埋め込まれているICチップの部分は、特に熱に弱く、高温になる車内に放置していると、壊れてしまうことがあるんだそうです。
ETCカードが破損した場合には、基本的に再発行が必要です。しかし、再発行となると手間も掛かりますし、場合によっては手数料が生じることもあります。
そういった面倒なトラブルを回避するためには、クルマを降りる際、毎回忘れずにカードを抜き取ることを徹底するのが、一番カンタンかつ確実な対策ですよ。
【タイヤのトラブル】7月26日(金)
「猛暑でのクルマのトラブル」をテーマにお届けしてきた今週ですが、最終日は、タイヤについてお話しておきましょう。近年、夏場にパンクやバーストなど、タイヤのトラブルが急増しているといいます。その原因の一つと考えられているのが、夏の連日の暑さです。
タイヤは、クルマのなかでも、路面に唯一接しているパーツですよね。そのため、強烈な日差しで熱せられた路面からの熱の影響を、最も受けやすくなっているんです。ただ、それだけでタイヤにトラブルが起きる訳ではありません。実はもう一つ、大きな原因と考えられているものがあるんです。それが、空気圧不足です。
タイヤの空気圧が不足すると、路面との摩擦によって熱が発生します。そうして路面とタイヤ、両方の温度が上昇することでタイヤのバーストにつながりやすくなるんだそうです。さらに夏は、熱の影響や強い紫外線を浴びることで、タイヤの劣化も進みやすくなります。すると、タイヤのゴムが硬くなってヒビ割れなどが起こり、バーストやパンクにつながりやすくなるんです。
ということで、突然のタイヤのトラブルを防ぐためには、適正な空気圧を保つように心がけ、タイヤにヒビなど出来ていないか、日ごろからチェックしましょう。そしてダメージが大きいと思ったら、早めの交換を心がけてくださいね。
今週は、「猛暑でのクルマのトラブル」をテーマにご紹介しました。