2020/6/18 UP!
日本を代表するマエストロ、小澤征爾さん。
世界のクラシック音楽界にその名を刻む、偉大な指揮者です。
幼いころからピアノを学んだ小澤さんは、
成城学園中学校でラグビー部に所属しながら、ピアニストを目指していました。
ところが、ラグビーの試合で人差し指を骨折し、ピアノを断念。
音楽家の齋藤秀雄 さんから「指揮」を学び始めます。
桐朋学園卒業後は、海外のマエストロに衝撃を受け、
貨物船でフランスに渡った小澤征爾さん。
すると、いきなりブザンソンの国際指揮者コンクールで1位を獲得。
その後、20世紀を代表する指揮者、カラヤンやバーンスタインに師事し、
1961年、ニューヨーク・フィルの副・指揮者に抜擢されました。
さらにトロント、サンフランシスコ、ボストンの
各交響楽団で音楽監督を歴任し、2002年にはウィーン国立歌劇場の音楽監督に。
また、ベルリンフィル、ウイーンフィルなども定期的に指揮するという、
輝かしい経歴を重ねています。
日本では、恩師である齋藤秀雄さんをしのんで
「サイトウ・キネン・オーケストラ」を設立。
そしてここから、“小澤イズム”を次の世代に引き継ぐプロジェクトへと、
つながっていくのです。
世界の音楽界に多大な影響を与えた指揮者、小澤征爾さん。
その功績だけでなく、若手音楽家の育成に、
力を尽くしたことでも高く評価されています。
1997年、自らが組織したサイトウ・キネン・オーケストラの勉強会から始まったのが、「室内楽アカデミー・奥志賀」。
現在は、アジアの優秀な学生に、世界への門戸をひろげる目的で、
活動しています。
また一方で、実践を通して若い音楽家を育てるための“小澤征爾・音楽塾“も
精力的に展開。
スイスでは、ヨーロッパの音楽学生を対象に、アカデミーを設立しています。
「いい音楽を聞いて、心豊かに育ってほしい」。
「いい音楽を贈れば、必ず子供たちの心に届く」。
そんな思いで国や場所を問わず「子供のための音楽会」を
開いてきた小澤征爾さん。
彼はまた、オムニバス・アルバム
「小澤征爾セレクション 音楽のおくりもの for kids」をリリース。
「カルメン」「白鳥の湖」「結婚行進曲」
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」など、
親しみやすいクラシックを自ら選曲し、入門編として
子供たちから愛され続けています。
CDのライナーノーツには子供たちへのメッセージが記されていました。
「僕は音楽を魔法だと思っている。 だって、音楽はひとりの人の人生だって、
瞬間にして変えることができるんだから。」
今日取り上げたのは、世界的指揮者、小澤征爾さんでした。
♪きょうの選曲♪
『 強い気持ち強い愛 / 小沢健二 』