2020/8/27 UP!
毎週木曜日は、「Daiwa Sakura Aid ダイワ サクラ エイド
〜BLOOMINGブルーミング LIFEライフ〜」!
日本が誇る歴史や文化、芸術の素晴らしさを次の世代に伝えることで、
みなさんの“花咲く毎日”を応援していきます。
ジブリ作品でおなじみの作曲家、久石譲さん。
曲を作るだけでなく、編曲家、指揮者、ピアニストとしても活躍されています。
長野県生まれの彼は、4歳の時からヴァイオリンを習い始めます。
中学では吹奏楽部で、トランペットを担当。
映画好きな父の影響で、年間およそ300本もの映画を見てきたとか。
のちに彼は、そうした経験が、自身の仕事に大きく影響を
与えたと語っています。
国立音楽大学では、作曲科に在籍。
そこで出会ったのが、現代音楽の新ジャンル「ミニマル・ミュージック」
でした。「ミニマル・ミュージック」とは、とても短いフレーズをわずかに
変化させながら繰り返すこと。前衛音楽として、
彼はこの音楽に夢中になりました。
大学在学中からコンサートの楽曲提供・プロデュースを行い、そして1984年。
映画「風の谷のナウシカ」に出会います。
彼の作るミニマル・ミュージックが随所に使われたジブリ作品。
そこから、『風立ちぬ』までの29年間、
すべての長編アニメーション映画の音楽を手掛けてきました。
その音楽は、オーストリアやデンマーク、スイス、フランスなど、
世界のアーティストがサンプリングをするほど・・・。
しかし、久石譲さんはその先を見据えていたのです。
「久石譲=映画音楽と思われるのは心外ですね。映画やCMなどの
音楽制作は、私の音楽活動の中でのひとつの通過点にすぎないのですから。」
現代音楽の作曲、アレンジ、映画音楽など、多彩な才能を発揮する久石譲さん。
ジブリ作品には欠かせない存在となるほか、
北野武さんの監督映画においても、7本の音楽を手掛けています。
1992年からは、3年連続で日本アカデミー賞・最優秀音楽賞を受賞。
ソロとしても、アルバム『My Lost City』や『ETUDE』といった
作品を世に送り出しました。
そして、そんな彼の音楽をこよなく愛するアーティストが、
ラッパーの「KREVA」。
彼は、となりのトトロで流れる「風のとおり道」のコード感や音色が、
自身の音楽のルーツになったと語っています。
また、久石譲さんがメロディーの音色をサンプラーで作ったというエピソードを
聞いて、HIP HOPとの共通点を見いだしたとか・・・
まさに、ジャンルを超えた音楽家からも高い評価を得ている久石譲さん。
こんな風に語っています。
「ジャンルなんて洋服と同じようなものじゃないですか。
着替えるのは簡単。要はそれを着こなす自分自身のスタイルでしょう。
衣装は変わっても自分だけのメロディラインは不変です」。
2014年からは、コンサート・シリーズ
「ミュージック・フューチャー」を開始。
ミニマル・ミュージックやポスト・クラシカルの分野で活躍する、
海外の作曲家の作品を積極的に紹介しています。
さらにコンペティションを開催し、若手作曲家の作品を募集しているとか。
とどまらない、久石譲さんの音楽へのアプローチ・・・。
「音楽」というのは、イコール「生きること」なんです。僕にとってはね。」
今日取り上げたのは、作曲家の久石譲さんでした。