2020/12/12 UP!
NWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル)の勃興は、1979年、ロンドンに住んでいた私の目の前で起こった。
メジャー・レーベルと契約したバンドは数少ない。しかし、インディーズや自主制作盤で活動の糸口を見つけようとしていたバンドは、とにかく純粋にヘヴィメタルを演りたいという気持ちが強く、こちらの感情移入も濃厚になっていった。
1980年、復活したTEN YEARS AFTERなどの著作権を管理する会社が、新人バンドの発掘のために「AVATAR RECORDS」をスタートさせた。
このレーベルからデビューしたCHEVYと、あの名曲”Lady of Mars”で知られる、DARK STARの2組を、そのレーベルのオフィスで取材した。
SAXONの様に、1970年代から活躍していたバンドにもスポットが当たったのがNWOBHMの面白いところで、CHEVYの前身バンドも古くからローカル・クラブ・シーンで活動を続けていた。このバンドの人脈は、ATOMIC ROOSTERやBADFINGER、THE HANDSOME BEASTS等と幅広い。
1980年、元TEN YEARS AFTERのアルヴィン・リー、HAWKWINDとツアーを行い、EMIのコンピレーション・アルバム「METAL FOR MUTHAS VO.Ⅱ」に”Chevy”を提供。
その後、「AVATAR RECORDS」と契約し、シングル・デビュー。
レーベル初のアルバム、レコード番号「AALP 5001」の「THE TAKER」をリリースした。
ツインギターを全面に押し出したサウンドは、WISHBONE ASHのようでもあり、どこかアメリカン・ロックの世界観をも感じさせた。
バンド名はアメリカ車から取られており、昔はBOSTONやSTEELY DANの曲もカヴァーしていたらしい。
「AVATAR RECORDS」のオフィスでのインタビューで、メンバーから驚きの発言があった。
マーティン・キュア<vo>は、あの「VERTIGO LABEL」で1枚のアルバムを残して消えた、STILL LIFEのヴォーカリストだった。
なるほど、叙情的なサウンドなわけだ。
“Skybird”なんて英国版LYNYRD SKYNYRDではないか!
アルバムのアートワークは、あのヒプノシスが手掛けていた!

左から、ボブ・プール<b>、伊藤、マーティン・キュア<vo>、ポール・シャナハン<g>
この3人は、1971年からCUPID’S INSPIRATIONというバンドで活動してきた。