2023/3/5 UP!
映画「零落」の3/17の公開に向け
「クリエーターズ・ファイル」。
今夜は、「零落」の脚本を担当された
倉持裕さんがご登場。
2004年には「ワンマン・ショー」で岸田國士戯曲賞を受賞。
江戸川乱歩の8本の短編を原作にした
「お勢登場」、「お勢、断行」ほか
数多くの舞台、
そしてテレビドラマ「中学生日記」や「13歳のハローワーク」、
映画「十二人の死にたい子どもたち」「アイ・アムまきもと」、
またコント番組「LIFE!〜人生に捧げるコント〜」
などを担当されました。
●倉持さんの人生を変えるような衝撃を受けた漫画は?
「色々あるが、手塚治虫の「時計仕掛けのりんご」。
小学生の頃の漫画で一言で言うなら怖い話ばかりの短編集。
「時計仕掛けのりんご」は、ある山間の小さな町が住民たちが
気づかないうちに外界との連絡が遮断され、
他とは違う内容の新聞が届いたり、外の情報が全く入ってこなくなる。
他の街に行こうとすると戦車がたちはだかり、
実は軍のクーデターに利用されていく・・・という内容。
この短編集に入っている一編「バイパスの夜」は、
深夜のタクシーの車内だけで展開する。
運転手と乗客が無言で乗っているが、
暇つぶしにお互いさっき犯した罪を告白し始める。
それが嘘なのか本当なのか曖昧で、
車内がすごい緊張感に包まれると言う話。
この短編集に共通しているのは、
平和な日常が気づかないうちに暗転していくということ。
それを読んで恐ろしい闇とかダークサイドは、
離れたところにあるのではなく、日常に並走していると感じた。
その感覚は、自分の作品にも影響されている。」