2021/3/28 UP!
◎常田英一朗(プロギングジャパンの代表)
『「楽しい」で環境問題を解決!? 〜SDGsとリンクする新しいフィットネス「プロギング」〜』(2021.3.28)
◎猪熊隆之(山岳気象予報士) 『観天望気で安全登山! 〜雲が知らせる山の危険〜』(2021.3.21)
◎村田あやこ(路上園芸鑑賞家) 『路上園芸〜暮らしを彩り、街を彩る』(2021.3.14)
◎鈴木みき(山好きイラストレーター) 『防災に役立つ登山のスキル』(2021.3.7)
2021/3/28 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、“足元から世界を変える!”プロギングジャパンの代表「常田英一朗(ときた・えいいちろう)」さんです。
常田さんは愛知生まれ。子供の頃から自然が大好きで、滋賀大学在学中はワンダーフォーゲル部に所属。大学4年生のときに2年間休学、海外にも遠征し、山登りざんまい。卒業後、一般社団法人「プロギングジャパン」を設立、1年足らずで100回以上のイベントを開催し、注目されています。
「プロギング」とは、ゴミ拾いとジョギングを合わせた新しいフィットネスで、プロギングジャパン主催のイベントが国内数カ所で開催され、大変人気だそうです。
きょうは常田さんに、プロギングの魅力や、活動を通して伝えたいことなどうかがいます。
☆写真協力:常田英一朗

100カ国以上で楽しまれているプロギング
※ゴミ拾いとジョギングを合わせた新しいフィットネス、プロギングはいつ頃、どこで始まったんですか?
「2016年頃にスウェーデンで始まったフィットネスで、そこからスウェーデンのアスリートが、すごくいい活動だから世界中で真似してみてよ、広げてやってみてよっていうことで、今世界の100カ国以上で楽しまれているフィットネスになります」
●日本では、まだそこまで馴染みがないかなと思うんですけれども、ヨーロッパではすごく盛んっていうことですか?
「そうですね。ヨーロッパを中心にして、中国とかメキシコでも今かなりブームになっているようです」
●ジョギングしながらゴミを拾うっていうのは、結構体力的にきついんじゃないですか?
「そうですね。ガチでやるとかなり息があがります。ただ、プロギング自体はジョギングだけでなくて、ウォーキングも含まれていますので、それぞれの体力に合わせてやっていただければいいと思います」
●プロギングのメリットっていうのは、改めてどんなことになるんでしょうか?
「大きく分けると3つありまして、まず1つ目が高いフィットネス効果です。通常のジョギングよりも1.2倍ぐらいカロリーを消費すると言われていますし、拾い方によってはヒップアップとかダイエットにも効果があったりしますので、とても高いフィットネス効果を持っています。

2つ目が、すごく気持ちがいい。単純に気持ちがいいっていうのが2つ目のメリットになります。
普段生きていて、結構当たり前のことって多いじゃないですか。朝起きて、しっかりご飯食べて、仕事に行って、勉強とか子育てして、で、次の日に備えて。全部やって当たり前だと思うんですけれど、結構大変じゃないですか(笑)。
僕は大変で、こんだけ頑張ってるのになかなか認めてもらえないなーって思う方も多いんじゃないかなと思っていまして、その点、ゴミ拾いはゴミ1個でも拾ったら、ものすごいヒーローになれるわけです。
そこで、お互いに褒めあったりとかしますと、満足感とか自己肯定感が高まってすごく気持ちがいいんですよ。ストレス解消になりますよ、というのが2つ目のメリットになります。
そして3つ目が、ジョギング自体すごく気持ちがいいです。そして社会貢献もとても気持ちがいいということで、プロギング自体が純粋に、ものすごく爽快感があって気持ちがいいフィットネスになります。それを仲間と共有することによって自然と交流が深まる、友達ができるというのが3つ目のメリットになります」
●ゴミを拾うことで結果がすぐに見えるっていうのも気持ちよさそうですね。
「そうなんですよ。拾ったあとには重さを測ったりするんですけれど、すっごく達成感があります」
●常田さんのプロフィールに、“世界一ゴミ拾いを楽しむ人”とありましたけれども、やはり楽しむっていうことが大事なんですね。
「そうなんです! 楽しむということを私いちばん大事にしていまして、私自身は登山が好きで、自然が好きでゴミを拾っていたんですけれど、ただ、やらされてゴミ拾いしてもなかなか続かないですし、多くの方はそれだとゴミ拾いをやらないと思うんです。そこをフィットネスとか、自分のためになるからということで、楽しんでやってもらいたいなと思ってこのプロギングを広めています」

プロギングで観光や町おこし!
※プロギングジャパンでは具体的に、どんな活動をされていますか?
「メインはやはりプロギングイベントの開催です。1つの特徴が、先ほど言ったように、色んないいことがあります。これを基にして色々なイベントとコラボできるというのがプロギングの魅力なんです。
例えば観光ですね。ゴミを拾う時にちょっと裏路地に入ったりするじゃないですか。そうすると地元の方でも知らなかったような隠れた名店を発見できたりですとか、初めて行った土地でも走りながら、ゴミを拾いながら色んなところを見て回れるので観光になります。
商店街でやってイベントっぽくしたら町おこしにもなりますし、親子のイベント、子育てに疲れている親御さんにはストレス解消でやってもらって、お子さんには体感で環境問題について考えてもらうという機会になります。朝活でやるのもそうですし、企業の方から言えば、商品のPRに使ったりですとか、あと変化球でいうと婚活とかもあったりします」
●主な開催場所は、どのあたりなんですか?
「今、主に開催してるのは東京、愛知、京都あたりが多いんですけれども、これからもっともっと広げて日本全国で開催していきたいと思っています」
●大体いつも何人ぐらいの方が参加されているんですか?
「今ちょっとコロナの関係で募集人数を30名〜40名ぐらいに絞っているんですけれども、大体どのイベントでも1週間前には満員になって、応募は締め切りという形でやらせていただいています」
●実際参加された方々からはどんな反響があります?
「今プロギングジャパンのイベントでは大体、全体の6割が今までゴミ拾いしたことないですとか、あんまり興味がなかったという方にご参加いただけているんです。そういう方に聞くと、普段歩いている時には気にならなかったゴミが、改めて見てみると結構、街って汚れているんだねと、気づけたという声が多いですね」
●そうなんですね。ホームページを拝見しましたら、写真も載っていて、皆さんすごくいい笑顔をされていたんですよね。だからやはり達成感とか、楽しみとか、色んな感情が味わえるのかなっていう風に思ったんですけど。
「本当に楽しさだけは誰にも負けません! やってみるまでは皆さんジョギングとゴミ拾いってどうなんだろうなという感じの方が多いんです。初めてやる時はどうしても、ジョギング、ゴミ拾い、ジョギング、ゴミ拾いとバラバラになりがちなんですけれども、そこをプロギングジャパンのスタッフが上手くまとめて、こういう楽しみ方をするとすごくいいよ! というのをレクチャーしますので、それで1回やっていただくと、ガラッと意識が変わると思います」

プロギングリーダー検定試験
※ところで常田さん、集めたゴミはどう処理しているんですか?
「集めたゴミは3つ処理方法がありまして、まず1つ目が行政にお願いするというものです。それぞれ皆さんが活動されている地区の、環境事業所などがあると思いますので、そちらに問い合わせていただきますと、地区によってゴミの回収をしますとか、ゴミ袋を支給しますというような色々なサービスがありますので、そちらを利用していただくというのがまず1つ目です。
2つ目が飲食店などと協力するというので、特に商店街とかでプロギングする際は使っていただきたいんですけれども、お店とか商店街が綺麗になったりとか、PRになるというメリットがありますし、毎日事業ゴミとして色々なゴミを排出していますので、そこに混ぜて一緒に処理してもらうという方法です。3つ目は家庭ゴミとして捨ててもらうという方法になります」
●今年からプロギングリーダーの検定試験を行なうということですけれども、これはどんな目的で始めるんですか?
「こちらは、おかげさまでだいぶプロギングという言葉が日本中に広がってきまして、やってみようかなという初心者の方もどんどん増えてきました。そういった中で、しっかりと、プロギングの面白さをお伝えしたいなと思っています。
どうしても先ほど言ったように、初めてやるとジョギングとゴミ拾いがバラバラになりがちで、イマイチ面白さがわからないなという方もいらっしゃると思います。そこをプロギングリーダーの資格を持っている方、この方のイベントですと、しっかりと皆さんを安全に楽しませてあげられますよという、そういった保障になる資格を作りました」
●へ〜! どんな試験になるんですか?
「試験は一次試験と二次試験に分かれていまして、一次試験が筆記で、二次試験が実技になっています。筆記の方はプロギングの歴史もそうですし、それ以外にも環境問題ですとか、フィットネスに関する基本的な知識を幅広く問う予定です。
実技試験の方は実際にイベントを開催していただいて、その様子を動画に収めていただいて、それをチェックするという形になっています」
●3月31日まで申し込みということですね。
「そうです。4月3日土曜日に検定があります」
●たくさんの方が応募してくれるといいですよね。
「はい、お待ちしております! 」
できることで返していきたい
※常田さんがプロギングに出会って、すぐに活動を始めるようになったのは何か理由があったんですか?
「元々、プロギングジャパンは2人のクライマーによって作られたんです。私ともう1人、2人で最初立ち上げたんですけれども、北欧にクライミングに行った際に、実際に街中でプロギングの様子を見ました。
帰ってきてからどんな山だったかと共有するわけですよ。こんな感じでこう登ってというのを共有する中で、そういえば北欧で何か街中走りながら、ゴミを拾っている奴らがおったと聞きまして、調べてみたらプロギングというフィットネスでした。 じゃあ体力をつけたいし、自然にいいこともしたいから、1回やってみようかなと思ったのがきっかけなんですけれども、これやってみたら、環境問題が解決するとかそういうのを抜きにして単純に面白いと、そこにすごく惹かれまして、プロギングを広めていこうと思いました」

●常田さんは大学時代に山登りに夢中になっていたということですけれども、そこからどうして環境問題を意識するようになったんですか?
「私、山も岩も、滝とかも登ったりするんですけれど、どこに行ってもゴミって絶対にあるんですよね。山に登ったりするのって、私はすごく自然が好きだから行くんですけれど、同時に自然を破壊しているという側面もあります。
やっぱり人が歩いたところには道がついて、ちょっと自然を破壊しているという側面も絶対あります。そういった中で自然に恩返しじゃないですけれども、何かしら自分ができることを返していきたいなと思って環境問題に興味が湧いてきました」
●そういう下地があったからこそ、プロギングジャパンの設立にすんなり動けたということなんですね。プロギングジャパンの目標は何ですか?
「目標は今、環境問題を解決しようと色々な活動があると思うんですけれども、今の時点ではやはり環境問題に興味がある人がメインで動いていると思っています。そこを全然、環境問題に興味がない人を巻き込んで、全ての人で環境問題を解決していくという意識作りをしていくのがプロギングジャパンの目標です」
環境問題を解決しようとあえて言わない!
※環境問題の危機意識というのか、それを意識していない人に伝えるのは難しいことだと思うんですけど、伝えるときに何か意識していることはありますか?
「私たちは環境問題を解決しようと言わないことを売りにしてるんです」
●え! 言わない!?
「というのも、ゴミ拾いをされる方、してみたいなって方で多いのが、恥ずかしいと思っている方が結構多いんです。何かちょっといい格好しいみたいな、そんな感じでちょっと恥ずかしいなと思う方が多くて。
そこを私たちは、地球にいいから優しいからしようよーということではなくて、フィットネスで皆で楽しく健康になろうぜと、環境問題は一旦置いといて、単純に自分が楽しむためにやろうぜと、そういうことで敷居を下げるようにしています。実際に拾ってみたら絶対何かしら感じることがあるので、環境問題を解決しようよと言わなくとも解決するような活動を目指しています」
●SDGsにしても徐々に浸透はしてきたと思いますけれども、企業レベルならまだしも、やはり一般的にどこか他人事と思っている方も多いと思うんです。プロギングは意識を変えるツールになる可能性はありますよね。
「もちろんです! 本当に企業にお勤めなさっている方でも、なかなか知識では知っていても、体感として理解できていない方も多いと思うんです。
去年の夏に衝撃的だったのが、SDGsのピンバッチあるじゃないですか、ピンバッチつけてジャケットを羽織っているんですけど、汗だくなんですよ。夏場でジャケットを羽織ってピンバッチつけて、汗だくでクーラーの入った部屋に行くんですけれど、それSDGsじゃないよね? という風にすごく衝撃受けました。
それにはやっぱり知識ともう1つ、体感、行動で理解するということが必要だと思っていまして、是非プロギングを体験していただければなと思っています。
プロギングは環境問題の解決だけではなく、健康にもなりますし、ストレス解消、働き方というところでもSDGsにコミットできますし、パートナーシップ、17番目のゴールにもコミットできます。色々なSDGsのゴールを包括、体系的に学べるものですので、色んな方にSDGsと言わずとも、その概念を理解してもらえればなと思っています」
●SDGsに関しての勉強は、どのようにされていたんですか?
「自分で勉強することももちろんですし、今様々なイベントが開催されていますので、そこに実際に行って、自分が知らない分野を学んでということで、あとはSDGs検定というものがありまして、それもきっかけでSDGsを学びました」
●合格されたんですか?
「はい、なんとか、1回落ちちゃったんですけれど、2回目でなんとか合格させていただきました!」
●改めて常田さんはプロギングを通して何をいちばん伝えたいですか?
「私たちがいちばん伝えたいことは、やっぱり楽しみながら皆で変えていこうという、共通意識を持ちたいなと思っています。
どうしてもネガティブになりがちだと思うんです。環境問題しかり、色々なSDGsの問題、どれも発信する時には、可哀想な人がいてとか、こんだけゴミが落ちていて、泣いたり悲しかったり怒りがあったり、そういったネガティブな感情が大きいと思うんです。
でも、そういうネガティブな感情で世界を動かしていくんじゃなくて、私は未来は明るいから全員でもっともっと楽しい未来作っていこうよと、ポジティブな力で世界を変えていけるんだぞというところを、皆様にお伝えしたいなと思って頑張っています」
INFORMATION
一般社団法人「プロギングジャパン」

プロギングジャパンではだれでも参加できるプロギングイベントを定期的に行なっています。開催の1週間前には定員に達するほど人気なんだそうです。いつどこで開催するのかは、オフィシャルサイトにどんどんアップされていますので、ぜひチェックしてください。
近いところでは4月10日(土)に千代田区の日比谷公園で開催される予定です。
初めて行なわれる「プロギングリーダー」検定試験、応募の締め切りは3月31日です。
詳しくはプロギングジャパンのオフィシャルサイトをご覧ください。
◎プロギングジャパンHP:http://plogging.jp
2021/3/28 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. BORN TO RUN / BRUCE SPRINGSTEEN
M2. TAKE A CHANCE ON ME / ABBA
M3. I LOVE YOUR SMILE / JEROME JENNINGS
M4. LOVEFOOL / THE CARDIGANS
M5. たとえたとえ / 緑黄色社会
M6. HOW CRAZY ARE YOU? / MEJA
M7. IF IT MAKES YOU HAPPY / SHERYL CROW
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
2021/3/21 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、山の天気予報サービス「ヤマテン」の代表で、山岳気象予報士「猪熊隆之(いのくま・たかゆき)」さんです。
猪熊さんは1970年、新潟生まれ。中央大学卒業。在学中は登山部で山の経験を積み、卒業後は海外の山にも遠征。そして2007年に気象予報士の資格を取得。2011年に国内唯一の山専門の気象予報会社「ヤマテン」を設立し、山岳気象予報のエキスパートとして多方面で活躍されています。
きょうは猪熊さんに、山で見かける雲の特徴や、急変する山の天候から身を守るリスクマネジメントのお話などうかがいます。
☆写真協力:猪熊隆之
平地と山の天気の違い
※本のタイトルにある「観天望気」という言葉、いまはあまり馴染みのない言葉だと思うんですが・・・猪熊さん、どんな意味なんでしょうか。
「簡単に言うと空を観て天気を読むということで、例えば雲とか、風の変化ですね、そういったものから今後の天気を予想していく、そういう方法を観天望気と言います」
●この本では山で見かける雲というものがキーワードになっていますけれども、やはり雲にまつわる観天望気というのが多いんですか?
「はい。空気っていうのは残念ながら目に見えませんよね? ですが、雲っていうのは見えない空気がですね、気持ちというか状態を表してくれるものなんですよ。ですから、雲の動きとか変化から、そのあとの空気の変化を読むことができますので、雲を使うことがいちばん多いですね」
●山で見かける雲については、後ほど詳しくおうかがいしたいと思うんですけれども、まずは初歩的な質問からさせてください。山と平地ではどうして天気が違うんですか?
「それはですね、平地はあまり凹凸(おうとつ)がないですよね。山はでこぼこしていて、凹凸があります。天気が崩れる要因としては雲ができて、雲が成長することがあるんですけれども、曇は水蒸気を含んだ空気が上昇して、その水蒸気が冷やされることで水滴とか氷の粒になって、それが雲になっていきます。
で、平地は低気圧とか前線とか、そういったものが近づくと天気が崩れていきます。それは低気圧とか前線の近くは、空気が上昇する上昇気流という現象が起きているからなんですね。そうするとその中に水蒸気が含まれていれば、それが冷やされてどんどん雲になっていくということになります。
でも山は低気圧とか前線が来なくてもですね、簡単に上昇気流が起きてしまうんですね。それは平地では、風が吹いても上昇気流が起きないのに対して、山では風が吹くと風によって空気が動いていきます。それが山にぶつかると山の斜面に沿って昇っていきますので、どうしても上昇気流が起きてしまうんですね。ですから山は上昇気流が起きやすいので、その分、雲ができやすくなります」
●山の天気ってとにかく変わりやすいっていうイメージがありますけれども、登山中の天気の変化ってどんなところに注意したらいいですか?
「やはり事前に、観天望気より前にですね、登山に出発する前に、天気図とか天気予報からしっかりとその日の天気の状況を、どういった危険があるのかっていうのを把握しておくことが大切になります。その上で実際に山に行った時には、特に風上側ですね、風が吹いてくる方向の空とか、あるいは日本付近では西から東に天気が崩れていくことが多いので、西側の空をチェックしていくといいと思います」
●今はスマホなどで最新情報も入手できますけれども、山では電波が繋がらない! とかそういったこともありますよね。
「そうですね。そういったこともありますし、あと、平地の、皆さんが一般的にテレビとかラジオとかインターネットで入手できるような予報と、山の天気っていうのは大きく変わってしまうこともあるんですよね。そういう風に平地と山の上とで天気が大きく違う時に、気象遭難が発生しやすくなりますので、どうしても天気予報だけではリスクを減らせないということがありますから、やはり雲を観ていくことが大切になっていきます」
要注意! 積乱雲とレンズ雲

※具体的に、天気が崩れてしまう雲について、これは知っておいた方がいいという例をいくつか教えてください。
「やはりいちばんリスクが大きいのは、突然の雷とか強い雨に襲われる時です。そういったものをもたらす雲は積乱雲と言いまして、入道雲ってご存知ですか? 夏によくソフトクリームみたいなモクモクした雲が出ますよね? あの雲が成長していくと積乱雲になります。
あの雲が周囲にどんどんやる気を出していく、雲がどんどん成長していく、そういった時は危ないので、早めに避難した方がいいということと、あともうひとつ、山では天気だけではなくて風の強さが登山において大きなリスクになっていきます。
晴れていても風がものすごく強く吹いていると、風にあおられて滑落してしまったり、あるいはテントが飛ばされたりっていう非常に危険な状態になりますので、風の強さっていうのも知っておくことが大切なんですね。
で、その強風を知らせるサインとなる雲がレンズ雲という雲になりまして、よく地震雲とか、あるいはUFOみたいな形の雲なので、UFOがきたとか間違えられることがあるんですけれども。メガネのレンズありますよね、そういったレンズの形をした、厚みが一定で、強風に流されたような、そういった雲が出ることがあるんです。
見ていただくとすぐ分かると思うんですけれども、そういったレンズ雲が出ている時は山の上では風が強くなっていますので、あるいはこれから風が強くなるサインになりますので、無理をしないということが重要になります」
●へ〜! 入道雲やレンズ雲が出てきたら早めに下山するなどした方がいいということですね?
「そうですね。あるいは風が強くなるところは、樹林帯から樹林がない草原状のところに出るところなんですよね。ですから樹林帯の中までは比較的安全ですので、草原に出るところで雲をもう1回チェックして、その場所の風の強さと合わせて判断していただくといいと思います」
●これから春から初夏にかけて、最も注意しておきたい山の気象の変化っていうのはありますか?
「春、特にゴールデンウィークには登山者がすごく多くなるんですけれども、ゴールデンウィークによく起きる事故として、低体温症による事故っていうのがあるんですね。低体温症っていうのは低い体温の症状と書くんですけれども、体温がどんどん下がっていく、そういう怖い症状で、熱中症の逆みたいな感じですよね。
この症状は特に、雨風が強いところを長く歩いたり、雪と風が強いところを長く歩いたりする時に、体温ってどんどん奪われていきます。で、先ほども言いましたように平地ではそれほど天気予報は悪くなかったりしても、山の上で風雨が強かったり吹雪になったり、まだゴールデンウィークだと高い山は吹雪になることがあります。
こういった時に遭難事故が多発していますので、特に低気圧が日本列島を通過していって抜けたあとに。天気図には等圧線っていう線が必ず引かれているんですね。その線が混み合っている時は日本海側の山で猛吹雪になります。そういった時に事故が多発しています。 関東地方とか平野部では晴れていても、山の上では吹雪いていることがありますので、低気圧が抜けたあとも、1日くらいは日本海側の山では吹雪になることが多くなりますから、もう1日待っていただくのがいいと思います」
山の人たちに恩返し
※本格的に登山を始めたのはいつ頃なんですか?
「私は小さい頃から田舎育ちだったんですけれども、本格的に始めたのは大学の山岳部に入部してからですね」
●どんな山を登っていたんですか?
「最初はもう訳も分からず、やはり雪山が目標ですから、雪の上を1年を通じて、春のうちから歩いていく、そういう訓練を積んでいくんですよね。ですから、いきなり谷川岳とかの雪のあるところに連れて行かれて、もう傾斜もすごくあって、怖くて降りられないんですよね。その時期の雪ってすごく固くて滑るんで、それでもう本当に怖かったのを覚えています(笑)」
●そうだったんですね! 海外にも行ってたんですか?
「そうですね。卒業してからは海外の山に興味を持ちまして、ヒマラヤですとか、アメリカのヨセミテ国立公園っていうところがありまして、そこに大きな岩壁があるんですけれども、そこに登りに行ったりとか、そういったことをやっていましたね」
●へ〜! そんな中、山岳気象予報士になろうと思ったのは何かきっかけがあったんですか?
「そうやってずっと山を登っていたんですけれども、大学時代に1回すごく大怪我をしたことがあって、その怪我がもとで慢性骨髄炎っていって完治が非常に難しい病気になって、日常生活もままならなくなったんですね。入退院をずっと繰り返して、闘病生活が5〜6年続いたんですけども、その時に、一生この病気と付き合っていかなきゃいけないので、それまでは山中心の生活を送って、登山専門の旅行会社で働いていたんですが、そういった仕事をするのはもう難しくなりましたので、こういった病気と付き合いながらやれる仕事、それまでは身体を使った仕事がメインだったんですけれど、今度は頭を使った仕事をしていかないと生きていけないっていうことになりましたので。
それで小さい頃から天気が大好きだったんですよね。私にとって他の人よりも少しでも興味があって、勝てる可能性があるものは天気かなと思って、気象予報士の勉強をして、たまたま受かってしまったので、それだったら今まで散々お世話になってきた山の人たちへの恩返しをしたいということで、山の天気予報を始めようと、そういう風に思いました」
●山岳気象予報士っていう資格があるわけではないですよね?
「これは私が最初にヒマラヤの登山隊に予報を出して、当時はですね、日本の気象予報士が出すことはなかったんで、欧米の、アメリカとかヨーロッパの気象会社がヒマラヤの登山隊に出していたんですよ。当時はまだ精度が低くて、その時にヨーロッパとかアメリカの登山隊がみんな大雪になるって(予測していた)日に、私が、“7500メートルから上は晴れます。風も弱いです。絶好の登山日和になります”って言ったのが本当に当たってしまって。
今、エベレストの登山ってすごく混んでいるんですよ。渋滞して酸素がもたなくて亡くなってしまう方もいるくらいなんですね。そんな中、本当に貸し切り状態で山頂を独り占めにできたっていうことで、それを新聞社に取り上げていただいたんですよね。記者の方が命名してくださったのが山岳気象予報士で、それで私も気に入って使わせてもらっています」
山のプロが信頼する「ヤマテン」の天気予報

※猪熊さんが設立した山専門の気象予報会社「ヤマテン」では、どんな気象予報サービスを行なっているんですか?
「いろいろやっているんですけども、メインのサービスとしては、登山者向けに日本の国内の、主要な山の山頂の天気予報を配信したりとか、そういうページを作っていまして、それを皆さんにご利用いただいて、登山のリスクを事前に察知して、安全登山に繋げていただくっていうことをやったりとか。
あるいは三浦雄一郎さんとか、竹内洋岳さんとか、野口健さんとか、そういった登山家の方に登山をする際に予報を利用していただいて、安全登山に繋げていただいたり。“世界の果てまでイッテQ!”のイモトさんにも毎回、海外の登山の時、あるいは国内の登山でも情報を利用していただいて、この日がいちばん登るのに安全だよとか、この日はちょっと大雪の可能性があるから、高所順応とか、そういったのに行かない方がいいですよとか、そういったアドバイスをさせていただいたりしていますね」
●今はなかなか山にも行けない状況ですけれども、登山の準備期間として安全に繋がる装備の見直しとかあってもいいかもしれませんね。
「昨年から山に行けない期間だからこそ、山に対しての知識を深めていったり、安全登山に対して勉強していく、いい機会なのかなと思いまして、うちの方でもですね、ヤマテンチャンネルをユーチューブで作りまして、誰でも天気について勉強できるような、そういった仕組みを作ったりしました」
●具体的にそのユーチューブではどんなことを教えてくださるんですか?
「やはりですね、天気予報だけだと登山のリスクっていうのは減らせないので、天気図を、特にヤマテンでは、先ほど申し上げた“山の天気予報”って有料サイトがあるんですけれども、そこでいろんな天気図を見ることができるんですね。その天気図をどういう風に使っていったらいいのかっていうのを詳しく解説したり、そういった動画を公開しています」
●改めて、猪熊さんが思う山のいちばんの魅力とは何でしょうか?
「難しいですね。若い頃はやはり自分の限界に挑戦できる場、自分が成長していくことが、やればやった分だけ成長していくことが分かるっていうことがありました。自分の限界への挑戦とか、危険な場所とかを登ると、アドレナリンがすごく出てきて、そういったものに対する面白さっていうのもあったんですけど(笑)、今は純粋に楽しい! っていうことと、やっぱり色んな楽しみ方ができるっていうことですね。
老若男女それぞれ、あるいは森に興味があったり、花に興味があったり、川に興味があったり、なんでもいいんですよね。どういった形でも自分が興味のあるものを深められる、そしてやっぱりその場にいると、すごく幸福感を感じるってこともありますし、山から降りてくると、すごく日常生活がハッピーに感じられるんですよ。
あと山って食べる料理とか、山で飲むお酒とかコーヒーは、本当に下界で飲んだり食べたりするものよりも遥かに美味しいんです! 極端にいうと本当にレトルト食品でもすごく美味しいって感じられるぐらいなんで、そういった何か日常にないものを感じられるっていう、そういう楽しさとか、幸福感っていうのがやっぱりあると思いますね」
INFORMATION
『山の観天望気〜雲が教えてくれる山の天気』
雲のイラストや写真も豊富に掲載されていて、とてもわかりやすく、登山が趣味のかたはもちろんですが、雲や気象に関する知識は日常生活でも役立ちます。また、落雷や強風のリスクから身を守ることにもつながるかと思います。ぜひ読んでください。ヤマケイ新書シリーズの一冊として絶賛発売中です。詳しくは山と渓谷社のサイトをご覧ください。
◎『山の観天望気〜雲が教えてくれる山の天気』HP:
https://www.yamakei.co.jp/products/2820510720.html
◎ヤマテンチャンネルHP:
https://www.youtube.com/channel/UCdl4pfoWmvUCUc3K8CwqNLA/featured
『山の観天望気〜雲が教えてくれる山の天気』を、この番組のリスナーのかたに、抽選で3名さまにプレゼントいたします。
応募はメールでお願いします。件名に「本のプレゼント希望」と書いて、番組までお送りください。メールアドレスは flint@bayfm.co.jp です。
あなたの住所、氏名、職業、電話番号を忘れずに。番組を聴いての感想なども書いてくださると嬉しいです。応募の締め切りは3月26日(金)。当選発表は発送をもって代えさせていただきます。たくさんのご応募、お待ちしています。
応募は締め切られました。たくさんのご応募、誠にありがとうございました。
2021/3/21 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. STRANGE WEATHER / GLENN FREY
M2. CLOUDS / CHAKA KHAN
M3. WIND IN THE WILLOWS / BLACKMORE’S NIGHT
M4. PLEASE DON’T STOP THE RAIN / JAMES MORRISON
M5. 晴れたらいいね / Dreams Come True
M6. THE FORECAST / JASON MRAZ
M7. FUN DAY / STEVIE WONDER
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
2021/3/14 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、路上園芸鑑賞家の「村田あやこ」さんです。
村田さんは福岡県生まれ。大学では地理学を学び、上京してからは街角の園芸や植物に惹かれ、ひとり「路上園芸学会」として、撮影や記録を行ない、SNSやウエブのコラムなどでその魅力を発信。そして『たのしい路上園芸観察』という本も出されています。
路上園芸とは、民家や商店の軒先で、植木鉢やプランターなどに植えられ、育てられている植物たちのこと。路地裏に入ると、意外なところに植物が生い茂っていたりしますよね。
きょうは、そんな路上園芸に魅了されてしまった村田さんに、代表的な植物や、観察を始めるコツ、そして路上園芸から見えてくる人と街についてうかがいます。
☆写真協力:村田あやこ

肩の力が抜けた緑の光景
※村田さんが路上園芸に目を向けるようになったのは、いつ頃、どんなきっかけがあったんですか?
「最初に気になって、写真に収めたりするようになったのが10年ほど前ですね。きっかけを今考えると、何か色んなことが組み合わさって、興味に至ったのかなと思うんです。
まず、大学時代までずっと地方で過ごしていて、実家の裏もすぐ山があって、小っちゃい頃は山で遊ぶような子どもでした。大学もキャンパスの中がすごく緑豊かで、割と自然に囲まれた環境でずっと育ってきて、それだからか、植物は、さほど積極的に意識しなくても周りにある環境だったんですね。
ただ上京して何年か経ったタイミングで、多分自然回帰みたいなところがあるかもしれないんですけれど、急に植物に興味が湧き始めて、最初、植物を使って空間をデザインしてみたい、そういう仕事に就きたいなと思って、商業空間とかオフィスの中を鉢植えで装飾したり、植栽を管理するアルバイトをする傍ら、1年間、専門学校にも通って、園芸装飾技能士っていう資格も取得したりしたんですね。
実はそのぐらいの時期に、路上園芸にも興味が湧くようになりまして、その時に志していたのは、計画して緑を配置していくことだったんですけれど、その街の園芸、本当に家の近所にふと放置されていた鉢植えに目がいくようになって、一回気になり始めると、他の町でも、ここにもある! ここにもある! みたいな感じで、本当に身の回りに溢れているものだなと思って見始めたんです。
そういったものはそこに暮らす方が、自分の暮らしを彩りたいなと思って、思い思いに私的に置いてある鉢植えだと思っていて、ある意味、デザインとかは考えずに、少しずつを育てていって、愛でていって、時に放置されていたりとか、あと植物が思いもよらないぐらいのサイズに大きくなったりとか。
あまり計画通りには進まないみたいなところもあって、何かそういう、植木鉢に入っている状態で、多分森や自然の中とは違う環境だと思うんですけど、デザインとは無縁な、暮らしを彩るための、肩の力が抜けた緑の光景ってなんだかいいなぁと思って、写真を撮り始めたっていう感じです」

●路上園芸の魅力や特徴ってどんなところにありますか?
「本当にたくさんの魅力があるんですけれど、まず私がやっぱり惹かれるのは、人と植物それぞれ別の生き物が、街中の空間を使って、そこを舞台に作り上げている光景っていうところにいちばん惹かれます。
最初は人の都合というか、そこに住む方が自分の暮らしを彩るために置かれるんですけれど、植物は植物で、そんなこと知ったこっちゃないみたいな感じで、たまに鉢から逃げ出して、その辺の隙間に逃げて行ったりとか(笑)。
あと本当に根っこが鉢を食い破って、地面に根ざしてしまったりとか。そういう植物は植物で、その街の中で必死になんとか生きて、命を繋いでいこうとしているので、そういった動きを丸ごと観察するとすごく楽しいですね」
路上が育む園芸
※路上園芸は「路上で営まれる園芸」と「路上が育む園芸」のふたつに分けられるそうですね。その違いを教えていただけますか。
「まず、“路上で営まれる園芸”っていうことで定義しているのは、路上の空間、軒先とか路肩とか室外機の上とか、街中のちょっとしたスペースを使って営まれる園芸のことを、路上園芸のひとつの定義として、路上で営まれる園芸と呼んでいます。
もうひとつは“路上が育む園芸”、最初は人目線で路上園芸を見ていたんですけれど、段々さっきお話ししたように植物は植物で生命力を発揮して、どんどんと隙間に生えていったりとか、たくましいなって思って、植物自体にも興味が湧くようになって。
路上が育む園芸っていうのは、最初は人の都合で植えられていても、環境が合っていたりとか、丈夫だったりすると、最初決められた枠みたいなものをはみ出して成長することがあるので、そういう路上で自然に任せて育まれて、たくましく、したたかに生きる植物そのものも路上園芸という風にしています」
●路上園芸の代表的な植物というと、どんなものがあるんですか?
「本当によく見かけるものだとアロエとか、ご実家にそれがあったなっていう方も多いと思うんですけど、あとカネノナルキっていう、ちょっと小判みたいな形をした多肉植物とか、ナンテンとか、多肉植物のオボロヅキとか。
丈夫で、多少水がなくても大丈夫なものだったり、あとは挿し木とかで簡単に増やせるものとか。あとは縁起物の植物が結構多いのかなと思いますね」

観察するなら下町がおすすめ!
※路上園芸をよく見に行くエリアは、どの辺なんですか?
「よし、見るぞ! って思って行く時は、割と昔ながらの商店街とか、長く住んでいる住人の多そうな街とか、あとはいい飲み屋街がありそうな街、例えば赤羽とか、そういったところは路上園芸自体もすごく楽しいんです。
打ち上げとセットで楽しめるっていう感じとか、何かそういういい感じで、人の生活感覚が長く育まれていそうな場所によく行きますね。
東京でいうと墨田区とか、押上周辺、向島や曳舟、浅草とか、その辺のちょっと人も賑やかで生活感もあって、いい感じの商店街や飲み屋街がありそうな街っていうのが結構好きで、よく出没しています」
●飲み屋街では、ビールケースが再利用されているのがすごく面白かったです! ビールケースの中に植木鉢があるというような感じですよね?
「この本の表紙でも、まさに黄色いビールケースを鉢カバーにして、その上に鉢を置いているお宅の写真を載せているんですけれども」
●何気ない風景でも、やっぱりこうやって見ているとすごく面白いですよね。
「そうですね。何かそういう色んな身近なもの、身の回りで使っていたものを、鉢や園芸のために転用しているのもいいなと思いますね」
●今まで色々観察された中で、特に印象に残っている路上園芸ってありますか?
「どれもそれぞれのストーリーや魅力があるので、本当に選び難いんですけれど、いちばん印象的だったなと思うのが、とある東京の下町エリアで、ものすごく見事な路上園芸をなさっていたおうちがあって、すぐその裏に大きなソメイヨシノが立派に育っていて、本当に大木になっていたんです。
偶然、家主の方がいらっしゃったのでお話をうかがったところ、実はその大きなソメイヨシノは、その方が結婚される時に結婚祝いとして、40年ぐらい前に鉢植えで育て始めたものが大木になって、今その地区の保護樹木に指定され、プレートも掲げられていて、それがすごく印象に残っていますね。
ちょっと行くと大きいビルがあったり、周りもアスファルトに囲まれていて、けっして広い公園とかそういう場所ではなくても、何かそうやって人の育てた緑が街の緑の景観になって、周りの人たちを楽しませるシンボルになることもあるっていうのがすごく印象に残りました」

見上げて楽しむ、台湾の路上園芸
※村田さん、台湾も路上園芸が盛んだそうですね?
「本当に台湾すごかったですね(笑)」
●どんな感じなんですか? 台湾の路上園芸って。
「台湾はやっぱり暖かくて湿気も多いからか、植物がとにかく色んなところから育っているのがすごく印象的で、例えば店の屋根、軒先、雨どいとか、お店のひさしの上とか、そういった場所でもちょっとした隙間から、日本では見られないぐらいの勢いで、元気よく生い茂っているのも印象的でした。
あとは日本では、集合住宅のベランダって覆われていて、そんなに中は見えないデザインが多いと思うんですけれど、台湾の集合住宅ってベランダが格子になっていて、外からもベランダの様子が見えるようなデザインのところが結構あります。
そのベランダの格子の中いっぱいに鉢植えを置いて育てているお宅がすごく多くて。なので路上ももちろんなんですけど、台湾は上を見上げても楽しい、上の方まで緑が生い茂っていて楽しかったですね」
●日本の路上園芸とはまた違った風景なんですね。
「そうですね。共通するところもあるし、やっぱり植生とかも違うので、またちょっと一味違って楽しめましたね」
おうちの周りをキョロキョロ!?

※では最後に、路上園芸を観察するとしたら、どこかおすすめのコースなどあったりしますか?
「色んな楽しみ方があるので、まずはおうちから一歩外に出て、おうちの周りの半径10メートルでもいいので、周りをキョロキョロしてみるだけでも楽しめます。
私は路上園芸を、人が育てている緑も、路上の隙間から勝手に生えているような植物も、広く路上園芸鑑賞という風に捉えているんです。おうちを一歩出た外でも、道の端や隙間、マンホールの穴とか、ちょっとしたスペースに目を向けてみると、隙間で生きる、はみ出す緑っていうのを楽しめますよ。
まずは一歩外に出て、視線を普段見ないようなところにも向けて、キョロキョロしてみましょうっていうのはまず是非おすすめしたいですね。あとは人が育てた緑だと、ほどよく生活感のある商店街とか住宅街が特に楽しいですよ」
●すぐ明日からでもできることですね!
「そうですね。すぐに実践できる楽しみだと思います」
●うろうろしていて、怪しまれたりしたことはないですか?(笑)
「きっとはたから見ると怪しいのかなと思うんですけれど(笑)、はたから見ると怪しい趣味だっていうのは痛感しているので、住人の方が表に出て手入れなさっていると、できるだけご挨拶してお話しするようにはしていますね。
不思議なことに植物の話をきっかけにすると、本当に表情がほぐれて色々とお話ししてくださることが多くて、たまに“この鉢、よかったら持っていって”って言われて、植物をいただくこともありますね」
●へ〜! そういう繋がりもあるんですね!
「そうですね、そういう繋がりもありますね。ただ観察される時は是非プライバシーには配慮していただいて、私有地とか敷地には絶対立ち入らないっていうのは、ちょっと(路上園芸観察を)やってみたいっていう方はお気をつけいただければとは思います」
●マナーは大事ですよね。改めて路上園芸観賞家としての夢や目標があれば教えてください!
「今、なかなか心置きなく旅行するのは難しい状況で、そんな中でも路上園芸は本当に身近な場所でも楽しめる趣味ではあるんです。心置きなく旅行できるような状況になったら、是非今住んでいる場所じゃない色んな場所とか、国内だけでなく海外にも旅して、色んな町の路上園芸を観察したいなって思っています。
あとは植物の名前や生態についてもまだまだ勉強中なので、もうちょっと知見を深めたいなっていうのもありますね。
SNSを通じて、海外の色んな国の方でも、私と同じような視点で、街の園芸や隙間から生える緑を愛でる仲間たちと出会ったので、いつか将来そういう人たちで何か一緒に本を作るのか、展示をするのか、何か一緒にできたらいいなっていうのが夢です」
INFORMATION
『たのしい路上園芸観察』
村田さんの初めての本、おすすめですよ。本のタイトル通り、路上園芸の楽しさが伝わってきます。写真もたくさん。植物に覆われてしまった家、植木鉢から根を出し、たくましく育っている植物、隙間からちゃっかり芽を出して成長した植物の写真など、写真を見ているだけでも楽しいです。日本人と園芸の歴史や台湾の路上園芸のコラムなども掲載。グラフィック社から絶賛発売中です。詳しくは以下のサイトをご覧ください。
◎『たのしい路上園芸観察』HP:
http://www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=42898
SABOTENS(サボテンズ)
村田さんはお散歩ユニット「SABOTENS」としても活動中。散歩を楽しみつつ、路上で見つけたアイテムをハンコなどのグッズにして販売。路地裏で見つけた植物や置物などなど、意外なものがハンコになっていて、とても面白いです。以下のオフィシャルサイトからでも購入できます。
◎「SABOTENS」HP:https://www.sabotens.com


◎路上園芸学会:
https://botaworks.net/?fbclid=IwAR1RNNveWo_gWCPh52y4STuVkSuAFY8CylTqB_mMQNZ1I3ykIDedzjxbAHk
https://www.facebook.com/rojoengei/
https://www.instagram.com/botaworks/?hl=ja
https://twitter.com/botaworks?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor
2021/3/14 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. EASY STREET / THE COLLAPSIBLE HEARTS CLUB
M2. DANCING IN THE STREET / MATT BIANCO
M3. MAKE YOU HAPPY / CELINE DION
M4. SAKURA / いきものがかり
M5. Down Town / シュガー・ベイブ
M6. POWER FLOWER / STEVIE WONDER
M7. LOVELY DAY / BILL WITHERS
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
2021/3/7 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、山好きイラストレーター「鈴木みき」さんです。
東京生まれの「鈴木」さんは、カナディアン・ロッキーの旅をきっかけに山の魅力にハマり、山雑誌の読者モデルや、山小屋などのアルバイトを経て、イラストレーターに。そして登山初心者に向けた本を多数出版。また登山ツアーを企画したりと多忙な日々を送ります。その後、山梨県北杜市に移り、8年間ほど暮らしたあと、3年ほど前に札幌に移住。
登山歴20数年の鈴木さんは、登山の道具や技が災害時に役立つことを、ご自分の経験から知っていて、そのスキルをまとめた本『もしも・・・に慌てない 登山式DE防災習慣 お役立ちコミックエッセイ』を出されています。
きょうはそんな「鈴木」さんに、防災に通じる登山のスキルや、特に女性は用意しておきたいお役立ちグッズ、そしておうちで出来る「防災訓練」のお話などうかがいます。
☆写真&イラスト提供:鈴木みき

棚ぼた防災!?
※鈴木さん、どうして防災に関する本を出そうと思ったんですか?
「私は山登りに関する漫画をずっと書いているんですけど、山登りのやり方であったり、山登り指南のコミックエッセイを出しています。それで10年前、東日本大震災の時にたまたま東京にいたんです。私は帰宅困難者になったりとか、その時山梨県に住んでいたんですけど、計画停電に会ったりとか、そういう経験は一応していて、その時も登山の道具で乗り切れたというか、あまり困ることがなかったんですね。
何か役に立ちたいなというか、被災地のためにできることないかなと思って、ブログで登山のライフハック的な、例えば水がない時にどういう風にご飯を炊いているとか、少ない水でこういう風にするとか、登山の道具はこういう時に役に立つよとか、そういうのも発信したら、役に立ったっていうコメントが残ったりとかしたので、その時に一冊にまとめて見られるものを作りたいなっていう風に思ったのが、一番最初のきっかけですね」
●具体的に登山のスキルが防災に通ずるというのは、どういうことなんでしょうか?
「例えば重い荷物を背負って、衣食住を背負って登るということが皆さんのイメージにあると思うんですけれども、歩くとか体力的なものっていうよりかは、水や電気やガス、時にはトイレがない環境をイメージできるというか、山にはそういうものがないので、そういうところに身を置く経験っていうのが役に立つのかなっていう風に考えます」
●山登りとかアウトドアのスキルを身につけておくと、災害が起こった時に役に立つということなんですよね?
「知らず知らずに役に立つっていうのが私の実感ですかね。防災を意識せずにやっていたことが、結果、防災に繋がっていたっていう感じです。本にも書いているんですけど、棚からぼたもちみたいな“棚ぼた防災”って言ってるんです。知らないうちにそうなっていたっていう感じが大きいですかね」
盲点だった携帯トイレ
※登山やアウトドアのスキルが防災に役立つということですが、どんなことが役立つのか、具体的に教えていただけますか。
「水でいうと例えば、想像して欲しいんですけど、山登りに行きます、どういう水が必要でしょうってなるとしますよね。そうするとまず行動中に飲む水、飲料水ですね。あとは泊まるってなると、お料理に必要な水をすべて担いで登っていくわけなんですけど、それはどのぐらい必要なのかを知っておく必要がありますよね。
たくさん背負えば心配はないですけど、重いですから持って運べないので、自分が必要な水の量が分かるっていうことは大きいですよね。
あとは電気ですよね。電気がないと何が困るかっていうと、いちばんは明かりだと思うんですよね。夜は本当に真っ暗になっちゃうので、(山は)街の真っ暗とは全然違うんですよ、本当に真っ暗で。
停電の時は、周りの電気も街の電気も消えてしまうので、本当に暗いんですね。そういう時に必要なのはやっぱり明かりなので、登山ではヘッドライトといって頭に付けるライトがあるんですけど、それだと両手が空くので作業がしやすい。あとは歩けるんですね、行動ができる。それは災害時にも、避難する時に両手が空くのは安心ですよね。
あとは充電式のランタンのようなものであったり、ソーラーパネルが付いていて蓄電できる明かりであったりとか、そういう装備も登山の人は持っているので、停電になっても、リュックサックの中にはそれがあるんです」
●なるほど〜!
※ほかにはどんなものが必要ですか?
「あとはガスですね。燃料があればいいんですけれども、山の中ではあまり焚き火とか火を起こすってことができないので、イメージとしてはカセットコンロの小さいものっていう感じですかね。ご家庭にもカセットコンロありますよね、あれの登山版!?
もっと小ちゃくって、折りたためるものがあるんですけれども、それを使ってお料理をしてご飯を食べるんですね。そのガスの量も限りがありますので、節約しながらどうやって作るかとか、そういったアイデアも役に立つと思います」
●あとは携帯トイレですか?
「トイレは結構盲点というか、私が盲点だったんですけど、(北海道)胆振東部(いぶりとうぶ)地震の時に停電になったことで、断水になるって思ってなかったんですね。集合住宅には多いんですけど、電気でポンプみたいなもので、上の階に上げているってことが多いそうなんです。
1階の平屋では断水しなくても、集合住宅ではするっていうことがとても多くて、それを私知らなかったので、これは断水だ!と思って、どこか水道管が壊れたんだって思ったんですよね。情報も取れないわけですから、分からないまま水がない生活をしていた時に、またまた盲点だったのが、そうだ!トイレ使えないと思って。
でもその時にもまだ甘く見ていて、山に持っていく携帯トイレっていうものがあるんですけど、数が少なかったので、もったいなくて使わなかったんですね(笑)。すぐによくなるだろうみたいな甘い考えがあったので。それから携帯トイレの数を増やしまして備えるようになりました。
私はひとり暮らしだからいいんですけど、例えば家族と同居されているとか、家族とはいえ何日も在宅避難をしている場合、衛生的にもですけど、別々にした方がいいかなと思うので、在宅避難される場合は携帯トイレは、ちょっと多めに揃えておかれるといいのかなっていう風に思います」
女性のためのお役立ちグッズ

※アウトドアの道具は持っておいたほうがいいのでしょうか。
「例えば何か防災の道具を揃えるために、アウトドアの道具とか、登山の道具を買う必要は私はないと思うんですね。行かないのであれば、防災の道具や家にあるものでいいと思うんです。
私が伝えたかったのは、登山やアウトドアをやりたいっていう人がそういうものを揃えて、お出かけになって、使っているうちに防災力が上がるっていうことなので、これから始めたいなっていう方はそういうものを揃えられたらいいのかなっていう風に思いますけどね」
●特に女性向けのおすすめの道具とかはあります? これは準備しておいた方がいいよっていうようなものがあれば是非教えてください!
「もし防災のことでいうと、在宅避難をする場合には、女性だからっていう特別なものは特にないと思うんですね、お家にあるのでね。ただ避難所に行く場合は断水していると、洗面や入浴っていうのができなくなりますよね。
山では山小屋に泊まるんですけど、山小屋には水も電気もなかったりするんですね。洗面所がないっていう山小屋もあったりするので、そういう時に私たちがどうしているかっていうと、デオドラントシートであるとか、メイク落としシートであるとか、何かそういうものをお風呂代わりに、拭いて終わりっていうことが多いんですね。
それだけでも本当に全然違うので、そういうのは是非(防災リュックの中に)忍ばせていただきたいのと、あと長期にわたることがあると思うので、手袋型のシャンプーできるウェットシートっていうのかな、そういうものも防災グッズのコーナーで見たことがあるので、ああいうのはすごく便利だなっていう風に思いました」
●清潔感や快適感っていうのが、そういうものがあるとすごく変わってきますよね。
「精神的なものですね、女性は特にあると思うんですよね。普段綺麗にしていらっしゃる方とかは特に。なので、それが衛生的にっていうよりかは、精神的になるべくストレスを減らせられればという風に思います」
結局、スマホがいちばん大事!?

※この本には、おうちで出来る防災訓練の提案も掲載されています。どんな訓練があるのか教えてください。
「本に紹介したのは、例えば“避難経路ウォーキング”であるとか、日が暮れてから寝るまで電気使わないで過ごしてみようよっていう“停電ナイト”であるとか。あとはあらかじめ汲んでおいた水だけでお料理をしてみるとか。
水道の蛇口をひねらずに、水筒とかバケツとか、何でもいいんですけど、そういうものに汲み置きしていた水だけでお料理を作ってみると、お水はいつもどのぐらい使うんだなっていうこととかが分かったりとか。そういったものを載せているんですけれども、避難経路ウォーキング以外っていうのは、山で実際にやっていることなんですね。
例えば今年の夏にアウトドアを始めようとか、登山を始めようって言っていても、災害って本当にいつ起こるか分からないので。きょうかもしれないし、明日かもしれないので、一日も早くこういう経験をしてもらいたいなと思って、このコラムを書いたという感じなんですけど、お家でも類似体験できるよという意味ですね」
●いちばん持っておいた方がいいよって感じた防災グッズって何かありますか?
「私は2017年に胆振東部地震を札幌で経験しているんですけど、その時、全道ブラックアウトっていって、大規模な停電になってしまって。実際にやっぱり今までと違って本物の停電というか、計画停電ではなく本物の、復旧の目処も立っていないっていうような停電を経験した時に、本当に結局スマホが大事って思いました」
●スマホですか?
「そうですね。情報を取るであるとか、家族や友人と連絡を取るであるとか、そういったことももちろん重要だったんですけれども、例えば撮ってある写真を見るとか、音楽を聴くとか、そういう付加要素みたいなものが意外と支えになってくれたっていうのがあったんですね。
でも充電できないので、例えばそのスマホと付随する重要なアイテムとしては大容量のバッテリーであったりとか、私はソーラーパネル、携帯用の小さいものですけど、ソーラーパネルを併用して準備しておくと、便利かなっていう風には思いました。充電できないっていうのは意外と(停電に)なってみないと、頭では分かっていてもスマホの充電ができないって、結構大きなことっていうのが想像してみると分かると思うんですけど」
登山者=防災力のある人を育てる

※鈴木さんは最近、防災士の資格を取得されたそうです。資格マニアの私としてはとても気になるんですけど、どんな方たちが受けに来ていたんですか?
「受験される方は、例えば自治体の方であるとか、ビルとか施設の管理者であるとか、そういった方が多いみたいなんですけど、勉強としては防災のスキルというよりかは、自然災害の仕組みから、運営の仕方であるとか、あとは保護制度ですね。
そういったことを体系的にくまなくお勉強するという資格になります。
あとは救命救急講習を受ける必要もあるので、何か地域で災害があった時に役に立つ人材を育てるとか、そういった(防災士の)資格が役に立つってことはあるのかなという風に思います」
●今後、防災士として伝えていきたいことって何ですか?
「そうですね。せっかくお勉強したので、その知識はもったいぶらずに、皆さんにお裾分けしていきたいなっていうのがあります。
あとは私の主軸というのは山にあるので、山の魅力を伝えたり、登山の楽しさを伝えたりして、登山者を増やしてですね。それがつまり防災力が身に付いた人を育てるっていうことに繋がっていると思うので、これからも山のことをやっていきたいという風に思っています」
●リスナーさんにいちばん伝えたいことは、改めて何でしょうか?
「防災っていうと面倒くさかったりとか、後回しにしがちなんですけれど、登山とかアウトドア・アクティビティっていうのは生きる術が詰まっているんですね。なので趣味をしながら、その延長線上に防災力が上がるっていうのは一石二鳥のような気がしているので、防災って考えるのではなくて、何か楽しみながらやっていただけたらいいなっていう風に思います」
INFORMATION
『もしも・・・に慌てない 登山式DE防災習慣 お役立ちコミックエッセイ』
きょうお話していただいたこと以外にも、防災に役立つヒントが満載です。可愛くてほのぼのとしたイラストでわかりやすく解説。自分の防災力を知る鈴木さんオリジナルのチャートなども掲載。ぜひ読んでください。講談社エディトリアルから絶賛発売中です。
◎講談社BOOK倶楽部
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000345747
鈴木さんの近況についてはオフィシャルブログ「鈴木みきの とりあえず裏日記」を見てください。
◎「鈴木みきの とりあえず裏日記」:https://ameblo.jp/suzukimiki/
2021/3/7 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. DON’T KNOW WHY / NORA JONES
M2. JUST THE WAY YOU ARE / BILLY JOEL
M3. BRIGHTER DAYS / SYBIL
M4. ETERNAL FLAME / THE BANGLES
M5. 磁石 / aiko
M6. LISTEN TO THE MUSIC / THE DOOBIE BROTHERS
M7. SMILE / TONY BENNETT
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」