2022/4/24 UP!
◎高砂淳二(自然写真家)
『Aloha〜ハワイアンの知恵や自然観に学ぶ』(2022.04.24)
◎篠原かをり(動物作家)
『「いきものミステリークイズ」!〜ゴリラは美味しいご飯を食べると、何をする!?』(2022.04.17)
◎稲垣栄洋(静岡大学大学院教授・植物学者)
『春爛漫〜誰かに話したくなる草花のエピソード』(2022.04.10)
◎風間深志(冒険ライダー・NPO法人「地球元気村」大村長)
『30周年記念! 番組のシンボル、風間深志さん登場!〜「地球元気村は笑顔と元気の源」!』(2022.04.03)
2022/4/24 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、自然写真家「高砂淳二(たかさご・じゅんじ)」さんです。
高砂さんは1962年、宮城県石巻市生まれ。ダイビング専門誌のカメラマンを経て、1989年に独立。これまでに世界100カ国以上を訪れ、自然や生き物、星空や絶景などを捉えた、まさにミラクルな写真を発表、数多くの写真集も出されています。
そんな高砂さんの最新の写真集が『Aloha〜美しきハワイをめぐる旅』。ハワイの島々で撮った海や山のダイナミックで美しい風景、生き物や植物など、素晴らしい作品を掲載した集大成的な写真集なんです。
きょうはそんな高砂さんに、30年以上通い続けるハワイの自然や先住民のハワイアンから学んだ知恵のお話などうかがいます。
最新の写真集『Aloha〜美しきハワイをめぐる旅』を直筆サイン入りで3名のかたにプレゼントします。 応募方法はこちら!
☆写真協力:高砂淳二
大事な言葉、Aloha
※写真集のタイトル『Aloha〜美しきハワイをめぐる旅』にはどんな思いが込められているんですか?
「”アロハ”っていうのは、みんな聞いたことがある言葉だと思うんですけど、ハワイの人たちの間ではいちばん大事にしている言葉です。ひとことで言うと愛とか、慈悲だったり優しさだったり、色んな意味合いがありますね。ハワイアンはこれをいちばん大事にしています。
僕はハワイに長くずーっと通っている中で、先住民のハワイアンの、色んな人に色んなことを教えてもらっていて、ふたことめには、”アロハでいきなさい。アロハをシェアしなさい”って言われています。それで僕の中でもアロハがいちばん大事な言葉になったので、タイトルはこれだよね! と思って付けたんですね」
●そうなんですね。今回の写真集は、ハワイの魅力がぎゅっと詰まったような集大成的な作品集ですよね。
「そうですね。初めて行ったのは、1986年とか1987年とかそんなもんなんですよ」
●もう30年以上前ですね。
「そうですね。真剣にというか、通い始めたのは2001年からですから、いずれにしても長いですよね」
●写真集に掲載されている写真の中から、特に気になった作品についてうかがいたいと思います。まずは、この夕方の空の写真! これすごいですね〜。グラデーションになっていて、薄紫、青、黄色、オレンジ、赤・・・って、なかなか日本では見られない空の色ですよね。
「そうですね。日本でも出ないことはないと思うんですけども、なんだろうね・・・ハワイにいる時って割と気持ちもゆったりして、空を見上げたりする気持ちのゆとりがあるっていうのも、あるんだと思うんですよね」
●そうなんですか。私、ヤシの木が大好きなんですけど、下からヤシの木を撮っている写真がありましたよね。青い空に向かってヤシの木が伸びていて、すごく気持ちのいい写真だなって思ったんですが、これはどこで撮った写真ですか?
「これはカウアイ島のカパアっていう町の、ショッピングセンターから少し先に行った所って言いますか・・・割と人も住んでいるようなところなんですけどね。ヤシ林があって、そこに入り込んで真上を見たら、こんな感じでニョキニョキっと空に向かって、そびえ立っているみたいな感じでしたね」
●やっぱりハワイと言えば、ヤシの木っていうイメージもありますよね。
「そうですね。南国のイメージで、日本人もやっぱりヤシの木を見ると、憧れが
わき上がってくる感じですよね」
●私のひとり暮らしの家にも、ヤシの木の写真を飾ってあります(笑)。
「そうなんですか。僕も昔、大きいヤシの木を事務所に飾ったりしてましたね。でも実はハワイには昔、ヤシの木はなくて、ポリネシア人が持って入ったんですよ」
●そうなんですか。
「ヤシの木は、もちろん実も食べられるし、中のジュースも飲めるし、あとはココナッツの内側の繊維を使ったりとか、木の幹を使ったりとかね。全部が使える有用な木で(ポリネシアの島から)運んで、そこからなんですよね。ハワイの今のシンボルですけどね」
ドローン撮影の利点
※最新の写真集には、去年10月にハワイに行って、ドローンで撮影した写真も掲載されています。ドローン撮影の良さはどんなところにあるのか、お話いただきました。
「ヘリコプターとかセスナでも、もちろん空撮はできるんですけど、真下の写真を撮ることはちょっと無理なんですね。ヘリコプターでも斜め下くらいは撮れますけれどね。あとは細かいところに、あそこにピンポイントで行きたいとか、そういうことはなかなか(ヘリコプターは)難しいですけど、ドローンだと、許可されているエリアの話ですけど、例えば、あそこの崖っぷちに僕がいたら、こんな風景が見えるのにっていうような、イメージのまんま、要するに自分の目だけをそこに運んで撮れる感じなんですよね」
●例えばこの写真集では、どの写真をドローンで撮ったんですか?
「表紙の写真、これはビーチと海が写っていますよね。どこの海だろうって思うかもしれませんけど、日本人には有名なアラモアナ・ショッピングセンターの前のアラモアナ・ビーチなんですよ」
●へぇ〜! 真上から見ると、こうなっているんですね。
「そうなんですよ。しかも去年の10月はコロナで日本人は全然行っていないし、アメリカ人もやっと行き始めていた頃なので、水もすごく綺麗になっています」
●そうですね〜。エメラルド色というか、またこれもグラデーションになっていて綺麗ですね。
「上からよく見ると、ビーチサンダルが並べてあって、そこからみんな海に入った様子とか、細かく見ても結構楽しいですね(笑)」
●ドローンだと、こういう楽しみ方ができるんですね〜。
「そうですね。海に潜るとか、波の上でカヌーに乗りながら撮影したりすると、実際になんて言うかな・・・そこに棲んでいる生き物も、自分もそこにお邪魔して撮ることで、臨場感とか(生き物との)関係性を持って撮れたりしますね。波乗りしている人の写真だとしても、こっちも波に一緒に乗って撮ることで、波に乗っかっている感がやっぱり違うんですよね、陸から撮るのとは」
●確かに、今回の写真集は生き物の写真も多いですけれども、例えばイルカが高く飛んでいるような写真は、よし飛ぶなっていうのは、なんとなく分かるものなんですか?
「そうですね。イルカは一回(海面から)飛び出すと、上手くすればですけど、何か所かで何頭かがジャンプし始めたりするんですよ。一頭が飛ぶともう一回そのイルカが飛ぶ可能性も結構あって・・・だから一発飛んだの見つけたら、すぐにそこにカメラを向けてピントを合わせておいて、来い来いって(笑)、そうするとたまにビュンと飛んでくれるんですよね」
●すごく躍動感にあふれる写真でした!
「そうですね。なかなか簡単じゃないですけどね」
月の光で出現する夜の虹
●夜の虹の写真「ナイトレインボー」がとっても印象的でした! 夜に虹が出ることを私は知らなくて・・・この写真はどの島で撮ったんですか。
「マウイ島で、まさに(ハワイに)通い始めた2001年に見たんですよ! その時はちょうど先住民の人に出会って、不思議なハワイの、先住民の色んな知恵とか自然感みたいなものが面白くって、そういうのを聞いてハマり始めた時に、ナイトレインボーの話を聞いて、数日後のある夜に、バン! と出たんですね」
●へぇ〜〜! 夜の虹が出る条件っていうのは?
「基本的には、昼間に雨が降って太陽の光で虹が出ますけど、これが太陽の代わりに月なんですよ。ある程度、光が強くないといけないので、満月とかそういう時のほうが出やすいんですね。
太陽の昼間の虹の時も、朝とか夕に出ることが多いと思うんですけど、光源が高いと出ないんですね。なので、朝とか夕方の(光源が)低い時に出る。夜の虹も同じで、月が低い時に出ますね。でもなかなか条件って揃わないんですよ」
●そうですよね〜。
「昼間は割と、にわか雨的なものとか、通り雨とかありますけど、夜はあんまりそういうのは・・・大地が暖められて雲ができるっていうのがないので、結構珍しいですよね」
●初めてご覧になった時にいかがでした?
「いや〜もう震えましたよね。ちょうど3日前にそのナイトレインボーの話を聞いたばっかりだったんですね。そんなタイミングで見たもんだから、うわ〜やばい! (笑)って感じでしたね」
●本当に簡単には撮れないものだと思うんですけど、次からの撮影では、よし来るぞっていうのは、なんとなく予感があったりするんですか?
「いや〜全然ですね。もうそこから結局、ナイトレインボーにハマって、それを探す旅に何度も何度も行くことになって・・・でもなかなか見られないので、本当に苦労しましたね」
●ナイトレインボーは、今まで何回くらい撮影に成功されたんですか。
「そうですね・・・ハワイで10〜15回くらいでしょうかね。あと他の国でも、ニュージーランドとか、それからアフリカとか南米でも見ましたね」
ハワイアンの知恵に学ぶ
※先住民のハワイアンから生き方とか、自然との接し方のようなことを教えてもらったそうですが、どんなことを教わったんですか?
「そうですね。まず”アロハ”が大事だよということですね。アロハは、色んな人が色んな表現の仕方をするんですけど、僕が感じた言い方だと、基本的には”愛”なんですね。
この空間は、本当はそれで満たされていて、僕らの中もいつもアロハがいっぱいあるんだけど、それをちゃんとシェアしたり、アロハを与えようと、そういうふうな意識を持った時に、それがぐるぐる回り出して、自分の中を駆け巡るというのかな・・・外からどんどん入ってくるみたいな感じになるような気がするんですね。
だからそういうことをやればやるほど、なんか自分も元気になっていくっていうのかな・・・日本でいう”気”とか、色んなエネルギーみたいなのがありますけど、
そういうものの温かいバージョンというか、そういうものかも知れないですね。
そんな大切さを教わったことと、あとは”ホオポノポノ”っていうのを聞いたことが、もしかしたらあるかもしれませんけど、自分を取り巻く色んなものとの接し方をすごく大事にしていますね。
基本はアロハなんですけども、必ずなにか、例えば誰かと接するとか、それから動物もそうだし、自分と地球との関係もそうだし、そういう時にちゃんとアロハを持って接しようっていう気持ちを持つとかね。
それから尊重する。例え相手が人間であっても地球であっても生き物であっても、尊重することとか。それから物を食べたりする時も、何かをもらう時も感謝の気持ちを持つとか。いさかいになりそうな時には、許そうっていう気持ちを持つとかね。
そういうのをちゃんとやっていくことで、周りとの関係が構築できて、もっと言うと、ハワイアンの人たちは、自分の周りの環境は自分が作り出していて、自分を写している鏡みたいなものだって言うんですよ。
だから、そういうふうに接すれば、多分周りもそんなふうに返してくれるから、気づいた時にはそういうものが周りにあるっていう状況なんだと思うんですよ。だからすごくシンプルだけど、すごい知恵だなと思いますね」
※高砂さんは、カウアイ島のフラの指導者「クムフラ」のプナ・カラマ・ドーソンさんと一緒にいる時に、こんなことがあったそうですよ。
「ある時に、崖に行って海見ていたら、ウミガメが顔を出したんですよ。それを見たプナさん、”まあ〜私たちの兄弟のウミガメだわ〜”って。ホヌって言いますけど、ウミガメは。”ホヌだわ〜”って感動して。いつも見てるだろうって思うんですけど、感動して。なんていうのかな・・・兄弟姉妹に会ったみたいな感じで喜んで、アロハを示していましたね。やっぱり僕らみたいに都会に住んでいる人と、本当に感覚が違うんだなっていう気がしましたね。
あと、フラじゃないんですけど、カイポさんていう、いちばん最初に色んなことを教えてもらった人がいます。その人は男の人で、”ヘイアウ”っていう、ハワイの聖なる、神社みたいなところって言ったらいいのかな、そういう場所が(ハワイには)何か所もあるんですけども、そういうところにお供えを持って行って、お祈りしたりとかして、よく立ち会ったんですね。
自分でお供えものを作って、ここの神様はこういうものが好きだから、このプレゼントを用意してお供えして、それから歌って踊って捧げるんですね。
それがやっぱりプナさんと同じ。そこに神がいて、本当に(神に)語りかけている感じ、形でやっている感がまるでないんですよね。僕らの大地とか神との付き合い方も信じ方も、全然違うんだなっていう感じがしましたね。
多分本当にそこにはそれがあって、そういうのが大地を守って、そういうのに対してどんな気持ちかっていうのを、本当に心底、関係を作っているっていう感じがしましたね」
居心地、いいよね〜
※ハワイに行った時、やっぱりハワイはいいな〜と思うのはどんな時ですか?
「うーん、そうですね。ハワイって行くとなんか居心地がいいんですよね。それで空港に入った途端に係のおばちゃんとかが”アロハ〜”とか、おじちゃんが”アロハ〜”って言ってくれて、それでまず和むんですよ。
で、空港に降り立ってちょっと外に出るとプルメリアの香りとか、特にあの辺でレイをかけてくれている人たちがいるから、そういう花の匂いがぷ〜んとして、なんかもうウェルカムされちゃった! みたいな感じですよね。
やっぱりそういうのもハワイアンがいつも心がけているアロハが島に染み付いているというか、空気を作り出していると思うんですけど。それでもう居心地がいいなって、それに浸るとやっぱりいいよね〜って感じがします」
●いいですね〜。確かにひとりひとりがアロハを心がけることで、もう島全体が優しい温かい空気になりますよね。
「そうですね。本当なんです」
●今後もハワイには通い続けられますか?
「そうですね。自然との出会いって、頭で考えている以上のことが起こるのでね。最初にナイトレインボーと出会った時みたいに、全然そんな存在も知らなかったのに、ちょっとしたことで出会うことになって、そこからまたハマるとかってありますのでね。
また次なる段階の出会いがあるのかなと思って、まずは行って、それで自然に触れて溶け込んで、撮影し始めたら、またなにか起きるんじゃないかなと思って期待しています」
☆この他の高砂淳二さんのトークもご覧下さい。
INFORMATION
ハワイで撮った作品の集大成的な写真集。ページをめくる度に、ハワイの日差しと風、そして匂いさえも感じられて、まさにハワイにいるような気分にさせてくれます。ドローンで撮った表紙の写真にも注目ですよ。ぜひご覧ください。パイインターナショナルから絶賛発売中です。詳しくは出版社のサイトをご覧いただければと思います。
◎PIE International :https://pie.co.jp/book/i/5617/
高砂さんのオフィシャルサイトも見てくださいね。
高砂さんの最新の写真集『Aloha〜美しきハワイをめぐる旅』を直筆サイン入りで、抽選で3名のかたにプレゼントいたします。
応募はメールでお願いします。
件名に「本のプレゼント希望」と書いて、番組までお送りください。
メールアドレスは flint@bayfm.co.jp
あなたの住所、氏名、職業、電話番号を忘れずに。
番組を聴いての感想なども書いてくださると嬉しいです。
応募の締め切りは 4月29日(金)。
当選発表は発送をもって代えさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしています。
応募は締め切られました。たくさんのご応募、誠にありがとうございました。
2022/4/24 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. JUST THE WAY YOU ARE / BRUNO MARS
M2. ALOHA ‘OE / SEAN NA’AUAO
M3. NORTH SHORE SERENADE / NA LEO
M4. OVER THE RAINBOW / ISRAEL KAMAKAWIWO’OLE
M5. ハワイ・アロハ / Ashley Kimo Artis & Cheri Nakamura
M6. BETTER TOGETHER / JACK JOHNSON
M7. HAWAI’I / KEALI’I REICHEL
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
2022/4/17 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、動物作家の「篠原かをり」さんです。
篠原さんは子供の頃、毎週のように動物園に連れて行ってもらったこともあって、生き物が大好きになり、図鑑を何度も見返すようなお子さんだったそうです。そして2015年に昆虫に関する本で作家デビュー。現在は慶應義塾大学SFC研究所の上席所員としても活動されています。
生き物が大好きな篠原さんは、世界の不思議を紹介するミステリーハンターとして、テレビ番組などでも活躍、動物や昆虫に関する幅広い知識には定評がありますよね。
きょうはそんな篠原さんの新しい本『よし、わかった! いきものミステリークイズ』をもとに、生き物に関する、知っていそうで意外に知らない生態をクイズで出題します。ぜひご参加ください。
馬の血液型、歌うゴリラ
●今週のゲストは動物作家の篠原かをりさんです。よろしくお願いいたします。
「よろしくお願いします」
●篠原さんの生き物に関する膨大な知識は、テレビ番組でもおなじみですけれども、そんな篠原さんの新しい本が『よし、わかった! いきものミステリークイズ』ということで、私も読ませていただきました。大人の私でも知らないことがたくさんあって、早く誰かに言いたいって思うものばかりで面白かったです!
「ありがとうございます。一応、子供向けの本にはなるんですけど、私自身が子供の時に新しく知ったことを結構、両親に教えたりとかしていたので、大人にとっては当たり前のことだとつまらない気持ちになってしまうだろうなと思って、子供があまり知らないような動物ではなくて、親子でその動物自体は知っているけれども、この生態は知らないとか、大人も一緒にびっくりできるようなことにはこだわって作成しました」
●まさに大人の私もびっくりしました。本当に面白かったです。きょうはこの本をもとにクイズ形式で進めていきたいと思います。ぜひリスナーのみなさんも一緒に考えてみてください。
まずは「動物園クイズ」からいきたいと思います。
では問題! 馬の血液型は何種類くらいあるでしょう?
① 300種類 ② 3万種類 ③ 3兆種類
どれも多いなという印象ですけれども、人間は A、B、O 、ABですよね?
「そうですね、組み合わせで言った時にAAとかAOとかあることを考えるともうちょっと多くはなるんですけど、まあA、B、Oの組み合わせによって生まれるものですね」
●そうですよね。さあどれくらいあるんでしょうか。
では、篠原さん答えをお願いします。
「正解は3兆種類です」
●すごいですよね。そんなに多いんですか!?
「もともとは8種類なんですけど、8種類を組み合わせた結果、3兆種類になるぐらい多様な血液型があります。ただ3兆あると、なかなか輸血が大変だろうなと思うんですけど、その中でも人間でいうO型のように、どの血液型にも輸血しやすい血液型の馬がいたりとか・・・3兆種類って言うよりは、組み合わせが3兆種類あるって感じですね」
●3兆ってすごい数ですよね。では続いての問題にいきましょう。
問題! ゴリラは美味しいご飯を食べると何をするでしょうか?
ヒントは人間も気分がいいと、やることもありますよね?
「そうですね。でも人間でやっている人がいたら、だいぶご機嫌な感じですよね」
●そうですよね(笑)。みなさん分かりますでしょうか。ゴリラは美味しいご飯を食べると何をするでしょうか。
では、篠原さん、答えをお願いします。
「正解は、鼻歌を歌う」
●これ面白いですよね。動物園でゴリラは鼻歌を歌っていますか?
「この鼻歌を歌うのは、野生の中で研究しているチームが発見したので、動物園のゴリラもするかはまだ分からないんですけど、普通のご飯より、さらに美味しいご飯を食べている時に歌の量が違ったりとか、より美味しいご飯で、その食事に満足する時には鼻歌を歌うようですね」
●ご機嫌でいいですね。可愛いですね。
(編集部注:ほかにも歌うとされている生き物として、南米のアンデス山脈に生息するネズミの仲間「デグー」がいると教えていただきました。群れの仲間たちといろいろな鳴き声を使ってコミュニケーションをとるそうで、まるで歌うように鳴くことから「アンデスの歌うネズミ」といわれているそうですよ)
アデリーペンギンのプロポーズ!?
※きょうは篠原さんの新しい本『よし、わかった! いきものミステリークイズ』をもとにお話をうかがっています。
●では、続いて「水族館クイズ」にいきたいと思います。
問題! アデリーペンギンのオスはプロポーズの時、何をプレゼントする?
食べるものとかですかね?
「プロポーズの時に物をプレゼントする婚姻贈呈っていう行為は、昆虫を含めいろんな動物に見られはするんです。アデリーペンギンは異質なんですが、人間からしたら結構、納得がいくかなっていう感じがしますね」
●人間がプロポーズの時にもらって嬉しいのは指輪とかですよね。
では、篠原さん答えをお願いします!
「正解は石です」
●石! ちょっとダイヤモンドに通ずるというか・・・。
「そうですよね。石の種類でいうと、本当に石ころっぽい見た目の石ではあるんです。鳥の中では巣を作って、その巣ごとプレゼントするというか、巣を作った状態でプロポーズするような鳥も多いんですね。このペンギンが石で巣を作るので、その巣の材料の一部ということで石なんじゃないかなと・・・」
●一緒にこの巣を守っていこうみたいな・・・?
「実際にその石の良し悪しで(婚姻が決まります)。このペンギンってすごく一夫一妻制が強いというか、つがいになる意識が強い鳥なので、何年にも渡って同じつがいで集合していたりとか、一生一緒にいるからこそ、その可能性が高いからこそ、えり好みじゃないですけど、相手を入念に選ぶ鳥ですね。その石を受け取ってくれたら婚姻成立、つがいになるっていうふうになっています」
●では、次は「おうちのいきものクイズ」から。
問題! 次のうち遺伝的に最もオオカミに近い犬の種類は何でしょう?
① 柴犬 ② シベリアンハスキー ③ ラブラドールレトリバー
オオカミに近い大きさとか見た目からいうと、シベリアンハスキーかな・・・。
「そうですね。かなりオオカミっぽい印象で、子供の時、私もシベリアンハスキーが散歩しているのを見て、オオカミを飼っている人がいるなと思ったんですけど」
●そうですよね。では、篠原さん答えをお願いします!
「正解は柴犬です」
●柴犬がオオカミに近いんですか?
「かなり近いですね。柴犬に限らず日本犬って意外とオオカミに近いですね」
●どのあたりが?
「遺伝的な部分ですね。どこから分岐したか、オオカミからいちばん近い親戚というか。犬の種類というか品種なんですけど、オオカミから距離感的に近いのが柴犬ですね。他にも近いものでいうとチャウチャウとか。シベリアンハスキーやレトリバーもそんなに遠いわけではないんですけど、意外とシーズーのような小っちゃい犬とかが近かったりとか。見た目ではなく、柴犬はかなり上位で、オオカミに近いとされていますね」
カモノハシに会いたい!
※今いちばん興味のある生き物はなんですか?
「ずっといちばん大好きなのはドブネズミ。やっぱり好きですね」
●ドブネズミのどのあたりがお好きなんですか?
「街にいるドブネズミは、可愛くても触ったりしては、さすがに衛生上よろしくないんですけど、子猫と子犬の中間のような性格と言われていて、非常に懐っこいんですよね。
ドイツの研究で、研究者たちとネズミがかくれんぼするっていう研究があって、かくれんぼのルールを覚えて、人に見つからないように隠れてたりとか、人を見つけると笑い声をあげたりとか、そういうお茶目なところがあって、一緒に暮らせば暮らすほど、愛おしくなってくる動物ですね」
●一緒に暮らしていたわけですよね。
「はい。またいつか一緒に暮らしたいなと思うんですけど、あまりにも可愛すぎて、あんな可愛い動物が、寿命2年でいいわけがないと思って、いつも納得できない気持ちになっちゃうんですよ」
●そうなんですね。篠原さんからすごく生き物愛が伝わってきます。コロナ禍ではありますけれども、自由に旅に行けるようになったら、今後どんな生き物を見たいですか?
「そうですね。私、東南アジアや南米にはよく行っていたんですけど、生き物を好きって言いながら、まだオーストラリアやニュージーランドには行ったことがなくて、有袋類の仲間をまとめて見たいなと思いますね。あとはいちばん見たいのはカモノハシですね」
●カモノハシ?
「有袋類でも、カンガルーやコアラは日本国内でも見ることができるんですけど、カモノハシは、あまりにも魅力的な存在でありながら、日本国内で見ることができません。現地に行かないと見ることができないので、現地に行かないと見られない生き物として、やっぱりいちばん見たいのが、今はカモノハシですかね」
●どんなところが魅力的なんですか?
「見た目のとっぴさというか、哺乳類なので、哺乳類のずんぐりした体と、くちばしと水掻きと、卵を産むっていう生態と、最近、紫外線ライトを当てると発光することが分かったりとか。
全体的に何ひとつ確かなキャラクターをつかめていない不思議なばかりの動物なので、実際会って見た時に私は好きになるなって確信はあるんですけど、より好きになるために会いに行きたいなと」
(編集部注:先ほどドブネズミが大好きというお話がありましたが、ペット用として品種改良されたネズミで、ファンシーラットとも呼ばれています。街中で見かけるドブネズミは感染症の危険がありますので、絶対に触らないでくださいね)
生き物から学んだこと
※篠原さんは慶應義塾大学SFC研究所の上席所員でいらっしゃいますが、どんな研究をされているんですか?
「慶応大学のSFC研究所の所員として携わった研究としては、餌のタンパク質の量がどんな影響を与えるのかっていう研究があって、その中で昨年、昆虫食の論文を出しました」
●私の立教大学のゼミの教授が昆虫食を研究していたんですけど、ゼミの最中に昆虫食を何度も食べさせられたんです(笑)。この番組にもゲストで出てもらったんですが、昆虫食のどんなところを研究されているんです。
「昆虫食の中でもいろんな昆虫がいる中で、私は蜂の子の粉末をマウスに与えて、その影響を見るっていうことをしていたんですね。論文としては、まず害がないこと、蜂の子が有害な作用をもたらさないことの確認と、あとは他のタンパク質にはない、いい部分がないかっていうのでは、筋肉を発達させる、活性化させる遺伝子が活発になっていることが確認できたという論文をあげていますね」
●改めて、生き物を見ていて、篠原さんはどんなことを感じますか?
「本当に色んな生き物がいすぎて、とにかくルールはないんだなとか。今残った生き物はいい部分があって、武器があるから残ってきたんだって思っていたんですけど、そうじゃなくて、結構ランダムに残るんだなっていうのを最近、学びを深める中で実感していますね。
そこから分かることって、どんなふうに生きてもいいし、必ずしも合理的なばかりが進化ではないし、自分も他人の生き方も必ずしも合理的な結果をもたらすわけではないから、あらゆることが、これだけ色んな生き物がいて、色んな結果になっているのは、自分の人生においても、何が起きても仕方ないなっていう諦めと安心感の中間のような気持ちを持ちましたね」
※この他の篠原かをりさんのトークもご覧下さい。
INFORMATION
篠原さんの新しい本をぜひチェックしてください。「動物園クイズ」「水族館クイズ」「昆虫館クイズ」そして「おうちのいきものクイズ」の4つのジャンルから、生き物の生態や不思議を学べる内容になっています。子供向けではありますが、大人が読んでも、知らないことがたくさんあって、楽しめました。おすすめです!
文藝春秋から絶賛発売中です。詳しくは出版社のサイトをご覧ください。
2022/4/17 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. ANIMAL / KE$HA
M2. WILD HORSES / THE ROLLING STONES
M3. DO THE FUNKY PENGUIN – PART ONE / RUFAS THOMAS
M4. Trad / 東田トモヒロ
M5. Beautiful Days / D.W.ニコルズ
M6. アイ ライキュー / ビッケブランカ
M7. Walk Of Life / Randy Meisner
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
2022/4/10 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、静岡大学大学院の教授で植物学者の「稲垣栄洋(いながき・ひでひろ)」さんです。
稲垣さんは1968年、静岡県生まれ。岡山大学大学院から農林水産省、そして静岡県農林技術研究所などを経て、現在は、植物学者として活躍されています。
そんな稲垣さんの新しい本が『花と草の物語手帳〜105の花言葉とエピソード』。この本には「野で見かける草花」「植栽で見かける木・花」そして「お店で見かける花」の3つの章があり、身近な花にまつわる、ほっこりするようなエピソードを、とても綺麗なイラストとともに紹介しています。その中からいくつか稲垣さんに解説していただきましょう。
☆イラストレーション:miltata(小林達也)
タンポポは体操する!?
※まずは「野で見かける草花」の章から、タンポポ。タンポポは体操すると書かれていますが、これはどういうことなんですか?
「もしかすると植物って動かないっていうイメージがあるかもしれないんですけど、意外と動いているんですよね。時期によって動いたりとか、あるいは昼と夜で結構、葉っぱの位置が違ったりとかよくあるんですけど、タンポポは体操をするというふうに言われています。
何かと言いますと、タンポポって花が咲く時は上のほうに茎を伸ばして咲いていますよね。で、花が咲き終わったあと、茎が一回地べたに寝転ぶんですね。そんな動きをするんですけども、そのあと花が咲き終わるとタネができますよね。タネができると、綿毛が付いていますので飛ばすんですけど、タンポポは綿毛を飛ばすためにもう一度茎が立ち上がるんですね。
その時には、花が咲いていた時よりもさらに茎を伸ばして、高いところで綿毛を飛ばそうとします。だから一回立ち上がって咲いていたやつが横に寝そべって、それからもう一回立ち上がるっていうことが見られるんですね。そういう動きが体操していると表現されています」
●なるほど〜!
「その辺でタンポポをよく見ると、ひとつのタンポポの中でも、咲いているやつは立ち上がっていたりとか、咲き終わったやつが寝転んでいるとか。それから綿毛を飛ばしていたり、そういう様子も見ることができますので、ぜひタンポポを見てもらえるといいかなって思います」
●続いて、シロツメクサですけれども、四つ葉のクローバーは幸運のシンボルと言われていますよね。で、四つ葉はよく踏まれるところにあると、本に書かれていましたけれども・・・。
「そうですね。小尾さんは四つ葉のクローバーを探したりしたことは?」
●はい、小さい頃よく見つけに行きました!
「探しますよね。これ、見つけやすいところがあると言われています。それがどういうところかというと、人がよく通って踏まれているような場所とか、あるいは車が通ったりするような、タイヤに踏まれているような場所で、四つ葉のクローバーは見つかりやすいって言われているんですね」
●逆に踏まれていないところにあるのかと思っていました(笑)。
「そうですよね。踏まれていないところのほうがシロツメクサが元気なような、踏まれているところは、踏まれるのに耐えながら生えているっていう感じなんですけど、実は踏まれるところで見つかりやすいと言われています。
どうしてかというと、葉っぱのもとになる”原基”っていうところがあるんですけども、そこが踏まれることによって傷付いてしまうんですね。傷付くことによって、ひとつだったところがふたつに分かれたりするようになるんですね。もともとシロツメクサは三つ葉なんですけど、そうやってふたつに分かれることによって、四つ葉になると言われています。
シロツメクサの四つ葉が発生する原因はいくつかあるんですけども、そのうちのひとつは、そういうふうに葉っぱのもとになるところが傷付くことによって、四つ葉になります。ですから、人がよく通るところ、あるいは車が通るようなところで四つ葉が生まれやすいって言われていますね」
●そういうことで四つ葉が生まれてくるんですね。
「四つ葉のクローバーは幸運のシンボルと言われていますけど、幸せっていうのは踏まれて育つというか、踏まれながら幸せは、もしかしたら育っていくのかもしれないっていうのを、クローバーは教えてくれているのかもしれないですね」
(編集部より:日本でいちばん長い植物の名前を知っていますか? その名前は「リュウグウノ オトヒメノ モトユイノ キリハズシ」。これは浅い海に生えるアマモの別名なんです。どうしてこういう別名になったのか、少し説明しておくと・・・「龍宮の乙姫」はわかりますよね。「元結(もとゆい)」とは髪を束ねる紐(ひも)のことで、乙姫さまの髪を結っていた紐が流れてきて、アマモになったという伝説からそう呼ばれるようになったとか。
ちなみに、いちばん短い植物の名前は「イ」。この一文字だとわかりづらいので、一般的には「イグサ」と呼ばれています。また、樹木では「エ」という名前がありますが、これだけだと不便なので「エノキ」と呼ぶようになったそうですよ)
アヤメ、カキツバタ、ハナショウブの見分け方
※続いて「植栽で見かける木・花」の章からお話をうかがいましょう。これから初夏にかけて見られる「アヤメ」、この「アヤメ」と「カキツバタ」そして「ハナショウブ」はよく似ていますよね。何か見分けるポイントはありますか?
「”いずれアヤメかカキツバタ“みたいな言葉もあるくらい、よく似ているものなんですけど、もともとは違う植物っていうか、生えている場所が違うんですね」
●生息地が違うんですね?
「カキツバタは水が溜まるところに生えているんですけど、ハナショウブは水が溜まるところよりは、少し湿った湿原のようなところに生えます。アヤメはむしろ水はけのいい場所、草原なんかに生えているのがアヤメなので、もともと生えている場所は全然違うんですよね。
菖蒲園なんかでは水が入っているほうが涼しげに見えるので、カキツバタもハナショウブもアヤメも、水を溜めたところに植えられているのが多いんですけど、もともと野生の生息地は違うんですね。
色んな品種がありますので、なかなか見分け方が難しいところではあるんですけども、下の花びらに注目をしてもらうと分かりやすいかなって思います。下の花びらに少し模様があるんですね。
何かというと、花は昆虫を呼び寄せるために咲きますよね。なので(花には)昆虫にここに蜜がありますよっていう目印があります。ネクターガイドって言うんですけど、虫たちへの看板っていうか合図ですね。そのネクターガイドの色が少し違うんですね。
カキツバタの場合は花びらの模様が白、ハナショウブは黄色、色が違いますね。それからアヤメの場合は網目のような模様になっていますので、下の花びらに注目してもらうと、カキツバタとハナショウブとアヤメを見分けやすいかなって思います」
赤いスイートピーは歌が先!?
※自然界には黄色や白い花が多いような気がしますが、どうしてなんですか?
「黄色とか白い花って多いですよね。特に春は黄色いタンポポとか菜の花とか、黄色が多いかなっていうイメージがありますけれども、植物の花の色には必ず意味があります。花は昆虫を呼び寄せるためのものですよね。で、黄色に好んで来る虫がいて、それがアブの仲間なんですね。花にやってくるアブの仲間なんですけど、それはすごく黄色を好んでいます。
これはどっちが先か分からなくて、黄色い花が多いからアブが黄色を好むようになったのか、アブがもともと黄色が好きだから、植物が黄色になったのかは分からないんですけど、とにかく黄色い花にアブがやってきやすいっていう特徴があります。
春は結構、気温が低い時がありますよね。本当はハチが花粉を運んでくれるのがいちばんいいんですけど、ハチはもう少し暖かくなってこないと、なかなか活動ができないですよね。
アブはすごく気温が低くても活動ができるので、春になってきたかなと思って、最初に活動を始めるのはアブですね。なので、アブが活動している春に黄色い花が多いっていう意味もあります。それから黄色い色素は、実は色んな役割を持っていたりするので、植物にとって使いやすいですね。
それから白。白の植物は実は色素がないんですよ。白い色素っていうのがないので、白い花は色素を全く持っていない。そうすると透明になっちゃうんじゃないのって思うかもしれないですけど、光は乱反射をするんですよね。牛乳なんかが白いのと同じ原理なんですけど、光が反射すると白く見えるので、色素が全くないと花は白くなるんです。
色素がない白が目立つのってどういう時かなっていうと、夏になってきてすごく緑が深くなってくると、白は目立ちやすいですよね、暗いところで。だからこれからだんだん夏になってきて緑が濃くなっていくと、白い花が増えてくるという特徴があります」
●色でいうと、「お店で見かける花」の章で「赤いスイートピーは歌が先」と書かれていました。「赤いスイートピー」ってあの松田聖子さんの歌ですよね?
「そうですね。『赤いスイートピー』っていう歌が昔、流行ったんですけども、実際には赤いスイートピーはなかったんですね。歌は赤いスイートピーというイメージで作られたと思うんですけれども、植物の花の色というのは黄色とか白とか紫、もちろん自然界では決まっているんです。人間はやっぱり色んな色があったほうが花屋さんなんかが華やかになるので、品種改良して色んな花を作っているんですよね。
スイートピーというのはもともと豆の仲間なんですね。スイートピーのピーは、あのグリーンピースのピーと同じなので、エンドウとは仲間が違うんですけど、同じ豆です。よく花が似ているっていうことで、スイートピーはグリンピースのピーと同じピーが付けられているんですけど、豆の仲間はレンゲソウとかもそうなんですけど、ちょっと紫色みたいなのがもともとの色なんですね。
それは何故かというと、ミツバチの仲間を呼び寄せるための色なんです。なのでスイートピーももともとの野生の色は紫ですね。そこからいろいろ品種改良していったんですけど、赤はなかったんですよ。
だけれども、松田聖子さんの歌があれだけ流行ると、スイートピーと言えば赤! みたいなイメージになりますよね。なので、研究者とか育種をする人が一生懸命、品種改良に品種改良を重ねて、何とか皆さんのイメージに合うような赤い品種を作っていたんですね。だから歌がいちばん最初で、それに合わせて、頑張って品種改良をしていったのがスイートピーですね」
(編集部より:来月5月8日は「母の日」。「母の日」の花といえば、カーネーションが有名ですが、その名前の由来をご存知ですか? 語源は諸説ありますが、ラテン語で「肉」を意味する「カーン」に由来するとも言われています。花の色が肉の色に似ているからだそうですよ。この「カーン」はカーニバル=謝肉祭の語源にもなったとか。
ちなみに、カーネーションはアメリカの花だというジョークもあります。カー・ネーション、つまり「車の国」だと・・・苦笑)
雑草は強くない!?
※稲垣さんは「みちくさ研究家」でもあるそうです。そう名乗るのは、道に生えている草が好きだからですか?
「私、植物の中では雑草というか道に生えている草が一番好きで、よく道草をそれこそ食いながら歩いているっていうのと、それから自分の人生を考えてみると決して真っ直ぐではなくて、あっち行ったりこっち行ったりしながら、歩いてきたなと思って、”みちくさ研究家”を自分で名乗っています」
●雑草ってすごくたくましいなっていうイメージもあるんですけれども、専門家の稲垣さんからみると、雑草ってどんなイメージですか? 強いイメージですか?
「そうですね。これは私が言っていることではなくて、植物学の教科書を見ると、雑草は強くないって書いてあるんですよ。むしろ雑草は弱い植物であると、植物学の教科書に書いてあるんですよ」
●あら! 真逆のイメージでした。
「そうですよね。雑草ってやっぱり強かったり、たくましいイメージがありますよね。それなのに雑草が弱いってどういうことかなって思うと、雑草は実は競争に弱いんですね。植物にとっては、やっぱり光を少しでも高いところまでいって浴びたりする、そういう競争がすごく大事なんですけど、実は雑草は競争には弱いんですね。
では、どうしているかというと、雑草というのはほかの植物が、つまり強い植物が生えることができないような場所に生えているわけです。ほかの強い植物が生えない場所ってどういうところかなっていうと、踏まれる場所とか草取りされる場所。そういうところには、強い大きな植物って生えることができないですよね。そういうところに競争から逃れて、生えているような植物が実は雑草なんですね。
ただし、何が強くて何が弱いのかなっていうことになると思うんですけど、やっぱり私たちの周りで見る雑草は強く見えますよね。で、何に強いかっていうと、雑草は環境の変化に対して強い、変化を乗り越える力がすごく強いと言われています。ですから、強い弱いって言うけど、実際には色んな強さがあったりして、変化を乗り越える強さで成功している植物が雑草っていうことになりますね」
ナンバーワンでオンリーワン
※稲垣さんは、あるインタビュー記事の中で「生物の世界ではナンバーワンにならないと生き残れない」とおっしゃっていました。これはどういうことなのか、教えていただけますか。
「これは本当に、高校の生物の教科書にも載っているようなことなんですけども、実は基本的に自然界はすごく競争が激しいんですよね。弱肉強食っていうか適者生存というか、強い者が生き残り、そして弱い者が滅んでいくっていう激しい生存競争が行なわれているんですね。どれぐらい激しいかというと、勝ったほうが生き残り、負けたほうが滅んでいく、しかもナンバーワンじゃないと生き残れないっていう世界なんですね」
●かなり厳しいですね。
「厳しいです。もう2位じゃだめなんです。2位じゃだめなんですかって言っていた人が昔いましたけれど(笑)、自然界では2位じゃだめなんです。人間の世界だったら2位でも銀メダルとか、十分讃えられるべきことだと思うんですけど、生物の世界では2位じゃだめで、ナンバーワンじゃないと生き残れないですね。すごく厳しいんです。
でも、そうすると世界でたった1個の1種類の生物しか生き残れないってことになりますよね。だけど、私たちの身の周りにはたくさんの生物がいて、たくさんの植物がいますよね。実はすべての生物がナンバーワンなんですね。すべての生物が競争を勝ち抜いたナンバーワン。
これどういうことかっていうと、実はナンバーワンになる方法ってたくさんあるんですよね。例えばこの環境とかこの季節とか、どんな形でもいいから、そこでナンバーワンになることが大事なんですね。
そのナンバーワンになる方法がたくさんあって、すべての生物がナンバーワンを分け合っているんです。分かりますか? つまりナンバーワンになれる場所はオンリーワンなんですね。そのオンリーワンの場所ではナンバーワン、隣の生物はまた別の環境、別の条件でナンバーワンっていう、すべての生物がナンバーワンになっているんですね」
●へぇ〜素晴らしいですね!
「そうやってナンバーワンを分け合うことによって、この多様性と呼ばれる世界が創られているってことになりますね」
●なんか人の生きかたににも通じる感じがしますね。
「そうですね。私たちは限られた条件で、例えば学校の成績が〜とか、売上が〜とか、数字の単純な物差しで順位を付けてしまうんですけど、実はナンバーワンになる方法はいっぱいあって、みんながナンバーワンになれる世界は創れるんだって、生物は教えてくれているのかなって思います」
雑草の生き方
※雑草が大好きだとおっしゃる稲垣さんは、こんな見方もされています。
「雑草はすごいなって思うことがひとつあって、それは雑草ってものすごく変化をするんですけど、変化しないものってあるんですよね。小尾さんは、雑草は踏まれても踏まれても立ち上がる、みたいなことを聞いたことはありますか?」
●はい、雑草魂! みたいな・・・。
「雑草魂! 踏まれても立ち上がるんだ!って、あれ結構、間違いです(笑)」
●そうなんですか!?
「雑草は踏まれるところで見てると、そんなに立ち上がらないんですよね。踏まれているところを見ていただければわかるんですけど・・・。じゃあなんで立ち上がれないのかな、なんか情けないなって思うかもしれないんですけど、そうじゃなくて、雑草にとっていちばん大事なことってなんですか? 雑草、植物にとっていちばん大事なことは、花を咲かせてタネを残すことじゃないですか。だから、踏まれても踏まれても立ち上がるって、結構ムダな努力なんですよね」
●確かにそうですね。
「それよりも、踏まれながらどうやって花を咲かせようか、踏まれながらどうやってタネを残そうかって考えるほうが正しいじゃないですか。なので、雑草は踏まれるところでは立ち上がる努力はしないで、踏まれながら花を咲かせることに力を注ぐんですよ。
雑草はすごく変化をするって言ったんですけど、実はタネを残すことが最優先っていうところは、絶対ぶれないっていうか、どんな雑草もそこは絶対大事にしている、最大限の力でタネを残すんですよね。
大切なことは見失わないっていうのは、実は雑草の生き方で、そういう雑草の生き方をみるとすごく楽しいなっていうふうに思いますね」
●春本番を迎えて、色んなお花が咲いてきていますけれども、こんな視点で花や植物を見るといいよ、面白いよっていうヒントがあれば教えてください。
「意外と身近なところに植物ってあると思いますので、身近な植物を探してほしいなって思います。東京とか大阪とか都会に住んでいるので、周りに緑はないです、雑草はないですっていうかたがいらっしゃるんですけど、よく探してみると必ず雑草があったり、植物が花を咲かせたりしますので、そういう自然が少ないところこそ、例えば自然の花を探してみると面白いなって思います。
お勧めなのが定点観測っていうんですけど、同じ場所を見るってことですね。例えば会社に行く通勤路の途中でもいいし、スーパーに買い物に行く途中でもいいんですけど、ここに花が咲いているな〜とか、ここに雑草が生えているな〜って見つけたら、同じ場所をずっと見ていくっていうのがお勧めですね。
そうすると季節によって変化していったりとか、あるいは同じ春でも、今年の春と来年の春では実は様子が変わっていくんですよね。それは、同じ場所をずっと見ているとすごく分かることなので、どっかお気に入りの場所を決めて、そこの植物を観察していくと面白いんじゃないかなと思います」
INFORMATION
この本には「野で見かける草花」「植栽で見かける木・花」そして「お店で見かける花」の3つの章があります。きょうご紹介できたのはほんの少しで、誰かに話したくなる花にまつわるエピソードが満載ですよ! とても綺麗なイラストを見ているだけでも心が和むと思います。ぜひご覧ください。大和書房から絶賛発売中です。詳しくは出版社のサイトをご覧ください。
2022/4/10 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. FLOWERS / THE EMOTIONS
M2. LIFE IS A FLOWER / ACE OF BASE
M3. WILDFLOWER / SHERYL CROW
M4. 赤いスイートピー / 松田聖子
M5. 世界に一つだけの花 / SMAP
M6. 心の花を咲かせよう / いきものがかり
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
2022/4/3 UP!
1992年4月に始まったこの番組「ザ・フリントストーン」が丸30年を迎え、今回の放送から31年目に突入! そして、新年度に入った4月最初の放送ということで、改めて番組名についてご説明しましょう。
「フリントストーン」は「火打石」という意味がありますが、実は1960年代に日本のテレビでも放映されたアメリカのアニメーション「原始家族フリントストーン」(原題 THE FLINTSTONES)にもあやかっているんです。
原始時代は人間が自然を壊さず、ともに生きていた、いわば「共生」していた時代ということで、今もそうあって欲しい、という願いが込められています。そんな思いを多くのかたと共有できたらいいなと思っています。
今週は30周年記念!ということで、記念すべき第1回目のゲスト、冒険ライダー、そしてNPO法人「地球元気村」の大村長、風間深志さんをお迎えします。いつも元気でガハハハと笑う風間さんはこの番組のシンボル的な存在なんです。
風間さんは1950年生まれ、山梨市出身。1982年に日本人として初めて「パリ・ダカールラリー」に参戦、さらに、バイクによる史上初の北極点と南極点に到達など、数々の大冒険に挑戦されています。
そんな風間さんが1988年に仲間と設立したのが「地球元気村」で「人と自然が調和している社会」の実現を目指して作られたプロジェクトです。
「地球元気村」といっても特定の場所があるわけではなく、全国各地の、豊かな自然が残る市町村と連携し、いろいろな分野で活躍されているかたを講師に迎え、自然体験型のイベントを開催しています。
きょうは、人も地球も元気になる活動と、専用キャンプ場のお話などうかがいます。
☆写真協力:NPO法人 地球元気村
番組は30周年! 地球元気村は34年!
●今回は、この番組の記念すべき第1回目のゲスト、冒険ライダーそして地球元気村の大村長、風間深志さんをお迎えしています。よろしくお願いします。
「いい声だね〜、渚沙ちゃんは!」
●ありがとうございます!
「はい! よろしくお願いいたします。今、簡単に言ったけど、第1回って30年以上前なんだよ!」
●そうです! そうなんです! この番組が放送開始から30周年を迎えて、今回の放送から31年目に突入します。そして風間さんには毎年4月の第1週目にご出演いただいていて、30年以上のお付き合いということで、ありがとうございます!
「そうだね! そこを強く言ってもらわないとね!(笑)」
●そうですね。
「よく生きてたもんだよ、30年もね。普通は、お亡くなりになっているよ(笑)」
●いやぁ〜(苦笑)。風間さんが、仲間と共に創られたNPO法人「地球元気村」が1988年の創立ですから、今年で34年ですか?
「34年ね! 無駄に年が経過しましたけど、本当はもっともっと社会にお役に立ちたい活動でいるつもりだったんだけどね。とにかく実績は年だね」
●すごいことですよ〜。
「34年経ったことだけは、もう大きな足跡っていうかね」
●そうですね。やっぱり自然の中で遊んで学ぶことが、大事ってことですよね?
「そうだね。だって古来、人間っていうのは自然の中で育ち、自然に育まれ、その自然との対話が大事なのに、いまはあまりにも様々快適な空間を演出し、それを追い求めているから、自然体験がそもそも少なくなっちゃうんだよね。
子供は特に自然と触れ合うのが好きだし、都会の真っ只中に生まれて、何も知らない子供が山に行って川に行っても、虫とか動物とか鳥とか大好きなんだよね! なぜだと思う? 教えていないのに。
これはやっぱり人間本来のDNAがちゃんと備わっていて、自然の中でたくましく生きていくためには、そういう経験とか体験とかが必要だから、自然にそこを吸収しようって子供は思っているわけ。
だけど、見える景色が全部、高い高層ビルから街を見て、眺めて、その子はどうやって育っていくの? 難しいよね。だから自然体験はすごく僕は大事だと思って、みんなに伝えようとしているんだけど、なかなか成果があがらないね(苦笑)」
●そんな〜、だってもう34年ですから、見事なことですよ〜。
「もう何十万人ってかたが、元気村のワークショップなんかを経験して、それが社会に何気に役立っているかも知れない。それは思いながらも、僕が昔、思い描いた人間社会のライフスタイルがそんなに大きくは変わっていないところをみると、お前、何にも出来ていないな〜って、自戒の念に浸るんですよ」
自然との対話
※「地球元気村」はこれまで多くの都会生活者を自然のフィールドにいざなってきましたが、改めて、どんな思いがあったのかをお話しいただきました。
「人も自然も共に永遠な元気、健康であるために、私たちが自然っていうものを考えていくためのコミュニティ、村ってことはコミュニティ、社会を意味するんですよ。社会全体がそういった思考の方向性にいったら、もっと素晴らしくなるんじゃないかなって。
僕が”地球元気村”っていう呼び名を使って30何年間、この先何年あるかわからないけど、これが終わって50年経った先も、”地球元気村”っていう名前はないかも知れないけど、同じテーマを人間は持ち続けるんだと思うんだよね。
つまり普遍的に自然の中で、この宇宙の中で、営み続け生きていくんですね。それはやっぱり自然との対話なんだよね。人間は人間を食わしてくれない。人間は何か勇気を与えたり、お互い慰めあってスクラムを組んで頑張っていこうっていう、まあ運命共同体。その運命共同体が向き合っていくのは自然そのもののシステム。その中でどうやって生きていくのがいちばん最善なのか、最良なのかっていうことをやっぱり考えようよっていう(地球元気村の)活動なんだよね」
●今までで、全国何か所くらいで地球元気村を開催して来たんですか?
「大体110の市町村が、今まではやってくれました。元気村っていうイベントですね。そういったテーマを持ったイベントを開催してくれて、その土地や近隣の人たちが集まって、川に山に空に、あらゆる方法でそこに触れる。
それで本当の夜の闇とか、本当の冬の寒さとか、夏の水の素晴らしさとか、そういったものを体験して自然っていいなって感動して、それで自然ファンを作っているんだよね」
●具体的にどんなことをやっているんですか?
「いや〜ありすぎて・・・燻製を作ったり、釣りもするしね、絵も描くし、ハーモニカも吹くし、カヌーも乗るし、あるいは空も飛ぶし、自転車も乗るし、言ってみれば、いろんなアウトドア・アクティビティをやっているんだけれど、本当はそうばっかりじゃなくてね。
例えば、村祭りに行って奉納する神楽の舞を見たりとか、あるいは歴史や文化、そういう郷土芸能なんかにも触れるってことは、人間がどうやってその地域に密着して生きてきたか。その逞しい知恵とか、踊りから垣間見たり、あるいは絵画や彫刻から省みたり。文芸とかを学ぶことも地球元気村のカテゴリーだよね。
僕は今までアウトドアの普及係みたいだなって思ったぐらい、やっぱりみんなが好きなのは外で遊ぶことだったんだよね。もちろん遊びを通じて自然を知ろう、自然に親しみを感じようっていうテーマだったからいいんだけど、もう少し今言ったような、そういったことにも目を向けてもらいたい、そういうのがあるね」
地球元気村キャンプ場
※去年4月に番組に出ていただいた時に、「地球元気村」のキャンプ場を作るというお話をされていましたが・・・?
「よく覚えているねー」
●はい! あははは(笑)
「あのね、山中湖に村営キャンプ場っていう大きなキャンプ場があるんですよ。湖畔にね。それを地球元気村がその事業を受け継いで、キャンプ場経営をします。
経営っていうか、そこを我々のフィールドにして、色んなことを体験して学び、自然を詠おうよという。
まだ名前が・・・いま愛称を決めている最中で、元山中湖村営キャンプ場、これが地球元気村キャンプ場に生まれ変わります」
●どんなキャンプ場にしたいですか?
「やっぱりね〜そうだね〜、いいキャンプ場にしたいね(笑)。いいキャンプ場って何かっていうと、いま“グランピング”っていう言葉があるように、快適で自然が豊富でロケーションがいいとかって、そういうことになるけど。
もちろんそういうことは完全にひとつ基本をマスターした上で、広々としたキャンプサイト、自然がいっぱいあるキャンプサイト、それで素晴らしい眺望、景観が臨めるキャンプ場。それに、テーマを持って来るのが地球元気村だから(地球元気村のキャンプ場は)それだけじゃ駄目なんだ。
元気村だからこそ、お年寄りもここのキャンプ場に行ったら、例えばアンチエイジングについて学べたよとかね。体験が出来て、なんだか本当に元気になったみたいだなとかね。あるいは障害を持つ子供たちにも自然を体験してもらいたいってことで、そういった子供たちに対するキャンプ、野外体験のチャンス、こういったものを創出していきたい。福祉関係もそうだしね。例えばキャンプをやるってことは、焚き火を眺めながら、みんな何を思う?」
●うう〜ん。
「この火ってやっぱり人間本来のひとつの姿だよな〜。これがひとつの科学の始まりだったんだよな〜。そしてこうやって、いま自分たちは生きているけども、俺の人生って何だろうって、ちょっと物思いにふけったりするんですよ、キャンプっていうのは。
そういう日常を離れたところにぐっと日常を垣間見ることがよくできるのね。そういった意味では非常にカルチャーショック、一種のカルチャーショックに陥ったりする。その思考性をキャンプっていうのはすごく深めることが出来るんですよ。
自分の人生を客観視したり、家族をもう一回考えてみたり、職場を考えてみたりね。そういった良さがあるのがキャンプ場なんだね。
例えば、やっぱり元気村だから、文学について語ってみようじゃないかとかね(笑)。それを講師を招いてやってみたりとか。山中湖のキャンプ場、横に”三島由紀夫文学館”があって、”徳富蘇峰(とくとみ そほう)”って人の文学館なんかあるわけね。だから、文学をちょっと見てみたり、あるいは緑と自然の中で思いっきり深呼吸をして、酸素を入れて思考をクリーニングして、また明日に(日常に)戻っていくみたいな、なんかそういう色んなちょっと深みのあるキャンプ場にしていきたいと思っています。是非期待してもらいたいと思います」
(編集部注:実はキャンプ場はもう一箇所あります。山梨市にある「地球元気村」の「天空のはたけ」の一部に1日1グループのみ利用できるキャンプ・サイトがあるそうです。富士山が見える最高のロケーションだそうですよ)
C.W.ニコルさんとの出会い
※実はきょう4月3日は、作家で日本の自然保護にも尽力されたC.W.ニコルさんの命日なんです。この番組にも何度もご出演いただき、その存在と叡智に大きな影響を受けたと番組スタッフから聞いています。
●ニコルさんは地球元気村の特別講師としても活動されていたんですよね?
「最初っからやってもらって、肩の荷を一緒に背負ってよってことで、彼にもずーっとお世話になりました。彼という個性は北極探検の経験もあるし、アフリカのワイルドアニマルなんかのレンジャーとして従事したし、僕らの見識より広い広い見識を持って自然を眺めていたし。そんな中で人間はこうありたいとか、こうあったほうがいいんじゃないかっていうことを、よく知識として知っていたから、非常に色んなことを教わりました。僕は元気村をやるより以前に、彼と知り合ったんですよ」
●どこで知り合ったのですか?
「僕が北極に行ったのは1986年でした。(北極に行く前に)ラフォーレ原宿っていうビルでトークショーやったんです。トークショーの相手がC.W.ニコルだったわけ。
彼と対談して、彼は北極の経験がすでにあって、その北極に僕はバイクで乗り込んで極点まで行ってやろうなんてことを言って・・・その対談で、僕は北極へバイクで行きますっていう話をしたら、ニコルが”なんでバイクで行くんだ”って言うのね。”バイクじゃなくて、犬ぞりだろ!”。今だったらスノーモービルもあるし、バイクで行くことはないだろうっていう、単純にそういった疑問を僕に投げ掛けてくれました。
僕は”いや僕はバイクが好きなんだよ!“と。好きな物を眺めていると、それを使ってどこまでも行ってみたいという夢が広がっていくと。その夢の延長が北極点なんだ! だから(バイクで)行くんだ! って言ったら、普通の日本人は怒るんですよ、怒り出すんですよ。自分の許容範囲から外れるから、そんなのおかしいよって。理由として自然をけなしちゃいけないとか、知った風な口をだいたい叩くんだよ。ところがニコルはねそんなこと言わなかった。
自然が厳しい所に挑んでいくってことが、どれだけ勇猛果敢なトライであるかっていうことも知っているから、”よしそうか、おまえ頑張れよ”と彼は言ってくれたから、こいつはよく自然も知っているし、機械って物も知っているなと。だから最初から僕はいい人だなって懐きました。僕よりいくつか上でね。僕のほうがバイクが上手いけど、彼がすごいのは、僕よりたくさんビールが飲めるっていうことね(笑)」
●あははは(笑)。そんなニコルさんからどんな学びがありましたか?
「学びっていうか、いつもニュートラルで大らかですね。僕が地球元気村でなかなか苦戦しているのは知っていました。やっぱり自然の中では自然のことばっかり考えているわけじゃなくて、目先の利益を考えている人が多分に多いんですよね。そういった中でこういった思想を普及することは、ものすごく大変だってことはよく知っていて、”お前がやっていることは、お前に対する投資だよ”と。それはだから”当然苦しいだろうが頑張っているよ、お前は”と褒めてくれました。そういう意味では、褒めてもらったしね、色んな話で非常によく会ってはいましたね」
地球元気村をアジアへ
※いま「地球元気村」で進めているプロジェクトはありますか?
「まずね、畑(笑)。畑っていうのは、土そのものの環境を整えることによって、そこに種を蒔いたら、トマトにキュウリにナス、何でも上手く育つんだよね。土の環境をよくするってこと、つまり地球の環境を適正に持っていくってことが、良質な作物を生み出すってことになるわけだね。そういった観点で地球元気村は農業をやっています。
要するに土壌は生き物の塊、その生き物が存在し、土を作るってことが農業の始めだね。そういうことで農業体験もみんなに、命との触れ合いってことでやっているけどね。これから元気村をアジアに持って行きたいね。
これちょっと結構、前にも言っていたんですよ。そうやって大風呂敷広げてね。アジアにこの活動を持って行きたいって永遠のテーマですね。つまり日本人の、かつてのライフスタイルにもどんどん、むしろ追いついて、しかももう追い越してた国々もいっぱいあってね。アジアがやっぱりいちばん近い、近隣諸国の中でね。みんな人々が元気を求めながら生きているじゃない。そういったところにこういう永遠のテーマを持って行って、みんなで考えてみるのも面白いじゃないって思っています」
●では最後に風間さんにとって地球元気村とは?
「僕たちの笑顔と元気の源だね。要するに、地球元気村、これは地球を意味します。もう地球そのものだね。地球を愛し、また人も愛する人たちが住む星の、理想的コンテンツだね。地球元気村、これを眺めていれば元気になりますよ!」
※この他の風間深志さんのトークもご覧下さい。
INFORMATION
お話に出てきた山中湖キャンプ場のプレオープン記念イベントが決定!
開催は4月23日(土)。縄文大工の「雨宮国広」さんほかを迎えたトークショーや
ピアノ・ライヴも行なわれる予定です。
チケットの収益は全額、「雨宮」さんのプロジェクトの応援資金になります。
ぜひご参加ください。
「地球元気村」では随時村民を募集中です。
登録料はビジター村民で500円、個人村民で2,000円、家族村民6人までで3,000円。村民になると年4回、季刊誌「地球元気村」が届くほか、元気村イベントの参加費が割引になります。この機会に村民として登録しませんか。
◎地球元気村 HP:https://chikyugenkimura.jp
2022/4/3 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. (MEET)THE FLINTSTONES / THE B-52’S
M2. GOT MY MIND SET ON YOU / GEORGE HARRISON
M3. ETERNAL FLAME / THE BANGLES
M4. YOU I’M THINKING OF / RELISH
M5. 桜坂 / 福山雅治
M6. WHISKEY MY MENTOR / C.W.NICOL
M7. 地球は元気 / 地球元気村の仲間たち
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」