2020/10/18 UP!
<イルカ・クジラのコミュニケーション能力>
イルカやクジラは「ハクジラ」と「ヒゲクジラ」に分類されますが、ハクジラとヒゲクジラは仲間同士のコミュニケーションの方法も違うって、ご存じでしたか?
大きく分けると、イルカを含むハクジラは超音波を発信・受信するエコーロケーション、シロナガスクジラなどのヒゲクジラは“声”でコミュニケーションを取っていると考えられています。イルカなどのハクジラは呼吸器から頭にかけての構造で超音波を発生させ、前方の物体に当たって戻ってきた音を聴くことで、獲物の場所や仲間の位置などを知るほか、様々な情報を仲間同士で伝えているとされています。
一方、ヒゲクジラの代表格で地球上最大の生き物とされるシロナガスクジラは、声の大きさもビッグスケール! ジェット機の離陸音より大きな音を出すこともあるんだそうです。また、人間には聞こえない低周波の声も出し、コミュニケーションを図っているそうです。
同じくヒゲクジラのザトウクジラはなんと歌うといわれています。ホイッスルのような高音から低い唸り声まで数種類のフレーズを組み合わせ、数分から1時間以上も歌うことがあり、メスへの求愛の意味があるとされています。1970年にはザトウクジラの鳴き声を録音したレコード「Songs of the Humpback Whale(ソングス・オブ・ザ・ハンプバック・ホエール)」がリリースされて大ヒットしたそうですよ。
2020/9/26 UP!
<昆虫食>
今年2020年1月に私の恩師、立教大学・教授の「野中健一」さんをお迎えし、「昆虫食」の話題をお届けしました。その模様は番組ホームページに載っているのでぜひ見ていただければと思っていますが、ここで改めて、今後起こりうる食糧危機を、救うとされている昆虫食について触れておきたいと思います。
地球温暖化による気候変動や、世界人口の増加により、人類は将来、深刻な食糧危機に見舞われることが懸念されています。FAO=国連食糧農業機関は2008年、「栄養的に優れた昆虫食を積極的に推進する」という方針を示し、さらに2013年の報告書では「世界人口の増加による食料不足の対策として昆虫食を推奨する」というメッセージを発表しました。
昆虫食のメリットとして、まずは「種類が多く、繁殖力が強い、飼育に伴う環境負荷が小さい」という点。現在、食用にできることが確認されている昆虫は世界で2000種類とされ、多くの昆虫は大量の卵を産み、成虫になるのが早いなど、強い繁殖力を誇ります。
そして、人工的に飼育できるものも多く、家畜に比べエサが少量で、生育に伴う温室効果ガスの排出量も少ないなど、環境負荷を小さく抑えられるとされています。
さらに、最大のメリットが「栄養豊富」だということ。例えばコオロギに含まれるタンパク質は同じ重さの牛肉と比べても遜色はなく、加えてカルシウムや鉄分なども豊富です。ほかにもビタミンやミネラルを多く含む昆虫もいるんだそうです。
世界中に昆虫食の文化は残っていて、特にタイや中国などのアジア、中南米やアフリカなどは日常的に昆虫食が見られるそうです。日本でも古くからイナゴやハチの子、ザザムシなどが食べられてきましたよね。
最近では、「コオロギせんべい」や「コオロギラーメン」が話題になったり、昆虫食の自動販売機が東京都内にお目見えして、注目を集めています。
2020/8/15 UP!
<日本の固有種はトップクラス>
ニホンザルは日本にしかいない固有種ですが、実は日本は生き物の多様性に富んでいるので、固有種がとても多い国なんです。
ダーウィンの進化論で知られ、世界自然遺産にも登録されているガラパゴス諸島には110種類の固有種がいるそうですが、日本はそれを上回る131種類の固有種が確認されています。全世界の哺乳類の22%、爬虫類の38%、両生類に至っては74%が日本の固有種というデータもあるんだそうです。
固有種が多い理由としては、日本が島国であるものの、大陸と何度もくっついたり離れたりしてきたことや、6800余りの離島があること、南北に長く標高差もあり地形が複雑なこと、そして森林が多いことなどが挙げられます。
さらに、湿地帯が水田という形で現代まで残されてきたのも大きな要因になっているようです。だから、日本と同じくらいの大きさの島国、イギリスやニュージーランドと比較しても、生物の多様性、固有種の多さともに日本が飛びぬけているそうですよ。
この豊かな自然を「当たり前」とは思わずに、しっかり守って、未来につなげていかなければなりませんね。