2023/12/31 UP!
◎道家哲平(日本自然保護協会NACS-J)
『世界自然遺産が日本で初めて登録されてから30年!〜「世界の宝」現状と課題』(2023.12.31)
◎花福こざる(お花屋さん/漫画家)
『育てて楽しい、見て楽しい、おうちのベランダで「鉢植え」の木を育ててみよう』(2023.12.24)
◎『日曜朝の番組「サンデー・ステッパー」との特別コラボ企画! 「お手軽! 日帰り! アーバンキャンプ&焚き火料理体験!」』(2023.12.17)
◎町田紘太(ベンチャー企業「fabula(ファーブラ)」株式会社の代表取締役CEO)
『シリーズ「SDGs〜私たちの未来」第17弾!〜食品廃棄物から作る新素材の可能性〜』(2023.12.10)
◎山岸 成(合同会社「Uzuri(ウズリ)」)
『シリーズ「SDGs〜私たちの未来」第16弾!〜ケニアのために、ビーチサンダルをアップサイクル 〜』(2023.12.03)
2023/12/31 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、日本自然保護協会NACS-Jの「道家哲平(どうけ・てっぺい)」さんです。
実は今月12月で、日本で初めて世界遺産が登録されてから30年という節目を迎えました。1993年12月11日に「屋久島」と「白神山地」が世界自然遺産に、「法隆寺地域の仏教建造物」と「姫路城」が世界文化遺産に、それぞれ登録され、日本初の世界遺産が誕生しました。
それまでは、地元の自然や文化財だったものが「世界の宝」となり、一気に知名度が高まりましたが、世界遺産については意外に知らないことも多く、また30年経って、新たな課題も生まれてきているようです。そこで、番組的に今年を締めくくる意味でも世界遺産、とりわけ、世界自然遺産を深掘りしていきます。
世界遺産条約の生みの親でもあり、諮問機関である国際自然保護連合IUCN日本委員会・事務局長の道家さんに、改めて世界自然遺産の成り立ちやその意義、そして未来に残すための課題についてお話しいただきます。
☆写真協力:(公財)日本自然保護協会
「価値」と「完全性」
※世界自然遺産のお話をうかがう前に、世界遺産の成り立ちを振り返っておきましょう。1960年代にエジプトのナイル川流域のダム建設計画が持ち上がり、完成すると「アブ・シンベル神殿」が水没するという問題が起こりました。
そこで立ち上がったのがユネスコで、この歴史的に貴重な遺跡を、人類の遺産として残していこうと、世界各国に協力を呼びかけ、これがきっかけとなり、1972年に世界遺産条約が採択されました。その条約作りで、ユネスコとともに重要な役割を果たしたのが国際自然保護連合IUCNでした。
日本は1992年に世界遺産条約を批准、現在は195カ国が加盟、そのうち168カ国に世界遺産があるとのことです。ちなみに世界遺産には、自然遺産、文化遺産、そして複合遺産の3つのタイプがあります。番組的には世界自然遺産を深掘りしていきます。
●現在、世界では何カ所、自然遺産に登録されていますか?
「世界自然遺産は現在227地域というか、227件、世界各地から登録されています」
●第1号はどこだったんですか?
「第1号は1978年に、どれをひとつとは言えないんですけれども、エクアドルのガラパゴス諸島、アメリカのイエローストーン国立公園をはじめ4つが、第1号という形で登録されました」
●日本は何カ所、登録されていますか?
「現在、世界自然遺産は5カ所になります。順番でいうと『白神山地』と『屋久島』が登録され、その後、北海道の『知床半島』、その次に『小笠原諸島』が登録されました。
そして最新のものとして『奄美大島・徳之島・沖縄東北部および西表島』、ちょっと長いんですけど、これは全部ひとつのパッケージというか、ひとつの形で登録されました」
●世界自然遺産に認定するのは、どの機関なんですか?
「世界遺産条約に定められた『世界遺産委員会』という会合が、毎年開かれています。で、その世界遺産委員会で各国から提案されてきた候補リストを、遺産として相応しい、あるいは相応しくないとか、もう少し課題があるとか、そういったことを協議する形になっています」
●その委員会がその後も(世界自然遺産を)管轄していくっていうことですか?
「そうですね。地域地域を守っていくのは、当然それぞれの国になるんですけれども、ちゃんと守られているかどうかとか、国際社会が何か手助けをしなければいけないんじゃないか、そういった監視というかチェック、それについてはこの世界遺産委員会が会議の中で行なっていくということになっています」
※世界自然遺産の認定には、どんな条件が必要なんでしょうか?
「とてもシンプルに説明すると、大きくは遺産としての価値、それには10個の基準があります。文化遺産は6、自然遺産は4。まず価値があるかどうかというのがひとつの条件になります。
自然遺産でいうと、例えば絶滅危惧種が多いような地域で、ここを守ることで世界の多様性を守れるみたいな、生物多様性の基準であるとか、地球の自然の歴史、例えば古代の恐竜の化石が見つかるとか、地球の歴史が分かる地質地形学的に大事な場所など、自然に関しては4つの基準があります。そういった自然遺産としての価値があるかどうかがひとつ目の基準。
ふたつ目の基準はちょっと難しい言葉ですが、完全性って言うんですけれども、その素晴らしい自然だったり、あるいは文化的な建造物であったり、そういったものを国としてしっかり守っていく体制ができているかどうかですね。
例えば小笠原とか、当初は外来生物という自然保護上の問題があったりするんですけども、そういう課題にしっかり対処できるような組織とか、専門家委員会がありますかとか、守れる体制があるかどうか・・・。
価値と、ちゃんと守れるかどうかの視点、このふたつを大きな基準として認定をするということになっています」
「オンリーワン」かつ「ナンバーワン」
※先ほど、日本で現在、世界自然遺産に登録されているのは屋久島、白神山地、知床、小笠原諸島、奄美大島や沖縄島北部などの島を含め、全部で5カ所あるというお話がありましたが、島が多く登録されていますよね。これは何か理由があるんでしょうか?
「それを言ったら、日本は島だといういうことで・・・(笑)」
●あ~そうか・・・、そうですね。
「とはいえ、やっぱり島々は開発の手も、いわゆる本土と比べると経済発展のための様々な開発というのは少なかったということもあって、自然が豊かに残されてきました。
その自然をうまく使っている人の文化が、暮らしもあったというところで、豊かな生態系が残されてきた、価値もありながら、守る体制も比較的作りやすいという部分がひとつポイントじゃないかなというふうには思います」
●日本には、こういう場所がありますよ! っていうような候補は、誰が出しているんですか?
「候補は国の中で、環境省とそれから文部科学省ですね。その両者から自然遺産に関しては、どんな地域を推薦することができるだろうか、そんな検討会が確か2003年に行なわれて、そしてその時の委員会で、その時は知床はまだだったんですが、知床と小笠原そして奄美・沖縄の4カ所、これは候補になるんじゃないかという形であがり、それが順次、やっと登録が終わったという状態です」
●毎年候補を出すとかではないってことですか?
「そうですね。世界遺産としての価値を丁寧に説明する、それから守っていける体制があることを丁寧に説明する、いろんな準備を考えると毎年毎年、推薦をするということではありません。世界遺産は比喩で言えば、オンリーワンかつナンバーワンって言うんでしょうか。最も素晴らしく世界にここにしかなく、そして世界基準というか世界標準・最高水準で守られている場所、この両者が必要ということで、候補としては絞られていく形になります」
富士山は世界文化遺産!?
※確か以前、富士山も世界自然遺産の候補にあがったと思いますが、登録されなかったんですよね。自然遺産に登録されなかったのは、なぜなんでしょう?
「2003年の世界遺産候補地検討会議でもあがりましたが、やはりかなり(標高の)高いところまで開発というか道路とか、観光用のいろんなインフラができてしまったっていうこともあり、自然遺産として提案するのにはちょっと厳しいのではないかということでした。
一方で、富士山をも含めた文化的な人々の営みということで、文化遺産としては登録を目指すことになったという形ですね」
●なるほど、自然遺産ではなく文化遺産ということだったんですね。世界自然遺産に登録されるっていうことは、そのエリアの自然を保護していく義務が生じてくるわけですよね?
「そうですね。世界遺産に登録する際には、例えばこの場所は国立公園ですよとか、そういうのはちゃんと国として法律上の網掛けって言うんですか、守る体制を敷かないと登録は目指せませんので、守ることが先で、守った先に登録があるっていうのが正しい順番なんですね。
国としてそのエリアの自然を、日本の宝じゃなくて『世界の宝』として守っていくっていう義務が生じることにはなります」
●登録された後にちゃんと自然が保護されているかどうか、定期的な調査が入ったりするんですか?
「はい、数年に一度評価というのを行なうことがあります。自然遺産に関しては登録の審査書を検討する段階から、国際自然保護連合 IUCNの専門家のチームが、それぞれの生態系ごとに専門家を集めます。そして登録に際して、あるいは登録された後に、守られているかどうかの評価をして、世界遺産委員会に今こんな状態ですよというのをご報告する、そういう仕事を自然遺産に関してIUCNが、文化遺産に関しては、ICOMOS(イコモス)という別の組織が行なっています」
●これまでに世界自然遺産の登録が取り消されたケースはあったんですか?
「残念ながら存在します」
●それは、どんな理由で取り消されてしまったんですか?
「世界遺産の登録が取り消された事例としては、今まで3件あります。ふたつは文化遺産になるんですけれども『ドレスデン・エルベ渓谷』というドイツにある渓谷、それからイギリスにある海商都市『リヴァプール』、自然遺産に関しては、アラビアオリックスという野生動物絶滅危惧種の、その保護区が取り消されることになりました。
アラビアオリックスの保護区は油田開発の事業で、油田のパイプラインを通さなきゃいけないということで、何回かの警告というか、このままでは世界遺産から外さなきゃいけなくなりますよと、いろいろ対話はしたんですけれども、開発事業のほうが優先されて、結果取り消されるということが起こりました」
IUCNの「世界遺産戦略」
※1951年に発足したNACS-Jは、日本の自然保護に関して、非常に重要な役割を果たしてきたNGOで、70年を超える活動の中で、世界遺産条約の批准を後押しするなど、NACS-Jなくして、日本に世界自然遺産は生まれなかったといっても過言ではありません。
道家さんはNACS-Jの活動のほかに、「国際自然保護連合IUCN日本委員会」の事務局長としても活躍されています。具体的には、どんなことをされているんですか?
「私自身は世界遺産条約ではなくて、生物多様性条約という別の国際条約の専門家として15年、国際会議に出続けたりとか・・・。またIUCNは、世界遺産に限らず絶滅の恐れのあるリスト、レッドリストを編纂して自然の危機的な状況をお伝えしたりしています。
で、私はIUCN日本委員会の事務局長として、世界の動きを日本に伝えていく、場合によっては日本の動きを世界に伝えていく、そういう翻訳者みたいな仕事をしています」
●IUCNが2023年9月に『世界遺産戦略』という文書を発表されたということですけれども、この発表した経緯とその内容を分かりやすく説明していただけますか?
「IUCNは世界遺産条約の設立50周年、今年は日本が自然遺産に登録されて30周年なんですけれども、条約そのものとしては昨年50周年を迎えました。IUCNはその50年、半世紀経って、この自然遺産を改めて見直した時に次の50年、自然遺産をどういうふうに私たち人類は守り、つなげていくべきか、そういったことを考えてこの『世界遺産戦略』というものを作りました。
その内容のポイントとしては、今までの世界遺産は比較的国が守る。線を引いて、そこは開発禁止ですよとか、場合によっては立ち入ってはいけませんよとか、そういうことをやってきたわけですけれども、これからの世界遺産はもっともっと共同で守っていく必要がある。
研究者とか地域の自治体の人とか、その地域の周辺で暮らしているかたがたとか、観光に関わる協会のかた、自然保護だけじゃなく、多くの人で共同で守っていく。そのためには何が必要か、どこに力を入れていくべきか、そういったことをひとつ戦略として打ち出しています。
また国際協力もとても大事な方向として打ち出しました。先ほど条約加盟国が195カ国あると・・・ただ世界遺産登録がされているのは168カ国と、ギャップがあるというお話をしました。途上国の中には、やはり専門家がいらっしゃらないとか、国際条約のプロセスに慣れていないとか、大事な自然を持っているにもかかわらず、守る術、守る能力、技術資金がないというところがあります。
世界の力を使って協力、力を合わせて、国を越えた協力・共同、そういったものを進めていくことも 次の50年の柱として大事じゃないか、そういったことを打ち出しました」
「地球の教科書作り」
※1993年に日本で初めて、世界自然遺産が登録されてから30年が経ちました。今後の課題として、どんなことがあげられますか?
「IUCNのかたといろいろと相談をしたことがあります。日本の世界自然遺産の管理の状況ですね。もちろん課題は外来種問題だとかオーヴァーツーリズム、たくさん観光客が来すぎてしまうというのをどううまく管理するかとか、課題はあるものの、比較的管理する体制はできていますねという評価にはなっています。
ただ大きい方向性として気候変動という影響ですね。日本の自然も少しずつ影響を受け始めているので、気候変動がもたらすような自然の危機、その対策がひとつと・・・・。
そして日本は高齢化社会でもありますので、自然を守る人々が今までは比較的ボランティアのかたの活躍によって守られたところもあるんですけれども、ある意味プロフェッショナルとして、高齢化という大変な状況ではありますけれども、自然を守る人材をどう育てていくか、あるいは守っている人に職業として、プロフェッショナルとして、どう守っていくか・・・。
この人の問題と気候変動という大きなふたつの課題は、日本としても常に長い目で見て、対処・対策していかなきゃいけないと思います」
●世界自然遺産は観光資源という側面もあると思うんですけど、私たち自身が観光で世界自然遺産のエリアに行く時に、どんなことを大事にしたらよろしいですか?
「世界遺産条約はある意味、人類や地球の教科書作りをしている条約と言えます。どんな歴史の中で、今のような自然が生まれたか、どんな人の歴史の中で素晴らしいものが生まれたか、ここにしかないもの、そういったものを学ぶということがあります。
ですので、ぜひ観光とか、そういう時であれば、ほかの地域がそうとは言わないんですけど、じっくり観光していただくと学びとか、質の良い観光で・・・その質の良さはもちろんガイドさんの質の良さというのもあるかも知れません。
また自分たちがその地域の中で落としたお金、それが自然保護にそのまま回っていくような、いわゆるエコツーリズムって言ったりしますけど、学びもしつつ、そこの地域でお土産を買うとか、ガイドさんにお金を払うとか、そういった形の経済が自然を守るほうにつながる、そういう良い質の観光を、特に世界自然遺産では体験していただきたいと思います。
1日だけの弾丸ツアーとかそういうことではなくて、ぜひぜひじっくり、宿泊をしたり、美味しいものを食べたり、いろいろしながら(旅や観光を)するという贅沢を、世界一の贅沢をじっくり味わうという思いで、観光していくのが大事なんじゃないかなと思います」
(編集部注:道家さんに今後、日本で自然遺産も含めて、世界遺産の候補になるようなエリアはあるのか、お聞きしたら、個人的には例えば、棚田のような人と自然のかかわりの中で生まれた場所など、もっともっとあるのではないかとおっしゃっていました)
INFORMATION
NACS-Jが世界自然遺産に果たしてきた役割など含め、日本の自然や生物を守るために、どんな活動をしているのか、ぜひオフィシャルサイトをご覧ください。
日本自然保護協会NACS-Jでは支援してくださる会員を随時募集しています。年会費は5,000円、会員になると年6回、会報誌「自然保護」が届くなどの特典もありますよ。詳しくはオフィシャルサイトを見てください。
◎日本自然保護協会NACS-J :https://www.nacsj.or.jp
国際自然保護連合IUCN日本委員会のサイトもぜひチェックしてくださいね。
◎国際自然保護連合IUCN :https://www.iucn.jp
2023/12/31 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. TAKE IT EASY / THE EAGLES
M2. HELLO, GOODBYE / THE BEATLES
M3. ROCK WITH YOU / MICHAEL JACKSON
M4. RADIO GA GA / QUEEN
M5. 幸せな結末 / 大瀧詠一
M6. OPEN YOUR HEART / MADONNA
M7. LOVE ME TENDER / ELVIS PRESLEY
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
2023/12/24 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、お花屋さん、そして漫画家としても活躍されている「花福こざる」さんです。
花福さんはご主人とふたりで、東京都太田区でお花屋さん「花福」を営みながら、漫画家としても活躍されています。
もともと会社員だった花福さんは、ご本人いわく、近所にお花屋さんができて、そこに通っているうちに結婚することに・・・。そして、なんとなく漫画家にもなったということですが・・・「花福日記」というブログを拝見すると、花や昆虫、鳥の話もよく出てくるので、もともと植物や生き物がお好きだったんだと思います。
また、お花のことも好きで調べていくうちに、お花屋さんとしての知識も身につけたそうです。そして先頃、新しい本『木を育ててみたいのですが。〜鉢植えで気軽にはじめられます』を出されました。
きょうはそんな花福さんに、クリスマスツリーの手入れ方法や、鉢植えで育てるおすすめの木のお話などうかがいます。
☆写真素材:PIXTA
「コニファー」は根気?
※きょうはクリスマス・イヴということで、お部屋にクリスマス・ツリーとして「*コニファー」と呼ばれる、小さめの常緑針葉樹を飾っているかたもいらっしゃると思います。この先もクリスマス・ツリーとして活用するために、お手入れとか、どうすればいいでしょうか。
(*コニファーとは、常緑針葉樹の総称)
「コニファーは、外に出しましょうっていうのが、いちばん大事ですね。寒いところの木なんで、外が好きなんですよ。で、蒸れやすいので、風通しのいいところになるべく置きましょう。あとは夏が苦手なんで、なるべく夏は涼しいところでって感じですかね。コニファーはちょっと難しいところもあるので頑張りましょう(笑)」
●じゃあ根気が必要ですね?
「まめに見てあげるって感じです」
●水やりとか、どんな世話をしたらよろしいですか?
「水やりは基本的に乾いたら、あげるって感じです。夏パリパリになりやすいんで、35度以上とかの時は朝と夕方にちょっと見て、2回(水を)あげたほうがいいかもしれないです。猛暑の時がいちばん枯れやすいですね」
●なるほど。ところで、生花を長持ちさせるコツがあったら、ぜひ教えていただきたいんですけど・・・。
「やっぱり水を毎日変えましょうっていうのと、あと花瓶を洗うのと、茎のヌルヌルしているところ、そこを洗ってほしいです」
●ヌルヌルを取る?
「ヌルヌルを取って、ちょっと切り戻す」
●斜めに切るんでしたよね?
「そうですね。よく水切りしましょうって、ものの本に書いてあるんですけど・・・」
●真似しながらやっています。
「割と空切りでも大丈夫(笑)。やる気があったら水切りがいいと思うんですけど、めんどくさかったら、そのまま切ってすぐ戻しとけば大丈夫ですね」
●そうなんですね! なるほど〜。
「それよりは、ちゃんと水を変えるっていうのが大事ですね」
●で、変えるだけじゃなくて、ちゃんと花瓶も・・・。
「花瓶も洗いましょう」
ベランダで「サクラ」!?
※木を育てると聞くと、どんどん大きくなってしまうんじゃないかと思ったんですが、そんなことはないですか?
「結構小っちゃい木もいっぱいあるので、探すと割と小型の、20センチ、30センチくらいのやつってあるので、いろいろ選べると思います」
●そうなんですね。初心者の私でもベランダで育てられる、できればそんなに手をかけなくても育つ木がいいんですけど、おすすめの木はありますか? 広いお庭とかじゃなくて、マンションのベランダでできるような、おすすめの木があれば、教えていただきたいんですけど・・・。
「逆にどれがいいな〜とかっていうのはありますか?」
●私は花福さんの本を読んでいて、ミモザとかサクラとかブルーベリーがいいな〜って、育ててみたいな〜って思ったんですけど・・・。
「ミモザは結構大きく、しかもかなり短期間に巨木になるので・・・」
●うちのベランダではちょっと無理かな〜(笑)。
「鉢植えでも大丈夫なんですけど、結構大きくなりますっていうのが・・・」
●パーっと黄色いお花が素敵なんですけどね〜。
「そうなんですよ。でもサクラのほうが鉢植えだったら育てやすいと思います」
●お花屋さんでもよく売っていますけど、実際におうちでも鉢植えで育てられるんですね。
「うちも(サクラを)育てていますけど、夏にちょっと弱いので、暑すぎる時は日陰に避難みたいな感じのほうがいいです」
●お世話はどんなふうにしたらいいですか?
「やっぱり基本的に乾いたら水をやるっていうのと、普段は日当たりのいいところで育てると花付きがいいんですけど、とにかく夏の西日は避けましょう。夏は東側とか午後から日陰に置いてあげたりとかして、なんとか涼しく過ごしてもらってって感じですね」
●場所を移動させながらっていうことですね。ブルーベリーはどうですか?
「ブルーベリーは2本ないと受粉しない、異品種の受粉なので、2本ないとダメだで場所を結構取るので・・・」
●1本だけだと実がならないってことですか?
「ならないんですよね。最近なるのもあるんですけど、やっぱり2種類あったほうが(実の)なりがいいので、そうするとやっぱり置く場所が2本分いりますね。あと結構広がる樹形なので、スペースを取りますけど、大丈夫ですか、みたいな・・・」
●じゃあ却下です〜。もうちょっと広いおうちに引っ越してから(笑)。
「サクラは盆栽とかもあるので、いいかもしれないですね」
●なるほど〜。
おすすめは「オタフクナンテン」
※ほかにおすすめの木はありますか?
「私的には『オタフクナンテン』とか、すごくおすすめなんですけど・・・」
●オタフクナンテン・・・?
「えっと、ナンテンの・・・ナンテンはわかります?」
●ナンテンって・・・?
「お正月とかに赤い実がなっているやつなんですけど、あれの仲間で、実はならなくて、ちっちゃいやつがあるんですよ、オタフクナンテンって」
●今(本に載っている)写真を見せていただいたんですけど、真っ赤に紅葉していて葉っぱが綺麗ですね〜。
「あまり巨大化しなくて、そんなに剪定しなくていいので、育てるのはすっごく楽なんですけど、花は小っちゃい地味なのしか咲かないんで、そこがつまんないかもしれないんですね。でも(育てる)楽さを取るなら、オタフクナンテンっていう感じですかね」
●しかもこんなに真っ赤に綺麗に色づくんですね! 冬場に!?
「なります! なります! 冬場に赤くなりますね」
●夏場とか、冬以外は緑なんですか?
「緑です! 年間を通して葉色の変化があるので、それを見て楽しむっていう感じです」
●色がどんどん変わるんですね。面白いですね〜。
「変わりますね〜。結構ビルの植栽とかに地味に植わっているんですよ」
●そうですか〜。
「見ているとあります」
●意外と近くにいるかもしれないですね。
「いるかもしれないです」
●育てやすいということですか?
「育てやすいです。あと花を見たい場合は『アザレア』とか・・・」
●アザレア!? 「アザレア、ツツジの園芸種なんですけど、花がすごく派手でふりふりしていてかわいいんですよ」
●本当ですね。華やかですね〜、ひらひら〜っとしていて華やか〜。
「あまり大きくないので育てやすいですね」
●これ、いいですね〜、とっても華やかですね。
「寒さにやや弱いんですけど、関東の東京とか千葉だったら全然問題ないので、まあ、冬は軒下に入れるぐらい・・・あとは普通に日当たりのいいところに置いとくと、よく咲きます。3月から5月くらいに咲きます」
●白、ピンク、赤といろんな色があるんですね?
「花色とか形もいろいろあるので、選ぶのが楽しいです」
●いいですね〜。
「コンシンネ」がピンチ!?
●私、家で「コンシンネ」って、ツンツンした葉っぱの、あの木を育てているんですけど、もう枯れていく一方なんです。どうしたらいいんでしょう?
「コンシンネは、葉がすっごく落ちやすいので・・・」
●落ちます・・・。
「落ちますよね〜」
●どんどん葉が落ちて、なんか薄くなってきて、どうしたらいいんでしょう?
「暗いと特に落ちやすいんで、まず明るいところに移動してほしいですね。どうですか?」
●日当たりが、いちばんいいところには置いていないです。
「日当たりのいいほうに寄せてあげるといいかもしれないです」
●水もすごくこまめにあげているんですけど・・・。
「水は室内のやつって、そんなにあげなくても大丈夫なんです」
●あっ!(水を)あげ過ぎているんですかね?
「多分週一ぐらいで大丈夫だと思うんです。真夏は3日に一回とかかな・・・これからの季節は週一回ぐらいでいいので、そんなにジャブジャブあげなくて大丈夫です」
●溢れるぐらいには、いつもあげるようにはしているんですけど・・・。
「溢れたら水は捨ててくださいね!」
●そうですね、そうですね。じゃあ場所か・・・。
「場所ですね」
●でも葉っぱは落ちるものなんですね、コンシンネは・・・。
「多分、小尾さんの家の環境に慣れようと、今頑張っていると思うんですね。だいたい3年くらいかかるので、場所に慣れるのに・・・」
●そうですか〜。まだちょうど1年くらいなので・・・。
「最初は 生産者のいいところにいるじゃないですか。日当たりが適度であったかくて、そこからお客さんの家に行くと環境がガラッと変わるんで、結構葉とか落ちやすいんですよね。だからちょっと様子を見てあげよう! みたいな・・・」
●これでおしまいじゃなくて、ここからまた生えてくるものですか?
「生えると思いますよ。ドラセナ系って全部(葉が)落ちても、春に芽が出てきたりするので、幹がしおしおになって、しわが寄ってなければ大丈夫です」
●わかりました! ちょっとチェックしてみます。
「ちゃんと固い幹だったら大丈夫です」
●やわらかい幹だったらどうしたらいいんですか? そこから固くなることはありますか?
「いやないです。なっちゃうとダメなんで、ちょっと触ってみて、しっかりしているかどうか見てみてください」
●わかりました。やわらかいかもな〜どうだろう・・・きょうすぐ確認します。
「でも切り戻すと下から出てきたりするんで、そんなに諦めなくても大丈夫です!」
●うちに来てほしい! 花福さん! やってもらいたい〜(笑)。
「コンシンネ、結構ね〜葉っぱは、落ちるって言われますよ」
毎日、何回も見てあげよう
※鉢植えの木と、上手に長く付き合うには、やはりどれだけ手をかけてあげられるかだと思うんですけど、最低限これだけやっておけばいい、ということはありますか?
「そもそもめんどくさいもんだっていうのは前提で、毎日、何回も見てあげるのがいちばん大事かな、そんな感じですね」
●植え替えとかは?
「植え替えはやっぱり時期があるので、基本的にこれから伸びるぞ〜っていう時期のほうがいいので、そういう時にやってほしいですね、って言いつつ・・・私は仕事柄1年中植え替えとかしていて、割と平気だったりするんですけど、オフィシャルでは春にしましょうみたいに言っています(笑)。意外と平気ですよ」
●水やりは大事だって聞きますけど、冬はそんなにやらなくも大丈夫ですか?
「ものにもよるんですけど、観葉植物はそんなにジャブジャブやんなくて大丈夫です。 ただ外出しのやつは乾燥するんで、その辺は塩梅を見てみたいな感じで・・・」
●なるほど〜。寒さ対策のコツとかってありますか?
「やっぱり家の中に入れて、家の中の、風通しが悪いと”ハダニ”とか、べたべたしたりとか、虫が付きやすいんで、風通しと、なるべく明るいところですね」
●日当たりのいい窓辺とか・・・?
「窓辺もよし悪しで、観葉(植物)だと、強い光が好きじゃないのもいるので、窓からちょっと離した明るいところみたいな・・・結構邪魔なんですけどね(笑)悩ましい問題なんです。場所はおうちのいろいろなところに置いてみて、調子が良さそうなところを探っていくっていうか、見つけていくといいと思います」
●部屋の中でいろんな場所に置いてみて、様子を見るということですね。
「うちも窓Aと窓Bがあって、Bに置くと絶対にダメっていうところがあるんですよ。置く場所がなくて、仕方なく置いていたりするんですけど、時々入れ替えたりとかしていて・・・」
●この放送を聴いて、鉢植えで木を育ててみたいって思ったリスナーさんにアドバイスがあれば、ぜひお願いします。
「ぜひチャレンジしてみてください。長い目で見てほしいです。3年ぐらいやってみると、だんだん付き合い方がわかってくるんで、最初の1〜2年は多分あんまりお互いによくわかんないと思うんで、長い意味で育ててほしいです」
INFORMATION
『木を育ててみたいのですが。〜鉢植えで気軽にはじめられます』
葉っぱを楽しむ木、お花を楽しむ木、そして実を楽しむ木と、3つのカテゴリーにわけて、漫画と写真で楽しく解説。お花屋さんが教えてくれるコツや技をぜひ参考になさって、鉢植えの木を育ててみませんか。家の光協会から絶賛発売中です。詳しくは出版社のサイトをご覧ください。
◎家の光協会 :https://www.ienohikari.net/book/9784259567712
4コマ漫画も楽しめるブログ「花福日記」
2023/12/24 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. DRIVING HOME FOR CHRISTMAS / CHRIS REA
M2. I WISH EVERYDAY COULD BE LIKE CHRISTMAS/ BON JOVI
M3. ミモザ / The Gospellers
M4. LIFE IS A FLOWER / ACE OF BASE
M5. クリスマス・イブ / 山下達郎
M6. SANTA TELL ME / ARIANA GRANDE
M7. CHRISTMAS TIME / BRYAN ADAMS
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
2023/12/17 UP!
今週の「ザ・フリントストーン」はスペシャル・ヴァージョン! 日曜朝の番組「サンデー・ステッパー」との特別コラボ企画をお届けします。
テーマは、キャンプ・ビギナーのための「お手軽! 日帰り! アーバンキャンプ&焚き火料理体験!」ということで、先日「サンデー・ステッパー」のパーソナリティ「菖蒲理乃(しょうぶ・あやの)」さんと一緒に取材に行ってきました。
私たちがロケ先に選んだのは、ベイエフエムのスタジオがある海浜幕張のすぐお隣り、イオンモール幕張新都心の目の前、豊砂公園内にある「BBQ&CAMP THE B’NC(ザ・バンク)」。その名の通り、バーベキューとキャンプ体験がお手軽にできる、まさに今回のテーマにぴったりの施設なんです。
そんな「BBQ&CAMP THE B’NC」で、アウトドアが大好きな菖蒲さんのアドバイスもいただきながら、楽しく美味しく、デイキャンプと焚き火料理を体験してきました。きょうは、その模様をたっぷりお届けします。
初心者でも簡単設営! ワンポール・テント
●きょうは「サンデー・ステッパー」との特別コラボ企画ということで、アクティヴなアウトドア・ガール、菖蒲理乃さんとお送りしていきます。菖蒲さん、よろしくお願いいたします!
菖蒲「はい、よろしくお願いいたします」
●ビギナーの私にいろいろ教えてください。
菖蒲「キャンプ・デビューということで、その魅力を味わっていただけたらなと思います」
●お願いします!私たちは今イオンモール幕張新都心「BBQ&CAMP THE B’NC」に来ています。幕張豊砂駅から徒歩5分、すぐそばには海浜幕張のビル群が見えるんですけれども、ここはすごく開放的な芝生の広場ですね。子供たちもすごく楽しそうに走り回っています。
そしてきょう、いろいろとご指導いただくかたをご紹介したいと思います。「BBQ&CAMP THE B’NC」を運営されています「SEASIDE CREATIONS」の「三浦菜々歌(みうら・ななか)」さんです。三浦さん、よろしくお願いいたします〜!
三浦「よろしくお願いいたします」
●きょうはこちらで、デイキャンプと焚き火ラウンジを体験させていただけるということなんですが、まずは何から始めましょうか?
三浦「そうですね。そうしたらキャンプということで、いちばん最初にテントを建てていきます。きょう使うテントは、今トレンドの『ワンポール・テント』になるんですけれども、ポイントとしては建てやすいところです。ひとりでも建てられますし、初心者のかたでも簡単に建てられるテントになっています」
●へ〜〜! 菖蒲さんは、ワンポール・テントを建てたことはありますか?
菖蒲「ワンポール・テントは一度使ったことがあるかな〜。でも自分が持っているテントは違うタイプなので、私も教わりながらになるかもしれない・・・(苦笑)。でも建った時の見た目が結構可愛いですよね」
三浦「そうですね。可愛いです」
●どうやって建てたらいいんでしょう?
三浦「私は、たまにサポートにも入らせていただくんですけれども、小尾さんと菖蒲さんメインでぜひ建てていただきたいと思います」
●あっ、マニュアルがあるんですね!
菖蒲「わかりやすい!」
三浦「はい、マニュアルをご用意しているので、建てている時にわからないことがあれば、QRコードから建てている動画を見たりもできます」
●へ〜〜すごい!このマニュアルにもちゃんと写真付きでわかりやすく載っていますけど、動画でも見られるっていうのはいいですね。では早速、建ててみましょうか。お願いします〜!
*「BBQ&CAMP THE B’NC」の三浦さんにアドバイスをいただきながら、菖蒲さんと一緒に建てることになった「ワンポール・テント」は六角形のテントで、大小2本のポールとロープ、そしてペグだけで建てられる優れもの。
テント本体を地面に広げ、対角線上にペグを打ち、固定したら、テント内に2メートルくらいの長さの、太めのポールを持ち込んで天井のトップに差し込むような感じで立てたら、ほぼ出来上がりだったんです。そして、仕上がり具合を三浦さんにチェックしていただきました。
大きいテントが簡単に、快適に
三浦「最後にこの入口から中を覗いてみて、ポールが斜めになっていないかも確認して・・・大丈夫そうなので、これで完成になります」
●おお〜っ! あっという間に完成です。
菖蒲「あっという間でしたね!」
●ワンポール・テント、建ちました! すごい〜!
菖蒲「どうでした? 思ったより・・・?」
●はい、こんなに簡単に、こんなに大きなテントが建っちゃうんですね。
菖蒲「本当に、あっという間でしたね」
●そうですね。15分くらいかな・・・あっという間に建ちました〜。
菖蒲「慣れたら、ひとりでも建てることはできますか?」
三浦「はい、ひとりでも十分、余裕で建てられると思います」
●かなり天井も高いですし、なんか秘密基地ができた感じがしてワクワクします! わーい、完成です!
三浦「中に入ってみますか?」
●入りましょうか。(中に入り)わ〜〜広いですね!
菖蒲「本当に広い! やっぱりロープをピーンと張ったから、快適ですよ」
●私、身長158センチですけど、ジャンプしても全然届かないくらい天井が高いです。すごい!
菖蒲「本当にさっきまで、何もなかった広場にぽつんとテントが建つだけで、全然快適さが違いますよね。風も凌げるし、暖かいですよね」
●はい〜! うわー楽しいです!
火花を散らして、火起こし体験!
●テントに続いて、焚き火ラウンジ体験ということですけれども、三浦さん、まず何から始めたらいいですか?
三浦「はい、最初に火起こしからやっていきます」
●火起こしってどうやってやるんですか?
「火起こしの方法はいろいろあるんですけれども、当店の焚き火ラウンジでは着火剤やチャッカマンを使わずに火起こしを行ないます」
菖蒲「え〜っ! 私はいつも使っちゃっていたので、なしでどうやってやるんでしょう?」
三浦「麻紐(あさひも)とかファイヤースターターっていうのを使って、火花を散らして火起こしをします」
●それって初心者でもできるんですか?
三浦「はい、お客様も初心者のかたがすごく多いので、簡単ではないんですけれども(苦笑)、初心者のかたでも挑戦していただいています」
菖蒲「小尾さん、火起こしも初めて?」
●初めてです!
菖蒲「焚き火も?」
●焚き火自体はあるんですけど・・・でも嬉しいです。こんな火起こしできる体験なんて、なかなかできないですよね。
三浦「(当店では)いろいろな体験があるんですけれども、焚き火ラウンジの中では、いちばん火起こしがお客様の満足度も高かったりとか、楽しんでいただけているコンテンツのひとつですね」
菖蒲「寒くなってきたこの季節、より焚き火ってありがたみが大きいですから、頑張って火起こししますか」
●しましょう! では三浦さん、まず何から始めたらいいでしょう?
三浦「はい、薪の種類がふたつありまして、この細いほうが針葉樹の薪になります。下にあるのが広葉樹の薪で、このラミネートに書いてある通りなんです」
●あっ、マニュアルが焚き火ラウンジにもあるんですね。
三浦「はい、この針葉樹のほうは中がスカスカで、持ってみるとわかるんですけれども、結構軽い薪になっています」
●本当ですね。すごく軽いです。
菖蒲「針葉樹ってスギとか?」
三浦「そうですね。スギとかヒノキとか、そういった木になります。で、反対に広葉樹のほうは木目が針葉樹に比べて詰まっています」
菖蒲「確かに、全然違いますね」
三浦「その分、持ってすごく重みのある薪ですね」
●本当だ。ずっしりしますね。
三浦「広葉樹のほうは火がつきにくく、その分、長い時間ゆっくり燃焼していくんですね。火がつきにくい特徴があるので、最初に火がつきやすい針葉樹に火をつけて、それを徐々に広葉樹に移していくっていう流れになります」
菖蒲「小さい火を段々と大きくしていくっていうようなイメージですよね」
三浦「そうです。この針葉樹でも、ご用意しているくらいのこの太さだと、なかなか火をつけにくいので、針葉樹をもっと細くして、フェザースティックっていうものを作ります」
●フェザースティックって何ですか?
三浦「ナイフを使って、薪を鳥の羽のように削っていく感じですね」
●細くしていくってことですね。ひらひらひら〜みたいな感じで・・・。
三浦「それで、そのまわりに解いた麻紐を巻き付けて、そこにファイヤースターターで火花を散らして着火します」
菖蒲「確かによく燃えそうですね」
三浦「よく燃えます」
菖蒲「やってみますか!」
*ナイフを使ってフェザースティックと、焚きつけように、割り箸ほどの細い薪を用意したあと、火口(ほくち)にするために,麻紐をほどいて毛玉を作り、フェザースティックに巻きつけました。そして、いよいよ着火の作業です。
やっと火がついたと思ったら・・・(汗)
三浦「このファイヤースターターは火花を散らすものなんですね。マグネシウムの塊が先に付いているので、これを削って・・・」
●なんか(見た目が)鍵みたいな感じですけど・・・。
菖蒲「あっ、カチッてなった!」
三浦「そうです。こうやると火花が散ります」
●擦るだけでこんなになるんですね。すごい!
菖蒲「ライターとかマッチとかで簡単に(火が)つくところを、あえてファイヤースターターで、っていうのが、より喜びも大きいですよね」
●そうですね〜。チャッカマンで簡単に、っていうんじゃなくてね。いいですね〜、こうやって一生懸命やるのは気持ちいいです。
菖蒲「キャンプってそういうところですよね。家だとガスコンロのボタンを押せば(火が)つくけど、手間をかけるからこそ、喜びがひとしお」
三浦「よいしょ・・・」
(*交代しながらファイアースターターで火花を散らす作業を続ける)
●火花は出るのに(火がつかないのは)何でだ〜?
菖蒲「ね〜、もどかしいですね。ついたら絶対、絶やしたくないですね」
●あ〜〜きた、きたー! ついたー!
菖蒲「きたー! すごーい!」
三浦「細い薪を(炎の)中心にお願いします! できるだけ動かさないように、どれかに燃え移るのを待ちます」
菖蒲「どうだ〜!? 繋がるか!?」
●この微かな火をどんどんつなげていくわけですね。頑張れ〜。
三浦「大きくなってきましたね」
菖蒲「なってきました! えーっ、すごい!」
●ついた!? どんどん広がっていきますよ! みんなで火起こしをするって、すごく絆が深まりそうですね。なんか一体感が出ますね。
菖蒲さ「そうですね(笑)」
●おお〜、どんどんいろんな針葉樹に火が移ってきました!
三浦「真ん中の火を絶やさないように!」
●真ん中が消えちゃったら、おしまいですよね。
三浦「そうですね。あっ、あれっ・・・!?」
●あれっ? 消えた!? なんで・・・? 消えちゃった〜!
菖蒲「こういうこともあるんですね(苦笑)」
三浦「そうなんです。こういうこともあるんです」
*やっと火がついたと思ったら、こんなことになって、がっかりしましたが、気を取り直し、ファイアースターターを使って、何度も何度も火花を飛ばし、火起こしに再チャレンジしました。
●あっ、火がだんだん大きくなってきましたよ!
菖蒲「なんか焚き火の匂いもしてきましたね」
●ね〜! 暖かくなってきました! あっ、火がだんだんいろんな針葉樹に広がってきました。
菖蒲「おお〜〜今回は、いけそう!」
●今回は、いけたんじゃないですか〜?
菖蒲「どうですか。三浦さん、まだ油断なりませんか?」
三浦「そうですね。さっき消えちゃったので、ちょっと心配ですね」
●これは次、どうしたらいいですか?
三浦「もう少ししっかり(火が)大きくなったら、広葉樹を少しずつ足していきます。この針葉樹はすぐ燃えてなくなってしまうので、広葉樹に火が移ってからが成功になります。(広葉樹を)一本入れていきましょう」
●今、針葉樹から広葉樹に火が移りました! おお〜っ、どんどん火が大きくなります!
菖蒲「感無量ですね」
●いや〜、本当に!
菖蒲「あれだけ苦労したからこその! あ〜〜すごく煙が・・・どんどん立ってきた〜」
●いや〜なんか感動しますね。うわ〜火だ〜! 嬉しい〜(笑)
三浦「一気に暖かいですね」
菖蒲「心も体も温まりますね。(火を)見ているだけで安心するわ」
●もうこれは完全に成功ですよね・・・。ここまで火が広がっていればね。
三浦「はい、大成功です!」
●うわ〜〜〜嬉しいやったー!
菖蒲「しっかり広葉樹にも(火が)移って、うわ〜綺麗ですね」
●みんなで頑張って起こした火ですよね、嬉しい〜!
三浦「あとはもう火が途絶えないように薪を足していくっていうところです。このあとは実際に今起こした焚き火を使ってフリータイム、炎を見て癒されながら、キャンプ飯にも挑戦していただきます」
菖蒲「おお〜っ!」
●やった〜!
三浦「きょうご用意しているメニューは、チーズタッカルビ、サーロインステーキ、焼き野菜、コムタンスープ、白ごはん、最後にマシュマロを焼いていただきます」
●豪華!(笑)
菖蒲「盛りだくさん!」
三浦「今回のテーマが韓国風キャンプ飯になっているので、ちょっと韓国料理をイメージしたキャンプ飯をご用意しています」
●楽しみ〜!
菖蒲「楽しみです!」
焚き火でチーズタッカルビ!
※菖蒲さんと一生懸命、火を起こしたあとは、お待ちかねの焚き火料理キャンプ飯! キャンプのお楽しみを知り尽くしたメニューになっています。
お肉やお野菜などの食材は全部、クーラーボックスに入っていて、調理用の道具も、お皿やお箸なども全部セット! あとはお客さんが自分たちで思い思いに調理をして食べるだけ。まさに手ぶらで楽しめる、至れり尽くせりのサービスになっているんです。
今回は特別に「BBQ&CAMP THE B’NC」の三浦奈々歌さんにも手伝っていただき、まずは、いまキャンプで大人気の鉄板「マルチグリドルパン」でサーロインステーキを焼きました。ジュージューと焼き上がっていくうちに、食欲をそそるお肉の匂いが〜〜〜、さっそく実食〜!
●さあ、サーロインステーキが焼きあがりました~。
菖蒲「めちゃくちゃいい匂いしますね! ソースかけちゃいます?」
●かけましょう、かけましょう!
菖蒲「うわ〜美味しそう!」
●自分たちで火を起こして、その火で焼いたお肉です! 嬉しい! 早速いただきましょう!
菖蒲「召し上がってください!」
●う~ん! 美味しい〜〜!
菖蒲「(笑)達成感もあって・・・私もいただきます!」
●はぁ~幸せです! 美味しい、肉々しくて! もうー最高ですね~。
菖蒲「美味しい~。やっぱり焚き火で焼くと香ばしさというか、より肉の旨みがダイレクトにきますよね!
●そうですね! 香りも普段よりいい気がします。
菖蒲「だって見渡してくださいよ! この屋外で!」
●気持ちいいですね!
三浦「もうチーズタッカルビにいっちゃって大丈夫ですか?」
菖蒲「はい!」
●はい!
菖蒲「お〜〜美味しそう!」
●さあ、チーズタッカルビができあがりました!
菖蒲「見た目も華やかですね!」
●ね~。これ、いいですね~!
菖蒲「真ん中にチーズがあって、フォンデュして食べるような感じですか?」
●そうですね。まわりにお肉と野菜があります。
菖蒲「チーズタッカルビ自体、私は初めて食べます」
●そうなんですね。じゃあぜひぜひ!
菖蒲「キャンプでこんなに手軽に作れるんだ〜」
●私もお店でしか食べたことないですけど・・・。
菖蒲「いいですか? いただきます!」
●もうしっかりと、あらかじめ味付けがされているので!
菖蒲「うわっ! こんなにチーズが伸びる! すごーい! これ楽しい!」
●トロトロですね~! いただきます~。
菖蒲「いただきます!」
●う〜ん、美味しい~(拍手)もう拍手が出ちゃった! 美味しい!
菖蒲「美味しい! めちゃくちゃ美味しい! このチーズがすごくクリーミー、めっちゃ美味しいですね!」
●トロトロですね~。いや〜美味しい!
菖蒲「キャベツも玉ねぎも、すごく濃厚な味付けがよくからまって、うわ~最高です!」
●やっぱり屋外で食べると、さらにおいしく感じますよね!
菖蒲「本当に!」
●さあ、どんどん食べましょう!
菖蒲「うん!」
デザートは焼きマシュマロ
菖蒲「今回は盛だくさんですね!」
●はい! サーロインステーキもチーズタッカルビも美味しかったですね~。
菖蒲「そして締めはマシュマロ! 焼いて食べましょうよ!」
●キャンプ飯と言えば、マシュマロを食べるイメージありますよね~。
菖蒲「なんかね~焚き火を眺めながらじっくり遠火で焼いて、こんがりふわふわのマシュマロは絶品ですから! 私も必ずキャンプではやります」
●そうなんですね。
菖蒲「今回この大きいマシュマロを用意してくださってね! 小っちゃいのが定番でよく売っているけど、この大きいのがやっぱりキャンプに合うんですよね。外側だけカリカリにして・・・」
●あ~いいですね~。
菖蒲「(マシュマロの)中はもうトロトロで、結構近づけると、ばーって一気に焦げちゃうから・・・」
●遠くがいいんですね?
菖蒲「ゆっくりぐるぐる回しながら、この待つ時間もやっぱりいいですよね」
●確かに。火を眺めていると、すごくリラックスできますよね~。
菖蒲「そう、なんでしょうね・・・人間の本能なのかな? 小尾さんは、お酒はビールのイメージありますけど」
●はい、ビール大好きです。
菖蒲「ほかも飲みます?」
●飲みますね~。ワインもハイボールも。
菖蒲「キャンプでこんなの飲んでみたいな、とかありますか?」
●外だと、ホットワインとか・・・。
菖蒲「わかる~! 私いつも赤ワインとマシュマロっていうのがもう締め!」
●素敵~いいですね~!
菖蒲「夜長、過ごすのにはばっちりで、今はワインなんか合いますよね、絶対ね!」
●あっ! こんがり焼けてきました。
菖蒲「めっちゃいい感じ! それ、もういいかもしれないですね」
●美味しそう!
菖蒲「食べてみます?(小尾さんは)初焼きマシュマロ?」
●本当にそうかもしれないです!
菖蒲「お~〜!」
●わ〜〜、いいただきます! う~ん! 本当だ! 外はカリッとしていて、中はじゅわっと!
菖蒲「このジャンボ・マシュマロがいいんですよね~」
●いい感じじゃないですか? 菖蒲さんのも・・・。
菖蒲「いい感じですね! あ〜美しい、このきつね色! いただきます!」
●召し上がってください!
菖蒲「カリ、ふわ~、美味しい!」
●本当に美味しい!
菖蒲「甘さが優しい・・・」
●ほっこりしますね~。
菖蒲「う~ん、本当!」
●いや~楽しかった~。ごちそうさまでした!
菖蒲「ごちそうさまでした!」
お気に入りは、湖畔のキャンプ場
※お腹がいっぱいになったところで、日頃から山登りにキャンプ、そして釣りにと、アウトドアを楽しんでいらっしゃる菖蒲理乃さんにお気に入りのキャンプ場を教えていただきました。
菖蒲「私、そうですね・・・いろいろ行きますけど、やっぱり好きなのは湖畔です」
●湖畔!
菖蒲「湖! そう、水の近くってなんか癒されて・・・。小尾さんは海が好きですよね?」
●はい、海は大好きです。
菖蒲「ですよね。なんかぼーっと眺めているだけでも一日中過ごせるので、湖畔のキャンプ場は好きですね。
身近に行けるところで言うと、神奈川の「みの石滝キャンプ場」っていう、相模湖のほうにあるんですね。電車でもアクセスできるんですけど、(キャンプ場へは)ボートに乗ってでしか行けないんですよ。対岸にあるから、ボートに荷物をまとめて向こう岸のキャンプ場に行くっていうので、陸続きじゃなくて水を渡っていくっていうのが、特別感があって「みの石滝キャンプ場」は本当にお気に入りです」
●そうなんですね。ウィンターキャンプの経験っていうのはありますか?
菖蒲「冬はやっぱり虫がいなかったり・・・、小尾さんもね?」
●はい、虫は苦手です(苦笑)
菖蒲「(虫)いやですよね。この時期は(虫がいないので)いいかなと思います。寒いので防寒対策は必須ですけどね」
●菖蒲さんなりの防寒対策ってありますか?
菖蒲「よく言われるのが3つの首っていうのがあって、まず首と、手首と足首。ここ暖めているだけで全然違うんですよね。プラスアルファ、やっぱり外で底冷えするので、私がいちばん力を入れているのは足。靴はスノーブーツだったりとかで、完全防備で行きます」
●なるほど~。私のようなキャンプ・ビギナーには、今回のような手軽でアーバンなデイキャンプから始めるってすごくいいかなって思ったんですけど、いかがですか?
菖蒲「本当、こうやって気軽にアクセスもできて、今回なんか手ぶらですからね!」
●本当にそうですよね~。
菖蒲「ここでテントだったりとか、いろんなアウトドアの用品や道具と触れ合って、ちょっとずつ買い足して行ったりだとか、ステップアップにはすごくいいなと思います」
●改めて菖蒲さんから見て、キャンプの魅力ってどんなところだと思いますか?
菖蒲「なんか本当に“衣・食・住”じゃないですか、やっていることって」
●確かに・・・。
菖蒲「日常で普通にやっていることを、自然に囲まれたりだとか違った場所で楽しめる。そうすることによって、いつも飲んでいるコーヒー1杯とっても、外で飲むと全然おいしさが違う。なんかそういうところで改めて、また日常に戻った時に、ありがたさがより感じられるみたいなところがいいのかなって、魅力かなって思います」
*続いて「BBQ&CAMP THE B’NC」を運営されているSEASIDE CREATIONSの「三浦奈々歌」さんに、施設の特徴やコンセプトについてうかがいました。
三浦「いろんなバーベキュー場やデイキャンプ場があると思うんですけど、当店は一度は行ってみたいお洒落なバーベキュー場ではなくて、何回でも来たくなるようなバーベキュー場、みんなが使える普通の用具や物を用意して、いつでも来たくなるようなバーベキュー場にしています」
●手ぶらで来られるっていうのも、いいですよね~。
三浦「そうですね。イオンモールさんが目の前にあるので、食材は買ってきて、あまり重たい荷物を運ぶ必要もないですし、休日のランチとかに手軽に来ていただいているお客様も多いです。あとは、家族だったり大切な人と、いいコミュニケーションを取れる場であってほしいと思っているので、そういった時に使っていただければいいかなと思っています」
●確かに室内で、いつものお店で食べるっていうのとまた違った空間で、いろんなお話ができそうですよね。
三浦「そうですね」
●この時期のおすすめって何かありますか?
三浦「これからの時期はやっぱりいちばん焚き火がおすすめで、キャンプ本番の季節だと思うんですね。空気の澄んだ今の時期だからこそ楽しめる特別な時間というか、特別な空間が味わえるかなと思っています」
気軽にふらっと、充実の一日
●三浦さん、きょうはテントも建てて、火起こしもして、美味しいキャンプ飯を食べて、最高の一日でした!
三浦「ありがとうございました」
菖蒲「ありがとうございました」
●楽しかったです!
菖蒲「こんなに気軽にふらっときて、これだけ充実した一日が過ごせるんですね~」
●本当に気持ちよかったです。自然に囲まれてリフレッシュできました~。この焚き火の後始末とか片付けってどうしたらいいんですか?
三浦「焚き火台はこのままで大丈夫なので、ゴミだけゴミ箱に捨てていただいて、あとはこのままお帰りいただけます」
●そうなんだ~、すごい! 何かルールとかってありますか?
三浦「特になくて、分別をしていただくっていうところだけですね」
●え~っ、なんか至れり尽くせりですね!
菖蒲「本当ですね! でも全部やってもらうんじゃなく、テントを自分たちで建てたりとか、火起こしだったりとか、自分たちでやった感!っていうのも、ちゃんと味わえましたね」
●ね~、家族みんなで楽しめますね!
菖蒲「本当に!」
●三浦さん、本当にきょうはありがとうございました!
菖蒲「ありがとうございました!」
三浦「ぜひまたいらしてください!」
●はい、楽しかったです!
三浦「ありがとうございます」
INFORMATION
今回お世話になった「BBQ&CAMP THE B’NC」は京葉線の幕張豊砂駅から徒歩5分。駅近に加え、手ぶらでお手軽にデイキャンプや焚き火料理が楽しめる施設です。道具や食材は全部完備。その一方、テントの設営や火起こしなどは、お客さんがマニュアルを見ながら、自ら動いて体験します。私たちは火起こしに一度失敗してしまったんですが、だからこそ、火がついて、焚き火が安定した時の喜びは、ひとしおでしたよ。
この時期のおすすめは私たちが体験した、来年2月までの週末限定「焚き火ラウンジ」! サーロインステーキやチーズタッカルビ、焼き野菜、コムタンスープに白ごはん、そしてマシュマロがついて、料金は大人おひとり5,000円。デイキャンプ体験ができる「プレミアム・キャンプ区画」の使用料は大人おひとり2,700円。もちろんバーベキューもおすすめです。
詳しくは「BBQ&CAMP THE B’NC」イオンモール幕張新都心のオフィシャルサイトをご覧ください。
◎BBQ&CAMP THE B’NC :https://seaside-creations.co.jp/shop-list/makuhari/
2023/12/17 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. YOUR SMILING FACE / JAMES TAYLOR
M2. GIRLS JUST WANT TO HAVE FUN / CYNDI LAUPER
M3. DON’T WORRY BABY / VAPOUR TRAILS
M4. RELIGHT MY FIRE / DAN HARTMAN
M5. TWO HEARTS / PHIL COLLINS
M6. THIS CHRISTMAS / MARY J. BLIGE
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
2023/12/10 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンは、シリーズ「SDGs〜私たちの未来」の第17弾!今回は「SDGs=持続可能な開発目標」の中から、おもに「つくる責任 つかう責任」そして「産業と技術革新の基盤をつくろう」について考える事案をご紹介します。
お話をうかがうのは、100%食品廃棄物から作る新素材を開発し、注目を集めているベンチャー企業「fabula(ファーブラ)」株式会社の代表取締役CEO「町田紘太(まちだ・こうた)」さんです。
町田さんは、お父さんの仕事の関係で小学生の3年間をオランダで過ごし、学校の授業で地球温暖化を研究・発表することがあって、それがきっかけで、環境問題に興味を持つようになったそうです。趣味は海外旅行で、これまでに60カ国以上を訪れているほどの旅好き。
そして東京大学に進学し、卒業研究で食品廃棄物から新素材を作る技術を開発。2021年に幼馴染みの3人で「あらゆるゴミの価値化」を目指し、「fabula」株式会社を設立されています。
町田さんが開発した技術を使えば、捨てられてしまう食材がお皿などの小物から建築用の資材などに生まれ変わるんです。今回は、東京大学生産技術研究所・駒場リサーチキャンパスに町田さんを訪ね、お話をうかがってきました。今回は、食品廃棄物を原料に作る新素材の可能性に迫ります。
☆写真協力:fabula Inc.
fabulaはラテン語で「物語」
※「fabula」のオフィシャルサイトのトップに「ゴミから感動をつくる」というフレーズが載っています。改めて「fabula」ではどんな事業を行なっているのか、ご説明いただきました。
「ひとことでいうと、食品廃棄物から新しい素材だったり、製品を作っているような会社です。もともとは東大の研究室から生まれたというか、私が研究室にいた時に開発したその素材を、実装化するために作った会社で、技術のおおもとは大学で作られています」
●創業は2021年ということですけれども、社名になっている「fabula」には、どんな思いが込められているんですか?
「この言葉自体はラテン語なんですけど、日本語に訳すと、物語とかそんな感じの意味があります。食品廃棄物から、ゴミから、新しい製品とかプロダクトに変えるにあたって、普通の産業で行なわれているようなストーリー性があったりとか、背景に思いのある物作りをしたいなと思って、こういう社名にしています」
●改めて、この会社を起業されたのは、どうしてなんですか?
「シンプルにいうと、面白そうだったからというのがありますけど(笑)」
●面白そうだという理由で起業するって、すごいことですね。
「そうですね。普通にやってみようと思ったのと、ある意味、失敗してもいいんじゃないかなっていうような、わりかし楽観的な気持ちもあった気がしますね」
●そもそもすごくさかのぼって、この分野を研究しようと思ったきっかけは、何だったんですか?
「もともと(私が)いた研究室自体がコンクリートに関する研究室で、コンクリートってものすごく環境負荷が高い素材なんですけど、環境負荷の高いコンクリートをリサイクルしたりとか、コンクリートに代わる素材を作る、そういう研究室にいたんです。
で、そこに入った時に私の指導教官の酒井先生が、それにまつわる研究をずっとやっていて、その中で先生としては、食べられるコンクリートがあったら面白いんじゃないかって、ちょっとファンシーな思いがあったりとか・・・。
僕自身もともと環境問題を含め、社会課題に対してすぐ取り組める研究があったほうがいいなって思っていたのもあって、その辺が合わさって、食品から何か作ろうかなみたいな話になっています」
●この「fabula」は幼馴染みの3人で作られた会社ということですけれども、ほかのメンバーおふたりも同じ思いでいらっしゃるということですよね。
「だと信じていますけど(笑)」
●お誘いしたのは、やはり町田さんですか?
「そうですね、2年くらい前に・・・」
●おふたりも、やろうやろうっていう感じでしたか?
「そうですね。やっぱり素材自体に魅力を感じてくれて、ふたりが働いていたバックグラウンドだったりとか、興味があることとか、そういう中でもともと持っていた思いとかも合わさって、今一緒にやっているようなところです」
●町田さんが声をかけて、おふたりの思いはどんな感じだったんですか?
「松田と大石というふたりなんですけど、松田はもともとコーヒーを輸入する商社に勤めていたんですね。そういう中で、コーヒーってまさしく抽出かすだったりとか、いろんな廃棄物が出て、それは消費する日本でもそうですし、生産するブラジルとか中南米とか、そういうところでも実際にいろんな廃棄物が出ています。
そういうものに対しての課題感をずっと持っていて、そういう課題の解決にもつながるし、この素材の特徴も見て、これは何でもできるって、彼は言っていて、そこがたぶん思いとしてあったのかなと思うのと・・・。
大石はもともと感性工学と言って、音とか光とか、感性的な情報が人の行動にどういう影響を与えるかっていうような研究をしていました。そういう中でこういうちょっと香りがする素材で、人々の行動がどう変わるのかなとか、お皿に見えるけど、香りがしたりとかすることで違う影響とか、カレーの匂いを嗅いだらカレーを食べちゃう、みたいなことに近いかもしれないですけど、そういうようなことを素材を通じてやりたいというふうに言っています」
技術はシンプル、「たこ煎餅」と同じ!?
※ここからは「fabula」が作っている新素材について、具体的にお話をうかがっていきます。まずは、食品廃棄物を新素材にする技術について、なんですが、明かせる範囲内で構わないので、どんな技術なのか教えてください。
「技術自体はとってもシンプルです。例えば、白菜とか野菜のクズみたいなやつを乾燥させて粉末にして、それを熱圧縮成型というような方法で素材化します。乾燥と粉砕までは本当に野菜の粉を作るみたいな感覚に近いので、そこから熱圧縮成型っていう・・・漢字5文字が並ぶと怖いですけど(笑)、簡単にいうと熱と圧力でギュッと潰しているような技術ですね。江ノ島のたこ煎餅とか、ああいうものを工業的にやっているような感覚です」
●その技術ってどうやって開発されたんですか?
「熱圧縮成型っていう技術自体は、かなりトラディショナルなというか古典的な技術です。プラスチックでもずっと使われてきていたりとか、身近なものだとベニヤ板みたいな、ああいう木材の合板でも使われてきた技術で、それを食品のくずというか、こういうものに転用してみたっていうところが新しいポイントなのかなと思います」
●開発までの道のりって、どんな感じだったんですか?
「基本的には一個一個条件を潰していくというか、温度とか時間とか圧力とか、粉の状態とか、綺麗に作るための条件なんですけど、それをいろいろ、何度だったらいいかなとか、これぐらい圧力をかけたらいいかなっていうのを、トライ&エラーで繰り返していった感じです」
●新素材になるまで、どれぐらいの日数がかかるんですか?
「基本的にプレスをする時間は、数分とかそのレベルです。あとは乾燥で結構時間がかかるものなので、 1日かかるのか、機械によっても違いますけど、本当に早ければ、すぐできるくらいです」
脱脂粉乳!? コーヒーかす!?
※開発した技術で作った新素材をもとに、これまでにどんな製品を作ったんですか?
「当初はコースターとか、ちょっとした小物入れとか、雑貨類を作っていたりとか・・・。最近だとお香立てとかも、アーティストさんとコラボして作ったりとかしているんですけど、もともとコンクリートから出発しているのもあって、建材もちょこちょこやっています。
例えば、建築の展示会用に茶室を作る機会があったんですけど、その設計会社さんに、茶室なので、お茶でできた建材みたいなものを少し提供したりとか、今度の(大阪)万博でも使用していただく予定があったりとか、そういうような感じですね」
●今回、コースターと小皿、あと小物入れ、深いお皿も用意していただきました。これが本当に食品廃棄物だったんですね。
「そうですね、もともとは」
●ちょっと触ってみてもいいですか。ツルツルで、見た目もおしゃれですし、これが廃棄物だったとは全く思えないんですけど、え〜〜すごいですね! これはもともとなんだったんですか?
「このちょっと深いお皿は、脱脂粉乳ですね」
●それがこんな立派な小物入れ、深いお皿になるんですね。この緑色のようなカーキのようなコースターは?
「緑茶です」
●緑茶なんですね! 香りとかはしないですよね?
「そうですね。コーティングがしてあるので、たぶん香りが抑えられていると思います」
●なるほど、なるほど・・・。
「もう一個のほうは、香りで判断できる気がしますけど・・・」
●これは、茶色の・・・なんでしょう?
「それはコーヒーですね」
●あっ、コーヒー、確かに! コーヒーがこの平皿になるんですね〜、コーヒーのかすで・・・。
「コーヒーの抽出かすですね」
●確かに濃い茶色と黒色でシックなお皿になっていますけれども、コーヒーのかすからできているんですね〜。この新素材を作るにあたって、いちばん苦心されたのってどんなことですか?
「本当にいろんな条件をいじっていくっていう、数打っていくっていうところですかね、やっぱり」
コンクリートより優れた強度
※「fabula」で開発した新素材の主な特徴を改めてご説明いただけますか。
「今まさしく嗅いでいただいたように香りがあったりとか、色味とかもともとの原料のイメージが残っていたりとか・・・。いわゆる廃棄物から作ったっていうと、イメージだとちょっとグレーで茶色くてとか、もしかしたらそういう感覚で、ちょっと臭い匂いがするかもしれないとか、そういうイメージとは結構逆側の、原料の特徴を活かしながら物作りをしているのがひとつと・・・。
あとは強度がそこそこあるよっていうのがあります。コンクリートと比べても強いものだと4倍ぐらいの、“曲げ強度”って言って曲げる力に対する強度があったりします」
●かなり強いですね!
「そうですね。プラスチックほどではないですけど、まあまあ強いかもしれないです」
●一度作った新素材をまた作り直すっていうこともできるんですか?
「はい、それは可能です。こういうお皿とかを回収して、もう一回、粉々にして作り直すことはできます 」
●先ほどご紹介いただいたコースターやお皿は、原材料が緑茶とかコーヒーとかですけれども、食品廃棄物がなんでも原材料になるわけではないですよね?
「基本的になんでも使えます」
●なんでも大丈夫なんですか?
「例えば、コンビニの廃棄物、いわゆる生ゴミみたいな、ああいうものでも大丈夫です」
● これまでどんなものを原材料にされてきたんですか?
「だいたい80種類か90種類ぐらいやってきていて、食品なので無限にありますけど、カニの殻とかそういうのもやったりとか・・・。脱脂粉乳みたいなちょっと動物性のものとかもやっていますし、なんかいろいろ(使っています)」
●いくつか組み合わせても大丈夫なんですか?
「合わせても大丈夫です。バジルとトマトとパスタを混ぜて、ジェノベーゼとか言ってふざけて作っていたりしました(笑)」
●すごいですね~。そういった食品廃棄物はどこから手に入れているんですか?
「食品加工の工場だったりとか、あとは飲食店、例えばコーヒーチェーンみたいなそういうところだったりとかから買い取っていますね」
価値あるものへ変えていく文化
※「fabula」で開発した新素材は、将来的には食べることも考えているそうですね。どういうことなのか、教えてください。
「食べられなくはないよっていうのが、僕らの伝えていることというか・・・。思い返すと食品だけで、もともとは食べられるものだけで作っているので、食べてもいいかもしれないっていうところはあるんです。
例えば、規格外野菜みたいな、形が悪いだけで美味しいですよっていう、そういうものから作ると、本当に食品から作っていることに近いので、食べたりもできるだろうし・・・。
もっとリアルなところで言うと、本当に最悪の場合、交通が分断して物が届かなくなったりとか、もしくは離島とか砂漠の真ん中なのか宇宙空間なのか、なかなか物流が難しいようなところとかで、最後に生きるために食べても悪くはないかなっていうところですね」
●今後、建築用の資材を作る予定はあるんですか?
「そうですね。基本的に将来的には建材を目指しているので、万博での使用だったり、そういうのを通じて、性能とか強度もそうですし、実際に使っていく事例を増やしていくのが今後かなと思います」
●町田さんが開発した技術を、今後世界でどんどん展開していく予定もあるんですか?
「海外に出ていくってことも考えてはいますね」
●具体的にどこにとか、技術の公開も考えていらっしゃいますか?
「そうですね。まだまだ海外での事例自体はないんですけど、問い合わせベースだと、非常に多いのはヨーロッパからの問い合わせと、また東南アジアからも結構問い合わせが来るので、きっとここら辺の感度が高いだろうというところに対して、アプローチしていこうかなと思います。
例えばですけど、特許の出願をしているので、特許出願をすると必然的に(技術は)公開されるものになるんですね。そういうものはもちろんありますし、技術自体を自分だけのものにするっていうよりは文化として、食品に限らずゴミって呼ばれているものを、新しい価値あるものに変えていく文化を作っていくことが、とても大事かなとは思っています。そういう意味ではいろんな人と協業していくことはとっても大事かなと思います」
INFORMATION
「fabula」で制作している小皿やコースター、タイルなどの商品は、受注生産になりますが、ECサイトから購入できます。100%天然素材なので、風合いが微妙に違う、どれも一点ものです。どんな商品なのか、価格はいくらなのか、ぜひ「fabula」のECサイトをチェックしてください。
◎「fabula」ECサイト:https://store.fabulajp.shop
◎「fabula」:https://fabulajp.com
ちなみに、現在、国立科学博物館で開催されている特別展「和食〜日本の自然、人々の知恵」のショップでも販売しているそうです。
2023/12/10 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. MATERIAL GIRL / MADONNA
M2. BEST FRIEND / JASON MRAZ
M3. CHANGE THE WORLD / ERIC CLAPTON
M4. THE 3 R’S / JACK JOHNSON
M5. 新しいYES / Salyu
M6. EVERYTHING’S GONNA BE ALRIGHT / SWEETBOX
M7. BRIGHTER DAYS / SYBIL
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
2023/12/3 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンは、シリーズ「SDGs〜私たちの未来」の第16弾! 今回は「SDGs=持続可能な開発目標」の中から「貧困をなくそう」「質の高い教育をみんなに」「働きがいも経済成長も」、そして「つくる責任 つかう責任」に関係する事案をご紹介します。
お話をうかがうのは、慶應大学 環境情報学部の3年生で、合同会社「Uzuri(ウズリ)」を立ち上げた「山岸 成(やまぎし・なる)さんです。
山岸さんはお父さんの仕事の関係で、小学生の3年間をケニアの首都ナイロビで過ごしています。実はこの経験が山岸さんのその後を大きく左右するんです。
ナイロビは、山岸さんいわく、ビルが立ち並ぶ都会ではあるものの、一歩踏み出すと、すぐ隣りに国立公園やサバンナが広がっていて、先日訪れた時も改めて、とてもいい国だと感じたそうです。
そして現在は大学でビジネスに関することを学びながら、会社経営にチャレンジ、さらに陸上競技の選手としても活躍されています。
きょうは、子供の頃に暮らしていたケニアのために、アフリカの海岸や路上に捨てられたビーチサンダルを、スマートフォンケースにアップサイクルするプロジェクトを進めている山岸さんに、起業した思いや、「Uzuri」という会社で進めている事業についてお話をうかがいます。
☆写真協力:Uzuri
スワヒリ語で「Uzuri」とは・・・
※まずは、山岸さんが立ち上げた「Uzuri」という会社では、どんな事業を行なっているのか、教えてください。
「私たちは、途上国のブランドや企業さん、その中でも特に社会貢献性の強い事業を行なっているところと、パートナーシップを締結させていただいて、そのパートナーと共同で日本市場に適用した商品を開発して、それを日本で売ります。
その時にそのブランドとか企業の既存の商品も一緒に販売して、我々が作ったコラボ商品を主軸にしながら、いろんな商品を販売し、彼らが掲げているミッションであったりとか、ブランドストーリーを一緒に広げていくような形の事業です。彼らの雇用状況の改善だったりとか、雇用機会の拡大にもつなげていけたらなという事業内容になっております」
●「Uzuri」を立ち上げたのは、いつ頃なんですか?
「立ち上げたのは本当に最近ですね、8月末とかに・・・」
●今年の、ですか?
「今年の8月です」
●そうなんですね~。おひとりで立ち上げたんですか?
「大学の友人と一緒に立ち上げました」
●じゃあ、今おふたりで「Uzuri」をやっていらっしゃるんですね?
「そうです」
●「Uzuri」という社名ですけど、独特の響きがありますよね? これはどんな意味があるんです?
「これはスワヒリ語です。ケニアの公用語は英語なんですけれど、スワヒリ語も広く使われていて、 “ビューティー”っていう意味です。日本語訳すると“美しい”であったりとか、“華やか”とか“いいこと“みたいな意味合いを持つんです。
先ほど説明した事業内容のところで、パートナーの掲げている“いいこと”、もちろん美しい商品もそうですし、彼らの行なっている活動も美しい、そんなものを広げる会社でありたいなっていうところで、この『Uzuri』っていう名前にしました」
●素敵な名前ですね! 起業されようと思ったのは、何かきっかけがあったんですか?
「きっかけは、大学で経営とかビジネスに関することをたくさん学んでいく中で、なんか自分ができること、ビジネスの視点で何かできることがあるんじゃないかなって思った時に、やっぱりアフリカで、僕が何かする形で、彼らに貢献できるのであればいいなという思いから始まりました。
あと最近の社会貢献性みたいなことの強まりで・・・でも、ただいいことだけしていてもいけないよなっていうところで、社会貢献性と利益の追求の両立みたいなことにチャレンジしてみたいなっていう思いが、大学で学んでいく中で出てきて、やってみよう!と思って立ち上げました」
スマホケースにアップサイクル!
※山岸さんが、現在タッグを組んでいるのは、ケニアで海岸をきれいにする活動を行なっているNPO「Ocean Sole(オーシャン・ソール)」。廃棄されたビーチサンダルをアップサイクルして、ゾウやシマウマなどの動物のオブジェを作っている団体です。
山岸さんはこの団体を、ナイロビで暮らしていた頃から知っていたので、最初に手掛ける事業は「Ocean Sole」と一緒にやっていきたいという強い思いがあったそうです。そして、パートナーシップを結んで開発したのがスマートフォンのケースです。
●きょうはそのサンプルをスタジオにお持ちいただきました! とってもカラフルですね~。
「そうなんですよ(笑)。これ、染色とかも一切していなくて、サンダルそのものの色でできています」
●なんかケニアっぽいって言ったら、あれですけど、ほんとにカラフルで・・・蛍光ピンクとかオレンジとかイエローグリーンも・・・様々な色が溢れていて、いいですね~!
「今ケニアっぽいっておっしゃったかと思うんですけど、アフリカっぽさもありつつ・・・ただなんだろう・・・手に取りづらさみたいなのは、ないデザインかなと思っていて・・・」
●ないです! 可愛い~、老若男女みんなが持てるような感覚ですよね!
「現地のアーティストが全部デザインして制作しているので、そこでもきちんと雇用機会になっています」
●なるほど! これ、しかも裏はコルクになっているんですね!
「はい、裏はコルクで、Ocean Soleのミッション自体が海洋汚染の解決を掲げていますので、プラスチックを使わずに制作したいなという思いで、100%リサイクルのコルクを使用して作っております」
●へえ~、このスマホケースはオリジナル商品っていうことですよね?
「オリジナル商品というよりかは、UzuriとOcean Soleのコラボ商品で、これからはいろんなところとコラボする形でやっていけたらなと思って、その1個目の商品がこのスマホケースになります」
●ボーダーだったり、ドットだったり、四角だったりって、いろんな柄がありますけど、これって唯一無二っていうことなんですか?
「はい! そうなんです。その時にあったサンダルの形とか、削れ具合とかを考慮して、最適なデザインを現地のデザイナーさんがチョイスして制作しているので、同じものは一生作れない、あなただけの1点ものってことになります」
●すごい! そうなんですね~、世界でひとつだけの!
「そう、そうなんです」
●お洒落です! そもそもなぜスマホケースにしようと思われたんですか?
「それがですね・・・いろいろ僕も考えた結果、このスマホケースになっていまして、普段(Ocean Soleは)動物のオブジェを作っているところなんですけど・・・」
●動物のオブジェも持ってきていただきました。可愛いですね! こちらもカラフルです!
「可愛い動物たちなんですけど、これを日本に広めようと思った時に、なかなか難しいハードルもあるんじゃないかなと思っています。まずは、輸送でかさばってしまうものなんですね。
今回は手のひらぐらいのサイズのオブジェをお持ちしたんですけど、ほかにも(人の)身長ぐらいのサイズのもあったりとかします。そういった商品は持ってくるとやっぱり大変ですし、環境負荷もかかってしまうっていうところで、もっとコンパクトで、みんなに使ってもらえるようなものがないかなってすごく考えていました。
その時に思いついたのがiPhone用ケースです。日本はiPhoneのシェア率がめちゃめちゃ高いっていうのもあって、iPhoneなら、いろんな人が手に取ってくれて、いろんな人が手に取ってくれれば、日常生活でいろんな人がこのカラフルなのを見て、“それ、綺麗だね”とか言ってくれるんじゃないかなと思って・・・そんな形で広がってくれればいいなという思いを込めてiPhoneケースにしました」
●これは絶対、友達が使っていたら「何それ、可愛い!」って言うと思いますよ!
「僕も今サンプルを使っているんですけど、本当に知らない人から、“そのスマホケース、可愛いね”ってカフェで言われたりとかもあって、そんな形で広がってくれたら嬉しいなって思っています」
(編集部注:iPhone用のケース、カラフルでとっても可愛いんです。裏の素材はコルクなので軽いし、衝撃吸収性に優れているのも特徴です。また、職人さんがひとつひとつ手作りしているので同じものがほかにない、つまり一点ものなのも魅力ですね。
販売に関しては、年内から始まる予定。またイベントなどでの販売も検討しているそうです。販売価格も含め、詳しくは以下のサイトを見てください)
◎Uzuri 公式オンラインショップ: https://uzuri-japan.square.site
子供たちを学校に行かせたい
※今年、ケニアに行ってきたそうですね。どんなことをされてきたんですか?
「9月に行ったのはOcean Soleと、これからどういう形で進めていくかっていうのを詳細に話すのと、今回お持ちしたサンプルを作成するために行ってきました。
工場とオフィスのあとは、サンダルの回収現場にも行って参加してきて、働く人々とコミュニケーションをしっかりとるところまでやってきました」
●具体的にどんな話し合いが行なわれたんですか?
「オフィスのほうでは“こんなデザインがいいよ!”とか、“もうちょっとこうしたほうがいいんじゃない!?“みたいなディスカッションをさせていただきましたね。
工場ではどんな感じで作っているのかを、細かくヒアリングさせていただいたんです。いちばん印象的だったのが・・・(サンダルの)回収現場にも行って、ちょっと都心部から離れて、海岸沿いに行ってきたんです。
いわゆるサプライチェーンの上流、いちばん上で働く人たちともコミュニケーションをとりたいっていう思いと、その現状も見たいっていう思いもあって、行ってきたんですけど、 そこでの出来事がすごく僕の中で印象的でしたね。
働く人たちがすごく幸せそうに働くんですよ。ゴミを拾う作業なんですけど、すごく幸せそうに、みんな楽しそうに拾うんです。
その人たちが最後に僕たちにメッセージをくれて、『私たちの子供は学校に行けていない。だから私たちのこの活動を、君たちが日本にぜひ広げてください。そして私たちの現状を一緒に伝えてほしい。それが世界に広がって、私たちの子供たちが学校に行けるようになる。子供たちには未来があるから、私たちは(子供たちを)学校に行かせてあげたいから、ぜひ伝えてほしい』というメッセージをいただいたんです。
それが僕の中ですごく印象的でした。それこそUzuriが大切にしている、パートナーのミッションとか背景をきちんと、多くの人に伝えることが必要なんだなっていうのをすごく実感した場面でした。
最初(作業現場に)行った時は幸せそうに、すごく楽しそうにやっていたんで、意外と経済的なところもあまり彼らの中では、ネックになってないのかなとも一瞬思っちゃったんですけど、やっぱりそんなことはないんだなということで、我々のできることをやっていきたいなって強く思いました」
●「Ocean Sole」は現地生産ということで、雇用にもつながっていますよね?
「はい、ケニアは雇用機会が少ないのが結構深刻な問題になっていて、職業訓練校もいろんなNPOや NGOがやっているんですけど、そこを卒業しても雇用機会がなくて、職に就けない現状があるので、雇用機会を作るのは非常に重要なことなのかなと思っています」
(編集部注:ケニアで、捨てられたビーチサンダルが目立つは、まだまだ経済的には豊かではないので、価格的に安いサンダルの需要が高く、また壊れやすいこともあるそうです。山岸さんが今年9月に「Ocean Sole」の活動を視察したときも、回収したサンダルが山積みになっていて、その量に驚いたそうですよ)
次の一手! 新しいパートナー!?
※会社として「Uzuri」が大切にしていることはなんですか?
「まずは、社会貢献性っていうバックグラウンドに頼りすぎないっていうのを大切にしたいなと思っています。もちろん近年、社会貢献性が顧客にも浸透してきているのは感じてはいるんですけど、社会貢献性のデメリットとして価格が高くなってしまったりとか、あとは品質の部分がちょっと劣ってしまうみたいなことがあると思うんです。
そこを克服することが大事だなと思っていて、きちんと機能性であったりとか、このスマホケースに関してはデザイン性に注力していて、バックグラウンドを知らずとも手に取ってもらえるみたいなところは、大事にしていきたいなって思っています。
あともうふたつあるんですけど・・・ひとつが、しっかりパートナーのヒアリング・・・パートナーシップを結んだ企業とかブランドの現状とか、掲げているミッションや思いはきっちりヒアリングして、可能であれば現地に足を運んで、直接コミュニケーションをとったりとか、実際に現状を自分の目で見る、それを僕たちが伝えるっていうことは大切にしていきたいなと思っています。
最後は、公正公平な取引、いわゆるフェアトレードなんですけど、きちんとした価格で取引をして、現地にもきちんとお金を落として、働く人たちが満足できる、生活水準を上げていけるような形になればいいなと思っています」
●素晴らしいですね~。今後「Ocean sole」以外に提携していきたい団体はありますか?
「はい、今ちょうどふたつ目の企業さんとお話させていただいていて、まだ具体的なことは言えないんですけど・・・。
9月に(ナイロビに)行ってきた時に、たまたま街中を歩いていて、いいな! って思って、その店員さんに“これはどんな商品なの?”っていろいろ聞いて・・・今回詳しくはご説明できないんですけど、似た感じのアップサイクルの素材で素敵な商品を作っていたので、すぐ“社長の電話番号を教えて”って聞いて、次の日に工場まで行ってきました。
話を聞いて感銘を受けて、日本に帰ってきた時にあっちのかたも“これからコラボしていこう!”って毎日のように連絡くれて、もう嬉しい限りですね。ぜひ一緒にやりたいなと!」
「Uzuri」の未来予想図
●では最後に、未来予想図として、現在、山岸さんは21歳でいらっしゃいますから、29年後、たとえば山岸さんが50歳になった時に「Uzuri」はどんな会社になっていますか?
「そうですね・・・それこそ発展途上国のいろんなブランド、本当にたくさんのブランドとコラボレーションをして、我々とのコラボ商品をたくさん作って、Uzuriとコラボしているから、Uzuriとのコラボ商品がきっかけで、そのブランドを知って好きになりましたとか、Uzuriとコラボしているから、このブランドは信頼できるブランドだ!みたいになっていれば、嬉しいなと思っています。
やっぱり今どうしてもアフリカの商品って、若干の手を出しづらさみたいなところはあると思うんですけど、僕たちが今、最初に目指しているのは、手に取った商品が実はあとから知ったらアフリカ産だった!みたいなのができれば、嬉しいなと思っているんです。
本当に先の未来には、アフリカ産だから買いました!みたいな、日本製だから信頼ができて買いました!みたいなのと同じ感覚で、アフリカ産だから買いました! みたいな形ができれば、すごく嬉しいなと思っています」
INFORMATION
気になるiPhone用のケース、カラフルで本当に素敵です。職人さんがひとつひとつ手作りしたものなので一点ものです。販売に関しては、年内からオンラインサイトで始まる予定。またイベントなどでの販売も検討しているそうです。販売価格を含め、詳しくは以下のサイトをご覧ください。
◎Uzuri 公式オンラインショップ: https://uzuri-japan.square.site
「Ocean Sole」が制作している動物のオブジェはすでに販売されています。ゾウやキリン、シマウマ、ペンギンなどなど、カラフルでほんと可愛いんです。ぜひチェックしてください。
◎インスタグラム @uzuri_japan
https://instagram.com/uzuri_japan?igshid=NGVhN2U2NjQ0Yg%3D%3D&utm_source=qr