2020/9/26 UP!
<昆虫食>
今年2020年1月に私の恩師、立教大学・教授の「野中健一」さんをお迎えし、「昆虫食」の話題をお届けしました。その模様は番組ホームページに載っているのでぜひ見ていただければと思っていますが、ここで改めて、今後起こりうる食糧危機を、救うとされている昆虫食について触れておきたいと思います。
地球温暖化による気候変動や、世界人口の増加により、人類は将来、深刻な食糧危機に見舞われることが懸念されています。FAO=国連食糧農業機関は2008年、「栄養的に優れた昆虫食を積極的に推進する」という方針を示し、さらに2013年の報告書では「世界人口の増加による食料不足の対策として昆虫食を推奨する」というメッセージを発表しました。
昆虫食のメリットとして、まずは「種類が多く、繁殖力が強い、飼育に伴う環境負荷が小さい」という点。現在、食用にできることが確認されている昆虫は世界で2000種類とされ、多くの昆虫は大量の卵を産み、成虫になるのが早いなど、強い繁殖力を誇ります。
そして、人工的に飼育できるものも多く、家畜に比べエサが少量で、生育に伴う温室効果ガスの排出量も少ないなど、環境負荷を小さく抑えられるとされています。
さらに、最大のメリットが「栄養豊富」だということ。例えばコオロギに含まれるタンパク質は同じ重さの牛肉と比べても遜色はなく、加えてカルシウムや鉄分なども豊富です。ほかにもビタミンやミネラルを多く含む昆虫もいるんだそうです。
世界中に昆虫食の文化は残っていて、特にタイや中国などのアジア、中南米やアフリカなどは日常的に昆虫食が見られるそうです。日本でも古くからイナゴやハチの子、ザザムシなどが食べられてきましたよね。
最近では、「コオロギせんべい」や「コオロギラーメン」が話題になったり、昆虫食の自動販売機が東京都内にお目見えして、注目を集めています。