2021/4/4 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは冒険ライダー、そして「地球元気村」の大村長「風間深志(かざま・しんじ)」さんです。
風間さんは1950年生まれ、山梨市出身。1982年に日本人として初めて「パリ・ダカールラリー」に参戦、2輪500CCクラスで6位入賞! その後、エベレストにバイクで登り、6005メートルという世界記録を樹立! さらに、バイクによる史上初の北極点と南極点に到達と、数々の大冒険に挑戦し、輝かしい記録を残しています。
そんな風間さんが1988年に設立したのが「地球元気村」。大冒険の挑戦から学んだ、自然の中での人間のあり方などを多くの人に伝え、「人と自然が調和している社会」の実現を目指して作られたプロジェクトです。
きょうは再び風間さんにご登場いただき、「地球元気村」というプロジェクトへの思いや、抱いている大きな夢、そして夕陽に向かうバイクのツーリングラリーのお話などうかがいます。
☆ 写真協力:風間深志事務所
番組名は「火打石」!?
●今回が1500回目の放送ということで、ゲストはこの方をおいて、ほかにはいません! この番組の記念すべき第1回目のゲストでいらっしゃいます。冒険ライダー、そして地球元気村の大村長、風間深志さんです。よろしくお願いいたします!
「はい! どうも〜! 1500回目の私です〜。風間深志です。どうぞよろしくお願いいたします」
●この番組がスタートしたのが、今から29年前の1992年4月4日ということで、きょうの放送から30年目に突入いたします!
「30年目に入るんですか、すご〜い!」
●風間さんには毎年4月の第1週目にご出演いただいています。
「そうなんです。僕の人格と性格にぴったりの日にちを選んでいただきましてですね、何を言ってもいいという(笑)」
●この番組「ザ・フリントストーン」とも30年のお付き合いになるということで、NPO法人、地球元気村はもっと長い歴史がありますよね?
「まぁちょっとね、今年で33年になるね。ところで“フリントストーン”って何だか分かっていますか?」
●風間さん、教えてください!
「ほら! これだからね!(笑)番組の主として解説しますけど、やっぱり人生とか生活のいちばん基本、原点を見つめようってわけで、まずは生活は火からですね。この火を起こすのに昔は火打石ってやつを使ったんですよ。それがフリントストーンです」
※風間さん、番組名の解説、ありがとうございます! そうなんです。番組名には「火打石」という意味があるんです。そしてもうひとつ、こんな思いも番組名には込められています。
1960年代にアメリカのアニメーション「原始家族フリントストーン」(原題 THE FLINTSTONES)が日本のテレビでも放映されていました。毎回オープニングで主人公が「ヤバダバドゥー!」と叫んでいたので、覚えている方もいらっしゃると思います。このアニメはその後、1994年に映画の実写版としても公開されました。
「原始家族フリントストーン」は原始時代のサラリーマン家庭の、ほのぼのとした物語なんですが、原始時代は人間が自然を壊さず、恵みをいただきながらともに生きていた、いわば「共生」していた時代ということで、今の時代もそうあって欲しい、という願いを込めて、この番組の生みの親、初代プロデューサーの「村上太一」さんが「ザ・フリントストーン」と命名したということです。
変わらず伝えていきたい
※33年の歴史を誇る「地球元気村」ですが、いまはどんな活動を行なっていますか?
「当時、僕たちがキャンプブームの第一世代を作って、キャンプがすごく流行ったね。で、アウトドアがものすごく開花した。ここへきてまた、ひとつの普及段階を経て、みんなはやっぱりパソコンとかiPhoneとか、そういったものが手元に常にあるようになって、何となく自然っていうか、アウトドアの方たちの多くは都会志向っていうことが否めない部分もあったよね。
そんな中で急にとにかくキャンプブームじゃないですか。むちゃくちゃ、みんな焚き火が好きじゃないですか。火は付けられるのかな〜?とか僕はちょっと疑って見ているんだけど(笑)、でも好きだよね。まぁどんな形にしろ、初心者っぽいキャンプをしていても構わないと思う。
外にあるのはやっぱり自然だし、森だしね、川だから、そういったものを、前進基地のようなものを作って見るっていうことはとても有益なことだからいいんですけど、現在の元気村は昔ほど毎週(イベントを)やるような感じにはなっていなくて。というのも、やりたいっていう地方自治体が少なくなったんですね。
これはちょっと冷めた話ですけど、自然じゃ食えないんだよっていう本音を、地方自治体の皆さんは抱いてます。平成の大合併ってありましたよね。3つある、4つある市町村が1つになって、強固な財政とか産業を生み出していこうっていうような形でやっているんですけど、日本の地方はやっぱり、今は地方創生っていう言葉があるように、地方を元気にしなきゃダメなんだ、一極集中ではダメなんだって声高に言ってますけど、やはり集中型で経済は回っている部分は否めないのでね。
つまり何かっていうと、地方自治体の中で主な産業がなかなか育成できない。そうなるとやっぱり地方自治体は、うちらはやっぱりこの森ですよね! っていうところになってくるわけですよね。また、地域に残っていく文化とか、都会にない素晴らしいものがいっぱい残っているから、そんなものを僕らも、昔と変わらずみんなに伝えていきたいなって」
地球元気村キャンプ場計画!?
※いま私たちは新型コロナウィルスに仕事も生活も大きな影響を受けていますが、そんなコロナ禍のなか、風間さんはこんなことを感じているそうです。
「どうやって生きていくんだっていう、生きるってことに非常に皆さんの関心がフォーカスされている時代が、コロナによって急にきました。そういう意味で、もたらしたものは、本当に人間が生きることに真剣になったっていう時代だよね」
●そうですね。
「何か潤ったり、より多くを得たりっていうものに、生産性っていうものにひっちゃきになっている時代から、デジタルを使ってすごく効率よく得られる時代から、(コロナが)一気にここで嵐のように降ってきて、みんなが身体を剥き出しにさせられて、生きるか死ぬか、とにかくマスクをして、呼吸にさえも気を遣いながら生きている現在ですよね。
そんな中でやっぱり、マスクの向こう側に見えるのは、解放された、のびのびと生きていく社会なんだっていうことで、そういうものがどこにあるんだ、どういう方向に行けばいいんだ、医療や、あるいは社会のシステムや、そういったものはどうなんだ、っていうことを一回ここでリセットして考える時代がやってきたような気がするんですね。
そういう意味からすると、非常に多くの方たちから“おい、また地球元気村の出番だぞ!”という風に言ってくれるように、昨今すごく感じてます。だからまたここで頑張らなきゃいけないなっていう風に、おじいさんはね、昔おじさんだったんだけど(笑)もう一回考えていますよ!」
●先ほどキャンプブームというお話もありましたけれども、地球元気村キャンプ場計画というのもあるそうですね?
「あ、早いですね!?」
●はい! 情報、手に入れました!(笑)これはどんなキャンプ場なんですか?
「あのね、昔から地球元気村って“その村はどこにあるの?”って言われ続けたんですけど、これはやっぱりひとつの、心のユートピア、理想郷の意味での村なんですね。だからどこにっていうと、強いて言えば山梨県の山梨市にある“天空のはたけ”っていう畑が42枚あって、それが具体的には、ある特定の場所なんですね。
地球元気村ってテーマに取り組んでいただいている、和歌山県や福島県の市町村で開催するイベントもありますけども、やっぱり固定した地球元気村を作りたいなっていうのは32年間ずっと悲願だったんですね。こんなアウトドアブームだったら地球元気村キャンプ場を作ったらどうですか? っていうプレゼンテーションがあったので、じゃ〜やるかな! って今思っていて、そういうところが八ヶ岳の裾野にできるかな? って感じ」
●楽しみです〜!
「楽しみだよね。そこはそんなにむちゃくちゃ広いわけじゃないので、まぁ火起こしだけ専門にやるキャンプ場とか、あるいはアウトドア料理だけをやろうとか、何かカテゴリーでスペシャリティを作っていくことも手だなと思っているんですけどね。まぁ夢は膨らむ一方ですよ」
南極点に集まって、イエーイ!
※ところで風間さん自身の冒険の予定はあるんですか?
「ここ数年実現できていません。今年パラリンピックができそうですよね? パラがこれだけ脚光を浴びる以前から僕は、障害者が思いっきり世界的な檜舞台に立つステージを、ある特定のパラリンピック選手だけじゃなくて、障害者が南極点に立って、そして夢は思えば叶うみたいなことをいうのが、南極点がいいなと思ってね。南極点に障害者を連れて行くプロジェクトをもうずっと温めているんだけど、このパラリンピックが終わったら出番ですね!」
●おお〜!
「やっぱり、パラリンピックを見送ってからの方がやりやすいんでね。ちょっと冷めた話だけど、お金もすごくかかるのでね。また何よりも安全面の対策を講じないと、障害者による南極点到達っていうのもできないし。
それも世界の人、ユーラシアからこの人、南米からこの人っていう風に思っていまして。冒険はやっぱり何かを生み出すものじゃなくて、やることに意義があるわけですから、できれば世界各国の人たちに集まっていただいて、そして南極点に集まって“イエーイ! やったー!”みたいなことが言えたらいいなと。とにかく夢はすごく大事ですよ」
朝日から夕陽に向かうラリー
※風間さんが発案したオートバイのツーリング・イベント「SSTR サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー」とはどんなラリー・イベントなんですか?
「これ“ラリー”って言っても、集まるっていう意味のラリーなんだけど、やはりラリーって付けている以上、皆さんに多少冒険心を持って走っていただきたいと。
やっぱり冒険は扉を開ける感動、それから行き着く感動っていうのがあって、ゴールの感動はサンセットにあるんですね。最初の扉はサンライズにあって、東の海の任意の場所、自分が行きたい、気に入っている海辺に立つんですよ。それでじっと夜明けを待つわけ。やがて空がしらけてきて、海からぽこっと太陽が出るわけですね。
この悠久の時を刻む天体、宇宙の中で、きょうこの日、一瞬っていうのは一回しかないんだよね。その時に自分はここに立っていた。そしてこの海を眺めている自分がこんな想いなんだ。バイクと共にそれを見ている自分がいる。いざ、ここから出発だ!っていうわけで、冒険が始まるわけですよ。
そして冒険の先にあるものは、今度は反対側の日本海に沈むサンセット、夕陽なんですね。そこまでを、例えば関東であったら、房総半島の犬吠埼から出発して、東京を越えて、それで長野県の松本から安房峠を越えて行くとか、あるいは岐阜の方に一回南下してから、飛騨高山を越えて、そして白山を眺めながら能登半島に行くっていうね。
行き先を、サンセットの場所を、僕は石川県の千里浜(ちりはま)っていう、羽咋市(はくいし)と羽咋郡宝達志水町( はくいぐん・ほうだつしみずちょう)っていう2つの市町村にまたがっている8キロの、日本で唯一バイクや車が走れる砂浜があるんですよね。そこを終点にゴールを設けて、サンセットのビーチとして、ここまでみんなおいでと、太陽が沈んじゃったらもう完走はダメだよと、沈む前にゴールすれば完走だっていうわけで、ものすごくシンプルにサンライズ・サンセット・ツーリング・ラリーは、朝日に出発して夕陽にゴールするっていう、このプロセスの旅を演出するのはキミのアイデアと、1つのモチベーションなんだっていうわけでね、自分の旅をしてきてほしいんだよね」
●改めて、風間さんにとってオートバイとは?
「オートバイとは、何だろうな〜、大好きなものって感じだね(笑)。乗っちまえばオートバイっていうのは、ほかの乗り物と違ってですね、これただじゃ動かないんですよ、バランスとらないと。だから二輪っていうのは四輪とえらい違いなのは、バイクが自分の身体の一部になるんですね。身体の一部なんですよ、オートバイは自分になるんですね。
それくらい大切なものだし、切っても切れないものだし、身体の一部がやっぱり、よりいい環境の中で、思いっきり出先で呼吸をしたいし、歓迎されたいなって思うので、僕は日本にモーターサイクル文化がいい感じで根付いていくことが自分自身の成長だし、自分自身の環境作りだと思っているから、バイク=僕ですね!」
※この他の風間深志さんのトークもご覧下さい。
INFORMATION
NPO法人「地球元気村」では山梨市で農業体験ができる「天空のはたけ」を運営、ほかにも縄文体験教室や、土のう袋を重ねる自然と調和するハウス作りなどのイベントを開催しています。
そして「地球元気村」では随時村民を募集中です。登録料はビジター村民で500円個人村民で2,000円、家族村民6人までで3,000円。村民になると年4回、季刊誌「地球元気村」が届くほか、元気村イベントの参加費が割引になります。ぜひ、この機会に村民として登録しませんか。
いずれも詳しくは「地球元気村」のオフィシャルサイトをご覧ください。
◎「地球元気村」HP:https://chikyugenkimura.jp
「風間」さん発案のオートバイのツーリング・イベント「SSTR サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー」は、今年は9月から10月にかけて開催される予定です。詳しくはSSTRのサイトを見てください。
◎ 「SSTR サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー」HP:https://sstr.jp