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4つ目のRがゴミ問題を解決する!?〜ゴミ清掃芸人「滝沢秀一」の視点

2021/9/12 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、ゴミ清掃のお仕事もされているお笑いコンビ「マシンガンズ」の「滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)」さんです。

 滝沢さんは清掃員の体験などをSNSで発信、また、ゴミに関する本も出され、ゴミ清掃芸人として大注目されています。去年10月には「環境省サステナビリティ広報大使」に就任されているんです。そんな滝沢さんをお迎えして、ゴミにまつわる、眼から鱗のお話満載でお送りします。

「滝沢」さんの新しい本『日本全国 ゴミ清掃員とゴミのちょっといい話』をサイン入りで3名のかたにプレゼント!応募方法は こちらから。

☆イラスト:本田しずまる

滝沢秀一さん

ゴミには人間性が出る!?

●きょうはゴミに関するお話を色々と聞かせてください。よろしくお願いいたします! 

「よろしくお願いいたします〜!」

●滝沢さんの新しい本については後ほどお話をうかがいますが、その前に滝沢さんがSNSや本で発信されて話題になった言葉について、いくつかうかがっていきたいなと思います。

「はい、なんでも聞いてください」

●まずは「地域の品格はゴミ集積所で分かる」というお言葉ありましたけれども、これはどういうことですか? 

「逆を言えば、一般的に治安のあまりよくないと言われる場所ってあるじゃないですか、 そういうところって必ず、集積所を見ると汚かったりとかするんですよね。だから言ってみたら汚くなっている状態でも誰も何も気にしないということで、それが何を意味しているかって言ったら、やっぱり近所の目がないっていうことなんですよね。だから綺麗なところっていうのはやっぱり目が行き届いているわけですね」

●引っ越しする時に治安がいいところに住みたいなと思ったら、ゴミ集積所を見に行けばいいかもしれないですね。

「見るといいと思いますし、あとは例えば不動産屋さんとかに、ちょっと集積所を見せてもらっていいですかとお願いして、見たほうがいいですね」

●なるほど! 

「なんかそのアパートとかマンションにどういう人が住んでいるのかっていうのがやっぱり分かりますね。ゴミの出し方が汚いだけでは多分ないんですよ。ゴミの出し方も悪いし、例えば夜中に騒音を出すとか、やっぱり繋がっているんですよね、生活で。その人間性みたいなところを表しているのがゴミっていうことだったりするんですよね」

●本にもゴミは伝染するっていうことで、適当なゴミを見るとこのくらいの分別でいいのかなということで、悪い人の真似をしてしまうっていうのが人間であるっていう風に書かれていましたけれど。

「そうなんです。自分に置き換えると分かりますけど、例えばペットボトルのラベルを剥がしてペットボトルの日に出そうと思ったら、みんなラベルを剥がしていなかったら、剥がさなくっていいんだ! ってやっぱり思いますよね」

●確かに思っちゃいます。

「来週から剥がさなくていいや、そのまま出そうってなるんで、やっぱり自分の出したゴミって意外と人に影響を与えているんですよね。だから僕、ゴミ回収に色んな場所に行くじゃないですか。そうすると綺麗なところは本当に綺麗なんだけど、汚いところはどんどん汚くなっていくんですよね」

●そういうものなんですね。続いて「ゴミは生活の縮図で人格をも表現する」というお言葉、これもまさにそういうことですよね。

「そういうことですよね。やっぱりゴミって結局、嘘をつかないんですよね。人間って結構意外と色んな嘘とかついていたりするんですけど、ゴミ自体は嘘つくことがなかったりするので、意外とその人自身を表しているのかな〜なんて思ったりしますね。

 例えば、色んなお金持ちの地域みたいな、高級住宅街みたいなところがあるじゃないですか。そういうところと一般的な住宅街っていうのは、出るゴミが違ったりとかするんですね」

●お金持ちのかたほどゴミのことを考えていらっしゃるっていうことですか? 

「あ、小尾さんは勘がいいですね! お金持ちなんじゃないですか!?(笑)」

●いやいや、全然です!(笑)。でもどういうことですか? お金持ちのかたほどっていうのは・・・。

「買っている商品はもちろん違うみたいなこともあったりするんですけど、意外とね、一般的な住宅街のほうがゴミの量が多かったりするんですよ。一見、逆のようなイメージないですか? お金持ちの人がいっぱい買って、バンバン捨てているみたいなイメージですけど、実際は逆で、お金持ちのかたのほうがゴミがすごく少ないんですよ。極端に少ない。

 でも一般的な住宅街のほうが結構ゴミが多いのは、意外と中身をバッと、見ようと思ってみるわけではないですよ、見てみると100円ショップのものとかで、そんなにまだ使っていないようなグラスみたいなものとかね、そういうものが結構出ていたりするんですよね。

 あとはファストファッション的なこと、そんなに袖を通していない綺麗な洋服でも、結構、年末年始や引越しシーズンになると意外とバンバン捨てて、洋服の束が4袋とか5袋とか・・・出すかたが結構いるんですよ。やっぱりそういうのって普段の生活で適当に買っちゃう、でも100円だから捨てちゃおうみたいなのが、結構表れているのが一般的な住宅街のゴミだったりするんですね」

●へ〜〜、面白いですね! ゴミって(地域性が)出るんですね!

「そうなんですよ。逆に言えばお金持ちの地域のかたとかは、皮肉じゃないですけど、自分の好きなものをちゃんと買っているから、そんなに捨てることもあんまりなかったりするんですよね。そこに量の違いが出てくるのかなと思いましたね」

『日本全国 ゴミ清掃員とゴミのちょっといい話』

ゴミ清掃車1台で1日10〜12トン!

※滝沢さんがゴミ清掃のお仕事は始めたのは、36歳のとき。奥様から、妊娠したのでまとまったお金が必要よ、といわれ、友人の紹介でゴミ清掃のお仕事をやることになったそうです。お笑いだけで食べていきたいと思っていた滝沢さんは、最初は気が進まなかったそうですが、その後は本気で取り組むようになり、今年で丸9年に続けているんです。

 滝沢さんはゴミ清掃員になった当初、とても驚いたことがあったそうです。いったいどんなことに驚いたんですか?

「こんなにゴミ出ているんだ! って、まず思いましたね。みなさん、自分のゴミしか見ていないじゃないですか。でもゴミ清掃員って当たり前なんですけど、みんなのゴミを回収するんですよ。例えばパッカー車って分かります? ゴミ清掃車。あれって最大2トンぐらい(のゴミを)回収するんですよね。小尾さんはあれをパンパンにしたら1日の仕事は終わりっていうイメージないですか?」

●あります、あります! 

「あれね、実は1日6回やるんですよ。6台分」

●ええっ!?

「ゴミがパンパンになったらゴミ清掃工場に持って行って捨てて、またその続きからやるんですよ。それを1日6回。だからつまり1日10トンから12トンくらいのゴミを回収しているんですね。1台でですよ」

●すごいですね。そこまでくると想像がつかない量ですね。

「それがもう何十台とその自治体で(パッカー車が)出るじゃないですか。えっ! うちの自治体だけでこんなにゴミが出ているの!? って本当に思うんですよ。清掃工場とか見たことあります?」

●はい! あります! 

「ゴミを溜めるところ見た?」

●溜めるところ? 

「清掃車がゴミをバーって出して、大きな穴みたいのがあって、うちの自治体だと横30メートル、深さ20メートルくらいあるんだけど、それがね、年末年始になるとパンパンになるくらいすごい量のゴミになるんですよ。これを見ていると、本当にゴミで日本は埋まらないのかなって、当たり前のように思うようになるんですね。これが衝撃だったんですよ」

●ゴミが多い多いと言われていても、実際にそこまで!っていう感覚がないですよね、普通に生活をしていると。

「目の前からなくなると、もうゴミって消えてなくなっちゃったものだと思いません?」

●はい、思っています。

「意外とゴミってなくなることはなかったりするんですよね」

●(ゴミ清掃会社の)非常勤とはいえ、今でもゴミ清掃のお仕事を続けているのは、何か思いがあるってことですか? やりがいとか。

「やりがいがありますね。ありますし、もうゴミ清掃をやっているのが好きの領域に入ってきましたね! 本当はお笑いをやりたいからゴミ清掃なんかやりたくねーよなんて、思いながらやっていると意外とね、逆に辛いんですよね。

 だから3年目くらいの時に、ゴミ清掃自体のことを好きになろうって思って仕事に取り組むと、色々やっぱり見えてきて面白かったんですよ。それこそ金持ちのゴミと一般的なゴミの違いをよく見て、焦点を当てると全然違うんだなとか思ったりして、面白い発見がいっぱいあったんですよね。やっぱり日々発見があるので今は楽しいですね」

※滝沢さんからこんなお話もありました。ゴミの袋を結ばずに出しているかたもいるので、ゴミを出すときはしっかり、出来れば二重に結んで出していただけるととても助かるとおっしゃっていました。
 また、嬉しかったお話としては、竹串を空になったティッシュの箱に入れてくるんで、ゴミ袋から飛び出さないようにしてくださったかたもいたそうです。「プロの主婦」だと感じたそうですよ。ゴミ清掃員のかたがケガをしないようにという思いやりですよね。

ゴミか資源か、重要ポイント

※いまはゴミの分別は当たり前のことですが、分ける時に、これは燃える? 燃えない? どっちなんだろうと迷うことも多いですよね。地域によってルールが違うこともありますが、何かわかりやすい基準はあるんでしょうか?

「小尾さんはゴミって何種類あると思いますか?」

●燃える、燃えない、あと缶とかビンとか、そういったことですか? 粗大ゴミとか? 

「6種類?」

●10未満!(笑)

「10未満(笑)、正解は2つです!」

●2つ!? 

「実はゴミっていうのは燃えるゴミと燃えないゴミしかないんです。ビンとか缶とかペットボトルとか古紙とか、これはじゃあなんだ? ゴミじゃないのか? って言ったら実はゴミじゃないんですね。これは”資源”なんですよ。みなさん多分、資源って言っているはずなんですよ。中には資源ゴミって言っている人もいるんですね。僕らの世界で資源ゴミって言うと怒られるんですよ。何でかって言ったら、資源であってゴミじゃないだろって言われるんですね。

 つまりゴミと資源の2種類なんです。だからゴミって何種類?って言ったら7〜8種類って大体答える人が多いんですけど、それは資源”ゴミ”として扱っているわけなんですね。なので、まずゴミというのは燃えるゴミと燃えないゴミ。例えば、燃えるゴミの中にまだまだ資源として活躍できるものがあるかどうかっていうのを考えるのが大切かなと思いますね。

 結構みなさんが何気なく捨てているんですけれど、紙っていうのがありますね。燃えるゴミの中に結構、雑紙というものを捨てていらっしゃるんですよ。例えば小尾さんだったら台本の紙だとか、あとはメモ用紙だとか、あとティッシュの箱なんかもそうだったりするんですけど、こういうのって意外と可燃ゴミでみなさん捨てているんですよ。これを抜き取ると3分の1ぐらいゴミが減ったりするんですね」

●へぇ〜! 紙だけでも!? 

「紙と、あとプラスチック! 容器包装プラスチックっていうのがあるんですけど、本当に可燃ゴミの中に大きな割合であるのがこの2つなんですよ。紙とプラスチック、これを抜くと3分の1くらいゴミが減るんで、これも可燃ゴミとして出す、資源として出す、って人の気持ち次第でどっちに出すかって変えられるじゃないですか。

 可燃ゴミってさっきも言いましたけれど、清掃工場に持っていくんですね。これはもう燃やすしかないんですよ。燃やすと次は灰になるんですね。こうなったらただのゴミなんですよ。資源に回すとなると雑紙、これ古紙の日に、新聞とか雑誌とか段ボールの日に出すんですけど、雑紙として出せば、また紙として生まれ変わるんですよ」

●そうですね〜。

「灰になるか紙になるかで、やっぱり行き先が全然変わってくるんですね。だから基本的には、ゴミの中からまだまだ使える資源はないのかなって探すのが、いちばんいいかなと思いますね。
 不燃ゴミも同じです。意外とビンや缶を不燃ゴミで捨てている人が結構いるんです。缶は缶で出したら資源として生まれ変わるということなんで、是非ここは結構、重要ポイントなんで、ゴミと資源ということをまずしっかり認識して、昔から混ぜればゴミ、分ければ資源みたいなことを言いますけれど、そこらへんは今すぐ明日にでも地球のためにできることだと思いますね」

※滝沢さんによると、清掃工場で燃やされたゴミは灰が残るので、その灰と、砕いた燃えないゴミは、最終処分場に運んで埋めるそうですが、東京都の場合はあと50年ほどでいっぱいになるとか。最終処分場の寿命は全国平均でいうと、あと20年くらいではないかということでした。ごみを減らさないと日本はゴミで埋まってしまうかも!?

市川市・24時間営業の生ゴミボックス

イラスト:本田しずまる

●滝沢さんが先ごろ出された新しい本『日本全国 ゴミ清掃員とゴミのちょっといい話』を私も読ませていただきました。自治体の野心的な取り組みがたくさん紹介されていて、この町ではこういう工夫をしているんだっていうアイデアが豊富に載っていて、すごく勉強にもなりましたし、読んでいてすごく面白かったです。

「ありがとうございます。もう100点の答えですね!」

●ありがとうございます(笑)。その中からいくつか気になった取り組みについてうかがっていきたいなと思います。まずは千葉県市川市の事例を紹介しているページで、24時間営業の生ゴミボックスという見出しがありましたけれど、これはどういう取り組みなんでしょうか? 

「これは本当にそのまんま、市川市は24時間生ゴミを捨てに行けるボックスみたいなものがあるんですね」

●まだ試作品ということですけど・・・。

「もちろん成功して全国に広がってほしいなと思うんですよね。これね・・・色々分別とかしていたりするじゃないですか。可燃ゴミの中から紙を抜き取ったり、プラスチックを抜き取ったりすると、3分の1くらいは減るんですよ。で、残りの3分の2で結構、大きな割合を占めているのが生ゴミなんですよ。

 生ゴミはやっぱりゴミ清掃員にとっても意外と大敵で、生ゴミをぎゅっと絞るとかしないで、そのまま捨てるかたもいらっしゃいますね。各家庭の生ゴミの、絞っていない汁があるでしょ。あれって清掃車で圧縮しながら回収しているから、各家庭の生ゴミのあの匂いの汁がぎゅっと出てくるわけなんですよ。あれがかかるともう1日中臭いですし、町で回収しながら小学生とかに”臭えーよ!”みたいなことを言われるんですけど、あれが原因なんですよ。

 なので、みんな本当に各家庭で絞ってほしいんですけれど、その生ゴミ自体がなくなれば意外とそんなに、可燃ゴミって臭くならないんですよね。他に臭いになる原因ってあんまりなくて、例えばオムツみたいなものは臭いの原因になったりするんですけれど、それ以外ってあんまり臭うってことはなかったりするんですよ。

 しかも生ゴミって濡れているでしょ。焼却炉の敵なんですよね。水に濡れているから燃えにくいんですよ。燃えにくいってことはそこにエネルギーを足さなきゃいけないので、二酸化炭素とかもやっぱりより多く出るし、あとはこのエネルギーっていうのがみんなの税金なんですよ」

●そうですね・・・。

「なので、みんながぎゅっと生ゴミを絞れば、税金も節約できるんですよね」

●この市川市の(生ゴミボックス)は、いつ生ゴミを出しに行ってもいいってことですか? 

「24時間いつ出してもいいし、だからみんなの生ゴミがなくなるんです。税金自体も安くなりますし、また、生ゴミをエネルギーに変えるらしいんですね。だからいいことしかないんですよ。本当にさっきも言いましたけれども、混ぜれば全部ゴミになるんですけど、こういう風に分別したら何かに利用できるんですよね」

●すごいですね〜! 

「いい取り組みでしょ! これは全国に広がってほしいんですよ」

イラスト:本田しずまる

●続いて、新潟県南魚沼市の取り組みで、特産品のお米が指定ゴミ袋に! これはどんな取り組みなんですか? 

「考えてみればゴミ袋って、世界で唯一ゴミになるために生まれてきているものなんですよね」

●そうですよね。ゴミ袋もゴミになっちゃうんですよね。

「ゴミになるんですよ。燃やすものなんですよ。なのでただ単純に新しく生み出すんじゃなくて、例えば魚沼はお米がとれるところであって、全部が売り物になるかって言ったらそうでもないお米もあったりするんですよ。(粒が)欠けているお米だとかそういうものを利用して袋を作っているわけなんですね。普通に作るよりも燃やした時に、言ってみたら二酸化炭素が新しく袋を作るよりも出ないっていうことなので、これもとてもサステナブルな取り組みですよね」

●ゴミとなったゴミ袋は袋だけで年間で28万トンと本に書かれていてびっくりしました! 

「まとめるとそのくらいになるんですよね。だから塵も積もれば山となるって本当なんですよ。こういうところにも配慮するっていうのは素晴らしいですよね」

●その袋も当たり前のように燃やされていくわけですよね。

「自治体は横の繋がりってそんなになかったりすると思うんですよね。なのでこの本で、意外と隣の自治体はこんなことやっているんだっていう、みんな見て、お互いがお互いにいいところをパクるべきだと思うんですよね」

※新宿区の区役所には「入れ歯」の回収ボックスがあって、滝沢さんもそれを見つけたときは驚いたそうですよ。私たちが知らないだけで、こんなものまで! っていうものを回収しているかもしれませんので、お住まいの自治体のホームページなどをチェックされてみてはいかがでしょうか。
 また、滝沢さんは「洋服はレンタルの時代だ!」と提案されていて、ご自分でも実践されています。衣類が増えなくて、自宅にスペースがあるのは気持ちいいとおっしゃっていましたよ。いまは洋服のレンタルサービスがいろいろありますので、これも調べてみるのもいいかも知れません。

イラスト:本田しずまる

4つ目のR=リスペクト

※ゴミを減らすために3R「リデュース、リユース、リサイクル」が大事だと言われますが、滝沢さんは4Rを提案されていますよね?

「僕は4R、4つ目のRを提案したいのは、”リスペクト”ということなんですね。リスペクトって尊敬するとか敬意を払うって意味じゃないですか。これってその気持ちがあれば、意外とゴミ問題って大概、解決するんじゃないのかななんて思ったりするんですね。

 僕なんかゴミを回収していて、洋服とかも適当に買って適当にばーって捨てている姿を見ていると、やっぱりものを作った人もいたりするわけじゃないですか。それを作った、携わった人ってこういう風に新品のうちに捨てられているのを見たら、やっぱり心痛むと思うんですよね。

 ゴミを回収していると、本当にまだまだ食べられる物もバンバン捨てられているんですよ。メロン丸ごと3つだとか、高級ゼリーのセットだとか、お歳暮やお中元シーズンにすごく捨てられるんですね。

 それってなんかもう、人の顔があんまり見えていないから、能率を最優先しちゃうから、別にいらなきゃ捨てちゃおうっていうことなんですけど、例えば自分の子供が作ったものだったら、ちゃんと食べるじゃないですか。
 顔の見えない社会って意外とそういう風にバンバン捨てられたりとかして、そこにやっぱり敬意を払う、リスペクトするという気持ちが欠けているような気がするんですよね。

 僕はこのリスペクトという気持ちがみんなにちょっとずつあれば、意外とゴミ問題は解決するかななんて思ったりしますね」

●4つ目のR、リスペクト、大事ですね!

「ゴミを回収する人がどういう風に思うのかなっていうのを考えることも、リスペクトだと思うんですよね」

●そうですね。ゴミの出し方を変えますよね。

「そう、そこがやっぱり、僕がゴミ清掃員を9年間やっていて、日本人に欠けていることかなって思いますね」

●もうひとつ、「ラストロング」という言葉もお好きっていう風にうかがっていますけれども・・・。

「そうなんですよ。ラストロングっていう言葉はアメリカの、言ってみたらひとつの思想みたいなことなんですけれども、直訳すると長持ちだとか、持ちがいいみたいなことなんですけれど、それの真意っていうのは愛しているものならば命なくなるまで使うっていう思想なんですね。やっぱり最後まで使い切るっていうことが大事だなと思いますね。

 意外とだから、日本でいうと、もったいないが近いんですけれど、もったいないって捨てる時にまだまだ使えるじゃないかっていう気持ちだったりとかするんですね。ただこのラストロングっていうのは、買う時にちゃんと愛せるかなとか、愛しているものであれば、買ったあとに命なくなるまで使えるかなっていう気持ちが、ラストロングっていう精神だと多分思うんですけれど。

 そうなるとやっぱりものを買う時に、これはちゃんと使い切れるかなって考えたりする、買う時に捨てる時のことを考えるみたいなことで、これを本当に愛せなければ買わない、これが意外とリユースに繋がったりするんですよね。だからとても大切な言葉だなと思います。日本でも流行ったほうがいいなと思いますね」

●番組を聞いてくださっているリスナーのみなさんに、改めていちばん伝えたいことってなんでしょうか?

「やっぱり僕がやりたいのは『使えるゴミの日』があったらいいな、なんて思ったりするんですよね。バンバンみんな使えるものを捨てたりするんですけど、もう一度なんか、リユースじゃないんですけれども、フリマアプリで売れるかなだとか、誰か貰ってくれないかなとかって、やっぱり考えたりすることって、それだけでもゴミが減ることになると思うんですよね。あとは買う時にこれは本当に最後まで使えるかっていうことを、みなさんに考えていただけると嬉しいなと思いますね」


INFORMATION


日本全国 ゴミ清掃員とゴミのちょっといい話


『日本全国 ゴミ清掃員とゴミのちょっといい話』

 この本にはゴミ問題に対して斬新で野心的な取り組みをしている自治体が紹介されています。ゴミの収集や削減にかける各自治体の熱意を感じる一冊です。ぜひ読んでください。滝沢さんが言うように、各自治体がいいところはどんどん真似するようになればいいですね。主婦の友社から絶賛発売中です。詳しくは、出版社のサイトをご覧ください。

◎主婦の友社HP:http://shufunotomo.hondana.jp/book/b587092.html

 滝沢さんのTwitterやYouTubeもぜひ見てくださいね。ゴミを減らすためのヒントがあると思いますよ。

◎滝沢さんYouTube:https://www.youtube.com/channel/UCyIxk4FS9xziPrnbxGQabEw

◎滝沢さんTwitter:https://twitter.com/takizawa0914

<プレゼントの応募方法>

滝沢秀一さんの新しい本『日本全国 ゴミ清掃員とゴミのちょっといい話』をサイン入りで、抽選で3名のかたにプレゼントいたします。メールでご応募ください。件名に「本のプレゼント希望」と書いて、番組までお送りください。

flint@bayfm.co.jp

あなたの住所、氏名、職業、電話番号を忘れずに。番組を聴いての感想なども書いてくださると嬉しいです。応募の締め切りは9月17日(金)。当選発表は発送をもって代えさせていただきます。たくさんのご応募、お待ちしています。

応募は締め切られました。たくさんのご応募、誠にありがとうございました。

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