2023/9/3 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、moumoonの「YUKA」さんです。
ユニット名のmoumoonは「やわらかい月」という意味で、フランス語のmou 「やわらかい」と英語のmoon「月」を掛け合わせて作った造語なんです。
そんなmoumoonは、2005年にヴォーカルのYUKAさんとコンポーザーのMASAKIさんによって結成され、2007年にメジャー・デビュー。2010年にリリースしたシングル「サンシャイン・ガール」がスマッシュ・ヒット! また、YUKAさんはベイエフエムで2007年から2016年までレギュラー番組「moumoonのやわらかい月の下で」のパーソナリティとしても活躍されていました。
YUKAさんには、以前にもこの番組にご出演いただき、大好きな山や自然のお話をしていただきましたが、きょうは、およそ4年ぶりにリリースしたニュー・アルバム『FELT SENSE』に込めた想いほか、山歩きや自然から感じることなどうかがいます。
☆写真協力:YUKA(moumoon)
『FELT SENSE』〜ジャケット秘話
※『FELT SENSE(フェルトセンス)』というタイトルには、どのような想いが込められているのでしょうか?
「『FELT SENSE』という言葉は、なかなか言語化するのは難しいけれど、自分の内側に流れている確かな感覚みたいな、そういうものを意味する言葉なんですね。4年半くらいかけて作ったアルバムなんですけど、自分の感覚を信じて進んでいけるようにという思いをすごく込めて、このタイトルにしました」
●アルバムのジャケットが水色の水面に光が漂うような写真で、すごく美しいですね。これはどなたが撮った写真なんですか?
「これは、アルバムを出すまでに何曲かシングルをリリースさせてもらっているんですけど、そのミュージック・ビデオを撮ってくれた、水野那央貴(みずの・なおき)監督というかたがいらっしゃいます。私はそのかたの色彩感覚というか、独特の色の表現が本当に好きで、もともとは映像を作られるかたなんですけど、ぜひ(アルバム)ジャケットのほうもお願いしますと強くオファーさせていただいて、写真を1000枚ぐらい撮ってくださったんですよね。
何を撮ったかっていうと・・・このアルバムの中に『ブルーアワー』という曲が10曲目に入っているんですけど、この曲は鎌倉の海に出かけた時に見た夕陽とか・・・ブルーアワーっていう言葉はご存知ですか? 夕暮れ時にあたり一面が、日が沈んだ後に少しの間だけ真っ青に染まるんですよ。
マジックアワーやピンクアワーという言葉もあるんですけど、そのブルーアワーっていう時間がとっても素敵だなと思って、その景色を絵に描いたものを水に透かして、写真に撮ってもらったんですね。なので、ちょっと夕暮れの空の色合いみたいなものが映っているかなと思うんですけど・・・」
●初めてこの写真をご覧になった時は、どんなふうに思われました?
「やっぱり水野監督に頼んでよかった〜ってすごく思いましたし、自分がやりたかったことをすごく感じてやってくださったんだなっていうことと、”YUKAさん、1000枚くらい撮りました!”っていうその熱意に本当に心打たれて、あ〜本当によかったって思いました」
●とっても素敵なジャケットです。
「ありがとうございます!」
自然の中に身を置く
※今回のアルバムには全部で10曲収録されていますが、作詞は基本的にYUKAさんが担当されています。歌詞を見てみると「水」や「波」、「虹」や「太陽」、「月」や「星」、そして「風」や「storm(嵐)」など、自然や地球、そして宇宙を感じるワードがよく出てきます。これは無意識に、それとも意識的、なんでしょうか?
「もう本当に無意識に入れているんだと思います。敢えて入れているっていうよりも、自然の景色を見ながら歌詞を書くこととか、自然の中に身を置いて感じたことを言葉にしていくことがとっても多いので、やっぱり必然的にそうなっちゃうんだなっていう感じですね」
●自然に関係するワードが出てくるのは、やはり趣味の山歩きが影響を与えているんですかね?
「そうですね。山で過ごすのが本当に好きで、なんて言うんだろうな・・・自然に触れていないと、私は頭がどんどんごちゃごちゃしちゃうというか、リセットされないので、できるだけ時間があったら山に行ったりとか、海辺に行って砂浜の上に座ってぼーっとするとか、そういう時間を取らないとダメなんですね。すごく(自然の)影響はあると思います」
●例えば、山登りしながら、ふと、いい歌詞が思い浮かぶっていうような感じなんですか?
「やっぱり自分ひとりだけになって、山の中で小鳥のさえずりとか、木が風に吹かれて、枝が葉っぱとともに一緒に揺れる音とか、その風の音とかを聴いていると、どんどん余計なものがそぎ落とされていって、いちばんシンプルに自分が大事だなって思うことが浮かんでくるので、ああそうだったな、私、忘れちゃってたな、これが大切だったんだよなっていうことを思い出せた時に、本当に伝えたいことが出てくるんじゃないかなって思います」
●自然の中で過ごしている時に、幸せを感じる時ってどんな時ですか?
「植物を観察したりするのが、私すごく好きで、小さい頃から長野県の山の野草とか野山の草花とかキノコとかを図鑑を片手に観察していたんですね。
これがふむふむこの植物か!って見たりとか、それを絵に描いて自分で図鑑を作るのを夏休みの宿題でやったりとかするぐらい、植物を観察するのがすごく好きですね。植物を見ていると、家でも育てたりしているんですけど、気持ちがあんまり急がなくなるというか・・・。
だから本当に風が吹き抜ける中で目を閉じて、すごく深く呼吸すると、自分の持っているペースに戻ることができると思うんですね。できるだけ自分が穏やかでご機嫌でいられたら、まわりの人のことも大切に心に余裕を持って、仲良くしていけるかなと思うので、私はやっぱり自然の中にいたいなって。いつもは無理かもしれないんですけど、できるだけそこにいたいなって思いますね」
高尾山で「わ〜冷たい!」
※今は夏山シーズンですけど、最近どこかに出かけたりしましたか?
「私、高尾山が大好きなので、高尾山に沢の上を歩いていくコースがあるんですけど、水が流れてくる沢の上をゆっくり歩いて、すごく洗い流されるような感覚がありました。もう最高でした!」
●久々の登山は、かなり気持ちよかったんじゃないですか?
「もうすごくはしゃいでしまって・・・(笑)。大学生ぐらいの男の子なのかな〜? ふたりですごくびしょびしょになって、小さな川の中に入っている子たちが見えたんですね。登山の途中に(川に)入りたいって思っちゃったんだと思うんですけど、全部リュックとかおろしてTシャツとズボンで入っていて、”冷たくないの?”って聞いたら、”気持ちいいですよ!”って答えてくれたので、友達と一緒に“じゃあ、うちらも入ってみる!?”みたいな感じで、パシャンと入れないですけど、トレッキング・シューズを脱いで靴下も脱いで、裸足になって”わ〜冷たい!”とか言いながら、せせらぎに足を入れてみたら、本当に気持ちがよくて、あっ! これだよなと思って、はしゃいでしまいましたね(笑)」
※山に行くときに必ず持っていくものはありますか?
「やっぱり頂上で食べるご褒美の食べ物!(笑)ですかね。この間の登山では母が送ってくれたすごく立派なさくらんぼがあって、それを小さいタッパーに、冷え冷えの状態で食べたいと思って、保冷剤をたくさん入れて持っていって、頂上でさくらんぼを食べて、すごく幸せな気持ちになりました」
●あ〜いいですね! 女性がアウトドアに行くときに、これがあると便利だよっていうようなおすすめグッズってありますか?
「私、登山が終わった後、下山した時に温泉に入るのが大好きなんですよ。なので、ちょっとしたお風呂キットとか持っていくと、紫外線も多分浴びると思うので、保湿のためのパックを1枚だけとか入れておけば、多分そんなに重くないし、ちょっとご褒美時間が味わえるんじゃないかなと思うので、そういうのもいいかなって思います」
※以前、森の中で自然の音を録音したりすることがあるとおっしゃっていました。今でも録音したりするんですか?
「そうですね。私やっぱり水の、せせらぎの音が大好きなので、本当に日常でもちょっとリフレッシュしたい時は、あそこで録った水の音を聴こうとか、YouTubeにあがっているせせらぎの音を聴いちゃったりとか、けっこう変なことしているなと思うんですけど、こういうことする人いるのかな〜?
小川があったらすぐその時に持っているレコーダーで、1分とか2分ぐらい、ちょっと静かにしててもらっていい? ちょっと、しーっ! みたいな感じで録ったりしますね」
●癒されますよね、そういう自然の音って・・・。
「そうですね。けっこう前に作ったアルバムでは、自分が録った水の音を相方のMASAKIくんに渡して、この音をちょっと使ってくれないかとか言ったりして、いいね、この音いいね! じゃあ例えばこの雨の音を入れてみようかとかやってくれることはあります。今回のアルバム、さっきのお聴かせした『ブルーアワー』はMASAKIくんチョイスなので、どこの水の音かはわからないんですけど(笑)」
サプライズ! ウェディング・パーティー
※去年の春、長年活動を共にしているメンバーのMASAKIさんと入籍されたことを発表されました。そして、サプライズのウエディング・パーティーがあったということをInstagramで知ったんですけど・・・グランピングでのパーティーだったようですが、どういう状況だったんですか?
「すごく照れくさいんですけど、あの時はキャンプがすっごく好きな、もともとすごくお世話になっている方がいて、YUKAとMASAKIの結婚祝いにグランピングをプレゼントしたいからぜひ来ないかって、なんだったらすごく大切な友達とかそういう人を呼んでいいから、連れておいでって言ってくれて、さらになんだったらウェディング・フォトも撮ろうみたいな感じで言ってくれたので、せっかくだと思ってウェディング・ドレスといろいろ持っていって、ヘアメイクさんの友達も一緒に来てくれて撮影しに行ったんですけど、行ったらなんか披露宴みたいになっていて(笑)」
●素晴らしいですね!
「本当! 先輩のアーティストさんもお祝いしに来てくださったりして、何もかもにびっくりしすぎて、ずっと私たちは、あぁぁぁ〜ってなっていたっていう・・・」
●素敵なサプライズ! 知らなかったのはYUKAさんとMASAKIさんだけだったんですね!
「ですね!」
●どんなことがいちばん記憶に残っていますか?
「 えぇぇぇ! なんですかね・・・ウエディング・ケーキを、すごくお世話になっているというか、仲よくさせていただいているシェフのかたがいるんですけど、振る舞ってくださって、ケーキカットやりましょう! みたいになった時に、すごく恥ずかしい、どうしようと思いながら、ケーキカットした瞬間にmoumoonの曲が流れて、うわぁ〜みたいな、なんだこれは! みたいな感じになったのは、すごく覚えていますね。不思議な感じでした」
●素敵ですね〜、愛に溢れていますね! 素晴らしい!
「もう本当に恥ずかしさがいっぱいだったんですけど、みなさんに祝っていただけて、本当に幸せな時間でした」
月から感じるパワー
※moumoonといえば、満月の日にライヴを行なう「FULLMOON LIVE」が有名ですが、そのスペシャルが11月19日にLINE CUBE SHIBUYAで開催されることになっています。どんなライヴになりそうですか?
「毎年この日のために準備をしていると言っても、過言ではないぐらい気合が入っているライヴなんですね。楽曲のアレンジもすごくこだわっていたりとか、今回は新しいアルバムの曲もあるので、とにかくどっぷりと浸かれるような、心揺さぶられることもあるかもしれないけど、最後には本当にあ〜気持ちよかったって思ってもらえるようなライヴにしたいなと思っています」
●月は潮の満ち引きとか人間の体にも影響を与えると思うんですけれども、満月の日のライヴでは何かパワーみたいなものを感じたりしますか?
「うん、そうですね・・・どんな時も月がポンと空に浮かんでいると、すごく悲しい時でも慰めてくれるような優しい光だなぁと思うし、見ているとすっごく気持ちが柔らかくなるなと思います。
すごく素敵だなと思うのは、みんながなんとなく空を見上げた時に月があって、もうすぐ満月になるな、そしたらライヴでみんなと会えるなって思い出してもらえるのがなんかいいなって・・・。月が綺麗だねって、なんとなく言い合うっていうのもすごく素敵なことだなと思うので、そういうところにもパワーは感じていますね。
ファンのかたがたに、きょうはこんなに綺麗な三日月でしたとかメッセージをもらったりとか、なんとなく月の写真を撮ってSNSでシェアし合うみたいなのが、みんなの日常の中にもうあるんだなっていうのを感じた時に、とても素敵だなと思いましたね。私も綺麗な月を見かけた時は、”ねぇねぇ、綺麗な月が出てるよ!”って呟いたりとか・・・身近な人とそういうものをシェアするのも、とっても素敵なことだと思いますね。
ある意味、月は人と人をつなげてくれる特別なものなんじゃないかなって感じています」
INFORMATION
ニュー・アルバム『FELT SENSE』には、きょうオンエアした「ブルーアワー」「わたしに還ろう」「Beautiful Sky」ほか、全部で10曲収録されています。ポップでキラキラしていて、何度でも聴きたくなるアルバムです。YUKAさんの声に元気と癒しをもらえますよ。ぜひ聴いてください! おすすめです!
11月19日(日)にLINE CUBE SHIBUYAで開催される「FULLMO
ON LIVE SPECIAL 2023 ~中秋の名月~」にもぜひお出かけください。ほかのライヴ情報も含めて、詳しくはmoumoonのオフィシャルサイトをご覧ください。
◎moumoon:https://moumoon.com