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気軽に楽しくハーバルライフ〜「ハーブのある暮らし」をご提案

2024/1/28 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、ハーブ研究家、そして日本メディカルハーブ協会のハーバルセラピスト「諏訪晴美(すわ・はるみ)」さんです。

 東京・渋谷生まれの諏訪さんは、広告代理店そして出版社に勤務していた頃、多忙を極め、あまり健康的ではない生活を送っていたそうです。そして20年ほど前に食生活にハーブを取り入れるようになって、体調がどんどんよくなっていったそうです。そんなハーブの魅力を伝える仕事がしたいと思い、2007年に独立。その後「ハーブと私」を設立。ハーブ料理のレシピ開発や講座なども開催し、ハーブの魅力を伝えるために幅広い活動をされています。そして先頃『ハーブの癒し』という本を出されました。

 きょうはそんな諏訪さんに「ハーブのある暮らし」をテーマに、この時期に飲みたいハーブティーや、ハーブを使ったおすすめレシピ、そして、ベランダでも育つお手軽ハーブのお話などうかがいます。

☆写真協力:ハーブと私

写真協力:ハーブと私

ハーブの力を人間に

※ハーブの勉強はどうやってされたんですか?

「最初は独学で、いろいろ(ハーブを)使っていたんですけど、やっぱりちゃんとした知識を学びたいと思って『日本メディカルハーブ協会』のメディカルハーブ検定っていうのがあって、最初それを勉強して、そこから検定とか資格とかを取っていくようになりました」

●スクールに通ったりとかされたんですか?

「そうですね。私は『生活の木』っていうハーブショップがやっているスクールに行ったんですね。日本メディカルハーブ協会が提携しているスクールのひとつで、面白かったです。なぜハーブが体にいいのか、植物が植物自身のために持っている力を人間が利用させてもらっているっていうことが、勉強していくとだんだんわかって、だからいいんだっていうのが納得できて、すごく面白かったです」

●ひとくちにハーブと言っても、選び方とか使い方に注意しなければいけないことがありますよね。具体的な例で何かございますか?  使い方によっては健康を害したりとか、個人差もありますよね?

「まず植物なので、例えばスギ花粉症の人ってスギ科のアレルギーだったりすると思うんですけど、ハーブも例えばキク科の植物とか、いろいろあるので、そのアレルギーを持っている人はまず控えたほうがいいっていうことと、それから書店で売っているいろんなハーブの辞典を見ると、例えば妊娠中の人は控えたほうがいいもの、授乳中の人が控えたほうがいいものとかが載っています。

 それから薬の相互作用、飲み合わせですね。この薬を飲む時にはこのハーブは一緒に飲まないほうがいいですよっていうのが、ハーブの辞典にも書いてあります。見落としてしまう人いるかもしれないんですが、実は医薬品のほうにも必ず明記されているので、そのあたりをちゃんとチェックしていただければと思いますね」

(編集部注:諏訪さんの本『ハーブの癒し』にも、ハーブそれぞれの説明のところに、使用を控えたい人という注意事項などがあったりします。ぜひ参考にしてください)

諏訪晴美さん

喉のケアにはマロウブルー

●実は私もハーブに興味があって数年前に「ハーブティー・ソムリエ」っていう資格を取ったんですけど、きょうのテーマ「ハーブのある暮らし」はビギナーのかたがたには、ハーブティーから入るのもいいのかなって思ったんですけど、どうですか?

「いいと思います。ハーブティーはすごく手軽で誰でも作りやすいですし・・・。あとはお料理、ハーブティーのハーブショップに行かれたことがある人は多分ハーブティーが作りやすいかなと思うんですけど、お料理に使うハーブは、実はスーパーに普通に売っているので、お料理のほうが入りやすいかたと多分、両方いらっしゃるかなって思います」

●例えば、寒くて乾燥するこの時期におすすめのハーブティーって何かありますか?

「体が温まるハーブがたくさんあるんですけれども、私が好きなのはローズマリーですね。おうちでハーブを育てたことある人の中では、多分ローズマリーがいちばん多いのかなって思うんですけど、枝を5センチぐらい切って、冬だったら例えば柑橘系のものがたくさんあると思うので、柚子の皮とかレモンの輪切りでもいいですし、ミカンの皮とかを一緒に入れて、熱湯を注ぐだけでも美味しいハーブティーになります」

●想像しただけで、いい香りがしそうですね!

「ちょっと生姜のスライスとかも入れると、さらにポカポカしてきますね」

●温まりそうですね〜。

「温まりますね」

写真協力:ハーブと私

●花粉症のかたにおすすめのハーブティーってありますか? そろそろスギ花粉が気になる季節になってきましたけど・・・。

「花粉症は、もうなってしまった時は、例えばペパーミントみたいにスッとするものだと鼻が楽になるとか・・・。あとエルダーフラワーっていうハーブがあるんですけど、ちょっと症状を緩和するのにおすすめのハーブだったりするので、混ぜて使ってもいいです。

 あとは、ハーブを勉強されているかたがよく使われるネトルっていうハーブもあるんですけど、本当はネトルは花粉症が始まる3か月ぐらい前から使うといいんですけどね。ちょっと間に合わないかもしれないんですが、徐々にやって・・・1年中使っていてもいいハーブなので、来年のためにも(笑)」

●予防のためにも。

「そうですね。使えるといいかなと」

●それらのハーブは、すべてハーブのショップで手に入りますか?

「そうですね。ハーブショップであれば、どこでも手に入るハーブです」

●私は声を出す仕事なので喉の状態もすごく気になるんですけど、喉のケアにいいハーブはありますか?

「マロウブルーって聞いたことあります? ウスベニアオイとも呼ばれるマロウブルーは、粘液質を持っていて喉の粘膜の保護になるのでおすすめですね。あまり味があるハーブじゃないので、自分の好きなハーブティーにちょっと混ぜて使ってもいいかなと思います」

●ブレンドするっていうことですね。見た目もすごく綺麗な青ですよね。

「そうですね」

●なるほど! 使い方としてはハーブティーとして、ですね。

「はい、喉のケアの場合はハーブティーがいいですね。水筒で、できればちょっとずつ飲むのがいいかなと・・・」

●持ち歩くっていうのもいいですね。

「あとは、例えばカモミールとか一緒にブレンドすると、ケアにとてもいいかなと思います」

●ブレンドする時、割合はどのようにしたらいいんですか?

「カモミールとマローブルーだったら、1対1とかでもいいかなと思います」

●やってみます。ありがとうございます!

(編集部注:先ほど、諏訪さんからもお話がありましたが、ハーブは体質や薬との飲み合わせによっては、影響が出てきたりすることもありますので、ハーブ辞典などを参考に体調に合わせて、安全に使っていただければと思います)

美味しい香りのローズマリー・チキン

※キッチンに備えておきたいハーブは、どんなものがおすすめですか?

「ローズマリーとそれからタイム。タイムを買うかたは普通のタイムなんですけど、育てるかたはレモンタイムっていう種類があって、それがすごく香りがいいので、育てやすくておすすめです。それからオレガノ、ローリエ、あとはイタリアンパセリ、この5つぐらいがあるといろいろ使い回せるかなって思います」

●どんなお料理にそれぞれ合わせるのがいいですか?

「お肉の下味とかお魚も漬け焼きにしておくのもいいですし、スープ、ハーブで出汁をとって、ブーケガルニって聞いたことがあるかたもいるかもしれないんですが、ハーブを束ねてポトフとかカレーとか作る時に一緒に煮出したりしても美味しいです」

写真協力:ハーブと私

●見た目もお洒落ですしね。いいですよね〜。諏訪さんの新しい本『ハーブの癒し』にはレシピもいろいろと載っていましたけれども、私が気になったのがやはり”食欲をそそるローズマリー”ということで、「美味しい香りのローズマリー・チキン」が写真付きで載っていて、これは絶対美味しいやつだ! って思いました!

「すごく簡単に作れます」

●これはどうやって作るんですか ?

「お肉にいつも通常通り、塩コショウして、ローズマリーだけでもいいですし、あとタイムとか一緒に寝かしてもいいんですけど、そこに例えばニンニクのスライスとか・・・。あとオリーブオイルで全体を馴染ませて、ジップロックとかに入れておいてもいいですね。
 バットとかにとっておいて冷蔵庫で寝かして、本当はできたら買ってきてすぐやって、食べる日に取り出して焼くっていうのがいいかなと思います」

●放置しておけばいいって感じですね。楽ちんですよね〜。

「そうなんですよ。前の晩でもいいですし、時間がない時はすぐ焼いちゃっても香りは移るので・・・」

●パーティー・メニューにも使えそうですね。

「いいですよ! 私、バーベキューとかに持っていくの。お肉をつけてそのまま冷凍庫に、ジップロックに入れて冷凍して、凍ったままバーベキューに持っていくんですよ。(着く頃に)いい感じになっています」

●いいですね! ローズマリーがあるとないのでは全然違いますよね。

「そうなんですよね〜。子供たちにも大人気のメニューです」

お粥の出汁にハーブティー!?

写真協力:ハーブと私

※諏訪さんの本『ハーブの癒し』を見ていて、ほかにも特に気になったのが、ハーブティーの出汁で作るお粥なんですけど、ハーブティーを出汁にするんですね?

「これは私が考えた方法なんです。いろんなハーブで出汁を作ることができて、お粥とかお味噌汁とか、あとお茶漬けとかにしてもいいんですね。

 この本には、風邪の予防にもなるようなレシピを載せたんですけど、エキナセアっていうメディカルハーブ、(ハーブを)ちょっと勉強したかたなら誰でも知っている、風邪の時に飲むハーブティーです。免疫力を高めたい時に使うハーブなんですけど、私はエキナセアにカレンデュラ、キク科のハーブなんですが、菊の花みたいな黄色い花びらを入れるんですね。抗菌とかにいいと言われているハーブです。

 そのふたつを合わせると香りも良くなりますし、そこに鰹節の出汁を一緒にするんですね。これがすごく美味しくて・・・実はエキナセアってちょっと草っぽい香りっていうか味がするので、万人受けするハーブティーじゃないなとは思っています。

 私は高校でも週に1回ハーブの授業を行なっているんですけども、熱いハーブティーはそんなに高校生に人気じゃないんですね。エキナセアもそんなに美味しいとは言わないんですが、ここに鰹節を入れて飲んでもらったら、全員美味しいって言ってくれて・・・」

●ハーブティーと鰹節って、なんか合いそうじゃない気がしますが、合うんですね?

「合うもの合わないものはあるんですけど(笑)。子供が風邪を引いた時とか、まだ小学生なんですけど、普通のお粥より食べやすいって言っていて、体にスーって入っていく感じがするんです」

●香りもいいですよね〜。

「そうなんですよね。なので、子供が風邪を引いた時にこのお粥を作ってあげるとすごく喜びますね。あとは消化にいい白いお野菜、カブとか大根とか、胃腸にいいものを一緒に入れて作るレシピになります」

(編集部注:ハーブティーをお粥の出汁にするというのはびっくりしましたが、鰹節を加えたりすると食べやすくなるということで、まさに和と洋のコラボレシピなんですね。
 ハーブと聞くと、海外のものというイメージがあると思いますが、考えてみたら、日本人と、薬味や薬草は古くから深い関係があって、食卓を見ても、シソや山椒、柚子などがありますよね。まさに暮らしの中の、日本のハーブですね)

アロマでリラックス。濃度に注意!

※ハーブをアロマとして楽しんでいるかたも多いと思います。おすすめのアロマはありますか?

「アロマってなんなの? っていうかたも多いかなと思うんですね。植物の、ハーブティーにする成分は主に水溶性の成分がなんですけども、ハーブには脂溶性の成分もあって、それをぎゅーっと濃縮したものがアロマオイルとして売られているんですね。アロマオイルは香りの成分だったりとか、あとは虫よけに使われたりしますよね。あれは植物が虫の害に遭いづらくするための、忌避効果が強い成分を使っていたりします。

 アロマオイルは気持ちを穏やかにしたり、虫よけだったり抗菌だったりっていうのがありますが、例えば小さなボールに熱湯を入れて、そこにアロマオイルを2〜3滴加えてお部屋に置いておいたりすると、お部屋全体が優しく香ってきてリラックスする時にもいいかなと思います。一般的には、ラベンダーとかがすごく人気かなって思うんですけどね 」

●いいですね。手軽にできますしね。

「そうですね。あとはローズゼラニウムも結構人気かなと思います」

●ローズゼラニウム? バラの香りがしますか?

「バラの香りに似ていますね。私は個人的に好きなのはジャスミンとかイランイラン、ああいうのが結構好きですね」

●どんな香りがしますか?

「なんかちょっと南国の香りなんですけど・・・。私は父がずっとインドネシアに住んでいて、懐かしい香りがするなと思って・・・日本ではなかなか育てられない植物なのでアロマでしか嗅げないんですけど、使ったりしています」

●アロマオイルを購入するときに、何か気をつけることとか、注意点ってありますか?

「ちゃんとしたアロマショップで売っているものであれば、大丈夫だと思うんですけど、時々ちょっと安めの、雑貨屋さんとかで売っているのは、芳香浴には大丈夫かもしれないんですが、肌につけたりとか入浴とかに使うのは、やめたほうがいいかなというのはあります。

 あとは使う時の注意点としては濃度ですね。たくさん入れるといい香りがするんじゃないかなと思って、つい多めに入れちゃったりとかっていうのがすごくよくなくて、それぞれの適した濃度って、本だったりとかにいろいろ書いてあると思うんですが、それをしっかり守って使うことがとっても大事です」

ベランダのハーブを摘んでお料理に

写真協力:ハーブと私

※諏訪さんは、ご自宅でハーブを育てているそうですね。何種類くらい育てているんですか?

「あまり数えてないんですけど、20〜30種類は育てているかなと思います」

●すごいですね〜。普通のマンションのベランダとかでも育てられますか?

「渋谷区に住んでいてベランダがメインで育てているので、プランターで・・・」

●プランターで?

「はい、育てています。キッチンが2階にあるので、ちょうどベランダも2階にあって、お料理しながら摘みに行けるのがすごく使いやすくて・・・。(お料理の)途中で摘みに行く・・・だから塩コショウを取る感覚で摘みに行けるっていうのにしたくて、そうしているんですけど、プランターでいろんな種類を育てることができます」

●初心者にも育てやすくて、使いやすいハーブがあれば、教えていただきたいんですけど・・・。

「初心者は一年草のものが割と育てやすいので、イタリアンパセリとか・・・イタリアンパセリは、ごめんなさい二年草ですね。まあでも割と早く育つもの・・・チャービルとかお料理の飾りにも使えるので使いやすいかなと思います。

 あと、樹木にはなるんですけど、ローズマリーとか、あと、そうですね・・・タイム、タイムも結構丈夫なので育てやすいかなと思いますね。そうだ! もうひとつおすすめのハーブ、育てやすいのがあって、さっき出てきたローズゼラニウムって緑色の手のひらみたいな葉っぱの形のハーブなんですけど、水やりが本当にいらなくて、これはすごく育てやすくて、いいですよ」

●楽ですね!

「楽です。そうそう!」

●ではこの放送を聞いて、私もハーブのある暮らしを送りたい! と思ったリスナーさんにぜひアドバイスをお願いします。

「はい、『ハーブのある暮らし』って本当に簡単に始められるんですよね。(ハーブを)育てたいって思ったら、最初に5種も6種類も育てないで、まずは ひとつ、ふたつ、3つぐらいでいいと思います。ローズマリーひとつでも使い方がたくさんあるので、それを楽しんでやると、ハーブのある暮らしに自然に入っていけるかなと思います。

 あと、お子さんがいるかたとかも、うちの子も一緒にハーブを摘んできて、お風呂に入れたりとかっていうのをやったり、お料理に散らしたりとかして楽しんでるので、そういうのも(お子さんと)一緒にやると楽しいかなって思います」


INFORMATION

『暮らしの図鑑:ハーブの癒し』

『暮らしの図鑑:ハーブの癒し』

 諏訪さんの新しい本では、衣食住にまつわるハーブのたくさんの使いかたを紹介。朝昼晩、春夏秋冬、それぞれのシーンにあわせた活用術がわかりやすく載っています。ハーブ選びや使いかたの注意も掲載。また、知って楽しむハーブとアロマ、全54種が繊細で美しい植物画とともに紹介されています。
 翔泳社(しょうえいしゃ)の「暮らしの図鑑」シリーズの一冊として絶賛発売中です。詳しくは出版社のオフィシャルサイトをご覧ください。

◎翔泳社 :https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798178080

 諏訪さんは、代々木上原のサロン「ハーブと私」で「ハーブクッキングレッスン」を3月から7月まで月一回開催する予定です。コース料理のようなメニューを考えているそうですよ。ほかにも植物画の教室などもあります。参加方法など、詳しくはオフィシャルサイトを見てください。

◎「ハーブと私」:https://www.yukiyanagi.com/herb-cooking-lesson

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