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「自然と親しむ人をどれだけ増やせるか」by くますけ

2024/2/4 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、自然ガイドの「くますけ」さんです。

 富士山麓にある自然学校の草分け「ホールアース自然学校」でガイドとしてのスキルを磨いた「くますけ」さんは、現在はフリーの自然ガイドとして活躍されています。そして先頃『エナガの重さはワンコイン〜身近な鳥の魅力発見事典』という本を出されました。

 きょうはそんな「くますけ」さんに子供たち向けのガイドツアーで心がけていることや、ビギナー向け! 野鳥観察のノウハウ、そして鳥の面白い生態についてうかがいます。

そしてきょうは「くますけ」さんの本を、抽選で2名のかたにプレゼント!応募方法はこちらから!

☆写真&絵:くますけ

くますけさん

運命を変えた本『自然語で話そう』

※本名「くまつしんすけ」さんは、筑波山を眺めながら育った、自然遊びが大好きな少年だったそうです。20代最後の挑戦で、環境コンサルタントから「ホールアース自然学校」に転職し、1年間は研修生として、樹海を歩いたり、洞窟を探検するなど、ガイドの基本を徹底的に学んだそうです。その後、柏崎・夢の森公園での勤務を経て、独立。自然ガイド歴は15年ほど。

●大学生の時に、語学の勉強を理由にカナダに留学したそうですね。留学中の体験で、特に印象に残っていることはありますか?

「それこそ、カナダにスノーボードをしに行ったのに雪が降らなかったんですよ、その年、記録的な暖冬の年で・・・。そこで初めて地球温暖化とか気候変動っていうのを目の当たりにしたっていうか、やっと自分ごとになったみたいな感じがあって・・・。帰ってきてからは、それまではIT系の仕事とかしていたんですけれども、やっぱり環境だと思い始めて、そこから環境コンサルタントの仕事をするようになりましたね」

●環境コンサルタントとして気候変動問題に携わったと、ホームページにも書いてありましたけど、具体的にはどんなことをされていたんですか?

「排出量取引っていうのがあって、発生する二酸化炭素だとか温室効果ガスにお金の価値をつけて取引することで、地球全体でその発生量を抑えていこうっていう仕組みなんですけど、それの(二酸化炭素を)どれほど排出しているかを、日々ずっとパソコンを見ながら計算して、Excelとの闘いみたいなことをずっとやっていました。一日10時間以上、パソコンに向かっていたんじゃないかなと思います」

●そうなんですね。その後、富士山麓の富士宮にある「ホールアース自然学校」に転職されたということなんですよね?

「環境コンサルタント(の仕事)もすごく楽しかったんですね。直接、温室効果ガスを減らしているっていう実感もあったし、面白味があったけど・・・。

 でも、環境問題を解決するには3つの方策が必要だと言われていて、ひとつが『法整備』、もうひとつが『技術革新』、そしてもうひとつが『教育』なんですね。環境コンサルの時は法整備と技術革新については、かなりできている実感があって、貢献できているっていう実感もあったんですけど、どうしても教育のところは携われなくて・・・。

 でも、この教育がないと法整備とか技術革新も進んでいかないっていう、もどかしさをずっと感じていた時に広瀬敏道(ひろせとしみち)さんの『自然語で話そう』っていう本をうっかり見つけちゃったんですよ」

●その広瀬敏道さんは、ホールアース自然学校の創設者のかたですよね。この番組を長くやっているスタッフも「広瀬さんから番組自体もすごく影響を受けたんだよ」っていう話を聞いたんですが、すごいかたなんですね?

「そうですね。あの時代にそういった自然学校を作り上げたっていうパワーもそうですし、彼自身が紡いでいく言葉もすごく魅力的で、僕もその本を読んで、その日の夜は眠れないぐらい興奮しちゃって、あ〜日本にこんなことをやっている人がいるんだ、と思った記憶があります」

(編集部注:広瀬敏通さんの本『自然語で話そう〜ホールアース自然学校の12カ月』は1999年に小学館から出版)

雨の森の忘れられないシーン

※くますけさんは、幼児向けのガイド・ツアーがお得意ということで、保育園や保育士さんと連携して、近くの森でガイドすることが多いそうですね。特に子供たち向けのガイドで大切にしていることはありますか?

写真&絵:くますけ

「それぐらいの子供たちなので、物の名前を覚えるとか、そういうところではなくて、もっと五感で触ってみるとか嗅いでみるとか、ちょっと味関係はいろいろ難しいのでやらないですけど、とにかく自分自身の体で感じてもらうことを大切にしていますね。

 今はゲームとかがあって、(子どもたちは)詳しいんですよ。虫の名前だとかは詳しいんだけれども、本物を見ていない子はたくさんいるので、実際に本物を見てもらって触ってもらうとか・・・。トンボにしたってバタバタ動く感じとかを感じてもらうことのほうが、名前を知ることよりも、特にこの年齢は大切だと思うので、体験してもらう触ってもらう・・・で、いかに自然に触らせるか、みたいなところに工夫をしていますね」

●みんな、目をキラキラさせているんじゃないですか?

「そうですね。やっぱり(生き物が)好きな子たちは(目を)キラキラさせて楽しむし、怖がる子もたくさんいるから、その怖がっている子をいかにして、触りなさい! とかじゃなくて、自然に触っちゃうみたいな場作りっていうんですか、そういったところに気を付けていますね」

●子供たちの反応で、特に印象に残っていることはありますか?

「印象に残っているのは・・・僕は雨の森が大好きなんですけど、体験会が雨の日に重なるってなかなかなくて、あったとしても台風とかで逆に中止になっちゃう。だから、雨の日にみんなで一緒に森に行くタイミングって、年に一回あるかないかなんですけど・・・。

 その時はカッパをかぶって、みんなで森に行って、葉っぱから水が滴ってくるところがあって、その下にカッパを着た子が行くと、シャワーみたいにザバザバザバ〜パタパタって音が出る、そのシャワーを楽しんでいる子の姿が、これだよな〜! とか思って・・・。

 なんとも説明はできないんですけど、水が滴っているのを楽しんでいるのが見てわかる。この経験を積むと、彼は大きくなった時に自然のことがきっと好きだろうし、自然がどういうものかはもう体感でわかっているだろうから、これを守らなきゃいけないっていう時に、きっと心の底から大切にしたいっていう気持ちがわいてくるだろうなと思って、あの時の雨の森の、あの子の顔は忘れられないシーンだなと思います」

●やっぱり小さい頃に経験しておくのは、すごく大事ですよね。

「そう思います」

エナガは500円玉!?

※この本『エナガの重さはワンコイン〜身近な鳥の魅力発見事典』を出すにあたって、コンセプトというか、どんなところにポイントをおいて書いたんですか?

「とにかく野鳥の初心者のかた、これから知りたいな、気になっているけど、名前がわかんないなっていう人は、たぶん多いと思うんですね。そういった人たちに、初めから図鑑は結構ハードルが高いかなと思ったので、図鑑の一歩手前になるような、その入り口になるようなものになればいいなと思って作りました」

●このイラストは、全部くますけさんが描かれているんですよね?

「そうなんですよ、はい」

●とってもお上手ですね。

「ありがとうございます」

●絵を描き始めたのは2021年と本に書かれていましたが、最近というか、まだ3年ぐらいなんですね?

「そうなんですよ」

●この絵のクオリティ、すごいです!

「コロナになって家から出られなくなって、あまりにも暇すぎて、絵を描き始めたっていうのが本当の始めのきっかけで・・・」

●どなたかに教えてもらったりとかしたんですか?

「やっぱりコロナ禍なんで・・・誰かに教わるってことはできなかったから、基本はYouTubeですね。イラストの人たちがいるから、その人の(動画を)見たりとか、オンラインで学べるやつがあるんですけど、あれを見たりとかして、絵の基本みたいなのを勉強しましたけど、基本はオンラインで、自分で描いていたっていう感じですね」

●絵を描くようになって、気づいたことはあります?

「いっぱいあります。このエナガもそうですけど、普段から見ているし、よく知っている鳥だと思っていたんですけど、よく見たら、まつ毛があるんですよ、この鳥! 黄色いまつ毛があって、それは絵を描くまで気づかなくって、書き始めて、目はどうなってんのかなと思って、手元にあった写真をアップにしたら、まつ毛がある! って(笑)。それは絵を描かなきゃ気づかなかったところですね」

●じっくり観察するってことですよね! この本のタイトルに「エナガの重さはワンコイン」とありますけれども、鳥の体重について触れている解説もあって、すごく面白いなと思ったんです。そこに何か狙いがあるんですか?

「野鳥は基本的に持つことできない、獲ることは禁止されています。でも生き物だから、必ず重さってあるはずなんですよね。その重さを感じることで、より身近に感じたり、より愛おしく思えたりとかすると思うので、なんとかして感じてもらいたいなと思って・・・。

 意外と僕らもフィールドでガイドツアーの時には、例えば、7グラムの鳥がいたら、1円玉を7枚束ねておいて、あの鳥はこれぐらいの重さなんだよ! って言って、渡したりとかするんですけど、1円玉だとちょっと芸がないなと思って、いろんなものに例えたら何になるんだろうっていうのを調べてみたら、エナガは500円玉だし、スズメは単三乾電池だしっていうのがわかってきて、これをきっかけに自分で調べてみたら、そんな例え方ができたんです」

くますけさん

ホオジロ、独身のオスは必死!?

●では、本に掲載されている鳥の中からいくつかピックアップさせていただきたいと思います。まず気になったのが「さえずり方で独身とわかってしまうホオジロ」ということで、これはどういうことですか?

「ホオジロっていうスズメに似た、でもスズメよりちょっと大きめの鳥がいます。結構その辺の公園だとか庭にいたりするんですけれども、独身の子はやっぱり頑張んなきゃいけないんで・・・さえずりって、そもそもラヴソング、お嫁さん探しのために歌っているものなので、必死なんですよね。
 で、その必死さのあまりどんどん顔が上向きになっていき、叫ぶような感じでやっているんですけど、お嫁さんをもらった既婚者は余裕なんですかね〜。

 さえずりにはふたつ意味があって、お嫁さん探しと、自分の縄張りだよっていうのを周りに伝えるためにやっているんです。既婚者はお嫁さん探しじゃなくて、縄張りだよっていうのを伝えるだけでいいから、結構正面を向いて、ひょろろろろ〜って鳴いているだけみたいな・・・」

写真&絵:くますけ

●真上は向いていないんですね?

「そこまで向いていないです。如実にわかります」

●アピールしているんだな、独身なんだなっていうのは、真上を向いているかどうかでわかるんですか?

「鳴き方でわかってしまいます」

●面白いですね~。レパートリーも豊富なんですよね?

「そうですね」

●あと、よく食べると黄色が鮮やかになる「キビタキ」ということで、これはどういう鳥なんでしょうか?

「夏に日本にやってくる鳥なんですけど、お腹のところが真っ黄色で、本当に健康な男子は、なんだろう・・・ちょっと高級な卵の黄身はすごく黄色じゃないですか、オレンジがかった黄色・・・。それぐらい黄色い子がいて、やっぱり健康でいいもの食べているとか、自分でいい縄張りを持っていて、そこにたくさん餌があるやつらは黄色が濃くなっていくんです。ちょっと弱くて、そんないい縄張りが確保できなくて、餌も乏しいのは黄色味がくすんでいくんですよね」

●良質な餌が豊富にあるんだろうなっていうのが・・・

「お腹の黄色み具合でわかるんです」

写真&絵:くますけ

カモはお尻に注目!?

※これから春にかけて、街中や公園などで観察しやすいおすすめの鳥はいますか?

「おすすめは・・・さっき(幕張公園内を)歩いてみたんですけど、この時期であれば、カモ! 特に体も大きいので肉眼でも観察しやすいですね。

 すぐそこの池にいたのが、マガモっていう鳥で、冬にしか日本にはいなくて・・・。5月頃に親子連れで並んで、横断歩道を渡っていたりするのは、カルガモと言ってまた別の種類です。マガモは、おすすめはお尻を見てもらうと、くるんとカールした羽根があって、2本、寝ぐせみたいについているんですけど、それをぜひチェックしてもらいたいですね。カモを見たら、ぜひお尻をチェックして、丸まった寝ぐせを見つけてみてください」

●肉眼でも見えますか?

「見えます。特に都会のカモたちは人間慣れしているので見やすいと思います」

●野鳥観察の初心者に向けて、なにか見つけるコツはありますか?

「やっぱり近所とか公園とか、そういったところから始めるのが楽ちんでいいと思いますね」

●双眼鏡は持っていたほうがいいですか?

「はい、双眼鏡があると断然楽しくなりますけど、買おうと思うと結構コストもかかってくるんですね。今はフェスとか行く人も多いから、フェス用と兼用で(笑)鳥用の双眼鏡を買ってもいいかもしれないですけどね」

●見つけた鳥が何の鳥かってわからないじゃないですか。そういうのはどうやって調べたらいいんですか?

「写真が撮れたらGoogleで画像検索とかやると、かなり精度よく教えてくれますね。例えば、ハトとかカモとか、動きの鈍いやつだったら、スマホのカメラで撮れると思うので、撮ってみると名前がわかるかなと思います。

 すばしっこいやつら、小っちゃいやつらはなかなか難しいと思うので、特徴を覚えておいて、何色とか羽根の色は黒とかオレンジとか、そういった特徴を覚えておいて、それもGoogle検索ですね。”ちっちゃい鳥 、オレンジ”とかやると、案外画像が出てきて、あっ、これこれこれ! みたいなのが見つかると思います」

●改めてガイドをするときに、いちばん大事にされていることはなんでしょうか?

「僕の場合は研究者ではなくて、自然と親しむ人をどれだけ増やせるかってところに重きを置いています。名前を覚えるとか詳しく調べるっていうよりかは、もっと楽しんで観察していきたいなと思っているんですね。

 あと、なんでこの鳥がここにいるんだろうとか、その生き物の暮らしぶりだとか、生き方みたいなところにフォーカスして、こんな素晴らしい生き物が、ご近所にいたんだね、みたいなところで、豊かな自然の中で暮らせて幸せだなみたいに思ってもらえるような人を、ひとりでも増やしていきたいなと思って活動しています」


INFORMATION

『エナガの重さはワンコイン〜身近な鳥の魅力発見事典』

『エナガの重さはワンコイン〜身近な鳥の魅力発見事典』

 くますけさんの新しい本をぜひご覧ください。これまでの鳥の解説本にはない、くますけさんだからこその視点で書いた鳥の面白い生態が満載です。「へえ〜〜! そうなんだ!」の連続ですよ。描き始めてまだ3年ほどという鳥の絵も絶品! 
 山と渓谷社から絶賛発売中です。詳しくは出版社のオフィシャルサイトをご覧ください。

◎山と渓谷社:https://www.yamakei.co.jp/products/2823230170.html

 くますけさんのSNSもぜひ見てくださいね。ガイドツアーは決まり次第、情報が載ると思いますよ。

◎インスタグラム https://www.instagram.com/kumasuke902/

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◎note https://note.com/kumasuke902

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くますけさんの本を、抽選で2名のかたにプレゼントいたします。
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flintのスペルは「エフ・エル・アイ・エヌ・ティー」
flint@bayfm.co.jp です。

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