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自作の水中ロボットを持って南極へ。工学博士、奮闘す!

2024/5/12 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、東京海洋大学の助教「後藤慎平(ごとう・しんぺい)」さんです。

 後藤さんは、ひょんなことから、南極調査用の水中ロボットを作ることになってしまい、そんなつもりはまったくなかったのに、南極地域観測隊の隊員として、憧れの「しらせ」に乗って、南極へ行ってしまった工学博士。

 1983年、大阪生まれ。筑波大学大学院から民間企業、そして海洋研究開発機構JAMSTECを経て、現職の東京海洋大学・助教として活躍。専門は深海探査機の開発と運用。

 2017年から2018年には南極地域観測隊、いわゆる夏隊の隊員として、水中探査機ROVを湖に投入し、湖底に生息する、ある生物の撮影に成功するという世界初のミッションを成し遂げています。そして先頃、『深海ロボット、南極へ行く〜極地探査に挑んだ工学者の700日』という本を出されています。

 きょうはそんな後藤さんに、ROVの開発秘話や、南極の湖底に広がる景色のほか、およそ3ヶ月にわたる南極滞在・小屋暮らしのお話などうかがいます。

☆写真協力:後藤慎平、太郎次郎社エディタス

写真協力:後藤慎平、太郎次郎社エディタス

南極調査用ROVとは!?

※まずは、初歩的な質問になりますが、南極の調査用に作ったROVと呼ばれる水中探査機は、どのくらいの大きさで、どんな作りになっていて、何ができるのでしょうか?

「ROVと言われて、ピンとくる人はそんなにいないかなと思うんですね。一般的には、最近よくある言葉で水中ドローンと呼ばれているものがあるんですけれども、私はずっとROVと言い続けています。水中ドローンはやはり空中用のドローンの水中版だから、水中ドローンっていう造語ができているだけで、やっぱりROVっていう、昔からある言葉を今も使っているというところがこだわりとしてあるんです。

 これがどういうロボットかと言いますと、言ってみれば、水中カメラの一部なんです。そこにスクリューが付いていたりとか、観測機器が付いていたりとかすることで、水中の映像をリアルタイムで見ることができるロボットになります。ケーブルがつながっていますので、手元でその映像がリアルタイムで見られて、しかも手元で操縦した通りにロボットが動いてくれるというものになります。

 で、いろんなROVが世の中にはあります。海溝に潜れるものもありますし、今回の極地に潜れるものもあって、いろんな種類があるんですけれども、今回作ったものは非常に小型のものです。大きさとしてはだいたい40センチか50センチぐらいで、重さが10キロ以下という制約があったので、すごく小型軽量のものを作って持って行ったということになります」

●設計から製作まで、すべて後藤さんが担当されたんですか?

「そうですね。基本的に設計とか電気回路もそうなんですけれども、外の筐体(きょうたい)と呼ばれる、いわゆるケース、そういったところの強度計算だったりとかもすべて自分でやっています。ただやはり金属加工を自分ですることができないので、それは業者さんにお願いをして作ってもらって、自分で組み立ててっていう作業になります」

●開発でいちばん大変だったことは、どんなことですか?

「やっぱり重さを軽くするところですかね。10キロ以下に抑えないことには・・・作っている時は自分が持って歩くとは思ってなかったので、研究者の人にこんな重たいものを持たせて歩かせていいのかっていう思いがあって・・・なので、とにかく軽くしよう軽くしようということをやっていたんですね。結果として自分がそれを現地で担いで背負って歩くことになったので、やはり軽くするっていうところがいちばん神経を使いましたね」

(編集部注:ROVはREMOTELY OPERATED VEHICLE/リモートリー・オペレーテッド・ヴィークルの略で、日本語にすると「遠隔操縦式探査機」。

 南極の調査用に作ったROVの操縦方法についてお聞きしたら、いろいろなコントローラーがあるけれど、壊れたからといって、部品を買いに行けるような場所ではない南極という特殊な環境を考えて、タブレットにソフトウエアを組み込んでコントロールする方法を選んだそうです。もし不具合が起きても誰かのパソコンを借りれば、代用が効くというわけです。

 また、ROVを運用する際に、方位や水深などを知る航法デバイスが必要になるそうですが、それを本体に組み込むと製作費がかさむし、重くもなるので、今回はカシオの協力を得て、時計のG-SHOCKを画面に写すという原始的な方法をとったそうです)

後藤慎平さん

開発費用は小型自動車1台分!?

※水中にいるROVはケーブルで地上、つまり後藤さんとつながっている、ということですよね。ケーブルの長さはどれくらいなんですか?

「ケーブルは、今回は100メートルでした」

●ROV本体の強度も大切だと思うんですけど、ケーブルの強度も大事ですよね。

「そうですね。最悪、探査機が水中で、どこかに引っかかってしまった場合は、ケーブルを引っ張って回収するっていうことがあるんです。なので、ケーブルが弱いと、そこでプチッと切れて探査機が帰ってこなくなるので、なるべく強度も強くしなきゃいけない・・・。

 ただ問題なのが強くするとなると、それだけ素材も太くしなきゃいけないので重くなってしまう・・・それを誰が背負うのかっていうのもあって、今回ケーブル・メーカーさんと協力して、軽量で強くて電送損失とかも少ないケーブルというのを新たに開発しました」

●どれくらいの時間、水中で動けるんですか?

「今回のROVは陸上から電力を送っているので、言ってしまえば、パイロットの体力が持つまでです (笑)」

●そうなんですね。 ROVを1台完成させるのに、どれくらいの日数と費用がかかるんですか?

「今回のROVに限って言うと、約半年で作らなきゃいけなかった(笑)。できれば1年くらい欲しいんですけれども、そんなことを言っている暇がない。10月には船に積み込まなきゃいけないっていうことで半年しかなかったし、費用も本当に軽自動車1台分もないぐらいの費用で作らなければいけない。となると外注すると、それだけ人件費とか外注費用がかかってしまうので、外注できない・・・じゃあ自分で作らなきゃいけないと・・・」

●すごいですね! でもその期間はやっぱり心躍るというか・・・?

「そうですね・・・躍るかどうかって言われると・・・(笑)」

●迫られている感じですか? 

「そうですね。やっぱり自分の目の前に技術課題が山ほどあって、これをどう解決するか、しかも限られた、10月っていうリミットまでに解決しなきゃいけないのに、持っている武器は少ないってなった時に、どうしたらいいのかなという・・・正直行き当たりばったりなところはあったんですね。

 一方で協力してくださるメーカーさんも出てきだして、これはいけるなって思った時には、やっぱりこの探査機が南極に行って、これまで見たことのない水中の映像を明らかにしてくれるかもしれないって思った時には、すごくワクワクしました」

南極の湖には生物がいる!?

※後藤さんは2017年から2018年にかけて、南極地域観測隊としておよそ3ヶ月にわたって南極に滞在され、南極大陸にある湖に水中探査機ROVを投入して調査をされました。そもそもなんですが、南極大陸にはどれくらいの数の湖があるのでしょう?

「これ、ものすごく数があって、正確にはわかっていないんですけれども、今回行ったスカルブスネスっていう地域だけで言うと、30以上の湖があると言われています」

写真協力:後藤慎平、太郎次郎社エディタス

●その中からいくつの湖を調査されたんですか?

「この時は3つですね」

●なんという名前の湖ですか?

「『長池』と『仏池』と『くわい池』という3つの湖で、これらに生物がいるという研究者さんの情報があったので、その生物の観測に行ったということになります」

●いろいろな湖がある中で、3つの湖を選んだのは生物がいるっていう理由なんですね。

「そうです」

●それぞれの大きさってどれくらいなんですか?

「大きさ・・・難しいですね、湖の大きさですよね? いちばん大きいのはやはり仏池っていう湖ですごく大きくて、対岸まで何百メートルもあるようなところでした。それが数百メートルの山の上にあるので、そこに行くのもけっこう大変だったりとかもします。
 一方で今回のメイン・ターゲットであった長池は縦に長いんですよ。対岸まではそんなに距離はなく、“おーい”って言ったら届くぐらいの距離なんですけども、縦に関しては全然声が届かないぐらいの距離だったりするので、いろんな形をしてますね」

●どんな生物がいるんですか?

「苔の集合体で『コケボウズ』と言われるものなんです。苔とかシアノバクテリアが長年かけてタケノコ状に成長したものです」

●初めてモニターでコケボウズを見た時はどう感じましたか?

「やっぱり感動しましたね! これがコケボウズかと。最初映った時に・・・今まで写真では見ていたんですけれども、実際に自分の手で動かしている探査機を通して見えた時は、やはりこれまでの苦労もあって、より一層感動はしました」

●色はどうなんですか?

「色は今回の本に(写真が)載っているんですけれども、緑色に見えるんですよ。ただ(深度を)上げてくると茶色っぽかったりとかして、やはり光の加減があっていろんな色に見えている状態です」

●コケボウズ自体の大きさは、どれくらいなんですか?

「これがいろんな大きさがあって、浅いところでは、浅いところって言っても水深7〜8メートルのところなんですけれども、80センチとか大きいのもいるんです。深いところいくと本当に数センチ、あるいは親指くらいの大きさ・・・ただ親指くらいのは三角形のタケノコ状ではなくて、どちらかと言うとなびくような感じの、草が生えているように見えるマット状のものが多かったです」

●3つの湖を調査されて、コケボウズの違いはそれぞれあるっていうことですね。

「ありましたね。長池のコケボウズがいちばん美しかったです」

写真協力:後藤慎平、太郎次郎社エディタス

●美しいというのは?

「三角形の形もそうですし、密集度もけっこう綺麗・・・綺麗っていう言い方がいいかもわからないんですけれども、見ていてもなんかすごく幻想的な雰囲気を受けました。
 一方、くわい池と仏池に関しては形状が三角ではなくて、くわい池に関しては、ぽこっと丸いマウンド状みたいな形になっている物が多かったですね。仏池に関しては、上の部分がおそらく氷が張って潰されているので円錐状になっている、ペットボトルみたいな形になってしまっているものもあって、やはりいちばん綺麗なのは長池だったなという印象です」

ホタテとウニだらけ!?

※海にも水中探査機ROVを潜らせたそうですね。どんな景色が広がっていましたか?

「海の中が、これが面白くて、この時には一面にホタテとウニがいました!」

●え~! そうなんですね~(笑)。

「はい! 見渡す限りウニとホタテしかいない!」

●すごい景色ですね〜。

「そうですね。数えるとか、そんなこと絶対できないぐらいの、たぶんみなさんが想像を絶する景色でしたね。自然というか生物層がすごく豊かな海だなというふうには感じました」

●ご自身で開発された水中探査機ROVが、実際に期待通りの活躍をしてくれたってことですよね。人間が潜れないような厳しい環境下での調査には、ROVはすごく有効なものですよね?

「そうですね。想像してみていただければわかるんですけども、流氷が来ている北海道の海に潜るのってけっこうきついじゃないですか。そういう時にやはりロボットが行ってくれるっていうのは、すごくありがたい話で、寒い思いをしなくていい、苦しい思いをしなくていい・・・なんて言うんでしょう、3K、4Kと呼ばれるような危険、きつい、怖い、汚い、いろんなKがありますけれども、そういった場所に人間が行くんではなくてロボットが行くっていうのは、すごくそのロボットの理にかなっているかなと思います」

(編集部注:実は後藤さんは子供の頃から、南極観測船「しらせ」に憧れていて、本の口絵に、オレンジ色の船体が特徴の、本物の「しらせ」をバックに、小学4年生の後藤さんが自分で作った「しらせ」の模型を持って立っている写真が掲載されているんです。

写真協力:後藤慎平、太郎次郎社エディタス

 後藤さんは、国立極地研究所の研究員から南極の調査用にROVを作ってくれないかという話があるまで、まさか憧れの「しらせ」に乗って、南極に行くとは、1ミリも思っていなかったそうですよ。ひょんなことから、あれよあれよという間に、南極に行く羽目になったいきさつも、後藤さんの本に詳しく書かれています。ぜひ読んでください)

南極滞在は小屋暮らし!?

※南極は、雪や氷の世界というイメージがありますが、その通りでしたか?

「南極観測船『しらせ』が昭和基地に近づいてくると、定着氷と呼ばれる一面氷で覆われた海を進んでいくんですけれども、実際私が行っていたスカルブスネスっていう地域は雪がほとんどないです」

●南極なのに!?

「そうです(笑)。岩肌剥き出し、ガレ場ザレ場と呼ばれるような、石がゴロゴロと転がっているような場所で生活をするというようなことをやっていました」

●南極っぽくないようなイメージですけれども、実際はそうだったんですね。

「そうですね。実はそういう場所は『露岩域(ろがんいき)』って呼ばれていて、南極の中でも約3パーセントしかないと言われているような場所になります」

●本を読んでいて驚いたんですけれど、後藤さんたちの調査チームは昭和基地ではなくて、最初からベースキャンプというか小屋に滞在されていたんですよね?

「そうですね。ちらちらお話に出ていますけども、スカルプスネスっていう場所が生物の観測拠点になっているので、そこで生活をするんですね。昭和基地からはだいたい50キロから60キロぐらい離れている場所にあって、小さな小屋と言ってもコンテナのようなものが置かれているだけです」

写真協力:後藤慎平、太郎次郎社エディタス

●どんな小屋なんですか?

「中は快適で、快適って言っていいのか、住み慣れると快適なんですけれども、たぶん初めて行く人はびっくりするとは思うんですね。二段ベッドがふたつあるだけで、真ん中にちょっと作業する机があるような部屋ですね」

●そこに何人が滞在するんですか?

「多い時は十何人・・・」

●えっ! 二段ベッドが・・・!?

「なので(ベッドの)取り合いですね(笑)」

●ちょっと計算が合わないですよね(笑)。その小屋ではどんな生活を送られていたんですか?

「あくまでも小屋は生活をする場所なので、その中で寝泊まりをするんです。料理したりとかっていうこともできますので、そこで料理をしてみんなで食事をすると・・・。あとは取ってきたデータの解析だったりとかそういうこともします。

 あとブリザードが来た時・・・小屋の中、ベッドの競争に負けて、負けてっていうわけではないんですけども、あえて外で寝るかたもいらっしゃいます。せっかく南極に来たんだから、外にテントを張って寝たいぜっていう人もいて、そういうかたがたはテントで寝るんですけれども、やはりブリザードが来ている時に外で寝るのは危ないので、そういう時には中に入ってきて、一緒に寝たりとか食事をしたりっていうようなことをやっています」

●厳しい環境下での食事は大切だと思うんですけど、食料はどうされていたんですか?

「これが大変で、最初行きの『しらせ』の中で糧食配布と呼ばれる、ちょっとしたイベントがあります。その時に野外に出る人間が何人なのか、その人たちが何日間野外にいるのかっていうのを計算して、さらにそこに仮に助けに行けなかった場合には、どれくらいの非常食がいるのかっていうような足し算までして、食料が配られるということがあります。

 それを持って出るんですけれども、一度に持って出ると冷蔵庫も何もないところなので腐ってしまうということもあって、3回ぐらいに分けて、観測期間が1ヶ月半ぐらいありますので、その前期、中期、後期ぐらいに分けて運び出すというようなことをしていました」

●どんな食料が配られるんですか?

「これがけっこう日本で食べているものと変わらない食料が多いです」

●それは精神的にもいいですよね?

「そうですね。その辺、やはり長年の南極観測の中で配慮が重ねられていて、普段口にしているものが食べられないと、おっしゃる通りストレスになってしまうということもあるので、ありとあらゆるものが配られます。調味料に関してもこの味の調味料が欲しいなっていうのがたまにあるじゃないですか。そういうのもないようになっていましたね。いろんな種類が配られますし、飲料とかに関してもいろんな飲料が配られるというような状況ですね」

(編集部注:後藤さんたちの調査チームは小屋暮らしなので、当然お風呂はなく、トイレも簡易的なものだったそうですよ。
 そんな隊員たちの活動を支えているのは、実はヘリコプター。食料などの物資の運搬や、隊員の移動に大活躍する様子が本に書かれていますよ。)

小さなことは気にしない!?

●実は後藤さん、2度目の南極での調査を終えて、この3月に帰国したばかりなんですよね?

「はいそうですね。3月の21日に帰ってきたばっかりです」

●お帰りなさいませ! もう2回も行かれているんですね! やっぱり一度経験していると2回目となったら、余裕って感じですか?

「いや〜全然そんなことないですね(笑)。前回行って6年経っているので、前回の手順が通用しなくもなっていますし、忘れていることもありました。
 前回は湖の調査チームだったんですけれども、今回はペンギンの調査チームだったので、調査ターゲットも違う、調査を一緒にする隊員も違うってなると、やはりけっこう準備とかにもいろいろ苦労がありましたね」

●ペンギンの調査で行かれたんですね。何か新しい発見はありましたか?

「そうですね・・・そういう意味では、物資が帰ってきて、いま解析をしているところなので、その成果に関してはこれから乞うご期待! というところですかね」

●楽しみにしています!

「はい」

●2度目の南極で、今後の課題というか目標みたいなものはできましたか?

「今回南極に行くにあたっていろいろと、前回行ったことを踏まえて、どんなことを解決しなきゃいけないのかっていうようなことも考えてはいたんですけれども、2回目行ってみて、やはりターゲットが違う、ペンギンという新しいターゲットになったことで、そのペンギンをこれから観測をどう続けていくのかっていうようなところで、新しい気付きと言いますか、課題っていうのはあったかなと思います」

●南極での経験は、後藤さんにどんなことをもたらしてくれました?

「そうですね。いちばんは、いろんな人に言っているんですけれども、小さなことを気にしなくなる(笑)」

●小さなことを気にしない!?(笑)

「なんて言うんでしょう・・・それって生きていく上で必要? みたいなことを、今まで気にすることもあったんですけれども、南極ってそういう意味では明日死んでいるかもしれない場所なので、むしろそれよりも先に生きることを考えようよっていうふうには思うようになりました」

●南極観測は国家事業ですから、南極地域観測隊の隊員として南極に行けるのは本当に限られたかただけですよね。それでもやっぱり隊員として南極に行ってみたいって思っているかたに向けて、何かアドバイスなどありましたら、ぜひお願いします。

「意外と南極観測隊に参加している人が、どういう人かっていうのが知られてないかなと思います。研究者じゃないと行けないとか、国立極地研究所の人じゃないと行けないとかっていうように思われているかたが、多いのかなと思うんですけれども、実際、観測に来られているかたはメーカーの人だったりとか、私みたいな大学の教員だったりとかっていうこともあるので、いろんなところにアンテナを張って、どうすれば行けるのかなというようなことを探ってみていただきたいなと思います。

 実際、本学(東京海洋大学)を卒業した学生で、南極に行きたいからということで、南極観測に関わっている会社に就職したという話も聞きます。なので、いろんなところに南極に行くチャンスはあるよ! と思いますね」

(編集部注:2度目の調査のターゲットはペンギンだったというお話でしたが、ペンギン用ROVは、泳いでいるペンギンを追いかけるのではなく、ペンギンが海の中でどんな活動をしているのか、何を食べているのかなどを観察するための観測機器にしていたそうです)


INFORMATION

『深海ロボット、南極へ行く〜極地探査に挑んだ工学者の700日』

『深海ロボット、南極へ行く〜極地探査に挑んだ工学者の700日』

 後藤さんの新しい本には南極調査用ROVの開発秘話、憧れの「しらせ」や南極の小屋暮らし、そして湖でのROVの活躍など、慌しくも活気に満ちた日々が、生き生きとした文章で綴られていて、後藤さんの奮闘ぶりが手にとるようにわかると思います。コケボウズや、ホタテやウニだらけの写真も掲載されていますよ。おすすめです。
 太郎次郎社エディタスから絶賛発売中です。詳しくは出版社のオフィシャルサイトをご覧ください。

◎太郎次郎社エディタスHP:http://www.tarojiro.co.jp/product/6423/

◎東京海洋大学・後藤慎平さんの研究者情報
https://tumsatdb.kaiyodai.ac.jp/html/100000613_ja.html

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