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橋は面白い! 橋旅のすすめ!

2025/11/2 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、旅行作家の「吉田友和(よしだ・ともかず)」さんです。

 吉田さんは1976年、千葉県生まれ。早稲田大学卒業。2005年に、初めての海外旅行で、新婚旅行を兼ねた世界一周の旅をまとめた本『世界一周デート』で作家デビュー。その後、夫婦で作った世界一周の旅行ガイドや、会社員生活の中で海外旅行の体験を綴った本が話題になり、旅行作家としての活動を本格化。これまでに訪れた国はおよそ90か国だそうです。

 現在は雑誌やWEBメディアなどでの執筆のほか、編集者として旅行ガイドの制作を手がけるなど、旅のスペシャリストとして幅広い活動をされています。

 旅のいろんな楽しみ方を提案されている吉田さんに、3年半ほど前にご出演いただいたときは、自分のうちの近所を、旅感覚で楽しむ『ご近所半日旅』について、いろいろお話をうかがいました。

 今回は、新しい本『橋旅のススメ!』をもとに、海に沈む橋や、ピンクの鉄骨が複雑にからむ橋のほか、吉田さんおすすめの「いい橋」のお話などうかがいます。

☆写真協力:吉田友和

吉田友和さん

橋は面白い!

※今回の新刊は国内での「橋旅」がテーマになっています。改めて「橋旅」とは、 何か定義があるんでしょうか?

「定義というかその名の通りで、橋を旅しようっていうコンセプトです。全国各地にある面白い橋を、そこを目的地として旅行に出かけて、その橋を見たりとか渡ったりというのを楽しもうっていう、そういった旅ですね。

 で、橋というとやっぱり交通のインフラで、土木とかそういったところの興味なのかなって、よく聞かれるんですけど、実はあまりそういうところはないんです。
 学術的に橋の成り立ちとかテクニカルな知識に興味があるというよりは、橋そのものの歴史だったりとか、その土地の感じとか、風景だったりっていうところに純粋に興味を持って旅行するような感じですね」

●「渡りたい時が渡りどき」と本にも書かれていました。この新しい本には30の橋旅が載っていますが、今までどれくらいの橋旅を体験されたんですか?

「橋旅と自分の中で明確に意識するようになったのは、ここ数年ではあるので、それに関しては今回の新刊で8割ぐらいは掲載したかなと思っています。ただそれまでにもいろんなところを旅する中で、結構、橋って各地にあるので、その都度、渡ってきたかなっていうような感じではあるんですけど・・・」

●今まで渡った橋は大体、数で言うとどれくらいになりますか? 

「橋自体は相当渡っているんじゃないですかね。海外とかも含めれば、100とかは渡っていると思います」

●橋にこだわった旅を始めたのは、何かきっかけがあったんですか?

「いちばん最初は、ミャンマーに『ウーベインブリッヂ』っていう、すごく長い木の橋があるんですよ、ミャンマーのマンダレイっていうところなんですけど・・・。そこの橋が面白そうだったので、結構前になるんですけど、そこを目的として旅行で行きました。それがきっかけと言えばきっかけというか、橋は面白いなと思ったんですよね。

 で、そのあとコロナもあって、ご近所旅で東京のレインボーブリッジとかを渡ってみて、やっぱり橋は面白いなみたいな・・・そこで改めて実感して、そこからいろいろと日本各地の橋を周るようになったかなって感じですね」

(編集部注:参考として、日本全国にはどれくらいの橋があるのか、国土交通省のサイトにはおよそ73万の「道路橋」があると記載されています)

渡れば長生きできる橋!?

※ここからは、本に載っている橋の中から、特に気になった橋についてうかがっていきましょう。

写真協力:吉田友和

●まずは本の表紙にもなっている石川県の「あやとり橋」。赤色で可愛いというか綺麗な橋ですよね、鉄骨の橋!

「そうなんですよ。表紙にここを選んだのも、やっぱり見た目のインパクトがあるかなって思いました。『あやとり橋』っていわゆる、あやとりのように鉄骨が入り組んでいる、そういった造形になっています。なんかちょっと現代アートみたいな感じなんですよ、橋と言っても・・・。なので、外観もユニークですし、渡ってもすごく変わった景色が楽しめます。

 石川県の加賀温泉郷の山の中にありまして、温泉街なんですけど、山歩きをちょっと楽しめたり・・・。下に川が流れていて、川床があって、そこにカフェがあったりとかして、ちょっとスウィーツを食べたりとかしつつ、夜は温泉宿に泊まってゆっくりしたりという、旅行のついでに橋も一緒に楽しめるみたいなところで、非常におすすめですね」

●それから青森県の「鶴の舞橋」。「渡れば長生きできる? 日本一長い木の橋を目指して!」ということで、橋の全長がおよそ300メートルもあるんですね?

写真協力:吉田友和

「そうですね。ここも見た目にインパクトがあって、湖の上に太鼓橋がかけられていて、絵になるようなところなんですね。都内でも駅の構内とかにポスターが貼ってあったりして、目にしたことがある人は結構いるんじゃないかなと思っているんです。

 先ほどお話ししたミャンマーの、最初に私が行った橋とすごく似ているなと思ったんですよね。やっぱり木でできた橋で、ミャンマーのほうが1キロぐらいあって長いんですけど、それでも国内で300メートルは結構長い橋です。長い木の橋って木の長さが長いっていうのと、長生きできる橋みたいなそういった意味もあるらしくて・・・長生きの橋ですね」

●長〜い木の橋、長生きの橋!

「そうです。長生きの橋みたいな、そこもちょっと面白いかなと思いますよね」

水没する橋!?

●あと沖縄県の「シールガチ橋」、こちらは「海にかけられた不思議な橋を見に南の島へ行く」というふうに書かれていましたけれど、久米島なんですね?

写真協力:吉田友和

「久米島ですね。満潮の時に(橋が)水没しちゃうんですよね。潮が引いている時にしか歩いていけないみたいなところです」

●橋の一部が水没するということですね?

「そうですね。水没してそこだけ陸につながらなくなってしまうので、何て言うんですかね・・・『モンサンミッシェル』みたいな感じですよね」

●タイミングを見て渡るっていうことですよね?

「そうですね。タイミングを見て渡る感じで、干潮時も岩場だったりして、歩いても結構大変なところではあるんですけど、橋に着くまでが冒険みたいな感じですよね」

(編集部注:吉田さんによると、特に珍しい橋として「日本三奇橋」といわれる橋が3つあるそうです。諸説あって、山梨県の珍しい構造の「猿橋(さるはし)」と山口県の木造の橋「錦帯橋(きんたいきょう)」は、どの説にも入っているそうですが、あとひとつはいろいろあって断定できないとのこと)

旅行プランは地図アプリ!?

※橋の名前で、これはいいネーミングだな〜と思った橋はありますか?

「ネーミング、そうですね・・・『ニライカナイ橋』というのが(沖縄の)本島にあります。ニライカナイというのは、沖縄で“理想郷”みたいな意味の言葉だそうなんです。

写真協力:吉田友和

 名前からして素敵ですし、沖縄って絶景もすごく多いと思うんですけど、そこはかなり私、個人的に沖縄で1、2を争う好きなスポットですね。海に向かって橋が伸びていて、ちょっと(橋が)カーブしていて美しい曲線を描いているみたいなところなんですよ。なので、晴れた天気のいい日に行くと、海をバックに青い空に橋が伸びているみたいな写真が撮れたりして、すごく素敵なところですね」

●お目当ての橋の情報は、どうやって集めるんですか?

「地図を見るのが好きで、地図アプリですね。地図をいろいろぐるぐる動かして拡大とかしていくと、たとえば半島とその先の小島の間に橋がかかっていたりとかわかるじゃないですか。“ここは橋でつながっているんだ”とか、そういうのがわかったりして・・・大きな湖にやたら長い橋がかかっているのを見つけたりとか、そういうきっかけがいちばん多いですね。そこから、気になったら細かく調べていく、みたいな感じですね」

●地図アプリを見て、それをもとに橋旅のプランを立てるっていう感じなんですか?

「そうですね。やっぱりどこの橋に行くかっていう、橋ありきではあるので、橋の所在地がわかったら、そこにどうやって行くのか、そこに行ったらほかにどんな楽しみ方ができるのか、どんな美味しいものがあるのかとか、そういうのを調べていくと、橋だけではなくて、ほかも含めて旅のプランってできていくのかなっていうふうに思います」

見た目が素敵、渡って楽しい

※橋旅は、その土地の文化や歴史を知るきっかけにもなりますよね?

「そうですね。きっかけは“橋”なんですけど、実際その地に行ってみると、ほかのものにもいろいろ興味がわいてきて調べたりもします。やっぱり橋だけではなくて橋を含めて、その土地や街のことを知るいいきっかけになるのかなとは思っています」

●橋の大小にもよると思うんですけど、渡り切った時とか渡っている最中にどんなことを考えているんですか?

「そうですね・・・橋旅に行く時って最初にまず橋にいきなり行くんですよ。いちばんのメインのテーマなので、それを逃しちゃいけないって、最初に行くんですよね。なので、渡り終わってお腹が空いていたりとかすることが多くて(笑)、じゃあ何を食べようかなみたいな・・・無事にミッション達成! みたいなところがあるので、渡り終えて打ち上げじゃないですけど、その土地の美味しいもの食べに行ったりとかっていうふうになりますね」

●吉田さんが思う“いい橋”ってどんな橋ですか?

「やっぱり見た目が素敵なのと、渡って楽しい! このふたつかなと思いますね。両方満たしている橋は、なおいいかなっていう・・・」

●吉田さんにとって「橋旅」とは?

「先ほども話が出ましたけど、橋だけではなくて橋のある街を旅するきっかけになって、結果的にその街を好きになったりとか、その土地のことを詳しくなったりとか、興味を持ったりとかっていうことがあるので、橋だけじゃなくて旅であるので、旅のひとつのテーマとして、自分の中ではすごく熱いテーマかなというふうに思っています」

『橋旅のススメ!』

●著者として新しい本『橋旅のススメ!』で、改めてどんなことを伝えたいですか?

「橋によっては、橋自体で観光地化していて名所になっているようなところもあるんですけど、割と今回の本では特に観光地ではないような橋も取り上げています。そういうところって昔から地元に普通にあって、地元のかたにとっては見慣れた景色みたいな感じだと思うんですけど、意外とそういうところは面白かったりするので、日本の各地にある橋が実は面白いっていう視点が、少しでも伝わればいいかなというふうに思っていますね」


INFORMATION

『橋旅のススメ!』

『橋旅のススメ!』

 この本では日本全国の橋を巡る旅の中から、30の橋旅を紹介。橋そのものの魅力はもちろん、街の名物やグルメなどの情報も載っていて、橋旅を体験しているような感覚になると思いますよ。この本を参考に、あなたも「橋旅」に出てみませんか。

 産業編集センターから絶賛発売中です。詳しくは出版社のサイトをご覧ください。

◎産業編集センター:https://book.shc.co.jp/22052

 吉田さんのオフィシャルサイトもぜひ見てください。

◎吉田友和:http://tomotrip.net

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