2020/5/16 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、アウトドア・プロデューサーの「長谷部雅一(はせべ・まさかず)」さんです。
長谷部さんは1977年、埼玉県生まれ。2000年から丸一年かけて世界一周の旅を行ない、今もロングトレイルや秘境を、ザックを背負って歩く旅人でもあるんです。自然の通訳「ネイチャー・インタープリター」やBE-NATURE SCHOOLの中心メンバーとしても活躍中。また、アウトドアの経験や自然遊びの知識を活かし、子供たちの自然体験活動もサポートされています。
そんな長谷部さんが先頃、キャンプの入門書を出されたということで、きょうは初心者に向けて、キャンプの初歩的なお話や楽しくなるコツ、そして、おうちでキャンプ気分を味わえるヒントなどうかがいます。
☆写真提供:長谷部雅一
小さい頃からアウトドア
※まずは長谷部さんが、いつ頃からアウトドア派になったのか、お聞きしました。
「僕、アウトドアといっていいか分からないんですけれども、外で遊ぶっていうことでいうと、おおよそ年長さんぐらいの時になんか秘密基地で遊ぶとか、から始まっているんじゃないかなと思っています」
●秘密基地! では、キャンプはいつ頃になるんですか?
「キャンプはですね、僕、ボーイスカウトを昔やっていてですね、その時に初めて経験をしたので、小学校2年生とか、多分それぐらいですかね」
●もう子どもの頃からやってらしたということなんですね。
「そうなんです」
●へー! では、もう楽しみ方の知恵みたいなものも身に付けていましたね、小さい頃からだったら。
「と、思います!(笑)」
●私は全く泊まりのキャンプをしたことがないんですけれども、私のようなキャンプの初心者はまず何から始めたらいいのでしょうか?
「初めからテントを張ったり、タープを張ったりって自分でやるのはとっても大変なので、まずはログハウスとかコテージみたいなところに泊まるっていう、ちょっと日常に近くて、さらに旅館や民宿みたいに宿泊するっていう感覚で、気軽に自然の中で宿泊されるのがいちばんおすすめです」
●キャンプといってもいろいろなスタイルがありますよね?
「そうですね。必ず自分たちで持っているテントやタープを張って、椅子やテーブルを持っていって使わなければキャンプではない、ということではないので、ご自由な形で。さらに自分たちが疲れ過ぎずにちゃんと楽しめるっていうラインでやっていただくといいかと思います」
●本の中に「イエス・ノー・チャート」というのがあって、私もやってみたんですけれども、私は「まずはここから気軽なデー・キャンプ」ということで、日帰りキャンプという項目が出たんです。ほかにもいろんな項目があるんですよね。
「はい! たくさん用意させていただいています。これから始めてみてはいかがですか? っていうゴールのところで言いますと、そのほかにあと4つあります。例えばグランピング、もしくはロッジ、コテージに泊まってみるという方法でしたり、テントに泊まりたいけど、道具を買うまではちょっと……っていう方は、道具を全部レンタルしてみましょうってことでしたり、ファミリーでキャンプをしてみましょうっていう場合でしたり、たまにはちょっとひとりでっていう方用にソロキャンプ、ひとりでキャンプはいかがですか? というようなゴールを用意させていただいています」
どんどん手を抜きましょう!?
※初心者には、いったいどんなキャンプ道具からそろえればいいのか、気になりますよね。まずは、どんな道具を買えばいいのでしょうか。
「これがなかなか難しいところです。もしもデーキャンプも少しレベルを変えてみようかっていうことであれば、通常は明るい時間にデーキャンプをされると思うんですけれども、夜の時間も味わえるデーキャンプにしていただくとより面白いかな〜と思うんですね。そう考えるといわゆるランタンって言われている灯ですとか、個人それぞれがおでこのところにくっ付けられるヘッドライトみたいなものとか、夜を過ごすための道具から揃えてみるっていうのも面白いかもしれないですね」
●なるほど! 本当に楽しみ方がいっぱいあるということですね。
「そうですね。時間軸を変えるための道具っていうのが面白いかと思います」
●キャンプって意外に忙しいと聞いたことがあるんですけれども・・・。
「そうなんです。1泊2日で、ましてや例えば最近テントを買いました、タープを買いました、椅子を買いました、いろんな道具を買いました、これを持ってキャンプしに行こうとなると、まずはチェックインが午後からだとすると、行ったらまず全部、あーでもないこーでもないって言いながら設営。終わったら夕食を作って、気づいたらもう暗いから疲れて寝ることになる。翌朝になったらすぐ片付けろーなんてなるので、全部自前でやろうと思うと初めはとっても忙しいかもしれないですね」
●どうしたらよろしいんですか?
「僕はどんどん手を抜きましょうっていう話をよくさせていただいています。例えば、それこそ小屋に泊まってみるですとか、キャンプ場さんの方でテントやタープも全部張っといてくれているキャンプ場もありますので、そこに体験だけをしに行くっていう方法もあります。で、だんだん自分たちの道具をちょっとずつ足して、それは立てる、それは使うっていう風にやっていくと、テクニックも手早くできるようになることを覚えていくので、いいんじゃないかなと思ってます。そうすると楽しむことをまず初めに体感できますから、じゃあ今度はテントを立ててみようって、少しずつステップアップしてみるのがいいんじゃないかなと思います 」
オススメはサンドイッチ!
※キャンプの楽しみのひとつに、やっぱりご飯がありますよね。そこで長谷部さんおすすめの、手間のかからないレシピを教えていただきました。
「いちばん楽しくって簡単でわくわくするのは、多分、朝食やランチタイムなんかに向いているんですけれども、自分自身でサンドイッチを作ってみるっていうのがいいかなって思います」
●へー! 具材はどんなもので?
「何でもいいんですけれども、例えば、卵をいっぱい、サラダ用にしといてもいいですし、アボカドを切って置いといてもいいですし、ハムをいっぱい置いておいてもいいです。とにかく具材をいっぱい並べて自分たちが食べたいものを、具材を囲みながら自分で挟んで食べるっていうような、手巻き寿司みたいな感覚で楽しむのがいいかなと思います 」
●いいですね。自然の中で好きなものを食べるって気持ち良さそうですね。
「気持ちいいですし、美味しいんですよ!」
●キャンプの醍醐味ですね!?
「醍醐味です!」
●お子さんを連れてのキャンプですと、安全面も含めて、心がけておきたいことなど何かありましたら是非教えてください。
「はい、まずお子さんの変化を常に見ておくっていうことが大事になるんです。いつもと違うアウトドアでずっと過ごしていますから、やっぱりちょっと熱が出てしまったりですとか、熱中症になりかけているですとか、顔が疲れているですとかってあるんですけれども、そこをキャッチすることがいちばん大事ですね。そのためには、まずは自分自身がリラックスして疲れないような状況で楽しむっていうことが大事になってきます」
●長谷部さんはキャンプで何をしている時がいちばん楽しいですか?
「僕はですね、もうキャンプは泊まるための手段になってきてますね。いつもは家族でSUPっていう立って手漕ぎで漕ぐサーフィンみたいなのがあるんですけど、あれで遊んだりですとか、ロッククライミングをしたりですとか、山登りをしたりですとか、そういうことをしてから寝る場所に、キャンプ地に戻ってくるので、もうキャンプの時間でいうと、夜みんなであれが楽しかったね、これが楽しかったねなんて言いながら、星を眺めながらダラダラ焚き火をして過ごすのが好きですね 」
●うわー、素敵ですね! なかなか普段話せないような話もそこではできそうですね。
「できます。もうアウトドアでの遊び自体も何故かいつもよりも感情がいっぱい出てくるので、そんな状況で帰ってきてからキャンプ地で話すと、もっともっと話が盛り上がりますね」
●キャンプのいちばんの魅力って何ですかね?
「やっぱり自然にいちばん近いところで過ごせるっていうことなんじゃないかなって思います。人も自然の一部ですから、やっぱりどこかのタイミングで自然と馴染む時間を持たないと、どうしてもバランスが崩れていってしまうと思いますね。そういった意味でやっぱり自由で自然な状態でいられるようになる、自然と一体化するっていうのが醍醐味なんじゃないかなと思います 」
空を見てキャンプ気分!?
※今、おうちでキャンプ気分を楽しんでいる人って多いのでしょうか?
「今、結構いらっしゃいます」
●どういう風に楽しむんですか?
「今は、キャンプのスタイルを可能な範囲で自宅に持ち込むという形が多くてですね。例えば、お部屋に小さなテントを張って過ごしてみたりですとか、外を感じるためにベランダで食事をしてみたりですとか、お庭がある方はバーベキューをして、そのまま夜テントを張って寝てみるということが多いみたいですね」
●おうちでキャンプ気分を楽しむコツがあれば、是非教えてください!
「はい! みなさん住んでいらっしゃる環境が全然違うかと思いますので、いちばん身近なところでいうと、朝・昼・晩、ベランダから空を見てみるっていうのが、実は入りやすいんじゃないかなと思いますね」
●空ですか?
「ドアを開けて誰でも感じられる自然のいちばん身近なものが空だと思いますので、空を見ながら過ごす機会がいっぱい増えると、ちょっとキャンプ気分に近くなるかなと思います」
●まさに長谷部さんの本は、本当に何から始めたらいいのか分からないっていう方には、たくさんのヒントが載っているので、参考にするっていうのがいいですね。
「この本にはただキャンプ場に行った時だけの楽しみ方が書いてあるのではなくて、キャンプに行く前の楽しみ方が書いてありますので、その部分だけでも、ご家族で挑戦してみるだけでも、充分キャンプ気分、もしくはキャンプの練習、いつかのキャンプのために、なんてワクワク感が感じられるんじゃないかなと思っています」
●そうですね。この期間はワクワク感を高めるには最適かもしれませんね!
「最適だと思います! 我が家はいつも、キャンプに行ったらこれやりたいから、これをおうちで料理してみようみたいな形で、日々楽しく過ごしています」
INFORMATION
長谷部雅一さん情報
新刊『いちばんやさしいキャンプ入門』
長谷部雅一さんの新刊『いちばんやさしいキャンプ入門』は、キャンプを始めてみたいと思っている人にとっては、ほんとにわかりやすくて親切に書いてある本ですよ。新星出版社から絶賛発売中です。ぜひ読んでください。
●新星出版社のHP:http://www.shin-sei.co.jp/np/isbn/978-4-405-08226-7/
長谷部さんのオフィシャル・サイトもご覧ください。
●長谷部雅一さんのHP:http://hasebemasakazu.com