2026/2/8 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、絶景温泉探検家の「鈴木浩大(すずき・こうだい)」さんです。
もともと旅好きだった鈴木さんは、大学生の頃に北海道を車で一周。その時に温泉にハマり、日本全国の温泉を巡るようになったそうです。ところが2000年頃には、国内に行きたい温泉がなくなってしまったそうですが、折しもインターネットの時代が到来、海外の知られざる温泉に目を向けるようになったということです。
そして、世界の辺境秘境にある秘湯を探しあて、これまでになんと! 51カ国1250カ所の知られざる温泉を巡った、唯一無二の温泉探検家なんです。
「絶景温泉探検家」という肩書きは、2023年に初めて本を出す時に出版社のかたが命名。気に入って、そう名乗るようになったとのこと。
「絶景温泉」というのは、鈴木さんがおっしゃるには、温泉からの「眺め」だけでなく、温泉そのものの形や色彩が素晴らしく、また、ほかでは見られない変わった温泉も含め、広い意味で「絶景温泉」と呼んでいるそうです。
きょうは、そんな鈴木さんの新しい本『日本人が知らない 世界の温泉探検録』をもとに、温泉大国フィジーやマダガスカルの凄すぎる温泉、そして水上飛行機をチャーターしてまで行ったカナダの島の温泉など、温泉探検の数々をご紹介します。
☆写真:鈴木浩大

温泉大国フィジー、人が頼り!?
※鈴木さんの新しい本『日本人が知らない 世界の温泉探検録』には、ヨーロッパを除く各大陸から8つの温泉旅が紹介されています。その中から番組で選んだ温泉旅についてうかがっていきます。
まずは、オセアニア編。南太平洋の島国フィジーは、知られざる温泉大国と書いてあります。たくさん温泉があるんですか?
「はい、南太平洋の国々もそうですし、カリブ海とかエーゲ海の国々もそうなんですけれども、島がいっぱいあるところは火山島であることが多いんですよね。フィジーは何十もの島で温泉が湧いているんですけれども、温泉を目的にフィジーに行く人ってあまりいなくて、リゾートアイランドっていうような所ですから・・・。
私は洋書の古書っていうか、古い洋書をインターネットで検索していることが多いんですね。1960年代に書かれた『フィジーの地熱と温泉』という洋書をたまたま見つけて、面白そうだと思って購入してみたら、フィジーにある温泉が何百も載っているんで、これは行かなきゃならない、というようなことがきっかけですね」
●「知られざる温泉大国」の“知られざる”っていうことは、なかなかインターネットにも情報がないってことですか?
「そうですね。今回この本を出版するにあたって、索引を作ろうと思って、インターネットで調べても2、3の温泉を除くとフィジーの温泉は、ほぼインターネットで情報が見つかりません。英語でも全く見つからないので、未だに知られざるままという感じですね」
●どうやって情報を入手したんですか?
「今申し上げた洋書がきっかけなんですけど、今から60年以上前の本ですから、細かなことは、場所とかはあまり詳しく書いてありません。
海外に行く時には、やっぱり車をどう確保するかっていうのがあるんですよね。自分で運転できる国もありますけど、フィジーの離島は、車で川を渡って行くみたいなところが結構あるみたいなので、車を探しましたけど、旅行会社が小さな島には存在しませんでした。
でも、ある旅行会社に温泉リストを見せたら、“大丈夫、大丈夫、みんな行けるよ!”みたいな返事なんで、 “行ったことはあるんですか?”って聞いたら、“いや、ないところも多い”って言うんですよね。でも“大丈夫だ”って言うんで、一応信じて行きました。
そしたらドライバーのかたが、小さな島なのでどの村にも知り合いがいるって言うんですよね。それで村に着いて、知り合いの家をノックして、“この近くに温泉があるか?”って聞くと、“あっ、あるよ!”って言うんで、だいたいどの村でも温泉があってたどり着けました。

中には、ものすごく広い草っぱらを歩いて、その先の洞窟の中にあるような温泉もあって、とても案内なしには着けないんですけども、すべての村で人づてでたどり着いたみたいな・・・だから今のインターネット時代とはかけ離れたような、人のつながりで、すべての温泉にたどり着けたというような感じです」
(編集部注:海外の温泉を巡る旅は、現地で雇うドライバーやガイドさん次第で旅の成否が決まるそうですが、フィジーのドライバーさんは優秀で、鈴木さんの意を汲んで、次々に温泉を探し出してくれたそうです)
ゴミひとつない、フィジーの温泉
※フィジーでは何ヶ所の温泉を巡ったんですか?
「全体で行ったのは12〜13箇所ですかね。というのは、フィジーってやっぱりまだまだ観光化されてない、ものすごく閉じた村があって・・・村によっては村に入るのに村長への貢ぎ物を持って、入村の儀式をやって入るとか、それには日を選ぶ必要があるみたいなところもあって、とても短い旅で行けない所もあるので、今回は車でなんとか行けそうな所っていうので、12〜13箇所の温泉を回ってきました」
●お目当ての温泉はいかがでしたか?
「よかったですよ。特に森の中に古代遺跡のような石組みの露天風呂があったりして、これを事前の情報なく発見したら、ものすごい遺跡を発見したんじゃないかと思うようなところもありました。

あと驚いたのが、綺麗に使っているんですよね、村の人たちが・・・。やっぱり国によっては、露天の温泉の周りにゴミがものすごく散乱している所も多いんですけれども、フィジーの場合にはどこに行ってもゴミひとつ落ちてなく、地元の人たちが大切に(温泉を)使っているんだな~という感じでした」
●フィジーには、どこにでも温泉があるんですか?
「そうですね。だいたい多くの所にあって、逆に言うと、昔の時代に温泉が湧く場所に人が住み着いて、村ができたっていうような感じですかね。
ですから、地元の人たちは“温泉”って言うだけで、“〇〇温泉”とは呼んでないんですよね。日本でも田舎でバスに乗ると、“小学校前”とか“病院前”なんてバス停があって、それは小学校前って言えば、〇〇小学校って書かなくても、そこしかないみたいな感じになるんですよね。
フィジーの場合も、なんとか温泉って言う名前は、特にないということで、こちらが村の名前を勝手に温泉にしたっていうようなことですね。
あと意外にほかの村の温泉のことは知らない。自分の村の温泉は温度も高いので、料理にも使えるし、暖房にも使えるし、もちろん入浴もできるし、それで十分っていうような感じでしたね」
●フィジーのかたがたにとって温泉は、生活の一部みたいな感覚ですかね?
「そうですね。今回新しい本で書いた8つの国の中には、やっぱりそういう国が多かったですね。『知られざる温泉』っていうのは、ローカルな人々が温泉の周りに住み着いて、温泉とともに暮らしてきたみたいな温泉が多かったです」
マダガスカル「アンパラキー温泉」!
※続いて、アフリカ編です。アフリカ大陸の南東に浮かぶ島国マダガスカル。おそらく日本人には、温泉のイメージはまったくない場所だと思います。現地の旅行会社のかたも知らなかった温泉を、どうやって見つけたんですか?
「これもインターネットで探していて『マダガスカルの温泉地図』っていうフランス語の文献みたいなのがありました。マダガスカルは昔、フランスの植民地でしたので、フランスが統治していた時代に作った地図のようでした。
その出典とか、どういう背景で作られたのがわらないんですけども、マダガスカルの国全体で100以上の温泉に印が付けられています。ただ印が付いているだけで、なんていう村なのかもわからないので、ちゃんとした地図に重ね合わせて、村にマークをプロットして、それで(温泉を)探しに行ったというような感じですね」
●へえ~、たくさんあるものなんですか?
「全体で100を超えているんですけども、中には山道を歩いて行かなきゃいけない所もあるので、今回は短い滞在中に行けそうな、あるルート沿いを探すというふうに決めました」
●マダガスカルの温泉のハイライトと言えるのが、本の帯の写真になっている「アンパラキー温泉」だと思います。写真を見ると、変わった形と色の岩の前に、山吹色のプールのような湯だまりがあるんですけども、これがアンパラキー温泉なんですよね?
「そうです。ぜひ本を手に取って見ていただけたらと思うんですね。この温泉を表紙と最初のページに持ってきたのは、何と言っても迫力がある黄土色の温泉プール、日本でいう濁り湯なんですけれども、温泉の成分と土とかが混ざって、こんな色になっているというような感じです」
●お湯が山吹色なので、まさかこれが温泉だって思わないですよね?

「奥に『噴泉塔(ふんせんとう)』って言うんですけど、温泉を噴き出す塔があって、そこから湧いているお湯がこのプールに流れ込んでいるというような感じです。実際は温泉と言っても温度がちょっと低めなんですけれども、太陽で熱せられているので、お風呂自体はそんなに冷たくはありません」
●この温泉があるのは、どんな場所なんですか?
「マダガスカルの首都は、アンタナナリボっていうんですけども、長いので地元の人たちは“タナ”って省略しているんですね。そのアンタナナリボから車で4時間ぐらいの場所にあります。アンパラキーっていう村の外れにあるんですね。観光ガイドブックなんかには全く載っていませんので、基本的には地元の人たちが利用する温泉という感じです」
●そうなんですね。鈴木さんもこの山吹色の温泉に浸かったんですか?
「もちろんですね。やっぱり行って温泉があれば、どこでも浸かりますから(笑)、浸かりましたけれども、もともとこれは濃い炭酸泉なので、ちょっとシュワシュワした感じがあるんですね。

炭酸泉は、温度が高くなると炭酸が抜けちゃう、コーラを温めれば、炭酸が抜けちゃうのと一緒なんですけど、比較的に温度が低いままなんで、炭酸がシュワシュワする感じを楽しみながら浸かれる温泉でした」
●匂いとかってするんですか?
「この温泉は見た目に比べて、匂いとかはあまりなくて、舐めると塩味がちょっと強いっていう感じでしたね」
●マダガスカルでは温泉という意味の言葉が、集落の名前になっているということですけれども、それだけやっぱり地元のかたにとっては、温泉は身近なものっていうことなんですか?
「そうですね。さっきのフィジーと一緒で、温泉のある所に村ができて、その村の名前を温泉にしたっていうような感じです。
インターネットのマップでも拡大していくと、『ラヌマファナ』っていうんですけど、ラヌマファナっていう地名が山ほどあります。だけども地元の人たちは、さっきのフィジーの温泉と一緒で、ラヌマファナって言えば、ここを差すっていうことになりますから、ふたつ以上温泉がある場合は“何々ラヌマファナ”って名前が付くっていうような感じですかね」
(編集部注:海外の温泉は、状況にもよるそうですが、水着を着用して入ることも多いそうです。私たち日本人からすると、水着で温泉!?と、思うかも知れませんが、鈴木さんがおっしゃるには、慣れると気にならないそうですよ)
バオバブの並木、沈んでいく夕陽
※マダガスカルというと、「バオバブ」という、木を引っこ抜いて、根を上にして立てたような巨木が有名だと思います。鈴木さんは、バオバブの並木も見てきたんですか?
「このバオバブの並木道は、首都のアンタナナリボから車で15時間ぐらいかかるので、その日のうちには着けないぐらいの場所なんですね。道もものすごく悪くて、舗装されていない道が続くんですけれども、それでもやっぱり行った甲斐がありました。
子供の頃、図鑑でこのバオバブの木を見て、いつか行きたいな〜とは思っていたんですけど、私が子供の頃は海外に旅行する人は周りに誰もいなくて、自分がいつか行くなんていう発想がなかったんですね。
大人になって、いつか行ってみたいな〜と思ってはいたんですけども、なかなか温泉抜きで行くのも考えられなかったので、今回はマダガスカルの温泉地図を見つけたのと、アンパラキーの間欠泉の写真を見つけたのと、よし! 三点セットで、行ってみようということになりました」
●幼い頃からの夢だった、本にも書かれていましたよね。
「そうですね。実際着くと、夕焼けまで2時間ぐらいあるって言われたんですね。2時間もここにいるかな~と思ったんですけども、ちょっと角度を変えると全然違う姿が見えますし、やっぱり飽きないんですよね。

あっという間に2時間が経って、夕暮れになると何百人って人たちが集まってきて、バオバブを見上げて、なにか同じ空間を共有しているみたいな雰囲気でしたね。音ひとつない中で沈んでく夕陽がとても素晴らしくて、うちの奥さんはこの写真をスマホの待ち受けにしてくれています(笑)」
水上飛行機で行くカナダの温泉島
※次は北米編です。カナダの西海岸に、その名も「温泉島」、「ホットスプリング・アイランド」という無人島があるんですね。
「カナダの温泉をまとめた本が出ていて、その中で見つけた温泉です。ただやっぱり行き方がとても難しいので、どうしようかと思ったんですけど、ホットスプリング・アイランドっていう名前の島は、世界でもほかに見つけたことがないので、これは絶景温泉探検家を自称する以上、いつか行かなきゃいけないなと思って計画しました」
●どのあたりにあるんですか?
「バンクーバーがカナダの西海岸ではいちばん有名で、日本人にとっても馴染みの深い場所だと思います。ブリティッシュ・コロンビア州の、いちばん南側にバンクーバーがあるんですが、その北の端のほうにある、太平洋に浮かぶ島々ですね。これが『ハイダ・グワイ諸島』っていうんですけれども、そのうちのひとつの島が、この無人島のホットスプリング・アイランドです」

●その温泉島に行くのに水上飛行機をチャーターされたということですが、その行き方しかないっていうことですか?
「ほかにカヌーをやる人なら、カヌーで片道2泊ぐらいかけて漕いでいく、なんていうのもあるらしいんですけども、それができない人には、この水上飛行機が唯一の手段という感じですね」
●実際、温泉島はどんな島でした?
「端から端まで歩いて30〜40分ぐらいの小さな島なんですけれども、温泉が湧いているのは、そのうちの西南方向の一角だけなんですよね。
そこは岩場で水上飛行機が着水できないので、飛行機はその反対側に着水します。そうすると着水してから温泉のある所まで、島の中を30分ほど歩いていくんですね。これが昔のままの原生林みたいな・・・なんて言うんですかね・・・森林浴じゃないですけれども、歩いているだけで気持ちがよくなるような島でした。
先ほどハイダ・グワイ諸島って言いましたけど、ここは昔からハイダ族っていう先住民のかたたちの島で、水上飛行機の会社のかたが、気を利かせて、ハイダ族の女性を案内人として一緒に同行させてくれたので、いろいろ説明をしてくれたり、写真のモデルになってくれたりして助かりました」
●島には温泉は多いんですか?
「本によると源泉は26箇所って書いてあるんですけども、実際に入浴できるような露天風呂、岩場の露天風呂は10箇所ほどありました」
●その写真をご用意いただいているんですけど、海が見える温泉! っていうことですよね。
「そうですね。カナダのその温泉本の中でも、作者が“北米でいちばん美しい露天風呂”と書いているぐらい、まさに絶景のオーシャンビュー温泉でしたね」

●本当にオーシャンビュー温泉っていう感じですね。
「3冊目の新刊の口絵にも載っていますから、ぜひ見てください!」
●この露天風呂の入り心地はいかがでしたか?
「これがまさに適温なんですよね。40度よりちょっとぬるいぐらいなので、日本で入る温泉に比べると、ぬるいと感じるかもしれませんけど、長い時間のんびりと入るには絶好っていうか、体温よりちょっと高いぐらいの温度ですね。
露天風呂によって塩味の濃さが変わったりするので、入り比べるのもちょっと面白いっていう感じでした」
●目の前には海が見えるわけですよね。
「この時も、予約した時に“ちょっとでも天気が悪いと、水上飛行機は飛べない”って言われたんですよね。だからその場合には飛べないってことになるので、“支払いは現地でいいよ”って言われたんですよ。事前支払いは要らないと・・・。
飛べないことが多いんだって言われたんですけど、たまたまこの日は風もなく絶好の天気でした。私はよく“今回も温泉の神様が私を守ってくれた”と言っているんですけど、まさにそんな天気でした」
(編集部注:水上飛行機をチャーターというと、いったいいくらかかるんだろうと思いますよね。鈴木さんにお聞きしたら、現地では移動手段として水上飛行機があるので、複数の会社が運行していて、競合になるので、チャーター代もまちまち。鈴木さんは当時8万円ほどでチャーターしたそうですが、今なら円安なので、倍ぐらいはかかるかも知れないとおっしゃっていました)
源泉掛け流しが当たり前!?
※この本で紹介してあるローカルな温泉は、掘削して温泉を掘り当てたものではないんですよね?
「掘削するっていうのはものすごくお金がかかりますし、またたとえばどこかで湧いている温泉をホテルの浴場まで引っ張ってくるのもお金がかかりますし、温度を保つために、お湯を沸かすっていうのもお金がかかります。
今回の本で紹介したような温泉は、みんなその場で湧いている温泉に、その場で入っているというのが大半ですので、いわゆる“源泉掛け流し”って言葉は、海外のローカル温泉に行ったら当たり前っていうか、そうじゃない温泉はないっていうような感じですね」
●日本では温泉はお風呂、つまり入浴するものと思っていますけれども、海外では利用の仕方がほかにもあったりするんですか?
「そうですね。本の中でも述べているんですけど、マダガスカルのある村なんかは、そこにまさに温泉が湧いているから人々が集まってきて、村になったっていう感じです。
そこは温泉が湧いている場所が3区画ぐらいに別れていて、その湧き出し口の所は料理をしたり、お湯を汲んだり、水を汲むための場所。ちょっと離れた所は体を洗う場所。それでちょっと離れると洗濯する場所っていう感じで、お湯の綺麗さに応じて作業が変わっているという感じですね。
その村は周りの村に比べて、丁度を訪ねた時期が日本でいう5月6月に相当する時期だったんですけど、ほかの村よりも稲の生育がすごく良くて、青々としていたなんていう感じもありますので、あらゆることに温泉が使われているという感じです」
●入浴だけじゃないんですね?
「フィジーでも、ものすごく山奥、さっきお話した川を車で越えていくような村に温泉があったんですけども、そこでその温泉はココナッツを乾燥させるのに使っていたんですね。

ココナッツって中身はミルクとして使うんですけども、殻の内側の部分を乾燥させると肥料になるらしくて、それが産業になっているらしいんですよ。それでその村に行くと温泉の熱で乾燥させているっていう感じなので、とてもエコなシステムなんですよね。
ところがそのフィジーの都会近くにくると、やっぱり油を使ってココナッツを乾燥させているので、ものすごく煙も出ているし、作業している人もつらそうなんですよね。だから便利な場所でそういうつらい作業をするよりも、僻地だけれどもエコな環境でできるっていうのを選んだ人たちが、その村に住み着いているという感じでした」

(編集部注:鈴木さんの本には第2部に「温泉旅の極意」が載っています。これは、温泉でなくても、自分なりのテーマで旅をする時にとても参考になるノウハウが満載なんです。ちょっとだけここでご紹介すると・・・
ネットで探しても情報が得られない場合は現地の人に聞く。それも若い人よりも、地元に長く住んでいる年配のかたがいいそうです。
またネットの場合、翻訳機能を使って、その国の言葉で検索し、お目当ての場所の資料は印刷して持っていく。自分では読めなくても、その国の言葉で書いてある資料を見せると、現地の人は読めるので、目的地に早くたどり着けるなどなど、参考になる旅の極意がたくさん載っていますので、ぜひ鈴木さんの本をチェックしてください)
温泉伝説、調査中!
※鈴木さんは、温泉にまつわる伝説も調査中だそうですね。どんな伝説があるんですか?
「私が最初に温泉の伝説が気になったのは、アルメニアっていう国がコーカサス地方にあるんですが、ある温泉に行ったら、シカのマークがミネラルウォーター(のラベル)に付いていて、町中にもシカがシンボルとして描かれているんですね。

それで(町の人に)聞いてみると、この村の温泉は、傷ついているシカが温泉に浸かっているのを人が見つけて、そのシカの傷が治っていくのを見て、温泉を発見したというようなことで、日本各地にある『鹿の湯』って名乗るような温泉と全く同じ伝説が、これだけ距離の離れたヨーロッパにもあるのか、というので、気になったというのがきっかけです。
それから調べてみると、非常に離れた場所でありながら、日本と全く同じような伝説もあれば、全然異なるような文脈の伝説もあって、伝説について調べ始めると、人々と温泉の関わりの原点を知るみたいな面白さがありました。
というのは、昔の人にとって大地からお湯が湧いているというのは、ものすごく不思議な現象だし、何か神様の力なんじゃないかと思うようなところがあるわけですよね。だからそういう意味で、それを昔の人がどうやって解釈したのかっていうのがとても面白くて、温泉の発見伝説っていうのを調べています」
●温泉は地球からの贈り物かもしれませんね。
「そうですね。さっきの伝説の話でもそうですけれども、昔の人が不思議に思ったのは、まさにそこに人を助けてくれるような話があるわけです。
ニュージーランドの先住民でマオリ族っていうかたがたがいますけども、マオリ族のかたたちは、まさにニュージーランドに湧く温泉の所に住み着いて、文化を発展させたっていうようなことです。今でも高い地熱の場所に、肉とか野菜を埋めて蒸して食べる料理がマオリ族の伝統料理として知られていて、観光客もそれを楽しむことができます。
蒸し料理は日本でもありますし、世界各地にあるので、温泉の地熱を利用しておいしく食べようと考えた人たちは、世界中にいたっていうことなんだと思います」
●今年2026年の温泉旅は、どこに行くか決まっているんですか?
「私は1年中ここに行ってみたい! っていう温泉旅行を妄想しているんですけど、その中でやっぱりヨーロッパに温泉発見伝説に関するちょっと興味深い温泉が多いので今調べています。
1回の旅でいけるのは1週間としたときに、その1週間でどこを回れば効率的に回れるかみたいなのを、パズルのように解いていくんですけど、まさにそういうパズルのような作業をやっている最中です」
●では最後に温泉の神様がいるとしたら、どんなことをお願いしますか?
「やっぱり温泉旅を本で紹介したいって言ったときに、重要なのは天気なんですよね。同じ温泉でも土砂降りだったら全く絵になりません。
さっきお話ししたアンパラキーの間欠泉でも土砂降りだったら、全然映えない写真になってしまいます。そういう意味では晴れている状況で旅行したい。さっきの温泉島もめったにないいい天気だったと言われたように、温泉の神様にいちばんお願いしたいのは、訪ねる温泉で雨が降らないで欲しい! ということだと思います」
INFORMATION
鈴木さんの新しい本をぜひ読んでください。ヨーロッパを除く各大陸から、とびきりの8つの温泉旅が載っています。その名の通り、私たちが知らない辺境秘境の温泉、そしてそこにたどり着くまでの、探検のような旅の逸話が満載ですよ。また、日本と海外の温泉文化に関する興味深いコラムや、旅好きにはとても参考になる温泉旅の極意も必見です。
産業編集センターの「わたしの旅ブックス」シリーズの一冊として絶賛発売中。詳しくは出版社のサイトをご覧ください。
◎産業編集センター:https://book.shc.co.jp/22259







