毎回スペシャルなゲストをお迎えし、
自然にまつわるトークや音楽をお送りする1時間。

生き物の不思議から、地球規模の環境問題まで
幅広く取り上げご紹介しています。

~2020年3月放送分までのサイトはこちら

Every Sun. 20:00~20:54

オンエア・ソング 2月16日(日)

2025/2/16 UP!

オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」

M1. THE HOUNDS OF WINTER / STING
M2. WINTER DREAMS / KELLY CLARKSON
M3. WALK OUT TO WINTER / AZTEC CAMERA
M4. BABY, IT’S COLD OUTSIDE / VANESSA WILLIAMS & BOBBY CALDWELL
M5. Snowdome / 木村カエラ
M6. HAZY SHADE OF WINTER / THE BANGLES
M7. WINTERTIME / NORAH JONES

エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」

バレンタインデー直前! エクアドル産の希少なアリバカカオ「森と生きるチョコレート」!

2025/2/9 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンは、シリーズ「SDGs〜私たちの未来」の第24弾! 「SDGs=持続可能な開発目標」の中から、「貧困をなくそう」
「働きがいも経済成長も」「人や国の不平等をなくそう」そして「陸の豊かさも守ろう」ということで、「森と生きるチョコレート」をクローズアップ!

 ゲストは「mamano chocolate(ママノチョコレート)」の代表「江澤孝太朗(えざわ・こうたろう)」さんです。

 江澤さんがなぜチョコレート店をやろうと思ったのか、そのきっかけは、知り合いがエクアドルから買ってきてくれたアリバカカオで作ったチョコを食べたところ、ライチのようなフレーバーと味に感動!

 もともと環境や人権の問題に関心のあった江澤さんは、先住民が「チャクラ農法」という自然農法で作るアリバカカオに魅力を感じたそうです。当時、起業するために会社を辞め、宮城県南三陸でボランティア活動をやりつつ、どんな事業をやろうかと考えていたタイミングだったこともあり、アリバカカオなら、その希少性や美味しさだけで勝負できると思い、チョコレートの事業をやろうと決断したそうです。

 といっても、まったくの素人だった江澤さんは、チョコの作り方をYouTubeなどで必死に勉強し、試行錯誤しながら、アリバカカオのチョコをついに製品化。そして2013年に赤坂見附に「ママノチョコレート」をオープンすることができたそうです。ちなみに、エクアドル産のアリバカカオは、世界でわずか2%の希少品種だそうです。

 きょうは江澤さんに、おすすめのチョコや、現地のカカオ農家を支援する活動のことなどうかがいます。

☆写真協力:mamano chocolate

「mamano chocolate(ママノチョコレート)」の代表「江澤孝太朗」さん

希少なアリバカカオ

※お店の名前「mamano」にはどんな意味があるんですか?

「mamanoはスペイン語で、ママとマノの造語なんですけど、ママがお母さん、マノが手で、お母さんの手という意味でつけていますね」

●ママノチョコレートでは、エクアドル産の希少なカカオ「アリバカカオ」を原材料にして、チョコレートを作っているということなんですけれども、アリバカカオっていう豆がどれくらい希少なのか、あまりイメージがわかないんですね。どのぐらい希少なんですか?

「先ほど世界で2%とご紹介いただいたんですけど、基本的にはエクアドルの固有種で、ほかの国だとあまり育てることができないとずっと言われていて、(他の土地に)持って行っても香りが変わったりとかするので、基本的にはエクアドルの、そんなに大きくない国の中で育てられているものだけですね」

●エクアドルには、どれくらいの数のカカオ農園があるんですか?

「カカオ農園の数はわからないんですけど、アリバカカオの量でいうと10万トンとか・・・世界のカカオ豆は460万トンぐらいだと思うんですけど、10万トンから20万トンぐらいがアリバカカオと言われている品種だと思いますね」

●ほかのカカオと比べて風味とか、どんな特徴があるんですか?

「風味はまず圧倒的にフローラル、華やかっていうのが特徴ですね。本当にお花を想起させるような、白いお花とか黄色いお花とか、そういうのを想起させるような香りが特徴です。あまり酸味もなく渋味も強くなく、っていう感じで食べやすいチョコレートですね」

写真協力:mamano chocolate

●江澤さんご自身もエクアドルに買い付けに行かれるっていうことですよね。

「そうですね。現地にひとりパートナーがいて、2013年から一緒にやっているんですけど、私自身も年に1回か2回、行ったりします」

●初めて買い付けに行かれたのは、いつ頃だったんですか?

「初めて行ったのは、実はお店を始める前ではなくて、お店を始めてから3年くらい経ってから行きました。
 最初はお店でチョコレートを作るのに必死で、(買い付けは)現地のメンバーに任せて・・・その時は知人が手伝ってくれていたので、買い付けのほうは任せて、自分はチョコレート作りに必死になっていましたね」

●へぇ〜! でもそんなに希少な豆っていうことは、買い付けして輸入するのも大変なんじゃないですか? 

「そうですね。品種だけじゃなくて、高いクオリティで安定的に輸入するのがすごく大変ですね。アリバカカオだけであれば、山ほどあるというか、例えば発酵させないでもアリバカカオはアリバカカオだし、品質の悪いものであれば、いくらでも調達できるんですけど、気候変動の影響もありますし、去年からカカオの急騰も始まったので、そういう時でも常に安定的にいいものを買うのは結構大変ですかね」

スタジオでチョコレートを実食!

●きょうはスタジオに、ママノチョコレートで製造販売されているチョコレートをご用意いただきました。美味しそうですね!
 「アマゾンアリバ」「58%アリバカカオとアマゾンバニラ」そして「70%野生クリオロ」という3種類をご用意いただいたんですけれども、パッケージもとてもおしゃれで可愛いですね! ギフトにもすごくいいですよね。

「そうですね。お店も赤坂にあるので、お土産で使っていただくことが多いですね」

●では、どれからいただこうかな・・・まずは「アマゾンアリバ」から。この「アマゾンアリバ」とはどんなチョコレートなんでしょうか?

写真協力:mamano chocolate

「アマゾン地域のアリバカカオを使ったチョコレートで、これはカカオ70%に仕上げています。ちょっと珍しいのは5日発酵とか、チャクラ農法とか、かなり細かくそのカカオの出元を(パッケージに)書いているのがひとつ特徴です。

 味としては、ザクザク食感に仕上げているチョコレートで、アリバらしい華やかな香りと、何ていうんですかね・・・コンチングっていう練る工程を通していないので、香りが全然飛ばずに、ぎゅっと凝縮した香りを楽しんでいただけるチョコレートです!」

●見た目は小さくて薄い板チョコのような感じですけれども・・・ではちょっといただきます〜!

「ザクザクした感じですかね」

●んん〜! 本当だ! ザクザクの食感が楽しいですね! 噛むごとにいろんな香りがする感じがします!

「感じますか!? バナナとかワインとか・・・」

●確かに! ナッツのような香りもするし・・・。

「そうですね。同じアリバカカオでもアマゾン地域で育ったアリバカカオは、だいたい100作物ぐらいと一緒に育っているので、すごくいろんな香りが混ざってくるっていうか、やっぱりテロワールが、土地の香りが影響してくると思いますね」

●優しい甘みで美味しいです! 続いて「58%アリバカカオとアマゾンバニラ」、これはどんなチョコなんでしょうか?

写真協力:mamano chocolate

「これは、アマゾンバニラも現地でしか採れないバニラ、珍しいバニラビーンズを使っていまして、これを結構たっぷりとアリバカカオに練り込んだチョコレートです。こちらはなめらか系です」

●では、いただきます。

「どうぞ」

●んん! 口溶けが滑らかですね! バニラの甘い香りが美味しいです! 「アマゾンアリバ」と全然違いますね! 

「そうですね。同じカカオを使っても結構表現は変わりますね」

●バニラの甘みが濃厚で美味しいです!

「かなりたっぷり練り込んでいます。これは10年くらい前に無農薬栽培をスタートした現地の固有種のバニラですね」

●最後が「70%野生クリオロ」、クリオロっていう名前はあまり聞かないんですけれども、このクリオロってなんですか?

写真協力:mamano chocolate

「クリオロっていう品種がカカオの中にありまして、それこそアリバカカオよりもさらに希少性が高いと言われている品種ですね。エクアドルのアマゾン地域、カカオの発祥の地でもあるので、いろんな野生のカカオがあります」

●へぇ〜! 色は先ほどの2種類と比べると、ちょっと明るい茶色っていう感じですね。

「そうですね。これは、カカオのタネの中身がもともと白いタネで、それを使っているのですごく珍しいんです。なので、ダークチョコレートでも色がミルクチョコレートみたいなチョコレートになります」

●では、いただきます・・・んん!? 美味しい・・・えっ、これなんの香りだ・・・? なんか紅茶のような!

「あ、そうです! 和紅茶っぽい感じ、ストレートティーを飲んでいるような感じ」

●ええ〜っ! チョコレートなのに和紅茶というか!

「香りますね、和紅茶の感じ」

●美味しいですね、これも!

(編集部注:「ママノチョコレート」では板チョコのほかに、生チョコ、ひと口サイズのチョコドロップスなど、いろんなチョコを販売、ぜひオフィシャルサイトでお確かめください。
https://mamano-chocolate.com

写真協力:mamano chocolate

国際協力NPO「ママノアマゾニア」

※江澤さんは去年、国際協力NPO「ママノアマゾニア」を立ち上げました。これはどんな目的で設立したNPOなんですか?

「これは、活動地域は同じエクアドルのアマゾン地域なんですけれども、熱帯雨林の保全と、先住民キチュア族のチャクラ農法を広めていく、そのキチュア族の農法を実践している農家を支援していくのが主な目的です。
 ママノチョコレートでずっとやってきたことと近いんですけれども、こっちのNPOに関しては、短期的に収益が出なくても長期的に支援していきたいこと、そして公益性が高いこと、たとえば植樹の活動とか、そういうことをやっていこうということで立ち上げました」

●なるほど。具体的に現地でどんな活動されているんですか?

「具体的には・・・まだNPOの正式登記がそれこそ今月なんですけど・・・活動内容としては、最初は国土緑化推進機構と協力をして、まず野生クリオロカカオの保全活動をやります。この地域がだいたい1400ヘクタールくらいのジャングルなんです。その中に野生カカオの木が何百本かあるので、そのタネを集めて苗木を3000本ぐらい育てたあとに、野生カカオの苗木をジャングルに植え戻すっていうのをやっていく予定です」

写真協力:mamano chocolate

●現地にはメンバーがたくさんいらっしゃるんですか?

「オフィシャル社員みたいなのはひとりもいないんですけれども、現地の先住民組合のメンバーとか、ママノチョコレートと共通なんですけれども、現地のメンバーがNPOでも理事を兼ねていて、そのメンバーでやってもらっていますね」

●植樹してカカオ豆を収穫できるようになるまでには、だいたいどれぐらいの時間がかかるんですか?

「これは野生カカオと、栽培しているアリバカカオでは期間が違うんですけど、アリバカカオは3年くらいで収穫開始できます。野生カカオはまだ実績がないし、正式な品種特定というところもこれからなので、3年で育つのか5年かかるのかわからない状況ですね」

●未知の領域なんですね。

「そうですね」

●でもその間ずっと(カカオの)木の管理というかお手入れはされるわけですよね?

「そうですね。あとはこの野生のクリオロカカオと一緒に育っているいろんな樹木、熱帯雨林の樹木も3000本くらい一緒に植えていくので、それがいわゆるシェードツリーといって、カカオの(木に)影を作ってくれるような役割を果たします。なので、シンプルにカカオを増やしたいということではなくて、しっかりとお金になる、野生のカカオの木も育てながら、もう一回、熱帯雨林を豊かにするっていうのがコンセプトですね」

「チャクラ」は“森のような農園”!

※前半のお話にも出てきた、エクアドルの先住民「キチュア族」の伝統的な「チャクラ農法」とは、具体的にどんな農業なんでしょうか?

「チャクラ農法は、もう少しよく知られている言葉だと、“アグロフォレストリー”。“アグリカルチャー”と“森”、農業と森を合わせた言葉で、“森のような農園”を指す言葉ですね。

 現地のキチュアの人たちにとっては、チャクラは自分たちの裏庭みたいな意味で使っているので、“うちのチャクラ、見ていく?”っていう感じで誘われたり、“うちのチャクラはこんな植物が生えているよ!”っていう言い方をしたりするので、“裏庭”って意味もあるし、“森のような農園”っていう意味もあります。

 だいたい最低でも20作物くらい、多いところだと100作物くらい育っていて、自分たち家族が食べるものもあるし、ユカとかバナナとかパイナップルとか、あとはお金になるカカオ、グアユサ茶っていうお茶とか、それこそバナナもお金なるものなんですけれども・・・。病気になった時に病院代わりに薬草みたいなものをたくさん使っていますので、いろんな意味がチャクラにあってすごく重要ですね。

 現地のキチュアの人たちにとって、もともとは熱帯雨林を摸倣して、模倣しながらでも自分たちに役に立つようにチャクラを組み立てていくんですね。もちろんナタで雑草も刈ったりしますし、農薬とか肥料を基本的に使わないですね。

 虫が(作物に)付くこともあるので、そういうのもしっかりケアしていますね。カカオの木に関しては剪定したりとか、そういうことはしますけど、それでもいろんな作物があることで、虫も集中して(ひとつの作物に)食べに行くこともないので、一気にカカオだけやられるとか一気にバナナだけってことがなくなるのも、このチャクラのいいところですね」

写真協力:mamano chocolate

●チャクラ農法は、気候変動に対して効果的なシステムとして注目を集めているそうですね。どんなところが効果的なシステムなんですか?

「論文とかも出ているんですけれども、数字でいうと農園の炭素蓄積量が通常のカカオだけを栽培している農園だと80トンくらいです。このチャクラ農園だとバラつきもあるんですけれども、だいたい200トンちょっとなので、2倍から2.5倍くらいの炭素蓄積量があるそうです。
 CO2を吸収して、土であったりとか落ち葉であったりとか、木に蓄積していくことができるので、チャクラ農園が広まればトータルの炭素蓄積量が増える、ということで気候変動の観点から注目されていますね」

(編集部注:「チャクラ農法」は「アマゾン・チャクラ・システム」として国際連合食糧農業機関FAOに「世界農業遺産」として認定されているそうですよ。

 また「ママノチョコレート」は2023年に世界で初めて「チャクラ認証」の取得企業になっています。このチャクラ認証は、エクアドルの非営利法人「チャクラコーポレーション」が発行する認証だそうです)

エクアドルと日本をつなぐチョコレート

※活動場所の、エクアドルのナポ県というエリアは、どんなところなんですか?

「ナポ県はアマゾン地域で、先住民キチュア族の人たちが人口の半分以上を占めている県、エクアドルでも先住民の人口比率って県によって違うんですけれども、このナポ県は半分以上が先住民なので、先住民の権利を守る運動もかなり活発ですし、政府に対してどんどん意見も言ってきますね。

 それこそ、やっぱり自然を守る価値観が、彼らは“宇宙観”、それを言うんですけど、そういう宇宙観を持っているので、すごく自然を大事にしているし、コミュニティを大事にしているっていうイメージがありますね」

●気候的には、どんな感じなんですか?

「気候的には30度超えるくらいで、基本的には常に暑くて、もちろん雨期には大雨が降ったり止んだりして、寝るときには20度まで下がるので、エアコンもいらず、とにかく気持ち良い気候ですね」

●現地に滞在される時って、どうされているんですか? 寝泊りとか?

「寝泊りとかは、ちょっとロマンがなくて申し訳ないんですけど、ロッジに(笑)」

●そうなんですね(笑)

「普通に泊まっているので割と快適で! 先住民って言葉だとイメージが・・・いろんな先住民がいるので、普通に町は町であるので、きれいなロッジ泊まっています」

●治安はいいんですか?

「全然いいですね!」

●食事はどんな感じなんですか?

「食事は・・・まあそうですね・・・“セビーチェ”ってエクアドルだと有名、ちょっと酸っぱい食事なんですが、それも美味しい、基本的にさっぱりすっきりしたものが多いですね。珍しいものだと、“チョンタクロ”っていうコガネムシの幼虫みたいなものを、チャクラの農園で倒した木の中で育てて食すっていう文化はあるので、それは食べさせてもらいますね」

●美味しいんですか?

「美味しいです。美味しいと思います・・・(笑)。日本でも蜂の子とか食べますよね。似たような感じかなと思いますね」

●最後に、ママノチョコレートを通して、どのようなことを伝えていきたいですか?

「エクアドルのアマゾンと、日本に住んでいるお客さんをつないでいくっていうのが、やりたいこととしてはすごくあるんですよね。もちろんカカオのいい品質のもので美味しいチョコレートを作るのが大前提の上ですけれども。

 アマゾンの価値観とか生活を日本のみなさんにも見てみてもらいたいですし、逆にオンラインでつなぐことで、日本のチョコレートのお客さんがどういうふうにその豆を評価しているのか、どういうチョコレートを作って喜んでくれているのかを、現地のみんなにも知って欲しいので、つなぐことをどんどんやっていきたいなと思っていますね。

 あとは現地の友人というか、彼はキチュア族ではなくてシュアール族なんですけど、ファン・カルロス・ヒンティアチュさんていうかたがいて、2023年のノーベル平和賞の候補にもノミネートされていました。やっぱり先住民の権利の運動とか自然保護がすごく密接に結びついているっていうことでノミネートされていたんですけど、彼の言葉で感銘を受けたのが『人は川であり森である』っていう言葉です。仏教の考え方と通じる部分はすごくあるなと思っています。

 自分自身も自然と一体になっているというか、自然に生かされているなっていうのはすごく感じるんですけれども、それを説得力を持った言葉で言える、自信を持って言えるっていうのは・・・自分はこの言葉をまだ自信を持って言えないなぁと思っていますね。
 “自然に感謝しています”というようなことは言えるんですけれども、自分自身が“川であり森である”みたいなことまではやっぱり言えない・・・けど、それを素直な表現で言えるってところにやっぱり、接していて日々感動がありますね」


INFORMATION

 

 「ママノチョコレート」では、エクアドルのカカオ農園と日本をオンラインでつないで、月一回程度、どなたでも無料で参加できるセミナーを開催。次回は2月22日(土)の午前7時30分からの予定。興味のあるかた、ぜひオンライン・セミナーにご参加ください。

 きょうご紹介したチョコレートなど、販売しているラインナップについてはぜひママノチョコレートのオフィシャルサイトをご覧ください。もちろん、オンラインで購入できますよ。

写真協力:mamano chocolate

 赤坂見附のお店にもぜひお出かけください。赤坂見附駅から徒歩2分です。アクセス方法などもオフィシャルサイトを見てくださいね。

◎ママノチョコレート:https://mamano-chocolate.com

 ママノチョコレートの活動は各種SNSで見ることができます。

◎Facebook:https://www.facebook.com/mamanochocolate
◎YouTube:https://www.youtube.com/@mamano_chocolate/about
◎X:https://x.com/mamanoofficial
◎Instagram: https://www.instagram.com/mamano_official/
◎Note: https://note.mu/mamanochocolate

 国際協力NPO「ママノアマゾニア」の活動にもご注目ください。詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください。

◎ママノアマゾニア:https://mamano-amazonia.org/

オンエア・ソング 2月9日(日)

2025/2/9 UP!

オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」

M1. SUGAR / MAROON5
M2. I WANT IT THAT WAY / BACKSTREET BOYS
M3. BITTER SWEET SYMPHONY / THE VERVE
M4. チョコレート / 家入レオ
M5. OVERJOYED / STEVIE WONDER
M6. HUMAN NATURE / 土岐麻子

エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」

「食べるために走る」世界一周自転車旅〜幸せは生野菜!?

2025/2/2 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、旅行作家の「石田ゆうすけ」さんです。

 石田さんは自転車で7年半、一度も帰国せずに世界一周の旅を行なった自転車旅のスペシャリストで、現在は物書きとして、定期的に自転車の旅に出て、その紀行文を雑誌などに書かれています。

 そんな石田さんが先頃『世界の果てまで行って喰う〜地球三周の自転車旅』という本を出されました。きょうは、世界の旅で出会った激うま絶品メシの中から、思い出深い麺類や、素朴で美味しいパンのお話などうかがいます。

☆写真:石田ゆうすけ

写真:石田ゆうすけ

世界一周9万5千キロ! 87か国!

※石田さんには20年ほど前、世界一周の旅を綴った本『行かずに死ねるか』を出されたときに、この番組に出ていただき、それ以来、定期的にご出演いただいていますが、まずは基本的なお話から・・・。

●およそ7年半かけて、一度も帰国することなく、自転車で世界を一周されたということですが、なんでまた、自転車で世界を旅しようと思ったんですか?

「僕の実家が和歌山の白浜ってところで、けっこう旅行者が多くて子供の頃から自転車旅行者を見ていたんですね。自転車にでっかい荷物を積んで、かっこいいな~と思って・・・。15歳の時に和歌山県一周やって、それが面白くて次に近畿一周、大学に入って日本一周やって、次は世界一周っていう簡単な・・・(笑)」

●簡単じゃないです~(笑)

「単純な動機です。もっと広い世界を、って感じです」

●でも7年半、ずーっと海外ってすごいですよね?

「(旅を)やっているともう生活になりますからね。なんということはない、冒険でもなんでもなく、ただ自転車を漕いでいるだけです」

●いや〜すごいです! 親御さんの反対はなかったんですか?

「最初は、反対されるのは見えていたんで、(世界一周の旅には)黙って行こうと思ったんです。親子の縁を切ってでも行こうと思って(笑)。ただ、友達から“それはよくないよ”って説得されて・・・。

 その頃、僕はサラリーマンで広島に住んでいたんですけれども、長い手紙を書いて、それを読んだら反対できないような、なんでこういうことをするのかとか、この夢にどれだけかけているかとか。あとその後の人生、そういったことも理路整然と手紙でまず伝えて・・・それから(実家に)帰って、もう帰った頃にはそれを読んでもらっていたんで理解してくれていたと・・・」

●(旅の)期間っていうのは初めから決まっていたんですか?

「一応、予算の関係もあるので3年半、最初にどういうルートで(世界を)まわるかを出して距離を測って、3年半で走れるやろうと思ったんですけれども、そんなことはなかったという(苦笑)」

●結果的に7年半ということで、4年延びたのはどうしてなんですか?

「そうですね・・・ゆっくり(期間が)延びていった感じですね。出発から2週間ぐらいで、ユーコン川っていうカナダの川があるんですけども、そこに行って、川のほとりにテントを張っていたら、“うわっ!ここをカヌーで下りたいな!”と思って・・・。
 時間とかなかったけど、いいやと思って、カヌー下りを2週間かけてやったのかな。そのあたりからどんどんずれ込んでいって、景色の綺麗なところで、ずっとそこに居続けて見続けていたり、そんなこんなで結局、蓋を開けば7年半・・・」

●興味のあるところには積極的に立ち寄ってとか、そんな感じだったんですか?

「そうですね~。自分で人生の一定期間、自由を与えたわけで、予定に縛られるのはちゃうな!と。今この感動を大切にしたいと思っているうちにどんどん延びていきましたね」

●そうだったんですね~。

「あと行きたいところもどんどん増えていくんですよ。いろんな人と知り合って“あそこがいいよ!ここがいいよ!”って。そういうのを聞いているうちにどんどん距離も延び、時間も長くなったということですね」

写真:石田ゆうすけ

(編集部注:当初3年半の予定だった旅、その資金はサラリーマン時代に食費などを切り詰めて貯め、旅の途中からは雑誌に記事を書くようになり、その原稿料を足しにしながら、旅を続けたそうです。

 世界一周のルートは、まずアラスカに渡り、そこから北米・南米大陸を縦断。そしてヨーロッパを一周し、アフリカ大陸へ。続いてユーラシア大陸を横断し、中国から韓国、そして日本に渡り、下関から、ふるさとの和歌山県・白浜でゴールを迎え、7年半の旅を終えたとのこと。

 走った距離はおよそ9万5千キロ、巡った国は87か国! 自転車には衣食住のための荷物が満載、その重さは自転車を含め、なんと75キロ! これも慣れれば、なんてことない、とおっしゃっていました。

 言葉は、英語が通じないエリアも多くあるので、現地語の辞書を買い求め、挨拶の言葉や「美味しい」などの単語を手に書いて、ペダルを漕ぎながら暗記していたそうです。

 そんな石田さんの新しい本のタイトルが『世界の果てまで行って喰う〜地球三周の自転車旅』なんですが、毎日ペダルを漕ぐ、体力勝負の自転車旅は「食」が特に大事になってくると思います。

 実は、食べることが大好きな石田さんは、グルメライターの顔もあり、台湾に「食」の取材で行った時に、自転車旅が「走るために食べる」から「食べるために走る」に一変! 食べることがいちばんの目的になっていったそうです)

日本の水に「助かった!?」

※今回の本は世界で出会った食がテーマになり、タイトルが『世界の果てまで行って喰う』になったようです。

 それでは、本に掲載されている31編の旅行記から、いくつかお話をうかがっていきましょう。本では「水」「お米」「麺」「肉」などにジャンル分けされています

石田ゆうすけさん

●まずは、水にまつわるお話から。やっぱりこれがないと旅は続けられないですよね?

「そうですね~。僕が日本に帰ってきて、いちばん日本って素敵だな~と思ったのが水なんですよね。すべての町の背後に緑豊かな山があって、走っていると水場があちこちにあるんですよ。岩場からパイプを通して水が流れていて、ヒシャクがあってカップがあって、ご自由にどうぞ!って感じで、天然水があちこちで汲まれていて、その水がどこで飲んでも美味しくて!

 世界はけっこう硬水が多いんですよ。硬いんですよ、水が。ところが(日本では)あちこちで軟水の柔らかくて甘い水が滴り落ちていて、そのことがとにかく輝いて見えて、最初にそれを見て飲んだ時に、体の奥から“助かった!”って声が聞こえたんですよ。

 っていうのは、僕の体感ですけど、世界をまわって7割ぐらいは乾いた土地だったですよね。砂漠も多くて、いつも町に着いたら、次の水場まで何キロだって聞くことが習慣になっていて、水をどれだけ積むかって・・・。本当に命にかかってきますので・・・当時情報もなかったですから、常にそのことに気を張っていた。

 日本に帰ってきたら、あちこちに美味しい水が流れていて、潤っている大地を見ながら、“助かった!”って思った時に、よっぽど渇きに対する恐怖が自分の中に蓄積されていったんだなって、改めて思ったことがあったので、この旅の本では、まず水っていう大きなテーマを取り上げたんです」

●本を読んでいて喉が乾きました!(笑) 荒野を走っているシーンとかで、(喉が)カラカラになりました! 走る地域とか距離とかにもよりますけど、何リットルぐらいのお水を積むんでしょうか?

写真:石田ゆうすけ

「いちばん乾いていたところで20リットルぐらいですね」

●生水は飲めないんですよね?

「いや、基本、現地の人と同じことをやっていたんですよ。現地の人が飲んでなかったら飲まないし、飲んでいたら生水を飲む。もう慣れていくので、体が・・・」

●南米大陸の最果てパタゴニア、ここは荒涼とした大地が広がっているイメージありますけれども、水がとても豊富なエリアがあるんですね?

「そうですね。南のほうに行くと森林地帯があって、大体そういうところでは、氷河から流れている水があるんですね。氷の水って柔らかい軟水なので、パタゴニアの水はうまかったですね」

●「甘い水の桃源郷」と表現されていましたけど、それくらい素敵な場所だったんですか?

「そうですね~。僕の体験だけの話なので、ほかに(水が)うまいところがあるかもしれませんけど、僕の中ではパタゴニアが、水がうまかったところではいちばん甘い!と思いましたね」

●なぜ甘いんですか?

「ずっと硬水を飲んできていたから、氷河の水を飲んで、久しぶりの軟水だったせいで柔らかい、その舌ざわりが甘く感じるっていうところがあると思います」

写真:石田ゆうすけ

いちばんはモロッコのパン!

●続いて石田さんの好きなパンの話題に入りたいと思うんですが、パンの消費量が世界一の国ってトルコなんですね?

「らしいですよね~」

●意外だったんですけど・・・。

「そう、僕もあとで調べてわかったことなんですけど・・・振り返るとトルコ(の人)はほんとパンを食べています!」

●パン屋さんが多いってことですか?

「各町にありますね~、焼きたてパンを売っている(パン屋さん)」

●どんなパンが定番なんですか?

「定番はフランスパン、バゲットをちょっとずんぐりむっくりにしたような形のパンですね」

●お味は?

「うまいっすよ! 本当に! やっぱり、まあまあバゲットの味に近いかな? でもバゲットよりもずんぐりむっくりしているので、もっとふわっとしていて、小麦の味がブオンとくるというか・・・」

●いろんなパン屋さんがあるんですね?

「各町にあって、夕方に着くと、けっこう夕方のイメージがあるんですけど、パンの香りが町中から漂ってくるみたいな感じで、腹が減っていましたね」

●石田さんの中でいちばんのパンが、モロッコのバゲットだったということですけど、それはどんなパンだったですか?

「やっぱり(モロッコは)フランス統治だったので、フランスの食文化が流れているおかげで、地元アラブの丸いパンもあるんですけれども、バゲットが主流だったイメージがありますね。

 フランスのバゲットより、もっと細長いパンで・・・僕が美味しいと思ったのは、田舎の手作りで焼かれているようなパンを、おっさんが自転車の前カゴに突き刺して売りに来ていて、湯気が立っているんですよ。

 それをもらってかぶりつくと甘いんですよ、ものすごく! なんか似ているなと思って、バターとハチミツをつけて食べたら、これやっぱりホットケーキだ! バゲットなんだけど、パリッと皮のはじける快感と香ばしさもありながら、ホットケーキのようなしっとりした柔らかさと甘さもある、それが砂糖の甘さじゃなくて、小麦粉の甘さ。

 このネタというか本の記事が最近ネットに出たんですよ、Yahooのニュース。僕正直この話を書くのをビビってたんですよね。っていうのは、モロッコのパンが美味しいっていう話ってあんまり聞かなくて・・・。僕の記憶の中では圧倒的に1位だったんですけど、これを書いて“ヤフコメ”でまたさんざん叩かれるんだろうなとか思っていたら、これが出たよと思って、その“ヤフコメ”を見たら、けっこういたんですよ、(パンが美味しいのは)“モロッコ”っていう人がけっこういて・・・やっぱりそうなんだと、すごくほっとしましたね」

涙ぼろぼろ、ウズベキスタンのうどん!

●では麺にいってみましょう。やはり麺といえば中国ですよね?

「そうですよね~」

●地域ごとにいろんな種類の麺があるようですけれども、どこで食べたどんな麺が印象に残っていますか?

「ほんとに美味しいのは中国の、特に僕が好きなのは、ウイグル自治区の“ラグ麺”っていう、うどんにトマトとか羊の肉を炒めたものをぶっかけたような料理なんですけど、味で言えば、それなんですね。

写真:石田ゆうすけ

 思い出に残っているという麺で言えば、ウズベキスタンで食べた、これは“ラグマン”っていう、おそらくつながりはあるんですけど、料理は全然違っていて、それもうどんなんですけど、汁にすごく浸かったうどんで、そういうのを食べているってまったく知らずに、イランからウズベキスタンに入って(現地の)食堂に入ったら、それをみんな食べていてびっくりしたんですよ。

 っていうのも、さっき申し上げたルート上で、初めてそこで汁の麺に出会うんですよ。そこまで6年かかっているんですよ! すごく興奮して“これ、くれ!”って言って指差して・・・食べたら、ほんとうどんなんですよ、麺は。味はトマト味のちょっとシチューみたいな汁に浸かっていて、それをずるずるって吸い上げる感覚とか、うどんの小麦粉の香りとか、噛む食感とか、そういうのが体に入った瞬間に体の奥から帰ってきた!と思ったんですね。

 その途端にバーって自分の背後に6年分の道のりが見えた気がしたんですね。それまで各大陸にゴールがあって、たとえばアフリカだったら喜望峰という南の端っこがゴール、そこまで向かって(自転車を)漕ぐわけなんですけど、そこに着いて喜望峰のモニュメントを見たところで感動しないんですよ。見るだけじゃ入ってこないっていうか、視覚って脆弱なんだなと・・・。

 ただ、うどん“ラグマン“を食べた時に体中で味覚、触覚、嗅覚全部で、体全体で味わった時に、初めてこの旅が長かったなと思ったんです。6年分が見えた気がして、やっと帰ってきた!って心の叫びが聞こえて、その時に生きて帰ってきた!っていうことを初めて実感できて、ぼろぼろ涙が出てきたんですよ。

 それまでほんとに旅は一瞬一瞬があるだけ、その時の一瞬一瞬があるだけなんですよ。生きている時に自分の人生を振り返って、長かったなって思わないじゃないですか、今の一瞬一瞬があるだけで・・・。旅も一緒で6年旅していても長いなんて感じないんですよ、その日その日があるだけで・・・。

 ただ(ラグマンを)食べた瞬間に6年の道のりが見えた時に、長いこと旅してきたな〜、よくぞ生きて帰ってきたなって思えて、ぼろぼろ泣きながら食べて、その味が忘れられないってのはありますね」

(編集部注:石田さんの本には、もちろん「肉料理」のお話も載っています。石田さん的にいちばん印象に残っているのが、アルゼンチンの国民食ともいえる「アサード」だそうです。これは牛肉の赤身をBBQで食べるものなんですが、アルゼンチンのかたは、毎週末に必ずといっていいほど「アサード」を楽しむそうですよ)

料理は現地で食べてこそ!

※いろんな食のお話をうかがってきましたが・・・その土地の食べ物は、その場の気候や風土と密接につながっていますよね?

「今回の本って“地球三周の旅”って副題がついている通り、三周分まわっているんですけれども、僕が世界一周7年半の旅でまわったのは二周半分なんですよ。残りの地球半周分はそのあとの旅なので、今こういう仕事をしていますから、その世界一周の時に走れなかった国を攻めて、自転車で走っているんですね。

写真:石田ゆうすけ

 その中にミャンマーという国があって、そこで食べた“モヒンガ”っていう麺料理が本当に美味しくて! これを持って帰って日本で本気でやれば、第二のタピオカになるんちゃうか?(と思って)けっこう本気で考えたりしたんですよ。

 で、帰国して、それから今そんなことしなくても、高田馬場に“リトルヤンゴン”って言われているような、ミャンマー人街があるんですね。ミャンマー料理がたくさんあるので、レストランに食べに行ったんですよ、その“モヒンガ”を。そしたらなんか違和感が・・・。

 こっちに住んでいる、ミャンマー人用に作られているレストランなので、完全に本当の味なんですけれども、その味を日本で食べたら・・・“モヒンガ”ってナマズを出汁にしているんですね。旨味がすごく強いんですけど、魚のにおいもけっこう強くて・・・だから日本で食べると(においが)強いんですよ。あんなにミャンマーで食べて美味しかったものが、日本だとこれは流行らないな~って正直思ったんです」

●やっぱり(モヒンガは)ミャンマーで食べるから美味しかったってことですか?

「そう、そういうことは旅しているとよく感じるんですけど・・・特にお酒。お酒も現地で飲んで美味しいと思って、帰ってきてこっちで飲んだら、あれ? っていうのはよくあるんです。その時に思ったのは、やっぱり料理って現地の食材を使って水を使って、現地の環境、空気のにおいとか、そこで食べて最上になるように作られている、当然のことながら。

 なので、そこで食べてこそ本来のうまさを味わえる。それをそのまま持ってきて東京で食べたところでやっぱり違う、違和感が先に来るから。やっぱり食文化ってそういうことなんだなって。そこで食べるからこそ地域独特の味ができあがるし、そこで食べるのが最上なんだなって感じましたね」

サラダと白ワイン〜幸せの感度

※世界を7年半もかけて巡ったあと、日本に帰ってきてからの、いちばんのご馳走はなんでしたか?

「本の最後にも書いているんですけれども、サラダなんですよ」

●生野菜!

「生野菜! それは7年半、世界をまわって最初申し上げた通り、7割ぐらい乾いた土地だったので、生野菜を食べる地域もそんなにないんですよね。そういうところをずーっと走ってきて、日本に帰って幸せだと思ったのは、水だったってことは最初申し上げましたけど、やっぱり食べることで言えば、フレッシュな生野菜とワインを一緒に口に入れる、生野菜のシャリシャリした感覚、舌触りとかみずみずしさとか、それを白ワインでマリアージュしながら広がっていくうまさとか、それが本当に今幸せで・・・。

 この感覚って、南極越冬隊の人たちにとって、いちばんのご馳走は何かって、千切りキャベツらしいんですよ。みんな言うらしいんですね。それはやっぱり生野菜に飢えているから。キャベツがいちばん日持ちするから、半年に1回(食料の)補給があるらしいんですけれども、最後まで生野菜を食べられるのはキャベツらしいんですね。

 それが(食堂に)出るのがみんな楽しみらしくて、隊員たちはそういう話を書いているんですね。僕の友人で世界をやっぱり自転車でまわった友人、そういうことする人はいっぱいいますから、何人もいるんですけども、彼が同じことを言っていたんですよ。やっぱり“生野菜が自分にとっていちばんのご馳走だ”って言っていて、やっぱりそうなるよねって、盛り上がりましたね」

●日本にいると当たり前に生野菜を食べちゃっていますね。やっぱり世界に行くことで、日本の良さっていうのも気づきますよね。

「改めて感じるっていうことと、あとこの本で何が言いたかったかっていうと、世界各地の料理にこんなことがあるよ! こんな料理があるよ! っていうことを冒険活劇を読むように楽しんでもらいたいっていうことが、ひとつあるんですけれども、もうひとつ、ものすごく大げさに言えば、人にとって幸せって何やろ? っていうところを自分なりに追求した本だと思っていて・・・。

 それはやっぱり自転車に乗っているとめちゃくちゃ腹が減るんですよ! もう食べることしか考えられなくなる、獣のように食べるんですね。
 でもガツガツ食らっている時のその恍惚に、さらに現地でのいろんな人との出会い、そういうスパイスがあって、食べることの幸せっていうのが、もうこれ以上のものはないなっていうことをずっと体験してきて・・・。

 僕がこの旅をしたことで何を得た・・・得たって変なんですけど、何か変わったなっていうことがあるとすれば、幸せに対する感度が高くなった。つまりちょっとしたことで幸せになれるだと思える。当たり前に食べていたものでも、サラダひとつとっても、それまで感じなかった歯触りだったり、食物繊維がほどけていく感覚とかに意識が向くんですよ。それは食べられなかったから、海外で当たり前に食べられなかったから、そういったことで幸せに感じる。

 だから僕は今すごく小さなことでも幸せだなって思える。それはなぜかと言えば、こういう旅をしてきたから。(旅を)やったからこそ、今まわりにたくさんある幸せに気づけたっていうのは、すごく大きいなと思っていて・・・そういったことを食というものを通して、読んだ人が読んだ後に見える世界が変わっていたらいいなって・・・おそらく幸せっていっぱい転がっていて、それに気づけるかどうかが大事なんじゃないかなと思うんですね」

写真:石田ゆうすけ

☆この他の石田ゆうすけさんのトークもご覧ください


INFORMATION

 

『世界の果てまで行って喰う〜地球三周の自転車旅』

『世界の果てまで行って喰う〜地球三周の自転車旅』

 石田さんの新しい本をぜひ読んでください。食にまつわる31編の旅のエッセイは、どれも絶品! その場の風景や人、気温や湿度、さらには、においまでも感じる描写に圧倒されます。きっとそのページで紹介されている食を食べたくなると思いますよ。新潮社から絶賛発売中! 詳しくは出版社のサイトをご覧ください。

◎新潮社:https://www.shinchosha.co.jp/book/355751/

 オフィシャルブログ「石田ゆうすけのエッセイ蔵」もぜひ見てください。

◎石田ゆうすけのエッセイ蔵:https://yusukeishida.jugem.jp

オンエア・ソング 2月2日(日)

2025/2/2 UP!

オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」

M1. BICYCLE / LIVINGSTON TAYLOR
M2. BICYCLE SONG / RED HOT CHILI PEPPERS
M3. AQUA DE BEBER / ASTRUD GILBERTO
M4. SWEET MEMORIES / JADE ANDERSON
M5. COUNT ON MY LOVE / LIZ PHAIR
M6. Recipe / 山下達郎

エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」

2025年1月のゲスト一覧

2025/1/26 UP!

◎鹿住貴之(認定NPO法人「JUON NETWORK(樹恩ネットワーク)」の事務局長)
日本の森林を守り、農山村を支援する「JUON NETWORK」〜ボランティア活動のすすめ』(2025.1.26)

◎『シリーズ「SDGs〜私たちの未来」の第23弾!〜長野県諏訪市にある「REBUILDING CENTER JAPAN」のリサイクル事業にフォーカス!』(2025.1.19)

◎雨宮国広(縄文大工)
「JOMONさんがやってきた!」〜みんなで地球をキラキラ星に!』(2025.1.12)

◎川口慎介(国立研究開発法人「海洋研究開発機構(JAMSTEC)」の主任研究員)
広くて深い海は謎だらけ〜海中で鳴っている音!?』(2025.1.5)

日本の森林を守り、農山村を支援する「JUON NETWORK」〜ボランティア活動のすすめ

2025/1/26 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、認定NPO法人「JUON NETWORK(樹恩ネットワーク)」の事務局長「鹿住貴之(かすみ・たかゆき)」さんです。

 JUON NETWORKは都市と農山村をつなぎ、地域と自然を元気にする活動を行なっています。大学生協を母体に設立されたJUON NETWORKがなぜ、都市と農山村をつなぐ活動を始めるに至ったのか、その背景には、大学生協が過疎化の進む地域の廃校、小学校をセミナーハウスとして再生したこと。

 そしてもうひとつの大きなきっかけが、1995年1月に発災した阪神・淡路大震災。
 被災した大学生たちのために、仮設学生寮を作ることになり、その際、徳島の林業関係者から間伐材で作った組み立て式のミニハウスを提供してもらったこと。ここで農山村とのつながりが生まれます。

 1995年の阪神・淡路大震災はボランティア元年とも呼ばれ、多くの大学生も支援に駆けつけましたが、その際、学生の間から、普段からボランティア活動をしたくても「場」や「きっかけ」がない。活動するためのネットワークがあれば、という声があがったそうです。

 そこで学生たちの活動の場づくり、そして都市と過疎化が進む農山村をつなぐ活動をしたい、そんな思いから、大学生協の呼びかけで、1998年にJUON NETWORKが設立されたそうです。

 設立当初からのメンバーである鹿住さんは、大学生のときに知的障害者の子供たちと遊ぶボランティア・サークルに所属。また、東京で学生ボランティアのネットワーク作りにも参加していたこともあって、JUON NETWORKのスタッフになったそうです。

 きょうは、以前にもこの番組にご出演いただいた鹿住さんに、いろいろな活動の中から、おもに間伐材を有効活用する「樹恩割り箸」のほか、「森林(もり)の楽校」や「田畑(はたけ)の楽校」のお話などうかがいます。

☆写真協力:JUON NETWORK

鹿住貴之さん

樹恩割り箸〜森作りと仕事作り

※オフィシャルサイトを拝見して活動のひとつとして「樹恩割り箸」というのがありました。これはどんな活動なんですか?

「日本の森林を守るためには、ただ放っておけば守れるっていうことではなくて、手入れが必要だと。その手入れのひとつが間伐、“間(あいだ)を伐採する”で、間伐ですね。その “間伐材”とか、あるいは“国産材”が使われることで山側にお金が入るので、森の手入れが進むっていうことになる。日本で森林を守るっていうことは放っておくことじゃなくて、国産材とか間伐材を使うということが、すごく大切なんですね。

 日本の森林を守るために、間伐材や国産材を原材料として使うっていうことと、もうひとつ大きな特徴としては、障害者の仕事作り。いま全国4つの障害者施設、障害者と言っても知的障害の人たちが多い施設なんですけれども、その障害者施設で割り箸を作って、大学の食堂で中心的に使ってもらっています。ほかにも一般のスーパーだったり飲食店でも使っていただいたりしています。

 なぜ私たちが割り箸作りに取り組んでいるかというと、日本の森林を守るために国産材・間伐材を使うことの中で、JUON NETWORKがもともと大学生協とつながりがあったということ。学生に間伐材とか国産材を使ってもらうには、大学生協が経営している大学の食堂で割り箸として使ってもらえばいいということから、1998年の設立の時にスタートして、26年ぐらいやっています。そういった取り組みですね」

写真協力:JUON NETWORK

●大学の食堂などで使われているということでしたけれども、一般のかたでも購入はできるんですか?

「はい、そうですね。私どものウエブサイトから購入していただくことができます」

●樹恩割り箸は、年間ではどれぐらい売れていますか?

「大体1000万膳っていう(笑)ちょっとあまりピンとこないと思うんですけれども、1000万膳という量を製造しています。日本で割り箸が1年間にどれぐらい使われているかってわかりますか?」

●え~〜!? どれくらいだろう・・・(笑)

「考えたこともないと思いますけど・・・(笑)」

●でもかなりの量ですよね?

「はい、190億膳と言われています」

●うわっ!

「これでもあまりピンと来ないと思うんですけれども、日本の人口がたとえば1億2000万とか3000万人ですけど、1億人って考えると、ひとり(年間)190膳ぐらい使っているということなんですね。

 木材の自給率はずっと20パーセントぐらいだったけれども、最近ちょっと上がってきていて、40パーセントを超えたんですね。それでも木材の自給率は少ないですけどね。こんなに森があるにも関わらず、外国の木を6割使っているっていうことですから。で、割り箸の自給率は、実は2パーセントしかないんですね。

 ですから、ほとんど海外から入ってきているんです。その国産の割り箸のうちの大体2パーセントぐらいが、JUON NETWORKの割り箸っていう感じです」

写真協力:JUON NETWORK

(編集部注:樹恩割り箸は現在、福島の南会津、埼玉の熊谷、東京の日の出町、そして徳島の4つの知的障害者の施設で製造。材料はもちろんその地域から出た間伐材です。こうすることで、障害者のかたの仕事作りのほかに、森作りにも役立っているということなんですね)

森林の楽校〜森の手入れ

※ほかにも「森林(もり)の楽校」そして「田畑(はたけ)の楽校」という活動があります。まずは「森林の楽校」、これはどんな活動になりますか?

「森というのは手入れが必要です。森林ボランティア活動っていうと、木を植えることを多くの人がイメージすると思うんですね。木を植えることも大切なんですけども、むしろその後の手入れのほうが大切なんです。

 例えば、木を植えます。日本では春に植えることが多いんですけれども、春に植えると、夏になると周りの雑草がたくさん生えてきます。木は大きくなるけど、成長はゆっくり、草は大きくならないですけれども、成長が早いということで、植樹した木を、夏になると周りの雑草が覆い隠しちゃうので、日の光が当たらなくなってしまい、木の成長が阻害されてしまうわけですね。そこで周りの雑草を刈ってあげる、下草刈りとか下刈り、光が木に当たるようにする作業、これが手入れのひとつですね。

写真協力:JUON NETWORK

 植えてから7年ぐらいは、木が草よりも大きくなるまで下草刈り、下刈りやるんですけども、成長してきて10年ぐらい経ってくると、外から山のほうを見ると緑がたくさんで、日本はいいな~って思うかもしれないんですけども、枝が伸びてきますので森の中が真っ暗、木に光が当たらない状態になってしまうんですね。

 そうすると森の役割が発揮できなくなってしまいます。例えば緑のダム機能、水を溜め込んでいつまでも川に水を流してくれるような、そういう機能とか、二酸化炭素を吸収する機能が発揮しにくくなるので、間伐して木を間引く、森の下まで光を当ててあげる作業ですね。そういう手入れをボランティア活動として取り組んでもらうのが“森林の楽校”です。

 こういう活動に、JUON NETWORKの特徴でもあるんですけども、単発でもいいから参加してくださいっていう、イベント的なボランティア体験、森林ボランティア活動の入門的な活動が“森林の学校”になります」

●日本全国で開催されているんですか?

「そうですね。北は秋田の白神山地から、南は九州の長崎とか佐賀、全国18か所で開催しています」

田畑の楽校〜援農ボランティア

※続いて「田畑(はたけ)の楽校」について。これはどんな活動ですか?

「これは過疎高齢化で大変な農家さんをお手伝いしようということで行なっている活動、農家を応援する支援する援農ボランティア活動です。この援農ボランティア活動もやはり入門的な活動になります」

写真協力:JUON NETWORK

●現在、何か所の農家さんを支援されているんですか?

「いま全国4か所でやっています。いちばん古くからやっているのが山梨のブドウ農家のお手伝い、次に始まったのが和歌山県の那智勝浦の棚田、お米棚田のお手伝いで、次に三重県のミカン農家のお手伝い、それと長野県のリンゴ農家のお手伝いという、その4か所で開催しています」

●ブドウ作りのお手伝いとかって、普段できないですよね? 参加者の中から農家さんに転身されたみたいなかたもいらっしゃるんじゃないですか?

「そうなんですよね。農山村地域と都市を結ぶ活動は、私たちは交流人口って言って、 農山村地域に行く人を増やすような活動が基本です。その体験的な入り口を作っているのがJUON NETWORKの特徴なんですね。

 山梨のブドウ農家のお手伝いで、交流人口から農山村地域に移り住む定住人口、実際にブドウ農家になったかたが4家族いるっていうことで、JUON NETWORKの活動の中では、いちばん移住した人が多い活動ですね」

写真協力:JUON NETWORK

●この「森林の楽校」や「田畑の楽校」に参加したいと思ったら、どのようにしたらいいんでしょうか?

「JUON NETWORKのウエブサイトを検索していただいて、そこから申し込みができます。もちろん電話でも申し込めます」

●会員じゃなくても体験だけの参加もできますよね?

「そうですね。基本、私たちは会員ではない人にも参加していただきたいということで、会員にならなくても参加できますし、むしろ会員でないかたの参加のほうが多いです。ただその中から会員になると、会員割引っていうのもあるので、会員になっていただくっていうことも多いですね」

環境教育のリーダーを育てる

※オフィシャルサイトに「森林ボランティア講座」の情報が載っていました。これは具体的にはどんな講座なんですか?

「ちょっと前までは“森林ボランティア青年リーダー養成講座”っていう名前だったんですけども、“里山・森林ボランティア入門講座”っていう名前に変えたんですね。

 これは、大学生協が呼び掛けた組織っていうこともありますので、若い森林ボランティアのリーダーを育てようっていうことでスタートしています。大学生や高校生が参加する場合もあるんですけども、基本は大学生から40歳代、50歳未満のかたを対象としています。森林ボランティア活動の技術を身につけていただいて、将来的には活動のリーダーになっていただくことを期待しているっていう、そういう5回連続講座ですね。日にちは離れていますけれども、5回の講座がひとつになっています」

●JUON NETWORKでは「エコサーバー検定」という資格制度も実施されています。これはどんな資格なんですか?

「環境教育のリーダーを育てようということで、森林ボランティア活動も最近は取り入れているんですけども、小学生とか中学生とか、そういう子どもたちに向けたような環境教育を学んでもらう資格制度です。

 アメリカに“プロジェクト・ラーニング・ツリー”、木に学べっていう、木から世界を学ぶっていうような感じで、ほかにも環境教育のプログラムがあるんですね。そういうものを(リーダーとして)実施できるように学ぶっていうことと、あと野外での作業の技術を学ぶという、リーダーの養成を目指して実施しているものです。今年度は2月からスタートし、2月に1回3日間の講座やるんですけども、(今回で)20回目ということになります。

 JUON NETWORKのエコサーバーっていう資格が取れるだけではなくて、それが取れると、日本共通の指導者資格、『自然体験活動推進協議会CONE(コーン)』が進めている、『ネイチャー・エクスペリメンス・アクティビティ・リーダー NEAL(ニール))』っていう自然体験活動リーダーっていう資格があって、そういうものも取ることができます

(編集部注:鹿住さんいわく、日本ではボーイスカウトやカブスカウト、YMCAやキャンプの協会、ネイチャーゲームの協会など、それぞれの団体が自然体験の指導者を養成する活動を行なっていますが、その共通の資格になるのがNEALだそうです。詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください)

◎自然体験活動推進協議会:
https://cone.jp

◎NEAL:
https://neal.gr.jp

ボランティア活動、意識の変化

※いまやSDGsという言葉がメディアで盛んに取り上げられて、その意味や目的などが一般的になってきたと思います。鹿住さんはJUON NETWORKで26〜7年、活動されてきて、いまどんな思いがありますか?

「(設立された1998年)当時は本当に間伐っていう言葉も一般的じゃなくて・・・実は日本でも木を植えてからやっぱり30年、40年、50年ぐらいは間伐が必要な時期なので・・・その頃に比べたら間伐を知っている人も非常に多くなったと思います。

 私たちの“樹恩割り箸”が、間伐を知っていただくために果たした役割もあったかなと思うんですけれども、そういうことがあまり知られてないようなところからやってきていると、だいぶ社会的な理解も進んできたなぁというような思いを強く持っていますね」

●20年くらい前と比べて、「森林の楽校」などに参加されるかたの、意識の変化みたいなものって感じますか?

「そうですね。 特に東日本大震災前後で、参加する人の動機って言うんですか、ちょっと変わってきたような感じも受けているんです。昔から自然に触れたいみたいなことだったり、森のためになんかしたいとか、ボランティアしたいっていうのはあったと思うんですね。東日本大震災以降、能登半島地震もありましたけれども・・・。

 やっぱり自然を生活の中に取り入れ入れたいって言うんですかね、自然とのつながりを持つ必要性みたいなものをお感じになって参加するっていうような・・・だから暮らしの中で森を切り離して守るっていうよりは、暮らしの中に森とどうつながるかみたいなことを意識しているかたが多くなっているような印象があります。

写真協力:JUON NETWORK

 で、ボランティア活動を災害のボランティアってことで、自分は子供の時、小さかったからボランティアとして被災地に行けなかったけれども、大人になってボランティア活動をしたいと。で、調べていたら自然に対するボランティアもあるんだってことで参加しましたみたいな・・・ボランティアについても、社会的にも関心が広がってきているかなという気もします」

●鹿住さんご自身はいろんなNPO法人の理事などを兼任されています。その辺りはどんな思いがあるんでしょうか?

「私たちもそうですけれども・・・実はJUON NETWORKの設立と同じ1998年にNPO法っていう法律が施行されたんですね。日本はやっぱり基本的に行政が公共のことをやるっていうような意識がとても強いと思うんですけれども、阪神淡路大震災の時に行政だけではとてもその対応ができなかった。で、市民活動とかボランティア活動が被災地で活躍して、大切だっていうことを認識して、そのきっかけでNPO法っていう法律もできたんですね。

 そういう意味では、私たちひとりひとりの市民が社会作りっていうんですかね・・・社会を作っていくことに参加していくことがとても大切だと思っているんですね。行政、企業、市民の(それぞれの)立場で、非営利の市民セクターの、この3つのセクターが協力して社会を作っていくことが大切だと思っていますので、その市民の立場で活動を広げたり、みなさんに社会の活動に参加してもらうことを広く呼び掛けて(ひとりでも多くのかたに)参加してもらいたいなと思って活動をしています」


INFORMATION

 

 「樹恩割り箸」はJUON NETWORKのオフィシャルサイトから購入できますよ。価格は紙袋に封入したもので、100膳550円となっています。

 「森林(もり)の楽校」や「田畑(はたけ)の楽校」には会員ではなくても体験として一般のかたも参加できるとのことですから、興味のあるかたは、ぜひサイトをチェックしていただければと思います。

 JUON NETWORKでは随時会員を募集中。学生会員で年間2000円、個人会員で4000円。また、寄付も受け付けています。ぜひご支援いただければと思います。いずれも詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください。

◎JUON NETWORK:https://juon.or.jp/

オンエア・ソング 1月26日(日)

2025/1/26 UP!

オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」

M1. OUT OF THE WOODS / TAYLOR SWIFT
M2. A FOREST / NOUVELLE VAGUE
M3. KNOCK ON WOOD / SEAL
M4. LOVE FIELD / ELVIS COSTELLO & THE ATTRACTIONS
M5. NORWEGIAN WOOD / 高中正義 & 松任谷由実
M6. WILD WOOD / PAUL WELLER
M7. I’LL BE THERE / JACKSON 5

エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」

シリーズ「SDGs〜私たちの未来」の第23弾!〜長野県諏訪市にある「REBUILDING CENTER JAPAN」のリサイクル事業にフォーカス!

2025/1/19 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンは、シリーズ「SDGs〜私たちの未来」の第23弾!
 「SDGs=持続可能な開発目標」の中から「つくる責任 つかう責任」
そして「住み続けられる まちづくりを」ということで、長野県諏訪市に拠点がある「REBUILDING CENTER JAPAN(リビルディング・センター・ジャパン)」通称「リビセン」のリサイクル事業にフォーカスします。

 「リビセン」では、解体される空き家や建物から、古材や古道具を引き取って販売する事業を行なっています。

 きょうは「リビセン」の取締役「東野華南子(あずの・かなこ)」さんにリサイクル事業を始めた経緯や事業内容のほか、活動の理念「リビルド・ニュー・カルチャー」に込めた思いなどうかがいます。

☆写真協力:REBUILDING CENTER JAPAN

写真協力:REBUILDING CENTER JAPAN

合言葉は「リビルド・ニュー・カルチャー」

※2016年にオープンした「リビセン」は、一般的なリサイクルショップでは扱わない、例えば、床板や柱、古いタンスなどを扱っているのが特徴です。活動の裏には、捨てられて燃やされてしまうのは「もったいない」、ゴミにせずに再び使う、そんな思いがあるんですね。
 創業メンバーは、東野さんご夫妻のほか、全部で5人。現在は総勢18人のスタッフで運営されています。

●もともとは、デザイナーのご主人「東野唯史(あずの・ただふみ)」さんとふたりで「medicala(メヂカラ)」というユニット名を掲げ、全国を転々としながら、空間デザインのお仕事をされていたんですよね?

「はい、そうなんです。もともと夫が空間デザインの仕事をしていて、私は文学部卒業で、建築の文脈だったりとかデザインの文脈を学んできたわけではなかったんですけど、依頼があった土地に夫と一緒に行って、そこに住み込みながら、解体しながらデザインしながら施工して、完成したら次の土地に行くっていう暮らしを2年ぐらいやっていました」

写真協力:REBUILDING CENTER JAPAN

●へぇ〜! で、解体される家屋などの古い材料だったり古道具を引き取って、販売する事業をやっていこうと持ちかけたのは、どちらなんですか?

「2014年に夫とふたりで、その仕事を始めたんですけど、1年ぐらい経ったところで、2015年に(アメリカの)ポートランドに『REBUILDING CENTER』っていうリサイクルショップというか、建築建材がたくさんあるようなお店があるんですけど、そこに行ったんですよね。

 そこを見た時に夫が、いま日本にもやっぱり空き家の問題だったりとかゴミの問題だったりがある中で、これが日本にあったら、きっと日本の社会をよくできるじゃないですけど、社会がよくなることに貢献できるんじゃないかって思ったのがきっかけで、それでポートランドのREBUILDING CENTERに連絡をして、やることになったっていうことですね。

 ポートランドはもともと、アメリカにはDIYの文化もすごくあって、お家は日本だと30年ぐらい経った建物の価値ってなくなっちゃったりするんですけど、アメリカでは手をかけたら、その分ちゃんと建物の価値が上がっていくっていうような仕組みになっているので、みなさん、自分のお家を楽しみながら直しながら暮らしているかたが多いんですよね。

 なので、そういう古材だったりとかドアノブだったりとか洗面台だったりとか、何でもリサイクルする文化というか、買えるようなお店がたくさんあって、そのうちのひとつがREBUILDING CENTERという感じですね」

写真協力:REBUILDING CENTER JAPAN

●「リビセン」の合言葉は「リビルド・ニュー・カルチャー」ということですけども、これらにはどんな思いが込められているんでしょうか。

「私たちが本当にずっと気に入って使っている言葉ではあるんですけど、この中に古材とか古道具っていう言葉が入っていないのがすごくポイントなんです。
 もともと日本にあった文化というか、物を直して使うっていうこともそうですし、物を簡単に捨てるんじゃなくて、それを次に何かに活かせないかって考える。そういうふうにもともとあったものをもう一回呼び起こすっていうのもあります。

 自分の手で何かを作っていくっていう経験だったりとか、もちろん物づくりだけじゃなくって、私たちがこれから暮らす未来にどんな文化があって欲しいか、どんな仕組みがあって欲しいかっていうところを考えようって、そういう意味も込めて『リビルド・ニュー・カルチャー』、私たちのこれからの暮らしを作っていこうっていう気持ちでやっています」

(編集部注:「リビセン」の拠点を長野県諏訪市にしたのは、空間デザインのお仕事で下諏訪に3ヶ月ほど滞在していたら、華南子さんの体調が良くなり、また知り合いもできたことや、長野には古いものがたくさんあるし、東京や名古屋など、都会へのアクセスも良かったので、住まいを東京から下諏訪に移した結果、諏訪市で事業を始めることになったそうです)

<日本の空き家、過去最多に>

 2023年の住宅・土地統計調査によると、全国の空き家はおよそ900万戸あり、過去最多の空き家数に。また、総住宅数に占める割合も13.8%と最高を更新。900万戸の空き家のうち、賃貸や別荘などを除き、取り壊し予定や長期間不在の空き家は、およそ386万戸にのぼるそうです。

 空き家は放置しておくと、いずれは朽ち果て、また草木が生い茂り、近隣に影響を及ぼすかもしれませんが、所有者がわからない空き家も多くあるようで、自治体が勝手に取り壊すことはできないそうです。

 65歳以上のかたの持ち家率が8割を超えるとされる日本、今後も空き家は、増えていく傾向にあるのかも知れませんね。

引き取り依頼、月に70〜80件!

※「リビセン」は、いわゆるリサイクルショップといっても、古材や古道具を売るだけの場所ではないですよね。カフェがあるんですよね?

写真協力:REBUILDING CENTER JAPAN

「古材屋さんができても行かなくないですか?(笑)多分だいたいの人にとっては関係がない場所になっちゃうというか・・・私も以前だったら行かなかっただろうなって思うんですけど、いろんな人にとって関係のある場所だよとか、来ていい場所だよっていうところをちゃんと示すためにカフェを、オープン当時からずっとやっていますね」

●リビセン自体は大きな建物なんですね。

「そうなんです。1,000平米あって1階に古材売り場とカフェがあって、2階に古道具、3階も古道具だったり建具だったりとかを販売しています。あとは1階には雑貨スペースもあって、建具にハマっていた古いガラスを使ったプロダクトだったりとか、それをもう一回ガラス作家さんに吹き直してもらって、グラスとか器にしたものを販売したりしています」

写真協力:REBUILDING CENTER JAPAN

●販売する古材とか古道具は、どうやって集めているんですか?

「基本的には全部、家主さんとの直接のお取り引きが多いです」

●引き取って欲しいっていう依頼が来るっていうことですか?

「そうです。月に70件から80件もあるんですよ」

●すごいですね!

「基本的には車で1時間圏内のご依頼を引き受けていて、それ以上なら、ちょっと出張料金がかかっちゃうよっていうふうにやっているんですけど、それでも月70件から80件あるってことは、全国でどんなスピードで物が捨てられているんだろうって思っていますね」

写真協力:REBUILDING CENTER JAPAN

●確かにそうですね〜。システムとしては事前に下見したりとかされるんですか?

「例えば、物の量が多そうだなっていう時とかは、現地調査に行くこともありますけど、最近は依頼をもらったら、公式LINEでお問い合わせいただいたりもします。公式LINEにこんなものがありますって写真を撮って送っていただいて、この辺を引き取りますねと連絡して現地に行って、そのままお引き取りすることも多いですね」

●なるほど〜。引き取れるものと引き取れないものがありますよね?

「そうですね。私たちに売る力があれば、それこそ何でも引き取れるんですけど、リビセンに来てくれるお客さんが手に取ってくれるようなものだったりとか、自分たちが使い方を提案できるものだったりとか、これ、かわいいですよねってお客さんと一緒に言えるとか、次の人にちゃんと手渡せるぞって、つなげることができるって、自分たちが思えるものを引き取りさせてもらっていますね」

写真協力:REBUILDING CENTER JAPAN

レスキュー率が高いプロダクト!?

※販売している古道具は、具体的にはどんな道具が多いんですか?

「本当にさまざまなんですけど、多分いちばん身近なところだと古いお皿とかはとっても多いですね。1枚300円ぐらいから売っているんですけど、印判皿っていう昔の小っちゃいお皿だったりとか、漆の器だったりもあります。あとは、諏訪だと結構、養蚕が盛んだった地域なので、そういうお家だと籠がたくさん出てきたりとか、そういうものも多いですね」

●販売前にきちんとメンテナンスされるわけですよね?

「そうです。もう本当にそれが大変です(笑)。やっぱりみなさん、おばあちゃんからお家を引き継いだけど、手つかずの場所みたいなところがあって、真っ暗だったりとか、そういう埃がかぶっているようなところに行ってレスキューしてきます。

 クモの巣だったり、繭(まゆ)がついたままのお蚕さんのグッズだったり、そういうのを全部水で洗って乾かして値段をつけて、さらにどこからレスキューしてきたのかわかるように、うちは番号で管理しているので、そういう番号をつけて、ようやく店頭に出せるっていう感じなので、レスキューしてきてから店頭に出すまでに長いと1ヶ月ぐらいかかるものもありますね」

写真協力:REBUILDING CENTER JAPAN

●オリジナルの製品も販売されているんですよね?

「はい、そうですね。オリジナルの製品だと古材のフレームとかが今はすごく人気で販売しているんですけど、これは本当にレスキュー率がすっごく高いプロダクトなんですよ」

●その古い材が素材ってことですよね?

「古材とか古道具だけだと、やっぱり古材をお家に欲しいっていう人ってそんなに多くないというか・・・。古材を素敵だなと思っても、お家でどう使っていいかわかんないっていうかたのために、どうにかして、暮らしの中で古材だったりとか、リサイクルのプロダクトを家に置くきっかけを作れたらいいなと思って・・・。

 古材を使って枠を作って、レスキューしてきた建具からガラスを外して掃除して、それをはめてフレームを作っているんです。なので、ほとんど新しく買って何かを作っているっていうことがないプロダクトです。後ろのガラスを止める金具だけ、新しく買っているんですけど、それ以外は全部レスキューしたものなので、とてもレスキュー 率が高くて、気に入っているプロダクトです」

「リビセンみたいなおみせ やるぞスクール」

※「リビセン」では、ほかにも古い材を使った空間デザインやDIYのワークショップなどもやっていますが、番組として特に注目したのが、2023年から始めた「リビセンみたいなおみせ やるぞスクール」。ネーミングにも惹かれたんですけど、こんなスクール、やっていたんですね?

「そうなんです! リビセンが2025年で(オープンから)丸9年になるんですけど、やっていく中で本当に大変だなって思うことがたくさんあるんですね。
 でも大変な一方で、さっきも申し上げました通り、月に70件から80件、1時間圏内だけでレスキュー(の依頼が)あるから、みんなが各地でレスキューをやってくれることを応援できるといいんじゃないのかなって思って、私たちがしてきた大変な思いを全部学びにして、みなさんにお伝えするっていうスクールをやっています」

●日程はどれぐらいなんですか?

「2泊3日で、がっつりと夜まで懇親会というか、みなさん、本当にずっと質問し続けてくれるみたいな時間なんですけど・・・」

写真協力:REBUILDING CENTER JAPAN

●例えば、どんなプログラムがあるんですか?

「例えば、最初にうちの夫がリビセンが立ち上がった経緯から、今までどういうふうに進んできたかっていう話もあったり、どういうふうにレスキューして、どういう道具を使って掃除してっていう、具体的なレスキューの方法についてのヒントがあったりとか・・・。
 あとはリビセンから徒歩5分圏内にお店がたくさんあったりするんですけど、そういうコミュニティがどういうふうに育まれていったかっていう話だったりとかもしていますね」

●でも、これまでに培ってきたノウハウをさらけ出すってことじゃないですか?

「もう! すべて!(笑)」

●いずれ競合するかもしれないとか、何か怖さとかためらいみたいなものはなかったですか?

「ないんですよね・・・(笑)。それにはいくつか理由があるんですけど、ひとつは自分たちに70件から80件のレスキューがあって、例えば富山からレスキュー依頼があっても、東京からレスキュー依頼があっても、やっぱり私たちが行けない。私たちが行けなかったら、どうせ捨てられてしまう。だったら各地でみんながレスキューしてくれたほうがいいよな! っていう・・・。商圏が被らないっていうのがひとつだったりとか。

 あとは、夫がデザイナーとしてのキャリアが始まる時に、大学の先生に“デザイナーはデザインで世界をよくするんだ!”って言われたのがきっかけで、デザイナーになって、今もデザイナーとして働いているんですけど、本当にスクールを通じて古材とか古道具をみんなが奪い合う世界になったら、私たちはあっさりリビセンはやめて、自分たちの力を効率よく社会に還元できる方法をまた考えられたらいいなって思っているので、全然怖くないです(笑)」

(編集部注:「リビセンみたいなおみせ やるぞスクール」の参加者の顔ぶれは、工務店などの建築関係、介護職、農家さん、デザイナー、地域起こし協力隊のかたなど、多彩だそうです。今年のスクールは3月からスタート! 「リビセン」のサイトに日程が掲載されていますので、参加してみたいと思ったかたは、ぜひチェックしてください。https://school.rebuildingcenter.jp

移住者も暮らしやすい街

※華南子さんは埼玉のご出身ということですが、長野県上諏訪での暮らしはいかがですか? 

「私にとっては、本当に最高ですね(笑)」

●この時期は寒いですよね? 

「本当に地獄みたいに寒くて・・・(笑)。私、初めてこんな寒いところに住んだので、長野に住んでから地獄って暑いと思っていたけど、寒い場所なのかもなって思うようになるぐらい本当に寒いんです。
 でも私の生い立ちというか、10年以上同じ場所に住んだことがないんですよね。なので、長野県の上諏訪が初めて(10年)住んでいるんですけど、本当にここでよかったなって思って暮らしていますね。10年同じ町に暮らすと、こんなふうに町の関わり方というか、町と自分の距離感だったりが変わっていくんだって、すごく楽しませてもらっています」

●具体的にどんなところが最高なんですか?

「たくさんあるんですけど、すごくわかりやすいところで言うと、これは諏訪の魅力っていうわけではないですけど、東京に住んでいたことも長かったので、東京との距離も結構ちょうどいいです。2時間ぐらいで行けるので日帰りでも行けるし、仕事もすごくしやすいっていうのも、物理的に地理的に便利なところだし、温泉が気持ちいい! すごく! 

 すっごく寒いけど、温泉も豊富な地域なので、温泉があることもありがたいし、車で10分で山があるけど、上諏訪は中央線沿線っていうこともあって、私的には結構都会なんですよね。
 歩いてスーパーも行けるし、コーヒースタンドもあって、お花屋さんも古道具屋さんもあるっていう・・・車であっちこっち素敵な場所に行くのもいいんですけど、歩くスピードで歩ける距離感の中で、自分の暮らしが楽しいっていうのは、私にとってはすごく心地がいいですね。

 諏訪のすごくいいところは、外から来る人に慣れている人が多いというか、中山道が通っていて、東京から名古屋に抜ける、もともと人が行き交う場所だったので、私たちみたいな移住者も暮らしやすいですね。
 空き家が出てもまたそこに入居する人も多かったりとかして、ちょっとずつ改善というか、活用されていく兆しのある町だなって思っています」

生きる心強さを持てる場所

※今までレスキューした古材や古道具で、びっくりするようなものはありましたか?

「びっくりするようなものかぁ・・・いろいろあるんですけど(笑)。私たちが諏訪の出身じゃないっていうところが多分大きいんですけど、養蚕のいろいろな道具が出てきたのはすごくいろんな、いい驚きがありました。

 この土地を知るきっかけにもすごくなったし、養蚕って言葉では聞いたことがあったけど、実際にここにこういうふうに葉っぱを敷いて、ここでお蚕さんを飼っていたんだみたいな、そこで本当に暮らしていたこととかが垣間見えたのがすごくその土地の解像度が上がったというか・・・。
 この土地で暮らす意味だったりだとか、この土地を楽しむきっかけにもなったのは、その養蚕の現場のレスキューだったので、すごく印象深いレスキューではありますね」

●「REBUILDING CENTER JAPAN」の活動は、今後益々注目されると思うんですけれども、そのあたりはいかがですか?

「え~〜、どうでしょう(笑)。注目!? そうですね・・・」

●益々人手が必要になってきますよね?

「そうですね・・・でも自分たちとしては、そんなに大きな会社になりたいっていうことはないので、今ぐらいの人数で楽しく暮らしていけたらいいなって言ったらあれなんですけど・・・。

 その一方で、日本は空き家問題とか高齢化の問題だったりとか、最近は居場所作りみたいな話だったりとか、そういう社会問題ってどこも同じようなことを抱えていると思うので、『みたいなスクール』を通じて、ほかの地域で同じような課題感を持っている人たちとつながることで、もちろんリビセンみたいな事業もサポートしつつ、いろんな地域で起きている社会課題を私たちもインプットしながら、また自分たちの地域にフィードバックしていくっていうことは、どんどんやっていきたいなと思っています」

写真協力:REBUILDING CENTER JAPAN

●リビセンの活動を通じて、どんなことを伝えていきたいですか?

「私たちのメインの事業は、もちろん古道具とか古材が外から見てもいちばんわかりやすいところではあるんですけれど、大もとにあるところで『生きる心強さを持てる根拠になる場所』になれたらいいなっていうのを思っています。例えば、物が壊れたら捨てるっていうだけじゃなくて、自分で直せるって思えるってすごく心強いと思うんですよね。

 電化製品とかが多かったりすると、自分で直せるって思えるものって、なかなか少ない世の中ではあるなと思うんですけど、自分にもできるかも! っていう気持ちをひとりひとりが少しでも持てて、その一歩を踏み出せたら、どんどん見える世界が因数分解されていったりとか、社会の解像度が上がっていって、自分がよりよく暮らしていくためにとか、よりよい社会を作っていくために、これだったらできるって考えられるような、原体験じゃないですけど、場所を作っていけたらいいなっていうふうに思っています」


INFORMATION

 

写真協力:REBUILDING CENTER JAPAN

 ぜひ「REBUILDING CENTER JAPAN」の活動にご注目ください。今年の「リビセンみたいなおみせ やるぞスクール」は3月21日から23日、4月25日から27日、5月16日から18日、そして10月にも、11日から13日に開催される予定です。「リビセン」で販売している古材や古道具のほか、所在地など、詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください。

◎「REBUILDING CENTER JAPAN」:https://rebuildingcenter.jp

オンエア・ソング 1月19日(日)

2025/1/19 UP!

オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」

M1. BUILT TO LAST / MÊLÉE
M2. MY LIFE / BILLY JOEL
M3. RESCUE ME / FONTELLA BASS
M4. RESCUE ME / AMY HELM
M5. 新しいYES / 桜井和寿
M6. WE BUILT THIS CITY / STARSHIP
M7. THE RESCUE BLUES / RYAN ADAMS

エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」

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