2022/4/3 UP!
1992年4月に始まったこの番組「ザ・フリントストーン」が丸30年を迎え、今回の放送から31年目に突入! そして、新年度に入った4月最初の放送ということで、改めて番組名についてご説明しましょう。
「フリントストーン」は「火打石」という意味がありますが、実は1960年代に日本のテレビでも放映されたアメリカのアニメーション「原始家族フリントストーン」(原題 THE FLINTSTONES)にもあやかっているんです。
原始時代は人間が自然を壊さず、ともに生きていた、いわば「共生」していた時代ということで、今もそうあって欲しい、という願いが込められています。そんな思いを多くのかたと共有できたらいいなと思っています。
今週は30周年記念!ということで、記念すべき第1回目のゲスト、冒険ライダー、そしてNPO法人「地球元気村」の大村長、風間深志さんをお迎えします。いつも元気でガハハハと笑う風間さんはこの番組のシンボル的な存在なんです。
風間さんは1950年生まれ、山梨市出身。1982年に日本人として初めて「パリ・ダカールラリー」に参戦、さらに、バイクによる史上初の北極点と南極点に到達など、数々の大冒険に挑戦されています。
そんな風間さんが1988年に仲間と設立したのが「地球元気村」で「人と自然が調和している社会」の実現を目指して作られたプロジェクトです。
「地球元気村」といっても特定の場所があるわけではなく、全国各地の、豊かな自然が残る市町村と連携し、いろいろな分野で活躍されているかたを講師に迎え、自然体験型のイベントを開催しています。
きょうは、人も地球も元気になる活動と、専用キャンプ場のお話などうかがいます。
☆写真協力:NPO法人 地球元気村
番組は30周年! 地球元気村は34年!
●今回は、この番組の記念すべき第1回目のゲスト、冒険ライダーそして地球元気村の大村長、風間深志さんをお迎えしています。よろしくお願いします。
「いい声だね〜、渚沙ちゃんは!」
●ありがとうございます!
「はい! よろしくお願いいたします。今、簡単に言ったけど、第1回って30年以上前なんだよ!」
●そうです! そうなんです! この番組が放送開始から30周年を迎えて、今回の放送から31年目に突入します。そして風間さんには毎年4月の第1週目にご出演いただいていて、30年以上のお付き合いということで、ありがとうございます!
「そうだね! そこを強く言ってもらわないとね!(笑)」
●そうですね。
「よく生きてたもんだよ、30年もね。普通は、お亡くなりになっているよ(笑)」
●いやぁ〜(苦笑)。風間さんが、仲間と共に創られたNPO法人「地球元気村」が1988年の創立ですから、今年で34年ですか?
「34年ね! 無駄に年が経過しましたけど、本当はもっともっと社会にお役に立ちたい活動でいるつもりだったんだけどね。とにかく実績は年だね」
●すごいことですよ〜。
「34年経ったことだけは、もう大きな足跡っていうかね」
●そうですね。やっぱり自然の中で遊んで学ぶことが、大事ってことですよね?
「そうだね。だって古来、人間っていうのは自然の中で育ち、自然に育まれ、その自然との対話が大事なのに、いまはあまりにも様々快適な空間を演出し、それを追い求めているから、自然体験がそもそも少なくなっちゃうんだよね。
子供は特に自然と触れ合うのが好きだし、都会の真っ只中に生まれて、何も知らない子供が山に行って川に行っても、虫とか動物とか鳥とか大好きなんだよね! なぜだと思う? 教えていないのに。
これはやっぱり人間本来のDNAがちゃんと備わっていて、自然の中でたくましく生きていくためには、そういう経験とか体験とかが必要だから、自然にそこを吸収しようって子供は思っているわけ。
だけど、見える景色が全部、高い高層ビルから街を見て、眺めて、その子はどうやって育っていくの? 難しいよね。だから自然体験はすごく僕は大事だと思って、みんなに伝えようとしているんだけど、なかなか成果があがらないね(苦笑)」
●そんな〜、だってもう34年ですから、見事なことですよ〜。
「もう何十万人ってかたが、元気村のワークショップなんかを経験して、それが社会に何気に役立っているかも知れない。それは思いながらも、僕が昔、思い描いた人間社会のライフスタイルがそんなに大きくは変わっていないところをみると、お前、何にも出来ていないな〜って、自戒の念に浸るんですよ」
自然との対話
※「地球元気村」はこれまで多くの都会生活者を自然のフィールドにいざなってきましたが、改めて、どんな思いがあったのかをお話しいただきました。
「人も自然も共に永遠な元気、健康であるために、私たちが自然っていうものを考えていくためのコミュニティ、村ってことはコミュニティ、社会を意味するんですよ。社会全体がそういった思考の方向性にいったら、もっと素晴らしくなるんじゃないかなって。
僕が”地球元気村”っていう呼び名を使って30何年間、この先何年あるかわからないけど、これが終わって50年経った先も、”地球元気村”っていう名前はないかも知れないけど、同じテーマを人間は持ち続けるんだと思うんだよね。
つまり普遍的に自然の中で、この宇宙の中で、営み続け生きていくんですね。それはやっぱり自然との対話なんだよね。人間は人間を食わしてくれない。人間は何か勇気を与えたり、お互い慰めあってスクラムを組んで頑張っていこうっていう、まあ運命共同体。その運命共同体が向き合っていくのは自然そのもののシステム。その中でどうやって生きていくのがいちばん最善なのか、最良なのかっていうことをやっぱり考えようよっていう(地球元気村の)活動なんだよね」
●今までで、全国何か所くらいで地球元気村を開催して来たんですか?
「大体110の市町村が、今まではやってくれました。元気村っていうイベントですね。そういったテーマを持ったイベントを開催してくれて、その土地や近隣の人たちが集まって、川に山に空に、あらゆる方法でそこに触れる。
それで本当の夜の闇とか、本当の冬の寒さとか、夏の水の素晴らしさとか、そういったものを体験して自然っていいなって感動して、それで自然ファンを作っているんだよね」
●具体的にどんなことをやっているんですか?
「いや〜ありすぎて・・・燻製を作ったり、釣りもするしね、絵も描くし、ハーモニカも吹くし、カヌーも乗るし、あるいは空も飛ぶし、自転車も乗るし、言ってみれば、いろんなアウトドア・アクティビティをやっているんだけれど、本当はそうばっかりじゃなくてね。
例えば、村祭りに行って奉納する神楽の舞を見たりとか、あるいは歴史や文化、そういう郷土芸能なんかにも触れるってことは、人間がどうやってその地域に密着して生きてきたか。その逞しい知恵とか、踊りから垣間見たり、あるいは絵画や彫刻から省みたり。文芸とかを学ぶことも地球元気村のカテゴリーだよね。
僕は今までアウトドアの普及係みたいだなって思ったぐらい、やっぱりみんなが好きなのは外で遊ぶことだったんだよね。もちろん遊びを通じて自然を知ろう、自然に親しみを感じようっていうテーマだったからいいんだけど、もう少し今言ったような、そういったことにも目を向けてもらいたい、そういうのがあるね」
地球元気村キャンプ場
※去年4月に番組に出ていただいた時に、「地球元気村」のキャンプ場を作るというお話をされていましたが・・・?
「よく覚えているねー」
●はい! あははは(笑)
「あのね、山中湖に村営キャンプ場っていう大きなキャンプ場があるんですよ。湖畔にね。それを地球元気村がその事業を受け継いで、キャンプ場経営をします。
経営っていうか、そこを我々のフィールドにして、色んなことを体験して学び、自然を詠おうよという。
まだ名前が・・・いま愛称を決めている最中で、元山中湖村営キャンプ場、これが地球元気村キャンプ場に生まれ変わります」
●どんなキャンプ場にしたいですか?
「やっぱりね〜そうだね〜、いいキャンプ場にしたいね(笑)。いいキャンプ場って何かっていうと、いま“グランピング”っていう言葉があるように、快適で自然が豊富でロケーションがいいとかって、そういうことになるけど。
もちろんそういうことは完全にひとつ基本をマスターした上で、広々としたキャンプサイト、自然がいっぱいあるキャンプサイト、それで素晴らしい眺望、景観が臨めるキャンプ場。それに、テーマを持って来るのが地球元気村だから(地球元気村のキャンプ場は)それだけじゃ駄目なんだ。
元気村だからこそ、お年寄りもここのキャンプ場に行ったら、例えばアンチエイジングについて学べたよとかね。体験が出来て、なんだか本当に元気になったみたいだなとかね。あるいは障害を持つ子供たちにも自然を体験してもらいたいってことで、そういった子供たちに対するキャンプ、野外体験のチャンス、こういったものを創出していきたい。福祉関係もそうだしね。例えばキャンプをやるってことは、焚き火を眺めながら、みんな何を思う?」
●うう〜ん。
「この火ってやっぱり人間本来のひとつの姿だよな〜。これがひとつの科学の始まりだったんだよな〜。そしてこうやって、いま自分たちは生きているけども、俺の人生って何だろうって、ちょっと物思いにふけったりするんですよ、キャンプっていうのは。
そういう日常を離れたところにぐっと日常を垣間見ることがよくできるのね。そういった意味では非常にカルチャーショック、一種のカルチャーショックに陥ったりする。その思考性をキャンプっていうのはすごく深めることが出来るんですよ。
自分の人生を客観視したり、家族をもう一回考えてみたり、職場を考えてみたりね。そういった良さがあるのがキャンプ場なんだね。
例えば、やっぱり元気村だから、文学について語ってみようじゃないかとかね(笑)。それを講師を招いてやってみたりとか。山中湖のキャンプ場、横に”三島由紀夫文学館”があって、”徳富蘇峰(とくとみ そほう)”って人の文学館なんかあるわけね。だから、文学をちょっと見てみたり、あるいは緑と自然の中で思いっきり深呼吸をして、酸素を入れて思考をクリーニングして、また明日に(日常に)戻っていくみたいな、なんかそういう色んなちょっと深みのあるキャンプ場にしていきたいと思っています。是非期待してもらいたいと思います」
(編集部注:実はキャンプ場はもう一箇所あります。山梨市にある「地球元気村」の「天空のはたけ」の一部に1日1グループのみ利用できるキャンプ・サイトがあるそうです。富士山が見える最高のロケーションだそうですよ)
C.W.ニコルさんとの出会い
※実はきょう4月3日は、作家で日本の自然保護にも尽力されたC.W.ニコルさんの命日なんです。この番組にも何度もご出演いただき、その存在と叡智に大きな影響を受けたと番組スタッフから聞いています。
●ニコルさんは地球元気村の特別講師としても活動されていたんですよね?
「最初っからやってもらって、肩の荷を一緒に背負ってよってことで、彼にもずーっとお世話になりました。彼という個性は北極探検の経験もあるし、アフリカのワイルドアニマルなんかのレンジャーとして従事したし、僕らの見識より広い広い見識を持って自然を眺めていたし。そんな中で人間はこうありたいとか、こうあったほうがいいんじゃないかっていうことを、よく知識として知っていたから、非常に色んなことを教わりました。僕は元気村をやるより以前に、彼と知り合ったんですよ」
●どこで知り合ったのですか?
「僕が北極に行ったのは1986年でした。(北極に行く前に)ラフォーレ原宿っていうビルでトークショーやったんです。トークショーの相手がC.W.ニコルだったわけ。
彼と対談して、彼は北極の経験がすでにあって、その北極に僕はバイクで乗り込んで極点まで行ってやろうなんてことを言って・・・その対談で、僕は北極へバイクで行きますっていう話をしたら、ニコルが”なんでバイクで行くんだ”って言うのね。”バイクじゃなくて、犬ぞりだろ!”。今だったらスノーモービルもあるし、バイクで行くことはないだろうっていう、単純にそういった疑問を僕に投げ掛けてくれました。
僕は”いや僕はバイクが好きなんだよ!“と。好きな物を眺めていると、それを使ってどこまでも行ってみたいという夢が広がっていくと。その夢の延長が北極点なんだ! だから(バイクで)行くんだ! って言ったら、普通の日本人は怒るんですよ、怒り出すんですよ。自分の許容範囲から外れるから、そんなのおかしいよって。理由として自然をけなしちゃいけないとか、知った風な口をだいたい叩くんだよ。ところがニコルはねそんなこと言わなかった。
自然が厳しい所に挑んでいくってことが、どれだけ勇猛果敢なトライであるかっていうことも知っているから、”よしそうか、おまえ頑張れよ”と彼は言ってくれたから、こいつはよく自然も知っているし、機械って物も知っているなと。だから最初から僕はいい人だなって懐きました。僕よりいくつか上でね。僕のほうがバイクが上手いけど、彼がすごいのは、僕よりたくさんビールが飲めるっていうことね(笑)」
●あははは(笑)。そんなニコルさんからどんな学びがありましたか?
「学びっていうか、いつもニュートラルで大らかですね。僕が地球元気村でなかなか苦戦しているのは知っていました。やっぱり自然の中では自然のことばっかり考えているわけじゃなくて、目先の利益を考えている人が多分に多いんですよね。そういった中でこういった思想を普及することは、ものすごく大変だってことはよく知っていて、”お前がやっていることは、お前に対する投資だよ”と。それはだから”当然苦しいだろうが頑張っているよ、お前は”と褒めてくれました。そういう意味では、褒めてもらったしね、色んな話で非常によく会ってはいましたね」
地球元気村をアジアへ
※いま「地球元気村」で進めているプロジェクトはありますか?
「まずね、畑(笑)。畑っていうのは、土そのものの環境を整えることによって、そこに種を蒔いたら、トマトにキュウリにナス、何でも上手く育つんだよね。土の環境をよくするってこと、つまり地球の環境を適正に持っていくってことが、良質な作物を生み出すってことになるわけだね。そういった観点で地球元気村は農業をやっています。
要するに土壌は生き物の塊、その生き物が存在し、土を作るってことが農業の始めだね。そういうことで農業体験もみんなに、命との触れ合いってことでやっているけどね。これから元気村をアジアに持って行きたいね。
これちょっと結構、前にも言っていたんですよ。そうやって大風呂敷広げてね。アジアにこの活動を持って行きたいって永遠のテーマですね。つまり日本人の、かつてのライフスタイルにもどんどん、むしろ追いついて、しかももう追い越してた国々もいっぱいあってね。アジアがやっぱりいちばん近い、近隣諸国の中でね。みんな人々が元気を求めながら生きているじゃない。そういったところにこういう永遠のテーマを持って行って、みんなで考えてみるのも面白いじゃないって思っています」
●では最後に風間さんにとって地球元気村とは?
「僕たちの笑顔と元気の源だね。要するに、地球元気村、これは地球を意味します。もう地球そのものだね。地球を愛し、また人も愛する人たちが住む星の、理想的コンテンツだね。地球元気村、これを眺めていれば元気になりますよ!」
※この他の風間深志さんのトークもご覧下さい。
INFORMATION
お話に出てきた山中湖キャンプ場のプレオープン記念イベントが決定!
開催は4月23日(土)。縄文大工の「雨宮国広」さんほかを迎えたトークショーや
ピアノ・ライヴも行なわれる予定です。
チケットの収益は全額、「雨宮」さんのプロジェクトの応援資金になります。
ぜひご参加ください。
「地球元気村」では随時村民を募集中です。
登録料はビジター村民で500円、個人村民で2,000円、家族村民6人までで3,000円。村民になると年4回、季刊誌「地球元気村」が届くほか、元気村イベントの参加費が割引になります。この機会に村民として登録しませんか。
◎地球元気村 HP:https://chikyugenkimura.jp