2024/11/24 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、鹿児島市にある平川動物公園のコアラ飼育員「落合晋作(おちあい・しんさく)」さんです。
落合さんはもともと生き物好きで、子供ころから釣りに明け暮れ、九州の大学で魚の勉強をしたあと、水族館に勤務。その後、ご両親が鹿児島に暮らしていることもあって、平川動物公園に転職。ゾウやカワウソなどの飼育を7年ほど担当したあとにコアラの飼育担当になっています。
コアラを5年ほど担当されている落合さんは、日々コアラに接する中で、可愛いという感情より、コアラはすごいぞ!と思うことが多く、そんな思いが込められた本『すごいコアラ! 〜飼育頭数日本一の平川動物公園が教えてくれる 不思議とカワイイのひみつ』が先頃出版されました。
きょうはコアラの知られざる生態や、赤ちゃんの秘密、そしてエサになるユーカリ栽培への取り組みなどうかがいます。
©新潮社 写真協力:鹿児島市平川動物公園

コアラは北方系と南方系!?
※コアラが日本に来たのが1984年10月25日、今年で来日40年! ちなみに10月25日は初来日を記念して「コアラの日」となっています。
日本では現在、7つの施設で飼育されています。首都圏では東京都日野市の「多摩動物公園」「埼玉県こども自然動物公園」そして横浜市の「金沢動物園」の3つの施設で見ることができますが、コアラの飼育頭数で日本一を誇るのが、鹿児島市にある「平川動物公園」。現在はオス8頭、メス10頭、合わせて18頭を飼育。コアラの初来日から飼育が始まり、通算105頭の飼育実績があるそうです。
2021年には新しいコアラ館がオープン! ガラスなど遮るものがなく、高さがおよそ8メートルある館内のガラス窓からは日の光が降り注ぎ、またユーカリも植えられていて、より自然な感じでコアラを見ることができる、ということで、とても人気なんだそうです。

●まずはコアラがどんな動物なのか、基本的なことをいろいろうかがっていきます。コアラはオーストラリアの固有種ですが、どのあたりに多くいるんですか?
「オーストラリアという国は、だいたい日本の21倍の面積があるんですね。おそらくコアラはオーストラリアのどの地域にもいると思われているかたが多いと思うんですけど、オーストラリアの地図を正面から見た時に、右の海岸線のふち側・・・ケアンズがあって、下にシドニーやメルボルンがあるんですけれども、このふちの辺りの森とか林があるところにいるんです。
言ってみれば、国土の20分の1ぐらいのところにしか生息していないんですよね。そういうところにいる動物ですね」
●何種類かいるんですか?
「みなさん、コアラ、コアラとおっしゃっていますけど、コアラという動物は1種類なんです。厳密に言うとふたつの系統、グループに分かれています。シドニーの少し下ぐらいからを境に、北のほうにいる北方系のコアラ、ちょっと小柄でグレーの色が強いコアラですね。
南半球なので、南のほうに行けば行くほど寒い国ですから、寒いところにいるのが南方系のコアラ、通称『ビクトリア・コアラ』って言われているんですけど、これがちょっと大きくて濃い色をしていますね。
見た目は2種類を並べると全然違うコアラということになりますね。当園では北方系、ちっちゃいほうのコアラ、あったかいところにいるコアラを飼っています」
●サイズ感も色も違うんですね〜。
「そうですね。オスの体重で言うと1.5倍ぐらい違います。北方系がだいたい8キロから9キロ、南方系が最大で15キロぐらいになりますから、すごく大きいですよね」

●へ〜! 体全体は灰色ですよね?
「そうですね。頭から背中にかけて灰色、お腹側、お尻が若干白く見えますよね」
●そういう毛の色にも何か意味ってあるんですか?
「はい、みなさん、コアラの餌っておそらくユーカリっていうのを知っているかたは多いと思うんです。ユーカリは、ホームセンターとかお花屋さんに行くと売っていますよね。で、だいたいグレーがかったシルバー色したユーカリが多いと思うんですね。
で、ユーカリってだいたい1000種類ぐらいあるって言われているんですけど、ユーカリの森はグレーの葉っぱがあったり、木の樹皮が白っぽいんですよね。そういったところにグレーの色の動物が木に乗っかっていると、いわゆる擬態、周りの風景と溶け込んで見えるので、こういう色をしていると言われています」
●意味があるんですね、色にも!
「そうですね。で、お腹側が白いのは木の下から上を眺めたときに、白っぽいと太陽の光とかと同化しちゃうんですよね。こういう動物、魚も多いんですけど、こういうことを彼らは生きていく中で獲得した、ありのままの彼らが暮らしやすい姿、色になっていると思います」

(編集部注:落合さんによると、基本的に野生のコアラは単独で生活していて、一頭のテリトリーは狭くて100メートル四方、広いとなんと10キロ四方。
オスは自分のテリトリーにほかのオスが侵入すると、食べ物のユーカリやメスを奪われまいと、可愛い姿からは想像できない猛獣のような声「テリトリー・コール」をして威嚇するそうです。
*コアラの鳴き声は、平川動物公園のサイトで聴くことができますよ。
https://hirakawazoo.jp/wp/wp-content/uploads/2022/09/koala1.wav
また、マーキングをするオスは、胸にある「臭腺(しゅうせん)」からとても臭い液を出して木にこすり付けます。そのため、オスの胸のあたりはいつも汚れているそうですよ)
鋭い爪、大きな耳と鼻
※コアラの体の特徴でいうと、木の上で生活していますから、手や足のツメが鋭かったり、筋力が強かったりして、可愛いコアラのイメージとは違いますよね?
「そうですね。よくお客様にもコアラってどうですか? って聞くと、可愛いっておっしゃるんですね。で、可愛くないところってあるのかなっていう話をするんですけど、その代表的なところはやっぱり爪なんですね。

指の本数は我々人間と一緒です。前も後ろも5本指なんですけど、本当に爪が長くて、鎌のように曲がっていて先が尖っています。爪が1本でも木に引っかかっていれば、落ちることはないですね。その爪を立てながらひょいひょい登っていくんですよ。
当然握る力もやっぱり強いです。で、ラジオ番組なのでお見せできないんですけど、私の腕は本当にコアラの爪の跡、服を着ていても服の上から爪が刺さっちゃうので、もう傷だらけです」
●鋭いんですね〜! 耳とか鼻も大きいですよね?
「そうですね。耳は特徴的な可愛らしい大きな耳をしています。先ほど縄張りの話をしましたけど、コアラって鳴くんですよね。寝てばっかりのイメージですけど、結構大きな声で鳴くんですよ。猛獣のような鳴き声、本の中には”ゲップ”とか”ゴゴゴ〜”とか、そういう音で表現しているんですけど、すごく大きな声で鳴いて、数キロ先まで届くって言われているんですね。ほかのコアラがいるかいないかを、臭い以外、音でも聴かないといけないので、やっぱり大きな耳をしているんですね。
で、もうひとつの特徴として大きな鼻がありますよね。体重は8キロ前後とお伝えしましたけど、鼻の大きさで言うと我々人間と変わらないです。で、やっぱりこの鼻も非常に重要で、ほかのコアラの臭いを嗅ぐにしてもすごく大事なんですけど、いちばんは彼らが食べているユーカリの葉っぱの好き嫌い、選り好み、どれが美味しいのか美味しくないのか、食べられるのか食べられないのかも鼻ですべて感知していると思います」
長い睡眠時間には理由がある
※コアラは木の上でじーっと動かないイメージがあるんですけど、寝ている時間が長いということですよね?
「こればっかりは、もう本当に(睡眠時間が)すごく長くて、ほとんど動かないんです。だいたい20時間から22時間ぐらい、睡眠・休息に費やしていると言われていますね。本当に動かないです」

●なんでそんなに寝るんですか?
「なまけているんじゃないのとよく言われるんですけど、実はそうではなくて、寝るにはちゃんと理由があるんですね。先ほどからコアラの餌はユーカリと何度もお伝えしていますけど、このユーカリって植物が実はポイントになっています。
葉っぱは、新芽と言われる柔らかいところ以外は硬くて繊維が多いんですね。こういったものを食べると、消化にすごく時間かかるんですよ。で、極めつけは毒が入っているんですね。この毒の分解にも時間がかかります。
ただでさえ栄養価の少ない葉っぱを食べていて、極めつけに毒も入っているってことなので、一生懸命動いてしまうと、お腹を動かすためのエネルギーもなくなるんですね。動けば動くだけどんどん痩せます。ですから、じーっと動かないようにしてユーカリの消化吸収に全力を注いでいると思ってください。そういうふうに進化してしまったので、寝ざるを得ない動物になってしまいました」
●木から降りて地面を歩き回ったりすることもあるんですよね?
「もちろん歩くんですよ。で、地面っていうか地上にはやっぱりコアラの外敵となる動物もいたりしますから、基本的に木から木へはジャンプして移動することが多いんですけど、どうしても移動できない距離だと地面に降りて歩くんですね。でもそんなに走ったりすることは、できるんですけど、そこまで長続きしないっていうか、やっぱり歩いているときは危機感を感じてるような気がしますね。早く木に登らないとっていう、そういう仕草を見せてくれます」
妊娠期間は35日!
※平川動物公園でのコアラの繁殖に関してうかがいたんですけど、発情期は一年に何回かあるんでしょうか?
「野生の動物ってだいたい年に1回とかが多いんですけど、コアラの場合は、基本的に通年発情はするんですよ。ただメスがオスを受け入れるタイミングってだいたい春と秋が多いんですよね。この時期に我々もコアラの様子を見ながらペアリング、繁殖させるようにはしています」
●平川動物公園では積極的にペアリングに取り組んでらっしゃるそうですね。相性とか発情期間とか、いろいろ見極めるのも大変なんじゃないかなって思うんですけど・・・アプローチするのはオスなんですか?
「そうですね、基本的に・・・。メスは結構受け身が多いんですけど、言ってみれば発情してないのにオスとペアリングしても、オスもメスにあまり向かわなかったり、メスは当然受け入れないんですよね。
その発情の見極めってすごく大事で、しかも個体によって差があるんですよね。人と一緒で性格があるので、ガツガツしている女の子は、言ったら肉食系の女の子はすごく積極的にオスにもアプローチするんですよ。
逆にオスがそれを受け止めきれない(笑)、草食系って言ったらおかしいんですけど、ちょっとガツガツしている女の子は、苦手だなっていうオスもいたりするので・・・。本当にガツガツしている女の子でも、ちょっと大人しそうなタイミングで、草食系の男の子と一緒にしてペアリングしてみたりとか、ガツガツしている女の子でも大丈夫な男の子をペアリングにあてがったりとか、相性を見ながら繁殖っていうかペアリングさせていますね。
ここは長年の経験とか勘がだいぶ頼りになってくるので、本当に飼育の醍醐味でもありますよね。今だったらいけるんじゃないかとか、そういったのを日々見極めながら見ていますね」
●ペアリングが見事うまくいってメスが妊娠すると、出産はどれぐらいあとになるんですか?
「我々人間の妊娠期間は10ヶ月程度って言われていますけど、コアラの妊娠期間はわずか35日なんですよ」
●え~っ!
「担当者の目の前で交尾させますから、そのあと35日後に生まれてきます。ずれても1日ぐらいなんですよ。この間、コアラの様子を見ながら出産するかしないかを見極めたりするんですよね。ただストレスを与えることはできないので、出産のタイミングに立ち会うことはほぼありません。っていうか、できないですね、なかなかできないです、これは」

赤ちゃんは一円玉!?
※生まれてくる赤ちゃんの大きさは、どれくらいなんですか?
「例えるなら、大きさは1円玉です」
●え~っ!
「1グラム1センチって表現するんですけど、本当に1円玉の大きさです。ただ形は、実はコアラの形をしていなくて、夏休みにカブトムシを飼うお子さんもいらっしゃると思うんですけど、カブトムシの幼虫とよく似た形です。本当にちっちゃくて一見すると何の動物かもわからない、そういう赤ちゃんが生まれてきます」
●そういう状態の赤ちゃんが、いわゆるコアラの形になるにはどれぐらい時間がかかるんですか?
「はい、まず生まれてすぐ、そのままだと毛も生えていませんし、目も見えてないので、すぐ干からびて死んじゃうんですよね。ですから、生まれた赤ちゃんは5分から10分かけてお母さんのポケットに移動するんですよ。
ポケットは後ろ足の付け根についています。そのポケットに自分の力だけで這いつくばって進んでいきます。先ほど紹介した通り、爪が鋭いので、お母さんがつまむと赤ちゃんは亡くなっちゃうわけですよね。ですから、お母さんもじっと我慢しているんですね。
ポケットの中に入ると、中におっぱい、乳房がふたつついていますから、この乳に吸いついてどんどん大きくなっていきます。で、コアラっぽくなるにはだいたい4か月ぐらいかかります。4ヶ月経ってもまだ毛は生え揃ってないので、なんとなくこれコアラの赤ちゃんじゃないの? っていう感じになるんですね。
だいぶ時間はかかりますね。おっぱいに吸いついて簡単に離れてしまうと、また乳房を探さないといけないので、お母さんの乳房に子供がくっつくと抜けなくなるんですよ、取れなくなるんですよ。これがだいたい3〜4か月取れない時期が続いて、そこからは自分のタイミングで(ミルクを)飲めるようになるんですね。それがだいたい4か月ぐらいから始まるって感じですね」
(編集部注:落合さんによると、コアラの赤ちゃんは半年ほどで、お母さんのお腹側にある「育児のう」と言われるポケットから出てくるんですが、子育ては1年くらいは続くそうですよ。
赤ちゃんにとって、ポケットから出るタイミングで、その後、生きていくために必ずやらなければいけないことがあるんです。それはお母さんのフンを食べること。フンに含まれている腸内細菌を獲得し、繊維が多くて毒のあるユーカリを消化できる体を作るためで、落合さんは、コアラの世界では当たりことだとおっしゃっていました。なんでもコアラのコロコロとしてフンはユーカリの匂いがするそうですよ)
ユーカリは1日100キロ、年間34トン!?
※野生のコアラはユーカリしか食べないそうですが、平川動物公園では何種類のユーカリを与えているんですか?
「ユーカリはたくさん種類があるんですけど、コアラが食べているのってだいたい80種とか90種ぐらいって言われているんですね。登園ではそのうちの13種類から14種類ぐらい栽培していますかね」
●本に、平川動物公園で飼育しているコアラ18頭が、年間に消費するユーカリの量がおよそ34トンと書かれていましたけれど(笑)、本当なんですか?
「そうですね。だいたいイメージとしては毎日100キロのユーカリの枝と葉っぱを使っています」

●凄い! 「ユーカリを制するものはコアラ飼育を制す!」と、本にも書かれていましたけど、大事なんですね!
「そうですね。もうこれしか食べませんから、ユーカリの供給が滞ると(コアラの)食べ物がなくなってしまうことになるので、ユーカリの栽培と供給態勢にはすごく気を遣っていますね。
八百屋さんとかで(ユーカリが)売っていればいいんですけど、売ってないんですよね。だからコアラを飼っている動物園はすべて、コアラのユーカリは栽培して供給できる態勢にしています。ないと終わってしまいますからね、すごく大事にしています、ここは」

●敷地内にユーカリ畑があるんですか?
「動物園の中にもユーカリの畑は何か所かあるんですけど、実は賄い切れないんですよ、動物園の畑だけだと・・・。当園では2万本ぐらいのユーカリを管理していまして、畑の数が40か所ぐらいあるんですよね。当然、動物園だけじゃなくて、遠くは鹿児島のロケットの発射基地がある種子島にあったり、温泉で有名な指宿にもあったりします」
●分散させているんですね。
「そうですね。これには理由があって、ひとつは台風が来た時にユーカリの葉っぱが飛んでしまったり、枝が折れてしまったりするんですよね。1か所にすべて植えていると、その畑が集中的に被害に遭ってしまうと、(コアラに)あげるユーカリがなくなってしまうので、リスク分散も込めて、たくさんの所、住宅地の中にある畑もあれば、山の中にある畑もあって、風の当たり方が違ったりするので、リスク分散で分けているっていうのもあるんです。
あと、今からどんどん寒くなりますよね。やっぱり温暖な場所を好むユーカリを栽培していますので、いくら鹿児島と言えども、たまに雪が降ったり霜が降りたりするんですよ。そうなるとやっぱりいい状態の葉っぱが手に入らないので、あったかい種子島や指宿といった、あったかい地域にもユーカリを植えています」

(編集部注:落合さんいわく、コアラの飼育でいちばん気を使うのは、健康管理。寝ている時間が長いコアラは体調の変化がわかりにくいため、寝ている姿勢やユーカリの食べ方、そしてフンの観察など注意深く見て、ちょっとしたことでも「疑って」かかるそうです)
尊いコアラに学ぶ
※日本では、コアラの繁殖のためにどんな取り組みがありますか?
「コアラっていう動物は、やっぱりユーカリの管理とか供給がすごく大変というか、ほかの動物と違うので、どこの動物園でも飼える動物ではないんですよね。今(国内では)7つの動物園で飼育しているんですけど、ひとつの血統だけ残してしまうと、仮にその血統が病気に弱かったりとか、小型な血統だったりすると、本来のコアラっていう動物を残せなくなるんですよね。
ですから、いろんな血統、血筋、遺伝子を取り込みながら増やしていきたいなと思っているんです。それには実を言うと100頭ぐらいの個体がいたほうが、20年30年先を見据えると、それぐらいいたほうがいいよねっていう話になっているんですね。
そうなってくるとやっぱりある程度、ほかの動物園さんと協力しながら、いきなり100頭は無理なんですけど、現状54頭ぐらい国内にいるので、これがまずは70頭ぐらいに増やして、そこから先はいろんな飼育園とか飼育施設を拡充して、コアラという動物を安定的に未来に向かって残していけるような態勢を協力して残していけたらなとは思っていますね」

●コアラの飼育を担当されて5年ということですけれども、日々コアラと接して何かコアラから教えてもらったみたいなことってありますか?
「毎日コアラを見ていて、彼らって、可愛いイメージが先行していますけど、やっぱり生きることにすごく貪欲なんですよね。ユーカリひとつ食べる仕草にしてもそうですし、繁殖する時のオスの猛々しい鳴き声とか、そういった姿を見ていると、挑戦しているじゃないですけど、彼らってやっぱり日々当たり前のように必死になって生きているっていうのが感じるんですよね。
で、可愛いんですけど、そのひとつひとつの仕草が非常に尊いというか尊敬できるなと思うんですよね。そういった仕草とか、コアラっていう動物を日々見ながら、(私たちも)一生懸命生きていかないといけないっていうわけじゃないんですけど、もっと挑戦的、チャレンジしていかないといけないのかなっていうのは、本当に感じるかな、っていうか、感じていますね」
●将来の夢があったらぜひ教えてください。
「今、動物園でコアラを多くのかたにご覧いただいているんですけど、当園の特徴としてコアラがいる空間に入っていける施設があるんですね。ガラスがなくてそのままの空間でコアラをご覧いただけるんですよ。
そこには、コアラが暮らしている現地の植物を植えていたりとか、当然ユーカリも植えているんですけど、動物園に来てコアラが暮らしている現地の森を、来園者のみなさんに体験してもらえるような施設にできたらなと今思っているんです。
まだまだその時点には達してないんですけど、そういった空間でコアラを見てもらって、野生のコアラを少しでも感じていただけるような場所にできたらなと思っています」

(編集部注:オーストラリアの固有種コアラは現在「国際自然保護連合IUCN」の絶滅危惧種に指定されています。減っているおもな原因は、気候変動や森林火災による生息地の減少で、市街地にまで進出し、交通事故で命を落とすコアラも数多くいるとのことです。
落合さんは以前、オーストラリアの施設を視察したことがあって、その時に感じたのは、平川動物公園の飼育態勢は、晴らしいといえるレベルにある。やってきたことは間違っていなかったと自信にもつながったそうです。平川動物公園のコアラ館、ぜひ行って見学したいですね)
INFORMATION
『すごいコアラ! 〜飼育頭数日本一の平川動物公園が教えてくれる 不思議とカワイイのひみつ』
動物園のアイドル的なコアラの可愛い写真が満載。一頭一頭、名前がついているのでそれを見て、コアラ館に行くと、推しが見つかるかも知れません。コアラの生態がわかりやすく解説されているほか、なにより、飼育員のみなさんの奮闘ぶりやコアラへの想いを感じる一冊です。
新潮社から絶賛発売中! 詳しくは出版社のサイトをご覧ください。
◎新潮社:https://www.shinchosha.co.jp/book/355861/
鹿児島市にある平川動物公園のサイトもぜひ見てください。

◎平川動物公園:https://hirakawazoo.jp