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大切な人を守るために〜「災害が起きてからでは手遅れ。きょうできることに目を向ける」

2026/3/8 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、防災アナウンサー、そして環境省アンバサダーとして活躍されている「奥村奈津美(おくむら・なつみ)」さんです。

 奥村さんは2011年3月11日に、当時暮らしていた宮城県仙台市で被災するも、テレビ局のアナウンサーとして、すぐに緊急報道に携わり、災害現場を取材。その経験から、いかに平時の防災が大事かを痛感し、その後、防災士などの資格を取得。現在は「おうち防災」の専門家として活躍されています。

 きょうは、そんな奥村さんの本『大切な家族を守る「おうち防災」』をもとに、暮らしの中の防災の知恵や、おうち防災のポイントのほか、サステナブルな生活が防災につながるというお話もうかがいます。

☆写真協力:奥村奈津美

奥村奈津美さん

防災活動の原点

※奥村さんは立教大学卒業後、広島や仙台のテレビ局で、アナウンサーとして活動。その後、東京に戻り、フリーランスとして、NHKやTBSなどのワイド番組や報道番組で活躍。

 2011年3月11日は、冒頭でも触れましたが、仙台の自宅で被災。台所にいたため、大きな揺れで、冷蔵庫の上に置いていた重さ30キロの電子レンジが飛び、もし当たっていたら、どうなっていたのか・・・死の恐怖を感じたそうです。

 奥村さんがおっしゃるには、キャスターとして様々な災害報道に携わってきたけれど、恥ずかしながら、当時は災害の備えをしていなかったとか。

 自宅で被災して間もなく、テレビ局に戻ることができた奥村さんは、救急報道に携わり、72時間ノンストップで続けたそうです。

 奥村さんは、当時を振り返って、こんなことを痛感したと言います。

「ヘリコプターの映像などから、例えば津波の一波二波が到達しているような光景は、私たちは見えていたんですね。ですが、危険な場所にいる人に(津波の)情報を伝える術がなくて・・・“逃げてほしい”と、どれだけ願っても、“逃げて!”と叫んだとしても、そこにいるかたたちには情報だったりとか、その(避難の)行動を伝えることができなかったんですね。

 そこでいちばん感じたのが、災害が起きてからでは手遅れだということです。起きる前のきょうだったらできることはたくさんある。放送でも様々な情報を伝えることができるんですけれども、起きてからでは手遅れなので、起きる前にどうするかということに目を向けて、この15年は過ごしてきました」

命を守る家に住む

※奥村さんはその時の教訓や思いを込めて、『大切な家族を守る「おうち防災」』という本を出されています。防災に関する知恵や情報、そしてヒントが満載で、細かく、わかりやすくまとめてあって、大変参考になります。

 この本は2021年に出した本の改訂版で、本のタイトルも新たに去年6月に出版。第1章の「『水害』から家族の命を守る」から、第6章の「家族の未来を守る!『毎日』できること」までありますが、今回は東日本大震災から、もうすぐ15年ということで、第2章の「『地震』から家族の命を守る」と、「おうち防災」のお話をメインにうかがっていきたいと思います。

●本に「最も重要な地震対策は、命を守る家に住むこと」とあります。これについて、ご説明いただけますか?

「地震対策には大事なことがふたつあります。ひとつ目が地震に耐えられる家に住むということ。そしてふたつ目が地域のリスクを知るということなんですね。

 どれだけ防災グッズを備えても、家が潰れてしまったら、それを使うこともできません。津波とか土砂災害のエリアは、やはり木造家屋などはそのまま流されてしまうような恐れがありますので、まずは家の耐震基準ですとか、家の中の安全性をみていただく、そして(住んでいる)地域のリスクをハザードマップなどで確認していただくということを大切にしております。

 家の中を安全にする前に、まず家が壊れないかどうかということを確認していただきたくて、そのひとつの目安となるのが、いつ建てられた家なのかということなんですね。

 日本では家の基準が何度か見直しをされているんですが、1981年6月よりも前に建てられた家は、『旧耐震基準』と言われていまして、大きな地震には耐えられないというのが国のほうからも言われているんですね。ですので、そういった家にいる場合は、家の中に留まるのではなく、揺れを感じたら、すぐに家の外に出ていただきたいですね。

 今『耐震診断』を自治体で無料で受けられるような、そういった助成をしているところも多くありますので、まずは診断を受けていただいて、地震の揺れに耐えられる家なのかどうかというのを確認していただく。

 耐えられないとなった場合は耐震補強の工事をするとか、あとは引っ越しをして別の家に住む。そこまでは予算がないという場合は、ベッドのところだけでも・・・家の下敷きにならないような耐震ベッドっていうものがあるんですけど・・・空間が残るようなベッドにするですとか。あとは一室だけシェルターのような形の部屋を作るなど、そういう方法があります。

 今は2000年6月よりも前に建てられた木造住宅も、大きな地震ですと被害を受けてしまう確率が高いということで、東京都とか神奈川県の一部の自治体などでは、そこも耐震診断を受けていきましょうというふうに変わったんですね。

 ですので、まず家が建てられた、“建築確認された日”と正確には申し上げるんですけれども、そこをまず確認していただいて、それによって行動も備えも変わってきます。まずそこが(防災の)スタートかなと思います」

すべての家具・家電は固定する

※続いて、家の中を安全にするポイントを、いくつか教えてください。

「大きな揺れになりますと、固定していないものは倒れたり、飛んできたり、動いたりして大変危険なので、すべての家具・家電は固定することをおすすめしております。もちろん置かないのがいちばん安全ではあるんですが、日本の住宅事情では収納が備え付けだけではなかなか足りないので、家具を置くかたが多くいらっしゃると思います。

 まず置き場所なんですけれども、ベッドの上とか布団の上とかそういったところに倒れてくると、寝ている時は無防備なので、逃げたりすることができないですよね。なので、そういった場所には置かない。

 あとは避難経路を塞いでしまうと逃げられなくなりますので、ドアですとか倒れてきたらドアが開かなくなるような場所にも(物を)置かないっていうことになります。

 どうしても腰よりも高い家具を置かなくてはいけない時は、転倒防止器具を設置するという方法になるんですね。
 転倒防止器具と聞くと、突っ張り棒タイプの、天井と家具の上の部分を突っ張るような形で止めるものが、ポピュラーだと思うんですけれども、東京消防庁の実験結果などでもそういった器具単体では、ほとんど効果を発揮できないというような結果もあるので、できればストッパーとセットで使っていただいたりとか、あとL型金具とか、より効果の高い転倒防止器具を設置していただきたいと思います。

 冷蔵庫とか電子レンジとかテレビとか、そういった家電も専用の転倒防止器具がいろいろと出ていますので、その家具・家電に合ったものでしっかり固定することをお願いしたいです」

(編集部注:家具を固定するには、段ボールを使って、家具と天井の隙間をふさぐ方法もあるとのことです。詳しくは奥村さんの本に載っていますので、ぜひ参考になさってください)

『大切な家族を守る「おうち防災」』

避難の前にブレーカーを落とす

※家の外に避難することになった場合に、避難する前にやっておくことは、どんなことですか?

「どういう地域に住んでいるかによって変わってくるんですね。例えば、津波とか土砂災害のような一刻を争うような場所に住んでいる場合は、何もしなくて、とにかく安全な場所に走って逃げていただきたいんですね。また、家が倒壊しそうな状況だったりとか、隣の家が燃えているとか、自分の家が燃えているような時は、まず一目散に安全な場所にご移動いただきたいと思います。

 そうではなくて、家の中が壊れていなくて、(自分が)動くことができるような状況にあった場合は、まずブレーカーを落としていただく。それからガスの元栓や水道の元栓を締めていただく。また災害時は防犯面も脆弱になりますので、しっかり施錠をしておくというような、そういった対策をして避難していただくことも大事です。

 ブレーカーを落とすのは、地震の時に(起きる火災の)半分以上が電気による火災がなんですね。ブレーカーが落ちていないと、電気が復旧した時に何か可燃物が落下していて、火の元になるような家電にスイッチが入ってしまった場合、そこから出火したりですとか、配線がショートしていて、そこから出火したりという恐れがあります。

 ですので、ブレーカーを切っていただきたい。留守の時に地震が起きることもありますので、できれば『感震(かんしん)ブレーカー』と言いまして、ブレーカーを自動で切ってくれるものがあるんですね。揺れに応じてブレーカーが“バンッ!”と切れるような、そういった機能の付いたブレーカーだったりとか、後付けできるものもあるので、感震ブレーカーを設置していただければなと思います」

(編集部注:避難所については、地域の自治体が指定している避難所のほかに、企業や寺院などが設置する場合もあるということですので、事前に問い合わせるなどして、確認しておくといいですね)

※本に「福祉避難所」というのが載っていました。これはどんな避難所なんですか?

「これは要配慮のかたがた、例えばご高齢のかたとか障害があるかたとか、あと乳幼児、妊産婦など、そういった要配慮のかたを受け入れる避難所を各自治体で指定するようになっております。

 今はいろいろと自治体によって取り組みが変わってくるんですけれども、国のガイドラインではやはりそういった要配慮のかたがたが直接避難できるように、事前に個別避難計画などを作って、取り決めしていきましょうっていう流れにはなっているんですね。

 例えば、介護度が何以上の人とか障害の程度によって変わってくる・・・本当に自治体によって取り組みは様々あるかと思うんですけれども、避難所に行って体調が悪くなってから違う場所に移送するとなると本当に命に関わりますし、要配慮のかたを移送するのもすごく大変なんですね。

 ですので、最初からそういったケアができる専門的な場所、介護施設だったりとか障害者施設、そういったところに直接避難できるようにしていこうというものですね。

 乳幼児に関しては、母子避難所のようなものを設置するということを取り決めしている自治体さんもありますので、ホームページですとか自治体の窓口に、要配慮のかたがご家族にいる場合は聞いてみてもいいかもしれないですね」

在宅避難〜最重要アイテムは「トイレ」

※自宅にとどまれる状況だった場合、「在宅避難」がベストということで、本に「自宅を最強の避難所にするため」のポイントが載っていました。ご説明いただけますか?

「耐震基準を満たした家で、地域のリスクもそれほどなくて、火災などもなくて、そして家の中が安全な空間になっていた場合は、自宅に留まって生活をするというのも立派な避難の選択肢のひとつになります。

 ただそういった状況でも、電気や水道、通信などのライフラインは寸断されてしまうんですね。なので、代替アイテムを備えていくという話になります。

 いちばん優先順位が、私は高いと思っているのはトイレで、災害時、飲まなくても食べなくてもトイレは行きたくなりますが、そのトイレの水は流せなくなってしまうんですね。

 流せなくなる理由としてはいくつかあります。例えば断水していたら水は出ないですし、停電して流せなくなっちゃうようなトイレもあります。それから便器や便座が壊れてしまって使えなくなったりとか、ドアが開かなくなったりとか・・・あとは配管がずれてしまって、そこから水漏れしたり逆流したりとか、様々な理由でトイレが使えなくなります。

 そこで災害用トイレというものがあるんですね。袋と凝固剤がセットになったものが売られていまして、それを災害時はトイレに少し備蓄しておいて使っていく。1週間分くらいは備えておいていただきたいなと思うので、トイレに備蓄しきれない分は、どこか収納場所を作って置いておいて欲しいなと思います」

●災害グッズを備えるにあたって優先順位があると、本に書かれていますけれども、やはり最重要アイテムはトイレになってきますかね?

「そうですね。様々な考え方はあるかなと思うんですけれども、多くのアンケートなどでやはり困ったことの上位に登ってくるのがトイレですし、災害関連死を防ぐ・・・災害関連死というのは、被災後の生活で体調などを崩してしまって亡くなるかたが大変多くいらっしゃるんですけれども・・・その災害関連死を防ぐという観点からも、やはりトイレは重要になるんですよね。

 トイレを我慢してしまうと、水を飲むのも我慢してしまったりとか、食べるのも我慢してしまったり・・・。またトイレが綺麗な環境じゃなかったりとか、列ができていて、なかなかトイレを使えないみたいな状況だと、便秘になるかたも多かったりですとか、とにかく体調に直結するものでもあるんですね。

 ある妊婦さんが能登半島地震で災害用トイレを備えていたんですけれども、十分な量を備蓄していなくて、家族で1個をちょっと節約して使っていたそうなんですね。そうしたらお腹が痛くなってしまって救急搬送されてしまったんです。その妊婦さんが“災害時、こういう衛生に関わるものはケチっちゃダメですね”っておっしゃっていたんです。

 きっと防災グッズにあまりお金をかけずに備えたいと思っているかたも多くいらっしゃると思うんですけれども、そういう衛生、命に直結するものに関してはしっかり備えておいていただきたいなと思います。

 どうしても凝固剤とかそういうものを買う予算がないという場合も、例えばペットを飼っている場合だったら、ペットのトイレシートを活用するとか、介護用とか育児用のオムツがある場合は、サイズアウトした時に捨てずに取っておくとか・・・多めに備蓄をしておいて、それを大人も災害時にちょっと使わせてもらうとか、そういうふうに対応することもできるので、本当に衛生用品に関してはしっかり備蓄しておいていただきたいなと思います」

防災の基本は「普段」を災害時にも

※赤ちゃんがいるご家庭の場合、例えば、ミルクや離乳食、オムツとか、どんなものを、どれくらいの量を用意しておけば、いいでしょうか?

「国のほうからも乳幼児、要配慮のかた、みなさんなんですけれども、2週間分は各家庭で備蓄しておくようにと言われています。やはりそういった支援物資はなかなか届かないので、在宅避難できる場合は2週間ぐらいは、家にあるもので何とかお子さんのケアができるようにということが大事になります。

 災害時、初めてのものに挑戦するのはリスクが高いので、平時と同じことができるようにしてほしいんですね。なので、例えば母乳で育てている場合は、母乳育児を継続することが何よりも大事になってきます。

 そういった時にミルクを与えてしまうと、そのミルクにアレルギー反応が出て体調が悪くなってしまうかもしれないですし、母乳が1回ミルクに置き換わることで母乳が出なくなってしまうとか、様々なリスクがあります。

 またミルク育児している場合も、普段飲んでいるミルクだったら災害時に与えても問題ないと思うんですけれども、備蓄用に別のミルクを用意していて、初めて飲ませると合わなくて飲めなかったりとか、アレルギー反応だったりとかあると思うんですね。

 ですので、普段やっていることを災害時もやれるように、離乳食とかも普段食べているもの、例えば、外出する時に瓶詰めの離乳食とかパウチの離乳食とか活用されることあると思うんですけれども、そういったものも1年とか長期保存できるものがたくさん出ているので、普段のお出かけの時もそういうものを食べるし、災害時もそれを活用していくっていう考え方をしていただけたらなと思います」

●いつも通りのことができるようになればいいんですね。

「そうですね。初めてはそのお子さんにどういう反応が出るかわからない。特に小さいお子さんだと、それは乳幼児だけではなくて、小学生とかそういったお子さんもだと思うんですけれども、普段もあまり食べ慣れていないものとかを出すと、食べなかったりとかってあると思うんですよね。

 災害時の非常食も1回も食べたことないものを出すってなると、ちょっと大人でも怖いですよね。どんな味なのかもわからないですし、なのでやっぱり普段食べているもの、普段使っているものを災害時も使えるように備えていくのが防災の基本かなと思います」

「持ち出し袋」と「防災ポーチ」

※非常持ち出し袋の考え方として、これも優先順位があると本に書いてあります。どんな優先順位があるのか、教えていただけますか?

「はい。非常持ち出し袋を使うということは、家にいると危険だっていう状況だと思うんですね。例えば火災ですとか、津波が襲ってきているとか、土砂災害とか、そういった時にパッと持ち出せることが最も大事になります。

 ですので、持ち出し袋でいちばん大事なのは、背負って逃げられる重さに留めることですね。どれだけ物入れていても、重くて持ち出せなかったら意味がないですし、玄関とかパッと持ち出せる場所になければ、一刻を争うような時に持って逃げられないと思うんですよね。なので、そこはやっぱりどのくらいの重さにするのかと、あと収納場所が大事になってくるかなと思います。

 その上で中身の考え方なんですね。なくては命がつなげないものって人によって違うと思うんですけど、あると思うんですよね。私自身だったらコンタクトなので、眼鏡がないとコンタクトが乾いてしまった時とか困ります。

 あとは補聴器を付けているとか、入れ歯があるとか、お薬を飲んでいる、アレルギーがある、それぞれそのかたの特徴によって必要になるものって変わってくると思うんです。そういったものを必ず持ち出せるように用意しておくのが、何よりも大事ですね」

●普段、私も息子とお出かける時は、おむつとかおしり拭きとかを入れたバックを持ち歩いているんですけれども、奥村さんは防災ポーチを推奨されていました。これはどんなポーチなんですか?

「普段のママバックをそういうふうに持ち出すことも、すごくいいと思うんですね。普段のママバックって、そのお子さんに必要なものが全部入っていると思うので、それを持ち出していただくっていうのも大事なんですけど、そうすると自分にとって必要なものって、その中に入ってなかったりしませんかね?」

●確かにそうですね。

「お子さん優先になっちゃって、自分の身を守るためとか、自分がないと困るものが入ってなかったりすると思うので、せめて防災ポーチの中にそれは入れて、持ち出しましょうということをおすすめしています。

 非常持ち出し袋の考え方と同じになるんですけれども、やっぱり体の一部になるものですね。お薬だったりとか、私はコンタクトなのでコンタクトの予備だったりとか、そういったものは入れておいていただきたいですね。

 あとは、濡れてしまうと低体温症のリスクとかもあるので、『エマージェンシー・シート』っていう、折り畳める銀色のシートがあるんですけれども、そういったものを入れたりですとか、生理用のナプキンとかも普段、必要になるものばかりだと思うんですけれども、そういったものを自分の身を守るために入れておくことをおすすめしています」

「SOSカード」のすすめ

※本に『子供も大人も、ひとり一枚「SOSカード」を作ろう!』というページがありました。このSOSカードとは、どんなカードなんですか?

「災害時に携帯電話は使えなくなってしまうので、そういった時に困らないようにいろんな情報をまず書き出しておくっていうのが大事になります。
 特にお子さんと一緒に避難したとしても、途中で離れ離れになってしまったりする時もある、そういった時に、お子さんがこの『SOSカード』を近くの大人のかたとかに見せたら助かる確率が上がるような、そういった情報を書いておいていただきたいんですね。

 例えば、ご自身の情報とか、ご家族の携帯電話とか、勤め先の情報とか、避難場所・避難所の情報だったりとか、お子さんがアレルギーとか何か障害があった場合は、どんな特性があるのかっていうことをまとめていただく。

 あとは、なかなか家族の特徴を言葉で伝えることって難しいと思うので、写真も一緒に入れておいていただきたいんですね。

 東日本大震災の時に写真がなくて困ったというお話は、すごくいろんなかたからおうかがいしていて、それはペットもそうなんですけれども、自分の子供は“身長が120センチで、体重が20キロちょっとで、きょうは紺色のトレーナーを着て出かけました”みたいに言ったとしても、うちの子小学校1年生なんですけど、小学校1年生のお子さんってそういう感じなので、体格も見た目もなかなかその特徴・・・ご主人だったり、奥様の特徴を言葉で伝えるのって難しいと思うんですね。

 そこで写真の裏を活用すれば、その写真を見せるだけで、どういう特徴のあるかたなのかは一発で伝わりますし、スマホが使えなくなっても(写真の)裏の情報で連絡を取り合うってことができると思うんですね。

 お子さん自分自身に何かあった時に困らないように、少しでも助かる確率を上げるために『SOSカード』を作ることをおすすめしています」

地球に優しい暮らしは「防災」につながる

※本に「地球に優しい持続可能な生活は防災にもつながる」と書いてありました。これについてご説明をお願いします。

「最近は地球温暖化の影響で気候危機と言われていますけれども、昔とはフェーズが変わってしまって、雨の降り方も夏の暑さなどもより厳しくなっています。

 そういった中でどれだけ備えても根本的な解決にはつながらない。やはり地球温暖化を止めなくては、夏の暑熱災害もですし、豪雨ですとか、そういった被害もより厳しくなっていくので、地球温暖化対策なども含めて、“地球に優しい暮らしをしていただくとそれが防災にもつながるよ”ということを綴りました。

 地球温暖化の影響を受ける最初の世代と私たちは言われていますけれども、一方で地球温暖化を止められる最後の世代とも言われているんですね。なので、私たちがどういう選択をしていくかによって未来が大きく変わる、そういった分岐点に生きていると思います。

 自分自身は子供がいるので、やっぱり子供たち・・・大人もおじいちゃんおばあちゃんもそうですけど・・・その先の子供たちも幸せにより良い毎日を送っていけるような地球を残していきたいなと思っています。

 “日々の買い物は投票だ!”って言われたりしますよね。例えば電気代・・・どんな電気を買うのかによって未来は変わってきますよね。化石燃料由来の電気を使うのか、それとも再生可能エネルギーなど、CO2を排出しない電気を使うのか・・・によって、未来が変わっていくっていう中で、毎月の電気代どっちに支払うのか・・・。

 本当に小さな選択ではあるように思うかもしれないですけれども、日々の何を食べるのか、何を買うのか、そういった選択が子供たちの未来につながっていくので、日々そういったことをちょっと考えて、物を選んでいただけたらなと思います」

●では最後に、奥村さんが防災アナウンサーを志すことになったと言える3.11がもうすぐやってきます。どんな思いがありますか?

「そうですね・・・3月11日、私がこの活動を始める原点となったのが、石巻の日和(ひより)幼稚園で起きた津波被災事件というものになります。

 園は高台にあったので、そこに留まっていれば、全員無事だったんですけれども、大津波警報が出される中、なぜか送迎バスが海のほうに向かって走っていってしまって、津波に巻き込まれ、その後、延焼火災で園児5名が焼死してしまうという痛ましい事件がありました。

 私はそのご遺族の佐藤美香さんというお母様とずっと交流をさせていただいて、今年も3月にお会いする予定になっているんですけれども、そのお母様のメッセージをみなさんにもお伝えできたらなと思って活動しております。

 そのお母様がおっしゃっているのが『知らないことがいちばん怖いことです』ということです。その園の防災マニュアルがどうなっているのか、その地域のリスクがどうなっているのか、今はいろいろと知る術があるんですけれども、知らなければ、なかったことと同じです。

 起きてからでは手遅れなので、起きる前のきょうできることに目を向けて、大切なかたを守れるように備えを進めていっていただけたらなと思います」


INFORMATION

『大切な家族を守る「おうち防災」』

『大切な家族を守る「おうち防災」』

 この本には、水害や地震から家族の命を守るためにすることや、自宅を最強の避難所にする方法などが最新データや知見をもとに書かれています。ママ目線のアドバイスも多く、また、育児支援の専門家のインタビューなども載っていて、とても参考になります。

 あなたのうちの防災を、この本を見ながら、ひとつひとつ検証していま家族のためにできることをやっておきませんか。

◎辰巳出版:https://tg-net.co.jp/tatsumi_book/21362/

 役立つ情報が満載の、奥村さんのオフィシャルサイトもぜひ見てください。奥村さん考案の「地震ロードマップ」と「水害ロードマップ」をダウンロードできますので、ぜひチェックしてください。

◎奥村奈津美オフィシャルサイト:https://natsumiokumura.com

 奥村さんのオフィシャルYouTube「妊娠・出産したら見る防災チャンネル」もおすすめです。

◎YouTube「妊娠・出産したら見る防災チャンネル」:
https://www.youtube.com/@natsumiokumura-bousai

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