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シリーズ「SDGs〜私たちの未来」の第27弾!〜「フードペーパー」と「芽が出る鉛筆」をクローズアップ!

2026/1/25 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンは、シリーズ「SDGs〜私たちの未来」の第27弾! 今回は、斬新なアイデアで生まれた「紙」と「鉛筆」をクローズアップします。

 今回は「SDGs=持続可能な開発目標」の中から、「質の高い教育をみんなに」 「つくる責任 つかう責任」そして「陸の豊かさも守ろう」。

 お迎えするのは、廃棄される野菜などを材料に「フードペーパー」を開発した
五十嵐製紙の伝統工芸士「五十嵐匡美(いがらし・まさみ)」さん、

 そして「芽が出る鉛筆」を輸入販売している「レトロバンク」の代表取締役「中村真衣子(まいこ)」さんです。

 サステナブルで環境教育にもつながる「紙」と「鉛筆」、いったいどんなプロダクツなのか、じっくりご紹介します。

「フードペーパー」の始まりは、夏休みの自由研究!?

☆写真協力:五十嵐製紙

写真協力:五十嵐製紙

※前半は、廃棄される野菜などを材料に製作した「フードペーパー」をご紹介します。

 開発したのは、福井県越前市にある「五十嵐製紙」の伝統工芸士「五十嵐匡美」さんです。1919年、大正8年創業の「五十嵐製紙」は、およそ1500年の歴史がある「越前和紙」の伝統を受け継ぐ工房です。

 越前和紙の原料はコウゾ、ミツマタ、ガンピといった木の皮ですが、特徴は、漉(す)けないものはないというほど、多種多様な技法があること。実はこの特徴こそ「フードペーパー」誕生の要因とも言えます。

 お話をうかがう五十嵐さんは「五十嵐製紙」の四代目。国家資格である「伝統工芸士」を取得したのは、多くのかたに和紙の素晴らしさを伝えると同時に次の世代を育てるためでもあったそうです。

●まずは「フードペーパー」とはどんな紙なのか、教えてください。

「このフードペーパーは廃棄されるはずのお野菜とか果物を、紙に漉(す)き込んだ和紙なんですけど、これを始めたきっかけが和紙の原材料不足です。

 コウゾ、ミツマタ、ガンピっていう木が年々減少してきているので、それをなんとかしたくて、廃棄されるはずのものを、足りない原料の代わりに入れ込んで、フードペーパーという名前で作らせてもらっています」

●どういう経緯でフードペーパーが誕生したんですか?

「実は、うちの息子、次男が夏休みの宿題の自由研究で、小学校4年生から中学校2年生まで、身近な食べ物とか植物から紙を作る研究をしたんです。それを私が整理してブランド化したのがこのフードペーパーです」

●息子さんは自分から進んで、その研究をされていたんですか?

「そうなんですよ。いきなり4年生の夏休みに“自由研究で紙を漉こうと思うから道具を貸して“って言われて・・・。どんな紙ができるかも私はイマイチよくわかってなくて、簡易的な紙漉きの、ちっちゃい道具のセットを渡して、やり方とかを軽く教えたら、うちの子はそのあたりの食べ物とかから紙を作り出して、そのまま研究をしていました(笑)」

写真協力:五十嵐製紙

●お母さんとしては、家業である紙に目を向けてくれたのは、すごく嬉しかったんじゃないですか?

「それはそうですね。やっぱり全然違うものよりかは、私たちがやっている仕事につながるようなものの、実験をしてきたっていうことでとても嬉しかったです」



●通常の和紙作りとの違いっていうと、どんなところなんですか?

「ほぼ変わりなく、紙漉きの工程も普段の紙の原料の代わりに廃棄されるはずのものを足すっていう感じで、すべてがほぼほぼ同じ工程で(フードペーパーは)作られていきます」


●最初からスムーズにいったんですか?

「そうなんです! それが意外とスムーズにいって・・・でもやっぱりそれは、うちの子の理科研究のノートっていうか、まとめたものがあったから、私はそれを教科書代わりにして(笑)、それを読み込んでフードペーパーを作ったので、スムーズにいきました」

写真協力:五十嵐製紙

息子には内緒でブランド化!?

※実際に製作する過程で、息子さんといろいろアイデアを出し合ったりしたんですか?

「実は、フードペーパーのブランドを立ち上げる時に、息子には一切お話ししてなかったんです。というのも高校受験の時で、余計な情報を入れないでおこうと思い、販売するまで息子には一切黙って進めていたので、理科研究のノートを教科書代わりにこっそり頑張っていました(笑)」



●そうだったんですね。息子さんにはいつの段階でお伝えしたんですか?

「合格が決まってすぐ伝えました。そしたらびっくりして、“ええぇ~”ってなって・・・でもすごく嬉しそうでした」



●フードペーパーとして完成するまでには、どれくらいの日数がかかったんですか?

「それが実は意外と早くて、発案してから発表するまで3~4ヶ月で、すぐ展示会に出しちゃいました」


●今はおもにどんなものを材料にフードペーパーを作っているんですか?

「今はおもに福井県内から出されるもので、一般的な玉ねぎ、じゃがいも、にんじん、ごぼう、お茶とかそういったものを使っています」



●材料によってやっぱり風合いの違いとかもあるんですか?

「そうなんですよ。肌触りにしても、全然その食べ物の風合いがそのまま出ているので、じゃがいもでしたら、ふんわりと、まるで蒸かし芋のようにホクホクとした手触り、玉ねぎでしたら、ちょっとシャリッとした風合いになっていきます」

写真協力:五十嵐製紙

●面白いですね。フードペーパーは和紙ではなくて、新しいジャンルの紙っていう感じですよね?



「そうですね。ある意味、和紙と洋紙の間って言いますか、和紙ともちょっと違う、新たなジャンルの和紙だと自分では思っています」

(編集部注:紙文具ブランド「フードペーパー」のラインナップは、メッセージカード12枚入り540円や、ノート500円などの文具から、サコッシュやフードストッカーのほか、有名デザイナーとのコラボレーションで誕生したトレイやくず入れもあるそうです。サコッシュなどの販売価格については、「五十嵐製紙」のオンラインストアをご覧ください。
https://foodpaper.jp/

 ほかには現在、おしゃれなティッシュケースなどを製作中だとか。どんな仕上がりになるのか、楽しみですね)

写真協力:五十嵐製紙

※「フードペーパー」の今後の展開なんですけど、どんなことがあげられますか?

「いろんなフードロスももちろんなんですけど、最近はフードだけではなく、いろんなジャンルのものが(五十嵐製紙に)集まってまいります。

 例えばデニムの、はきつぶしたものであったり、会社の制服、ベストであるとかユニフォーム・・・そういったものは今までは完全に廃棄されていたはずなんですけど、それを弊社で引き取って、粉砕はしてもらっていたんですけど、粉砕したものをその会社の名刺であったり、ショップカードであったり、包装紙であったりっていうものに生まれ変わらせている実績もあります。

 最近は、フードペーパーとは言っているんですが、フードだけではなく洋服の繊維であったり、あとはハーブの抽出した絞りかすであったり、お花であったり、いろんな分野の廃棄されるはずのものから紙を作っています」

(編集部注:五十嵐製紙では現在、長男が和紙づくりの修行中。フードペーパーの発案者である次男は大学生活を満喫中だそうですが、大学が休みになると家業を手伝ってくれるそうですよ。

 五十嵐さんとしては、息子さんたちに家業を継いで欲しいと思っているそうですがあとは子供たちの気持ち次第かな~とおっしゃっていました)

和紙は生活の一部、もっと身近に

写真協力:五十嵐製紙

※「越前和紙」の可能性は、まだまだあると思いますか?

「まだまだあると思っています! やれることもたくさんあるし、いろんな場面にもいろんな紙が作れると思うし、やりたいことがまだまだあるので、楽しい展開が待っていると思います」



●和紙作りの伝統工芸士として、一般のかたに伝えたいことって、どんなことですか?

「みなさん多分、和紙って聞くだけで、高級なものとか高いものっていうイメージがあると思うんです。

 でも、昔から和紙って生活の一部として使われていたもので、家の中に障子があって、襖紙(ふすまがみ)があって、衝立(ついたて)があって・・・食事の時もお返しがあってとか、いろんな生活の場面で日常的に使われていたのが和紙なんですね。

 今も高級っていうよりかは、私は日常使いができる、毎日の生活の中で、すぐそこに和紙があるような生活にしていっていただけたらなと思っています。もっと身近に気軽に気楽に和紙を使ってほしいです」

「芽が出る鉛筆」「木になる鉛筆」

☆写真協力:レトロバンク

写真協力:レトロバンク

※後半は「芽が出る鉛筆」を輸入販売している「レトロバンク」の代表取締役「中村真衣子」さんにご登場いただきます。

 レトロバンクはおもにデンマークの文房具を扱っている会社で、代表的な商品は、70年以上の歴史がある「フローティングペン」。観光地などのショップでよく目にする、ペンを傾けると中の絵がゆっくり動く、あのフローティングペンを輸入販売。

 現在はその事業を承継し、日本で生産しているメーカーであり、同じくデンマークの「芽が出る鉛筆」の輸入総代理店でもあるんです。

写真協力:レトロバンク

●改めて「芽が出る鉛筆」とはどんな鉛筆なのか、ご説明いただけますか。

「通常は消しゴムが付いているような部分に、緑色のカプセルが付いておりまして、その中にタネと、おがくずが入っています。

 この鉛筆をどうやって使うかって言うと・・・普通、鉛筆って書いていくと、どんどん短くなってしまって、最終的には短くて書けないから捨ててしまうことにはなると思うんですね。

 それをただ捨てるだけではなくて、このまま鉛筆の緑色の部分を土に植えていただくと植物に生まれ変わる! っていう仕組みを備えている鉛筆なので、捨てるだけではなくて、何か新たな命を誕生させることができる付加価値を備えた鉛筆になっております」



●見た目は本当に鉛筆なんですけれども、鉛筆のお尻の部分を土に挿しておくと、芽が出るっていうことなんですよね?

「そうですね。構造としては、この緑のカプセルのところが植物性のセルロースでできているんですね。で、土に挿していただいてお水をかけると、お薬のカプセルみたいな形で、土の中でカプセルだけ溶けて、中にタネとおがくずが入っているので、それが土の中に放出されて芽が出てくる仕組みになっています」

写真協力:レトロバンク

●どんなタネが仕込まれているんですか?

「いろんな種類があるんですけれども、おもにハーブとお花とお野菜を日本では採用しています。
ホームページ上にも載っているんですけれども、ハーブだとバジルやセイジ、タイム、あとはコリアンダーですとか、そういう身近な家庭で使えるようなハーブがございます。


写真協力:レトロバンク

 ほかにはお花がございまして、ヒマワリだったり、カーネーション、デイジー、忘れな草など、楽しんでいただけるお花も入っております。

 あとは『木になる鉛筆』っていうのもあります。オウシュウトウヒっていう木があるんですけれども、そのトウヒのタネが入っている鉛筆です。トウヒって木ですから、鉛筆が木材からまた木材に生まれ変わるっていうことになりますね。

写真協力:レトロバンク

 ほかにはキュウリ、あとイタリアンパセリとルッコラ、こういう身近なお野菜のものもございます。最近はイチゴも入ってまいりました」

●いろんな種類があるんですね。鉛筆の材料にはどんなこだわりがあるんですか?



「この鉛筆の木材のところは、そのまま無垢な木材を使用しているんですね。木材の認証制度がありまして、木材を適切に管理して育てて、適切な量を伐採して使っていくっていう制度がございまして、そちらで認証された木材を使用しております。

 素材についてはいろんな木の種類、リンデンとかホワイトウッドとかバスウッドとか、いろいろあるんですけれども、その時に適切な木材を使用しているので、鉛筆によって色が違ったりとか節が出ていたりとか、そういう味のある木材を使用しています」

(編集部注:「芽が出る鉛筆」はいったい誰が思いついたのか、気になりますよね。

 考案したのは、アメリカの名門「マサチューセッツ工科大学」MITの学生さん3人。2012年に、授業の一環として「未来のオフィスに必要な筆記具」としてプラスティックを使っていない鉛筆に注目、ゴミにならず植物に生まれ変わる、植えられる鉛筆を発明したのが始まり。

 そのアイデアをデンマークにあるスプラウト社の創業者が気に入り、商品化。現在は80カ国以上で販売されているそうです)

芽が出ると新鮮な感動、子供たちの体験の材料に

※実は中村さんが「芽が出る鉛筆」を知ったのはコロナ禍の時で、デンマークの文房具を扱っていたことから、その存在を知り、早速、取り寄せたそうです。初めて手にした時、こんなことを感じたそうですよ。

「これは一体何だろう? と思いまして、で、どうやら芽が出るらしいと・・・コロナ禍っていうこともあって、おうち時間がすごく長かったじゃないですか。あの時、試しに自宅の庭で子供と一緒に植えてみたんですね。そしたら “おっ、なんか出たぞ!”みたいな感じで(笑)、“鉛筆を使ったら芽が出てきた!”みたいな、新鮮な感動を受けました。

写真協力:レトロバンク

 意外とこういうのがおうちにあったら、楽しいかもしれないっていうので、そのあとから植物に触れたりとか育てたりすることも、楽しいかもしれない! って、新たな気づきがあったりもしたんですね(笑)。そういうことで鉛筆を知って、これが日本にあったらいいんじゃないかなってことで輸入を決めました」

●初めて育てたのは、どんなタネだったんですか?



「初めては、いちばん簡単なバジルという種子で、子供うけは全くよくないですけれど(笑)、お母さんうけとか女性うけにはいいハーブで、すごく使いやすくて、やりやすいんですよね。

 バジルの(タネの)鉛筆を使ったあとに植えて、大体、芽は1週間ぐらいで出てくるんですよ。ちっちゃく可愛い芽がポンポンって出てきて、それがどんどん育って、1ヵ月ぐらいで15センチぐらいになって、“これは見たことがある葉っぱだぞ!“みたいな感じで育ってくるんですよね(笑)。


 それでお料理をしてみたら、”これはバジルだ!“みたいに食べられるものも楽しいんですけれど、ほかにヒマワリがすごく衝撃的だったんです。

写真協力:レトロバンク

 ヒマワリは直に地植えにすると、2メートル越えぐらいまで育つんですよ。子供たちもすごく喜ぶお花でタネを収穫ができるので、お花が咲いたあとにどんなふうにタネができていくのか、お花を収穫して“1本の鉛筆から何個タネが取れたね!“みたいな、そういうアプローチもできて、楽しみながらやることができました」



●「芽が出る鉛筆」ってエコロジーとかサステナブルな意識を育てる意味でも、教育の現場で使っていただきたいですよね?

「そうですね。実際、教育の現場でも結構採用されているところがあります。楽しみながらエコを学んだり、自分のことにできる体験の材料として採用されていることが多いです。


 エコだけじゃなくて、そのエコの先に植物が育っていく様子とか、そういうところにも注目してもらったり、エコと結びついた実際の体験とリンクして、子供たちにも、表面上だけじゃなくて、自分の体験にして吸収してもらいたいっていう思いが強いんじゃないかなと思います」

(編集部注:「芽が出る鉛筆」のラインナップをいくつかご紹介しておくと1本入りで430円、4本入りで1,560円。色鉛筆1本が入った3本入りのおめでとうセットは1200円、いずれもどのタネがいいか選べますよ。入学のお祝いにいかがでしょうか。

 お買い求めは「レトロバンク」のオンラインショップ
https://www.retrobank.co.jp/shop-sproutpencil
またはAmazonでも取り扱っています)

「芽が出る鉛筆」

※「芽が出る鉛筆」を手にするかたが、どんなことを感じ取ってくれたら嬉しいですか?

「単純に楽しんでいただきたいっていうのはもちろんなんですけれども、この鉛筆を使っていただくことで、エコとかサステナブルって、何をしていいのかわからないな~っていう、一歩踏み出せないところに、自分でも何かできるんじゃないかなみたいなことで、エコとかサステナブルを少し身近に考えていただいて・・・。

 その鉛筆で世界は救うことはできないんですけれども、この鉛筆が何かのきっかけになって、そういう意識とか気持ちの変化につながっていってくれたらいいなと思っています」


INFORMATION

 ぜひ「フードペーパー」と「芽が出る鉛筆」にご注目ください。できれば、実際に使っていただければと思います。いずれも子供たちの教育の現場で、環境や自然について考えるきっかけになるアイテムですし、企業や自治体のノベルティとして、キャンペーンやイベントなどでも使える、とてもいいプロダクツだと思います。ぜひぜひご検討ください。

 詳しくは「五十嵐製紙」、そして「レトロバンク」のオフィシャルサイトをご覧ください。サイトのショップからご購入できます。

◎「五十嵐製紙」:https://wagamiya.com
◎「五十嵐製紙」オンラインストア:https://wagamiya.com/shop/

◎「レトロバンク」:https://www.retrobank.co.jp
◎「レトロバンク」ウェブショップ:https://www.retrobank.co.jp/shop

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