2025/4/20 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. FIRE IN YOUR HEART / SISSEL
M2. AURORA / BJORK
M3. NOTHERN LIGHTS / DEATH CAB FOR CUTIE
M4. AURORA / FOO FIGHTERS
M5. SUNSHINE / COKO
M6. WHO ON EARTH / ANNELI DRECKER
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
2025/4/13 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、一般社団法人「日本フードリカバリー協会」の代表理事「植田全紀(うえだ・まさき)」さんです。
植田さんは地元埼玉でスーパーマーケットを営んでいた頃、大量に捨てられてしまう食品に愕然とし、なんとかしたいという思いから食品ロスの削減に取り組むことにしたそうです。
2022年 7月に設立された日本フードリカバリー協会は、効果的に食品ロスを削減するためには、生産から加工・流通、そして販売のそれぞれフェーズで食品ロスが発生している現状を踏まえ、すべてのサプライチェーンをつなぎ、情報を共有する必要性を訴えています。
そして、フードリカバリーやアップサイクル、そしてリサイクルをひとつの産業として、食品流通に組み込むことも提案されています。
きょうは「SDGs=持続可能な開発目標」の中から「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」そして「つくる責任 つかう責任」ということで、植田さんに廃棄される食品を活用する活動の一環として取り組んでいる「公共冷蔵庫」のお話などうかがいます。
☆写真協力:日本フードリカバリー協会

外れた食品を「流通に戻す」
※食品ロスの削減に向けた取り組みとして「フードバンク」があります。これは食品企業の製造工程で発生する規格外の食品を引き取り、福祉施設などへ無料で提供する活動で、全国に200以上のフードバンク団体があるそうです。
また「フードドライブ」という、家庭で余っている食品をスーパーや自治体などに持ち寄り、子供食堂や生活困窮者の支援団体などに寄付する活動も、ここ数年、全国で広まりつつあるそうです。
今回は新しい取り組み「フードリカバリー」に注目!
●協会の名前にもなっているフードリカバリーという言葉は、植田さんが考えたんですか?
「そうです。流通から外れた食品を流通に戻すっていうことで、そのまんまフードリカバリーです」
●食品ロスの削減に取り組むようになったのは、どうしてなんですか?
「そもそも15年前くらいからスーパーを経営していて、その途中でSDGsが始まって、食品ロスが社会問題であるっていうことをその時初めて知ったんですね。
自分のやっていることを振り返ってみたら、すごく捨てていたなっていうことに気がついて、スーパーとして社会問題になっていることに何かできないかっていうことで、食品ロスの削減に貢献するスーパーを作ろうと思ったのがきっかけです」
●廃棄品というのは、主にどういったものが多かったんでしょうか?
「いちばん多かったのは、やっぱり野菜ですね」
●野菜の中でも、これが多かったっていうのはありますか?
「基本的に市場に返品するものが大きなロスっていうか・・・にんじんの葉っぱの中に、ひとつふたつ腐ってました、みたいなものが入っていると、やっぱり臭いがついちゃうみたいなところがあるので、売り物にできないんですね。だから市場に返品するんですけど、でもそれは市場に戻されても困るから捨てといて、みたいになるので、やっぱりそういう印象が強いですよね」
(編集部注:植田さんはスーパーを経営されていた時に、流通に戻す試みとして、賞味期限が近いものや、規格外のものを安い値段で売る取り組みを行なっていたそうです)
寄付につなげる「公共冷蔵庫」
※協会として、現在どんなことに取り組んでいるのか、教えてください。
「協会としては今、“公共冷蔵庫”を広げていくことをやっています。流通から外れた食品の中でも、どうしても販売できないものを寄付につなげていこうっていうのをやっています」

●へ〜! それはいつ頃からの取り組みなんですか?
「これは(協会を)設立した時からなので、2022年の7月からやっています」
●協会が取り組んでいる公共冷蔵庫、これは「コミュニティフリッジ」と呼ばれています。具体的はどんな仕組みなんでしょうか?
「コミュニティフリッジは、企業さんから食品ロスになるものを集めて、プレハブの中に並べます。そこに児童扶養手当を受給しているような困窮世帯のかたたちに直接取りに来てもらうっていう、無人で食品の受け渡しをする倉庫みたいな感じです」
(編集部注:「コミュニティフリッジ」は「地域(コミュニティ)」と「冷蔵庫(フリッジ)」を組み合わせた造語で、10年ほど前にヨーロッパで始まった取り組みだと言われています。
ヨーロッパでは、地元のスーパーが閉店後に売れ残った食品をコミュニティフリッジに入れ、必要な人が持ち帰る。そうすることで、廃棄される食品が減り、環境にも優しい点が評価され、ヨーロッパのみならず、アメリカでも広まりつつあるとか。
日本ではこの仕組みに、デジタル技術を導入したコミュニティフリッジが2021年に岡山で誕生しています。地元のNPO「北長瀬エリアマネジメント」の代表理事「石原達也」さんが試行錯誤の末、生活に困っている人を支えるシステムを構築。
利用できるのは、事情がある生活困窮者だけで、事前にスマホで登録、倉庫のような入口には鍵がかかり、スマホで鍵を外して入場、持ち帰る食品は記録してもらい、在庫も管理できるシステムになっています。利用者には24時間、いつでも安全に、人目を気にせずに利用できるように配慮したそうです。
この取り組みは全国に徐々に広がりつつあり、日本フードリカバリー協会の植田さんも岡山で誕生したノウハウとシステムを学び、埼玉でコミュニティフリッジを始めたということなんです)

食品業界のルール
※ここで改めて、食品ロスの現状をお伝えしておきましょう。
世界で生産された全食品の内、年間、約40%に当たる25億トンの食品が廃棄されているそうです。
食品ロスはゴミとして廃棄されるため、焼却する際に温室効果ガスである二酸化炭素が大量に放出されます。その量はアメリカとヨーロッパで、自動車が1年間に排出する量のほぼ2倍に相当するとのこと。食品ロスが地球温暖化の要因にもなっているんですね。
ところで、日本の食品ロスの現状はどうなっているのでしょうか。
農林水産省によると、2022年度の年間の食品ロスは472万トンで、その内訳は家庭系が約236万トン、事業系が同じく236万トンとなっています。実は日本の食品ロスは減少傾向にあるんですが、それでもとんでもない量ですよね。
472万トンを、国民ひとり当たりの食品ロスに置き換えると、その量は一日約103グラム、お茶碗一杯分のご飯に近い量とされ、年間に換算すると、ひとり当たり、約38キロの食品を廃棄している計算になるそうです。
事業系の食品ロスの削減に向けては、国の取り組みとして「食品リサイクル法」などの法律が設けられているんですが・・・事業系の食品ロスが多く出てしまうのは、どうしてなんでしょうか?
「食品を扱う企業さんとしても、お客さんのために、というのがいちばんにあるので、どうしても賞味期限ギリギリの醬油を売るわけにはいかないですよね。賞味期限内に使い切れるような形で販売したいっていうのが、スーパーとしてもあるので、14日前には販売期限切れとして売り場から撤去しましょうみたいな形で、企業さんごとにルールを設定しているところだと思うんです」
●そういうルールがあるんですね。企業側も捨てざるを得ないということなんですね?
「そうです。それはもうお客様のためにです」
●ほかにも規格外の野菜が捨てられている現状もありますよね。これまで大きさだったり、形だけの問題で捨てられていたと思うんですけど、それはどうしてなんですか?
「それはですね・・・一回、小っちゃい玉ねぎを買って、料理をしてもらえればわかると思うんですけど・・・めんどくさいですよね」
●あ~小さいと・・・?
「はい、小っちゃい玉ねぎを、皮を何個も何個も(剝かないといけない)、大きいのだったら1個2個で済むのに、とにかくめんどくさい。ジャガイモの皮むき、あの小っちゃいのを剥くんですか? っていう・・・」
●確かに。
「やっぱり使いづらいですよね」
(編集部注:事業系の食品ロスの発生要因としては、いわゆる「3分の1ルール」などの商慣習が挙げられます。
これは食品小売業で「賞味期限の3分の1を超えたものは入荷しない」「3分の2を超えたものは販売しない」といった慣例のことなんですね。
これも植田さんの説明によれば、お客さまのため、ということなんですが、食べられるものが廃棄される現状を変えようと、「3分の1ルール」の見直しなどを検討する取り組みが関係省庁や食品業界で始まっているそうです。
賞味期限が迫っている食品を廃棄せずに寄付につなげたい、という植田さんの思いは、日本人の「もったいない」の心に通じますよね)

自治体が運営するコミュニティフリッジを
※今後、日本フードリカバリー協会として、特に力を入れたい取り組みはなんでしょうか?
「特に力を入れるのは、まずは自治体が運営する公共冷蔵庫、コミュニティフリッジを事例として作ることをまずやっていきたい。今目指しているのは、防災備蓄品の管理みたいな事業を委託されてコミュニティフリッジを運営する、その自治体にとっても損はないよねっていう、今まで使っていたコストを削減できるような形で提案したいなと・・・。
寄付が集まってきたけど、“配り切れなくて捨てちゃいました”っていうのが結構あると思うんですけど、そういう時に余らした物をコミュニティフリッジに入れて、被災した時には誰でも持って行っていいよ、みたいな・・・ちゃんとみんなに無人で配る、そういう時にはコミュニティフリッジが使えるのかなって思っています」
(編集部注:食品ロスを減らすには、私たちひとりひとりの心がけも大事です。
例えば、買い物は必要な分だけ、残さず食べる、注文しすぎないなど、きょうからすぐできることなので、みんなでやっていきましょう)
☆この他のシリーズ「SDGs〜私たちの未来」もご覧ください。
INFORMATION
植田さんが代表を務める「日本フードリカバリー協会」の取り組みに共感されたかたはぜひご支援ください。月額1000円からサポーターになれるそうです。また、寄付用の食品も募集中だそうです。詳しくは、日本フードリカバリー協会のオフィシャルサイトをご覧ください。
☆日本フードリカバリー協会:https://foodrecovery.jp
2025/4/13 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. COUNT ON ME / BRUNO MARS
M2. WHERE IS THE LOVE? / BLACK EYED PEAS
M3. KEEP HOLDING ON / AVRIL LAVIGNE
M4. HANDS / JEWEL
M5. ANOTHER DAY IN PARADISE / PHIL COLLINS
M6. 春 ~Destiny~ / Uru
M7. MAN IN THE MIRROR / MICHAEL JACKSON
M8. THE 3 R’S / JACK JOHNSON
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
2025/4/6 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、冒険ライダー、そして地球元気村の大村長「風間深志」さんです。
風間さんは、この4月から放送34年目に入った、この番組の記念すべき第1回目のゲストで、毎年4月の第1週目にご出演いただいている、まさにこの番組のシンボル的な存在です。
1950年生まれ、山梨市出身。1980年にアフリカの最高峰キリマンジャロをバイクで登り、82年に日本人として初めて「パリ・ダカールラリー」に参戦。その後、エベレストにバイクで挑み、6005メートルの記録を樹立。さらに、バイクによる史上初の北極点と南極点に到達など、前人未到の大冒険を成し遂げたレジェンドです。
そして1988年に仲間と共に「地球元気村」を設立、現在はNPO法人として「人と自然が調和している社会」の実現を目指して活動されています。
そんな風間さんに、今週から産休中の小尾渚沙さんに代わって、この番組を担当するブライテスト・ホープ難波遥さんが直撃インタビュー! その模様をお届けします。
☆写真協力:風間深志事務所、地球元気村

冒険家とは・・・
※まずは、こんなお話から始まりました。
●風間さんのFacebookをいろいろと拝見しました。風間さんはいろんなところに行かれていますよね?
「行った!」
●で、いろんなことをされていますよね?
「やってる!」
●その中で一本軸にあるのが「冒険家」である、ということは合っていますか?
「まあ、合ってるね! 信条っていうかね。お前、冒険やってねぇじゃねえかって言われるけど、気持ちは冒険家(笑)」
●この冒険家っていうかたに私、実は人生で初めてお会いしたんです。
「かもしれませんね。極めて稀ですよ。僕もうろうろしても、冒険家なんて会うことはないですね。そのくらい少ない、希少種だから・・・絶滅危惧種かもわかんないよ(笑)」
●すごく珍しい!(笑)
「(冒険家って)どういうことですか? っていう話になると、なかなか説明は難しいけど、昔からよく言われました。冒険家って、”家”って書いてある業態ですけど、どういうことで食べていますか? なんて聞かれましたよ。でも何も喰ってません! って答えたの(笑)」
●食べてないんですか?(笑)
「霞で〜す、みたいな・・・ご安心ください!」
●でも本当に冒険家とは何なんだろうと、まず最初に思ったんですけれども、冒険家は、自分自身が冒険家ですと言い始めることで冒険家になっていくんですか?
「そうだね。何でもいいんですよ。音楽家だって音楽家ですって言えばいいんだもの。だからそれで音楽家たる要素って何かっていうと、ちゃんと音楽を作って、それを人生の柱として、言ってみれば、それで食べていけたら最高だなっていう、まあ、そのあたりだね。
それであなたは食べていますか? っていうと、なかなかそれだって食べている人は難しいんだよね。しかしサイドで何かやりながら、私は生涯、音楽家として生きていきます。冒険家も一緒でね。冒険家なんですねって言われたら、ちょっと照れながら“ええっ!”みたいな、そういうとこがあってね。
でもやっぱりチャレンジしていく、冒険っていう姿勢が好きでやっていますね。食べていけるかって言うと極めて難しい。これで食べている人少ないですよ」
●そうですよね〜。ちなみに、それでもやっぱり生きていかなければならないってなった時に、冒険家のみなさんはどうやってお金を得ているんでしょうか?
「冒険自体で食べられるってことはなかなか少ないんですよ。冒険家っていうのはやっぱりどっちかっていうと、今言ったミュージシャンでも、五線紙に向かってのチャレンジ、挑戦、冒険、あるはずなんだよね。すべてその未知なる空間に対する一歩が冒険の範疇なんだよね。それに邁進していく人が冒険家。
だがら、それで食べられるかっていうと別問題で、冒険自体を食べることの糧にすることは、そんなの不純じゃないかって、純粋じゃないじゃないかって、それは単なる仕事をやっているにほかならないって言われても不思議じゃないよね。
だから、冒険っていうのはなかなかジャンルとして成り立たなかったり、難しいのはそのあたり。家業としてなかなか成立しにくい性質を持っているね。ほかのものは市場があって売れる。冒険に市場があります? ないよね」
●ないですね〜。
「ないんですよ。だからその行為を通じて、その人が何らかの形で社会とか企業から支持されるってことが、ひとつの冒険家としての生きていく術になるんですね」

冒険のゴールは日常!?
●風間さんの資料に、「冒険はいつも真のゴールとなる日常へと帰着する」っていう言葉があって、これが私の頭の中にハテナがいっぱい浮かんだんです。もう深すぎて・・・これの意味をきょうは聞きに行こうと思って!
「なんだ、深く頷いたんじゃなくて、ハテナ? 本当にゴールはみんな日常なんですね。つまり、どんなところに行こうが、どんな未知空間に行こうが、どんな挑みであろうが、最終的には自分の社会、自分自身に対して明るく照らしたり、自分の家族のところに、自分は肉体であれば戻ることがゴールなんですよね。
地の果てに、火星まで行ってみたいけど、人間は行ったら戻ってこなくちゃいけない。やっぱり日常から発信した夢は日常に戻るのが本当のゴールですね。だからそこに帰らないのはちょっとよくない、未達成!」
●なるほど。しっかり行って帰ってきてこそのゴールがそこにある?
「行って帰ってくる。命を大切にするってこともあれば、すべての行為はフィードバックするところは日常なんだ。日々の日常を邁進するため、日々の日常をよりよくするためのひとつの体験であるっていうことだね」
●なるほど。
「オートバイの人は、いいこと言うでしょ?(笑)」
●本当に名言続出で!
「まあ、ただのバイク乗りだからね、俺は(笑)」
●風間さんはオートバイで人類史上初の北極点到達、南極点到達。さらにエベレスト6005メートル地点に到達されました。これもやっぱりそこに到達してから、しっかりと戻ってきてこそのゴールだったっていうのは、ここにも通じているんですか?
「絶対、そう! やっぱりね、苦難と苦境とそれから修羅場と、厳しければ厳しいほど、人間は生きたいんですよ。それで生きてどうすんだって、家に帰りたいんですね。それがやっぱり本当のゴールだなって、つくづく冒険中に感じるんだよね。それは僕だけじゃなくて、みんなそう言うと思います」
●でもやっぱり、戻ってきた時に感じるものって、冒険に出た時に、いかに壮大な自然だったりだとか、日常では目にしないものを目にするかによって、やっぱり帰ってきたあとの日常って変わったりするんですかね?
「大きく言うとね、何も変わらない」
●何も変わらない・・・!?
「何も変わらない。何も起きない。穏やかでなんの変哲もない日常こそが最高なんだよ! 何か変わっている日常よりかも穏やかで何も感じない、退屈だな〜っていう日常が最高なの(笑)」
●なるほど〜!
「ほんとそうなんだよね。だからそんな気分はものすごく大切。で、やっぱりね、頑張っている時は日常がいつも自分を支えていくんですよ、いつも日常に支えられるの。だから素晴らしい日常を持つべし! 素晴らしい日常、友達、家庭、社会、会社を持つことによって、その人は頑張れるっていうのはもう絶対、太鼓判です」

社会のために役立つバイク
※今バイクの活動で、いちばん力を入れていることはありますか?
「今、俺が一生懸命やっているのは、“災害支援バイク”っていうものを作っているのね。(日本は)災害が多いじゃないですか。山火事も多いし、津波が起きるし、地震が起きるし、そんなのの繰り返しだよね。大水は出るし・・・そんな災害日本の中で、僕はバイク乗りだから、バイクがもっと社会のために役立つシーンをいっぱい想像するんだけど、オートバイは何か起きた時は、初動にすごく効果あるんですよ。車じゃ行けないでしょ? バイクは(現場に)行けるんです!
地元にはその場所を知っている若い人がいっぱいいるんですよ。“俺、あそこ行ってくる!”ってね。例えば、隔離された集落のところに行って、それで一声かけてくるってすごく大事なことだよね。何かできなくてもやっぱり駆けつけて、その場に行って、人と人の顔を合わせることが最高の救助だからね。それができるのは、俺はオートバイだと思っているから、それに向いているようなバイクを作って、そのためにみんなに号令して今、訓練をやっています」
●訓練!?
「レスキューとかそういう部分の、基本的な人工呼吸とかそういうことね。で、そういうものをみんなに言って、何か社会の役に立っていこうという気持ちでやっていますよ! 今、未完成だから必死になって言うんだよ。一生懸命やんなきゃいけないと思って、それを社会的通念にしたいと思っているわけ。
“おっ! バイク、行ってこい!”って言われたいの! “はい! わかった!”ってね。バイク乗りだからね。バイクが社会の役立ちたい! バイクの連中がみんな、ありがとう!って言われるような社会になればいいなと思って、今バイクが活躍できる場所を設定して、そのためのシステムとそのための訓練をやっている。それを今いちばんやっているところ、小さなことだけどね」
●風間さんの、人のためにとか、地球のために貢献していきたい、役に立ちたいという思いの原動力は?
「この原動力は、それは俺、今まで冒険をやっていたからね。冒険やるのもオートバイっていうのが・・・これ、バイクの話になっちゃうけどね。
つまりバイクっていうのは、日本にはホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキっていう、4大メーカーがあるのね。その昔(バイクメーカーは)60もあったんだよ」
●へぇ~~!
「その生き残ったメーカーが何をやっていたかっていうと、世界選手権に出てチャンピオン(の座を)取るんですよ! それで技術力(を高めて)商品開発をやってきたの。素晴らしい技術が商品の形として売れるわけ! それはよい製品を作るってことの証なんだよね、勝つことは!
それでそのチャンピオンはサイン会をやり、店頭に並んでセールスの陣頭に立つわけだ。それでマーケットを築いた。マーケットを築いたけど、速いとか上手いっていうことを、社会は別に欲していないんですよ。最初は欲していたんだよ。でも結果、そのあと(バイクは)危ないとかうるさいとかって言うの。
でも僕は、そういう上手い速いだけじゃないんだ。そうじゃなくて、乗ることによって、もっと人間っていうのはすごいチャレンジがあって、すごい達成感があって、ロマンがあって、そうじゃない道を僕が自ら選んでやったのが、自分のバイクの冒険なの。ほかのシーンを見せたんですよ。
で、それだけじゃないんです! うまくコーナーをピューって行くだけじゃないんです! ノロノロ走ったってロマンチックなんです! 自然があれば行きたいんです! 山があれば登りたい! これ、山屋と一緒ね。ピークを踏みたいんです! 僕はバイクで行きたいんです! ピッケルじゃないんだって。ピッケルもやるよ。でも僕はバイクが好きだからっていう、バイクの表現、バイクの活動の領域を広めていくのは僕の冒険だったの。
その冒険で世界中に行くでしょ。エベレストに行きます。エベレスト街道、ばばばーっと行きます。アメリカ人の女性が走ってきます。“クレイジー!”って怒られるわけ。なんでクレイジーなの、俺は? って、バイクだから? ってことなんだよね。
それだけバイクは市民権を持っていなかった。悔しい! 眺める観察する人にとってはうるさいから嫌なの、いて欲しくない形をしているの。だから悔しいから、バイクは人のためになるんだってことをやりたいんですよ、最後の仕事として。俺はそれをやらなきゃいけないと思って、頑張ってま~~す!(笑)」
地球元気村の信念

※風間さんは1988年に「地球元気村」を設立されました。テーマが「人も地球も元気、人と自然が調和する社会」ということですが、改めて、なぜ「地球元気村」をやろうと思ったのか、教えてください。
「これはバイクで冒険するのと一緒なんだけどね。やっぱりみんなに自然志向を持ってもらいたい。自然ってものにもっとみんなが目を向けて欲しいっていう活動。それは家族ぐるみだったり、子供も一緒に向かっていくフィールド、自然豊かな中でいろんな体験がある、いろんな発見がある、感動がある。そういった中に地球人としての必要な要素・・・”私嫌い!”とかって言わないで、まあ嫌いって言ってもいいんだよ。
とにかく自然と一緒になって生きていくのが、人間のあるべき姿だし、そこの形はなんだろう? そういったものを掌握したり、理解する社会形態ってどうなのだろう? ってね。それは教育すべてにわたってそうだよね。そういう理想的な自然を取り入れた生き方、社会を作っていきたいと思ったの。
特に僕が1988年頃、子育て盛りだから、育メンだから、俺は! 自分でも初代育メンだと思っている(笑)。俺は田舎の育ちでさ、自然なんかいくらでもあるんだよ! ところが都会で、当時1988年は練馬に住んでいた。子供を抱っこしながら、よそん家の垣根の向こうに(ある花を子供と一緒に見ながら)“綺麗な花だろ~”って言うの。なんと惨めなんだろうって、よそん家の花を見て子供に自然を教えなきゃいけない、これはすごく辛かったね。
都会の人たちは自然に向かって行かなければ、自然と出会えないでしょ。田舎に住んでいる人たちは、自然は周りを見りゃみんな自然だよね。足元を見れば川が流れているよね。でも都会の人はそこに向かわなきゃいけない。
そんな都会の人たちに向かっても、自然は素晴らしいんだよ! って、自然が人間を大きくする、大らかにするんだよ! って、自然を含んだ都会の空間、街の空間にしていきたいね! って、いうことをほんとに言わなきゃいけないと思ってやってきました。それで38年! 何も答えが出ていない・・・。
もうほんと虚しい闘いだけど、しかし地球元気村で僕がやった体験学習に来てくれた人は何万人もいるよね。だって0歳で来た子がもう38歳だから! みんなそういう昔のある日の思い出を、ちゃんと脳裏に刻みながら生きていってくれたから、無駄じゃない。でもこれはずーっとやり続けていかなければいけないんですよね、これからもね」
●そうですよね~。
「加えて気候変動、こういった部分でも自然が非常にインパクト強くものを言ってくるでしょ。洪水にしてもね。夏40度超える毎日、耐え難いじゃないですか。これはやっぱり自然をある種、蔑ろにしたり、自分たちだけの生き方、人間だけの生き方を考えたひとつのツケがここで回ってきたと僕は思っている。
それはそういう循環なんだよって(言うけど)そんなの詭弁。やっぱり直せるものは直していきたいと思うからね。だから、みんなもっと自然寄りの生き方を考えていくべきだと思うので、1日24時間の使い方は自由だし、豊かっていうものも考え方ひとつで変わるから、みんなこれは選択肢の問題だから、それはよりよい方向の、“フリントストーン”だよ! そういったものに目を向ける心がすごく大事ね! 今こそ!」
☆この他の風間深志さんのトークもご覧ください。
INFORMATION
地球元気村の活動のひとつとして、モンゴルのゴビ砂漠に木を植える活動を行なっています。10年以上も続けているこの活動、今年もこの夏に植林ツアーが予定されています。
また、山梨市にある地球元気村ファーム「天空のはたけ」では5月中旬に、サツマイモの植え付けが計画されています。ほかにも地球元気村が運営している山梨県山中湖村の「村営 山中湖キャンプ場」もありますので、ぜひご利用ください。
そんな地球元気村では、随時村民を募集中です。プレミアム村民は会費が年間10,000円、村民になると年4回、会報誌「地球元気村」が届くほか、イベントの参加費が割引になるなどの特典がありますよ。詳しくはNPO法人「地球元気村」のオフィシャルサイトをご覧ください。
◎地球元気村:https://chikyugenkimura.jp
風間さんが主宰されている一般社団法人「日本ライダーズフォーラム」でもイベントが目白押しです。地域社会を元気にするための「にっぽん応援ツーリング」が4月26日にスタート。
また、一大バイク・イベント「SSTR(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)」が5月24日から始まる予定です。詳しくは「日本ライダーズフォーラム」のオフィシャルサイトを見てくださいね。
◎日本ライダーズフォーラム:https://www.round4poles.com
2025/4/6 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1.(MEET)THE FLINTSTONES / B-52’S
M2. XANADU / OLIVIA NEWTON-JOHN
M3. WALKING ON SUNSHINE / KATRINA AND THE WAVES
M4. ESPECIALLY FOR YOU / KYLIE MINOGUE
M5. 桜が降る夜は / あいみょん
M6. EVERYDAY IS A WINDING ROAD / SHERYL CROW
M7. 地球は元気 / 地球元気村の仲間たち
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
2025/3/30 UP!
◎難波 遥(株式会社「Hands UP」の代表取締役)
『Z世代の起業家が見つめる未来「ありがとうの連鎖が生まれる地球」』(2025.3.30)
◎小倉 崇(「渋谷区ふれあい植物センター」の園長)
『育てて食べる植物園!? 「渋谷区ふれあい植物センター」』(2025.3.23)
◎後藤 章(一般財団法人セブン-イレブン記念財団「高尾の森自然学校」の代表)
『開校10周年「高尾の森自然学校」〜里山の森と人々をつなぐ』(2025.3.16)
◎三沢真実(合同会社「CAMMOC(キャンモック)」)
『「SDGs防災キャンプ」〜「いつも」を「もしも」の備えに』(2025.3.9)
◎豊島大輝(ネイチャーセラピスト)
『「人」が「ヒト」に戻る旅。忙しいあなたに「リトリート=休養術」』(2025.3.2)
2025/3/30 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、Z世代の起業家、株式会社「Hands UP」の代表取締役「難波 遥(なんば・はるか)」さんです。
難波さんは2000年1月、静岡県生まれ。4人兄弟の末っ子。田んぼとお茶畑のある自然豊かな田舎で伸び伸びと育ち、高校時代には陸上の7種競技に打ち込み、なんとインターハイに出場。
そしてフェリス女学院大学在学中にHands UPを立ち上げ、代表として活動していくなら、影響力を持ちたいと考え、フェリスのミスコンテストやミスユニバーシティに出場し、見事、グランプリを受賞! 現在は会社経営の傍ら、テレビ番組でレポーターを担当されるなど、マルチに活躍されています。
きょうはそんな難波さんに起業した理由や、現在の事業内容のほか、具体的な事例として「SDGsすごろく」や「はしわたしプロジェクト」そして体験イベント「海ヨガ」のお話などもうかがいます。
☆写真協力:株式会社Hands UP

転機はフィリピンの語学留学
※まずは、Hands UPについて。学生時代に起業されたということですが、どうして会社をやろうと思ったんですか?
「私が大学2年生の時にフィリピンに語学留学で行きました。最初はほんとに勉強だけしようと思って行ったんですが、(現地の子供に)物乞いをされたりだとか、日本ではあまり見ない光景を見てしまい、これは何かこの子たちのためにできることはないかと思ったんですね。
それと、自分自身それまでの人生で、社会課題とか地球課題に対して何かをしようって思ったことがなかったので、そういう後悔もあって、何かやっていこうと思って、日本に帰ってきて地球課題に対して何かをやっていく学生団体を立ち上げたのが最初のきっかけですね」

●まず、何から始めたんですか?
「最初はやっぱり仲間を集めなくてはいけなかったので、フィリピンの留学で出会った名古屋の、同じ大学生の女の子と一緒に活動を始めました。内容としてはSDGsですね。私も高校生くらいからSDGsっていう言葉を耳にするようになって、大学でも授業でちょっとだけ聞くような機会があったんですね。
SDGsはもっと啓蒙していかなきゃいけないし、みんなが当たり前のように取り組まなきゃいけないけれども、それが特に私の世代の子たちには広がっていないなと感じたので、SDGsや地球の課題に若者が取り組みやすいような設計、仕組みづくりをしていく必要があるなと思いまして、最初はSDGsのイラストをお洒落に可愛くしていくっていうところから始まりました」
●イラストというのは、スタジオにお持ちいただいた、これですか?
「そうなんですよ~」
●ステッカーですよね?
「はい!」
●可愛い~~キラキラでカラフルですね!
「ありがとうございます! 私の高校の先輩でデザインをやっているかたがいて、その方に“SDGsを可愛くイラスト化するんだったら、どんなデザインがいいでしょうか?”って相談をして、描いていただいたものなんです。これでグッズを作ったりだとか、クリアファイルにして配ってみたりだとかというところが、ほんとに最初の入り口でしたね」
●お洒落ですよね~!
「ありがとうございます!」

●これ、ひとつひとつがSDGsの目標になっているっていうことですか?
「そうなんです! 実はこれ、18個あるんですね。SDGsの目標って17個なんですけど・・・」
●そうですよね~。
「18項目めに勝手にHands UPで、“守ろう、自分の命”というものを加えました。SDGsって結構、他者向けというか、誰かのためにっていうところがすごく多いなと感じていました。
もちろんそれがいずれかは自分に返ってくると思うんですけれども、まずは自分の命を守って、自分のことも大切にしようっていう意味を込めて、“守ろう、自分の命”という項目とイラストを付け加えて、いい感じに長方形になるようにしました」
●社名のHands UPっていう名前には、どんな思いが込められているんですか?
「Hands UPは、“手を挙げよう”っていう意味だと思うんですけれども、ここに込めた思いとしては、助けて欲しい人も手を挙げるべきであり、助けられるよっていう人も自ら手を挙げていこう、お互いに手を挙げあって、手を取り合う、そういう社会になってほしいなという思いを込めてHands UPという名前にしました」
●SDGsは2015年に国連サミットで採択されて、2030年の12月までに達成しようという世界共通の目標ですけれども、難波さんのような若い世代、いわゆるZ世代のみなさんはSDGsをどんなふうに捉えているんでしょうか?
「そうですね・・・あくまで通過点というような捉え方が多分根底にあるとは思うんですけれども、当たり前にやっていくべきこと、というような感覚なのかなと感じていますね。
私たちが住んでいる地球や環境というものを、私たちの生活によって汚してしまうことがあるのであれば、私たちの生活によってまた綺麗にしていくべきだし、それを守っていくのは自分たちを守ることにもつながりますよね。
地球上で生きている私たちは自然と共存していく必要があるということを、小学生の頃からSDGsとかで学んできている世代だと思うので、そういう考えが根本にあるのかなとは感じていますね」
(編集部注:活動するためには資金が必要になってくるので、そのことをお聞きしたら、学生団体の頃は難波さん自身がアルバイトをいろいろやって、稼いだお金を活動資金に充てていたそうです。ある時、それでは持続可能な活動にならないと気づき、サステナブルな仕組みを作って、ビジネスで社会貢献していこうと、2021年12月に株式会社にし、代表取締役に就任。
現在、活動を共にするのは、おもに20代のコアメンバー10人のほか、業務委託を含めると20人ほどで活動。また全国の学生団体と協力しあったり、仕事のクオリティーを保つため、ベテランのビジネスマンに顧問として参加してもらっているそうです)

課題解決のための事業展開
※改めてなんですが、現在はどんな事業を展開されているのか、教えてください。
「今ふたつの事業をやっています。ひとつめがソーシャルクリエイティブ事業で、もうひとつがAI (アイ)ヒーロー事業です。私たちの会社は、まずやっぱり課題を解決していきたいっていう思いがありまして、そのアプローチ方法としてふたつとっています。
ひとつめは、広くビジネスを展開している企業のかたがたと手を取り合いながら、“社会貢献できるプロジェクト”を一緒に作って、事業を回していこうっていう新規事業の開発をやっています。
AIヒーローのほうは、“人を育てる”というところにフォーカスしています。これまでいろんな企業さんと手を取り合いながらやってきたんですけれども、やっぱり地球の課題がほんとに多いので、一企業さんとやっているだけだと間に合わないなっていうことを感じてきました。
そういう課題に興味がない子たちに興味を持ってもらって、課題解決できる能力を身に付けてもらって、貢献をしていく人たちを増やしていこうっていうようなサービスを始めました。
それがAIヒーローというサービスです。サービス内容としては、AIって今では結構みなさん聞くと思うんですけれども、AIのプロンプト能力、指示を出す能力だったりとかを、学生さんに無料の学習を提供させていただいて、スコアリングをして、彼らと企業さんをマッチングするっていうサービスをやっています。
AIを使うことによって、いろんな課題解決に貢献できる人材になると思うので、そういった子たちをいい企業さんとマッチングをして、さらにビジネスを加速していくっていうところをお手伝いしている事業ですね」
地球を作る「すごろく」!?
※Hands UPの資料を見て、番組として特に気になったのが、ソーシャルクリエイティヴ事業の中の「SDGsすごろく」と「はしわたしプロジェクト」なんですけど、それぞれ具体的にどんな事業なのか、教えてください。

「SDGsすごろく、これはDream Earth Tile(ドリーマースタイル)という名前でやらせていただいているんですけれども、大学2年生の時に作ったゲームで、東大生の子たちと一緒に作りました。SDGsを小学生の子供たちでも楽しく学べるようなゲームになっています。ルールとしては自分が国のトップになったつもりで、すごろくに参加するんですね。
すごろくって普通、すごろく盤を囲んでいる人たちはみんな敵になると思うんですけど、このゲームの場合は、“ひとつの地球を作り上げる仲間”みたいな形で参戦してもらって、時間内の20分間で、何個のSDGsの課題が解決できました! ってところを、ほかの地球と競い合うっていうゲームになります。
なので、自分が地球を作る感覚を養って欲しいなと思ったりだとか・・・例えば友達に絆創膏をあげるとか、そういった優しさもSDGsにつながっているんだよ っていうところを、若い学生の子たちにもわかってもらえたらな~っていう思いでやっているプロジェクトで、企業さんとか学校で研修をさせていただいております」
●いいですね~。他人事として捉えがちですけれども、ちゃんと自分事として捉えられるようになりますよね~。

「そうですね。あともうひとつの“はしわたしプロジェクト”は、障害を持ったかたがたに間伐材を使って割り箸を作ってもらいます。割り箸には箸袋が付いていると思うんですけれども、箸袋を私たちのお洒落なSDGsのイラストにして、さらに企業さんのロゴだったりキャラクターとコラボをすることができるんですね。
そういったイラストを入れることで、企業さんの広告物にもなるということで、企業が広告を出すだけで社会課題の解決にアプローチができるような商材を作ったというプロジェクトですね」
●ほかにもイベントもいろいろやっていますよね?

「そうですね。やっぱり私自身もひとつの体験から、課題解決をしていこうって思いが芽生えたので、オフラインの体験を多くのかたがたにしてもらう重要性をすごく感じています。
そこで例えば、“海ヨガ”っていうイベントをやっているんですね。ただ単に海でヨガをする! っていうイベントでして、海でヨガをすると本当に砂の温かさだったり太陽の光だったり波の音だったりとか、自然をすごく感じることができるんですね。
そういったことを感じてもらって、やっぱり自然が好きだな~とか、地球が好きだな~って思ってもらうことが、何かしら貢献しようって思うことの原点につながるかなと思っていて、そういったイベントもやらせていただいております」

自転車で日本一周!?
※話は変わりますが、自転車で日本一周をされたんですよね。なぜ自転車で日本を一周しようと思ったんですか?
「これはHands UPを通じて、人の課題を見つけて、それに対して何かプロジェクトを産んだり、事業を作ったりっていうことを若者とやってきたんですけれども、その時に課題に感じていたのが、今の子たちとか私自身も含めてSNSからいろんな情報を得るので、人の課題もSNSから情報を得たりするんですよね。
SNSの情報って結構、色が付けられていたりとか、誰かの思いにいろんな人の思いが組み合わさった状態で誰かに届いてしまうことって、良くも悪くもあると思うんですね。
何かプロジェクトを作って、それが終わりましたってなって振り返ると、“あれっ? 結局これって誰の課題を解決したんだっけ?”ってなって・・・社会の中ではこれが課題だよねって思われているけれども、一個人がその課題を本当に持っているかが、ちょっとずれちゃっているなって思ったときがあって・・・。
これはダメだと・・・私自身が人の本当の課題、そこにある人の課題をしっかりと耳で聞いていかなければならないなって思いまして、ひとりひとりの話を聞くには車より、自転車のほうがみんな話しやすいなと。日本の課題を聞きに行こう! っていうところで、日本一周を始めたっていうのがきっかけでしたね(笑)」
●え~〜! 実際に日本一周しながら、いろんな人のお話を聞いたっていう感じだったんですか?
「そうですね・・・だったんですけど、振り返ってみると、おじいちゃんとかおばあちゃんと話していた(笑)って感じなんですけど・・・課題とかも聞けたりだとか、普通にどういう人たちが生きていて、今ってどんな暮らしがそこにあるのかな~っていうところをちょっと探れた期間になりましたね」

●改めて自転車で日本一周を果たして、どんなこと感じました?
「東京と地方って全然違うのかなって思っていたんですよね、最初は。でも振り返ってみると、日本って大体全部同じような感じだなって(笑)、まとめると。東京で活動していると、地方との差を感じてしまうことって、いろんな面であったんですけれども、みんなの笑顔とか生活とか、“物価が上がったよね~、下がったよね〜”とか、そういう会話って変わらないから、差を感じなくていいんだなっていうところも感じましたね。
あとはいろんな人が生きていて、いろんな生活スタイルがあるので、自分自身も今の生活スタイルにハマらなくてもいいんだな~みたいなのを感じたりだとか、本当にさまざま、色とりどりだな~っていうのを感じましたね」
(編集部注:日本一周は基本的にはひとりで行ない、各地にいる知り合いや起業家仲間にお世話になりながら、仕事の合間に時間を作って、コツコツと自転車旅を続行。当初、半年の予定がなんと2年かけて日本一周をやり遂げたそうです。
行く先々ではたくさんの出会いがあったそうですよ。中でも山口で出会った農家のおじいちゃん、おばあちゃんたちのグループとは一週間ほど、一緒にご飯を食べるなどして過ごし、今でもつながっているとのことです)
100年先を見据えた取り組みを
※Hands UPを法人化して、3年4ヶ月ほどが過ぎました。自分が思い描いていたように進んでいますか?
「正直、まあ~30点くらいかな~と、自分自身を振り返ると・・・仲間は100点満点なんですけれども。やっぱり毎日ビジネスをしていくと、できないことの積み重ねで、私はなんでこんなに(できないんだ)もっとできるようになったらなって思うことが多いんですけれども、それも含めて全部楽しいな~って思いますね。
新たな世界を見せてくれるのが、今ビジネスの世界だなって自分自身は感じているので、できないことを克服していって頑張りたいなって思っています。今後の新たな目標ができたりしたので、次のステップに進ませてくれる、成長させてくれるのがHands UPだなというのは感じていますね」

●SDGsという視点でいうと2030年が目標達成のリミットということで、あと実質5年ほどになりましたよね。どんな思いがありますか?
「そうですね・・・あっという間ですよね~。私が活動を始めた時は、あと10年もあるなって思っていたので、ついにあと5年になってしまったかという感覚なんですね。
あくまで5年間っていうこの区切りはあると思うんですけれども、やっぱり私たちは10年20年100年先を見据えた取り組みをしなければならないと思いつつも、私たちで決めた目標だと思うので、そこはなんとしても全人類で達成をしていくという、もう一度気合を入れ直して頑張らなければならないなというふうには思っていますね」
●難波さんは25年後に50歳になりますけれども、その時、私たちの母なる星「地球」は、どんな地球であってほしいですか?
「そうですね・・・地球・・・すごく難しい(苦笑)」
●壮大な質問ですけれども・・・(苦笑)
「そうですね・・・例えば、ですけど・・・地球が言葉を発するなら、私たち人に“ありがとう”って伝えたくなるような人類であるべきだなと思いますし、人も地球に“ありがとう”っていう、ありがとうの連鎖が生まれているような地球になっていたら、あったかいなって思いますね」
産休のご挨拶、そして!
※ここまでマルチに活躍されているHands UPの難波 遥さんにお話をうかがってきましたが、実は私、小尾渚沙は来月4月から産休に入らせていただきます。
5月下旬の出産予定です。初めての妊娠出産で不安なこともたくさんありますが、頑張って元気な赤ちゃんを産んでまいります。みなさんにいいご報告ができますように、そして産後、益々パワーアップした小尾渚沙をお届けできますように、毎日楽しんで過ごしていきたいと思います。
その間、私に代わって、この番組「THE FLINTSTONE」のパーソナリティを担当してくださるのが、難波さんなんです!!
「そうなんです~」
●難波さん! あとをよろしくお願いします!
「がんばります! こんなに素敵な小尾さんのあとをしっかりと引き継げるように・・・大先輩ですので。
地球のことを、いろんな角度からお届けできるように、いろんな素敵なゲストのかたがたがいらっしゃると思うので、楽しくお話をして、みなさまにお届けできたらいいなと思っております。そして小尾さん、頑張ってください!」
●ありがとうございます! 頼りにしています! 難波さん!
「ありがとうございます!」
INFORMATION

難波さんが代表を務める「Hands UP」にぜひご注目ください。人材を育てる「AI(アイ)ヒーロー」や、社会や地球の課題に取り組む「ソーシャルクリエイティヴ事業」、それぞれの事業内容など、詳しくはぜひオフィシャルサイトでご確認ください。
◎Hands UP:https://handsup-sdgs.com
2025/3/30 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. WAITING ON THE WORLD TO CHANGE / JOHN MAYER
M2. TITANIUM / DAVID GUETTA feat. SIA
M3. HEROES / DAVID COOK
M4. BEAUTIFUL DAY / U2
M5. Young Bloods / 佐野元春&the coyote band
M6. WIDE AWAKE / KATY PERRY
M7. EARTH / LIL DICKY
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
2025/3/23 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、「渋谷区ふれあい植物センター」の園長「小倉 崇(おぐら・たかし)」さんです。
日本一小さな植物園といわれている「渋谷区ふれあい植物センター」は渋谷駅から徒歩10分ほどの所にあります。“こんなところに植物園!?”という感じの穴場スポットで、実は若い女子たちや、カップルに大人気なんです。
そんな「渋谷区ふれあい植物センター」にお邪魔して、園長の小倉さんに施設や、植栽してある植物の特徴のほか、都市農業の新たな可能性を追求するNPO法人の活動などについてお話をうかがってきました。

コミュニティ型の植物園〜農と食の地域拠点
※「渋谷区ふれあい植物センター」は2023年7月にリニューアルオープン。ガラス張りの建物の中に温室のような広い空間があって、植物はもちろん、お洒落なカフェや、図書館のようなライブラリー・スペースがあったりと、一般的な植物園とはちょっと違う都会の中のオアシスのような雰囲気です。
まずは「渋谷区ふれあい植物センター」がいつ頃、どんな経緯で生まれたのか、お話しいただきました。

「2005年にゴミの焼却場ができて、それに伴って地域還元施設という建て付けでこの植物園はできました。その関係もあって、ゴミを焼却する際に出る熱、それを電気に還元してこの植物園に送っていただけるので、うちの植物園の電力は9割以上、ゴミ焼却の時の”ゴミ発電”って言うんですけど、その電力で賄っていますね」
●ゴミの焼却時に発生する熱を利用して発電した電気で賄っているってことですね!
「そうです、そうです!」
●今はソーラー発電とかで(電力を)賄う施設も多くなっていますけれども、清掃工場の熱で、っていうのはいいですよね~。
「結構面白いと思いますよ。無駄がないというか・・・」
●「日本一小さな植物園」として若いかたにも人気があるということですけれども、リニューアルされたあとの特徴としては、どんなことが挙げられますか?
「建物自体のコンセプトが“農と食の地域拠点”っていうことで、ここを起点に都市農業“アーバン・ファーミング”の魅力だとか、そういったものをどんどん伝えていきたいと思っているんですが、敢えてここにいる植物は、ハーブだったり熱帯果樹だったり全部食べられたり、生活に取り入れられるようなものだけを栽培をしています。
その植物自体も生まれたばかりの若い子たちを入れていて、それは何故かというと、植物が好きなかたがた、あるいは地域のかたがたをお招きして、ここで毎月のように植物の育て方をみんなで学んでみんなで育てる、つまり植物を育てると同時に、ここの植物園のコミュニティも一緒に育てていけるような、そんなコミュニティ型の植物園っていうのが特徴だと思います」
●園内に植栽されている植物は全部食べられるんですか?
「食べられますね」

●具体的にどんな植物が何種類ぐらいあるんでしょうか?
「お子さんから、みなさん知っているような植物でいうと、パイナップルとかバナナとかマンゴーというようなものから、ちょっと珍しいところではコーヒーだったり、最近だとカカオなんていうのも植えています。
そういったトロピカル・フルーツが大体園内で50種類くらい、それと外のお庭のほうでは、ローズマリーとかラベンダーとか、そういったハーブ類がやっぱりこれも50種類くらい、なので大体100種類くらいの作物が育っていますね」
●「農と食の地域拠点」というコンセプトは素晴らしいな〜と思うんですけど、このコンセプトにしようと思ったのはどうしてなんですか?
「これ(アイデアは)渋谷区なんです」
●へぇ~!
「渋谷区さんがお考えになられていて、私たちもいろいろお話させていただく中で、東京のど真ん中で日本一小さいとはいえ植物園があることって・・・例えば、そうだな・・・来園者がいちばん多い植物園ってどこだかおわかりになります? 人気の植物園っていわれているところ・・・」
●え~っ、どこだろう〜?
「京都府立植物園と言われていまして、確か25万平米だったかな〜? ちょっと想像できないぐらい広い所なんですけど、私も一度おうかがいしたことがあって、温室だけでも1000種類以上の植物があるような場所なんですね。
通常の植物園ですと、みなさんその植物を見て“わぁ~すごい! わぁ~すごい!”という植物の凄さ、あるいは愛でたりっていうところが多いと思うんですね。
私たちの場合は、繰り返しになっちゃいますけど、すごく狭いところで・・・都会の中で植物園を通じて何がしたいかっていうと、緑の大切さとか自然の素晴らしさみたいなものを発信していきたいと思っています。そういう意味でいうと、愛でるのではなくて、もっと生活に密着した部分で、育てたり食べたりっていうことで“農と食の地域拠点”というコンセプトになっていると思います」

水耕栽培施設「ファームラボ」
※園内を見学していて、特に気になったのが「ファームラボ」と「ミュージック・オブ・プランツ」なんですが・・・まずは「ファームラボ」とは何か教えていただけますか。
「ファームラボは、私たちのオリジナルの水耕栽培施設です。通常の水耕栽培の野菜って(みなさん)食べたことがあるかもしれないんですが、私も10年前に食べた時はちょっと水っぽいかなって感じがしたんですね。

うちの水耕栽培は灯りが白色の一色ではなくて、赤・緑・青っていうふうに色を分けているんです。そうすることによって太陽光の光源の色を分けて、作物によっては例えば、ほうれん草は鉄分が多い野菜って言われますけど、ほうれん草を育てる際は赤だけを2時間強くずーっと当て続けてあげると、鉄分だけをほうれん草の中で上げることができるっていうような、太陽光と植物の生理をうまく自分たちでコントロール、って言い方は変なんですけど、うまくその性質を利用しながら育てる水耕栽培施設になっていますね」
●野菜によって光を変えているんですね~。
「そうなんです」
●今どんな野菜を育てているんですか?
「今はルッコラとかリーフレタスのようなサラダ野菜から、ちょっと変わったところではパクチーとか、あるいは食べられるエディブル・フラワーなんかも育てています。これらは全部、お昼とか夜に2階のカフェでサラダボールとして提供しています」
植物のパルスを音楽に!?
※続いて「ミュージック・オブ・プランツ」。小さな洞窟のような空間に不思議な音楽が流れていました。これは何なんでしょうか?

「あれは、まあ確かに音楽ではあるんですけど・・・もともとあそこでやりたかったことは、植物が生きていることを目で見ること以外で何かできないかなと考えたんですね。昔、私が白神山地に行った時に“白神山地の守り人”っていうおじいさんにガイドしていただいたんですけど、おじいさんが聴診器を持って森の中に入って行くんですね」
●へぇ~〜!
「で、スギとかブナにその聴診器を当てて“、水管”、根っこから水を吸い上げる“シャ〜”っていう音を聴かせていただいたことがあったんですね。そうやると確かに実際に生きているって感じがわかるな~と思って、なんか聴覚でできることがないかな〜と考えていた時に・・・。
友人でサウンドデザイナーの松坂大佑さんってかたがいらっしゃるんですけど、彼はフィールドワークで、木や森とかの音を録っている人です。
彼に“果樹が生きているようなことを表現できる音楽手法はないかな?”って聞いた時に、“生態電位(せいたいでんい)”っていう、人間にも植物にも微弱なパルスが流れているから、そのパルス、生態電位を採取して、それをドレミファソラシドに変換すると音楽のように作れますよ!“って教えてもらったことがありました。
“あっ! それは面白いね!”っていうので、春夏秋冬それぞれに園内の作物、今はジャボチカバとパイナップルから生態電位を採って、それぞれ波形が違うんですけど、それをドレミファに変換して楽器の音を当てて流すっていうのをやっています」
●へぇ~~。
「なので、植物が生きているリズムというか律動みたいなものが、音になって聴こえると思っていただければいいかな~と思いますね」

●具体的にはどういうふうに音楽にしていくんですか?
「例えば、リニューアルオープンした最初の時は、ヤシとバナナとマンゴーで植物の音楽を作ったんです。まずヤシの場合は、生態電位を採ってみると、すごく太くて短い模様がポンポンボンって出てくるんですね。
こういうものなのかな〜と思って、今度はバナナの葉っぱ(の生態電位)を採ると、バナナの葉っぱはゆる~い右下がりの曲線、カーブのようなものを出しました。マンゴーどうだろうと思って葉っぱにやったところ、細かな点々みたいに、ばぁ~っと星屑みたいに出てくるんですね。
それぞれを一度、ヤシだったらヤシの太くて短いものをPCに取り込んで、その取り込んだものをドレミファソラシドの音階に変換して、それに楽器の音を当てます。
なので、さっきのココヤシだと太くて短いので、これはベースのような低音しようということで、オーボエのような太〜い音にしました。バナナのように綺麗なカーブを描いているものは、鈴のような音を当てる。ちょうど“リーンリーン”っていうのが軌道に合うんですよね。
そこにプラスして、ちょっと“ふわふわふわふわ~”って浮いているような不思議な電子音みたいなものを、マンゴーの“チカチカチカチカ~”という星屑の音に当てて、その3つを合体させ、ひとつの音楽のようにして流しています」
植物園らしいカフェ、こだわりの食材
※いろんな趣向を凝らした「渋谷区ふれあい植物センター」、その2階にあるカフェではオリジナルブレンドのコーヒーやハーブジンジャー、クラフトビールやワインなどのほかに、ピザやハンバーグなどの本格的なフードも楽しめます。

●食材にもなにかこだわりはありますか?
「あそこのカフェを作るにあたっては、コンセプトを考えて、“植物園が考える新しいファミレス”っていうのをコンセプトにしたんですね。植物園って小っちゃいお子様から、おじいちゃんおばあちゃんまで、いろんなかたがお越しになるので、みんなが大好きで美味しい!って食べてくれるメニューにしようと。
なんですけど、そこに植物園らしいとか、今の私たちらしさやこだわりでいうと、野菜とか原料にすごくこだわったり・・・あとは夜になるとハンバーグが人気メニューなんですけど、ハンバーグって牛肉と豚肉の合い挽きなので、牛はオーストラリアのグラスフェッドビーフ、豚はメキシコのナチュラルポークとかですね。
それは“アニマル・ウェルフェア”と言って、飼育されている状態から動物たちが幸せを感じるような飼育をしているものであったり、っていうふうにトレーサビリティが追えて、環境にもダメージを与えないようなものっていうことで、すごく気をつけながらメニューを出していますね」

●カフェから出る生ゴミもコンポストで処理されているんですよね?
「そうですね。コーヒーかすはコーヒーかすで、コーヒーかす専門の堆肥の会社さんと、今実証実験の取り組みをしています。それ以外の食べ物の残渣、残りは今バッグ型のコンポストで堆肥にして活用しています」
●屋上も見させていただきましたけれども、ビールのホップなども栽培されているんですね?
「そうですね。(植物園の)中では果樹をやっているんですけど、熱帯果樹以外にも自分たちが楽しめるようなものを中心に育てて、そこから集まった人たちとコミュニティ化したいと思っているので、ホップでクラフトビールを作ったり・・・。
あとは、茶摘みまでは3年ぐらいかかるんですけど、みんなで“渋谷茶”と言って、江戸から明治の頃にかけて渋谷には結構お茶畑が広がっていたんです。そこで育てられた原木をたまたま発見することができて、それを苗にして育てたりとかしています。

そしていろんな植物を通じたカルチャーとかコミュニティみたいなもの作っていきたいと思っているので、今ビールは50名くらいの人たちで毎月1回集まったりしていますね」
●それはボランティアってことですか?
「そうです、そうです! 渋谷区のかたも多くいらっしゃいますけど、東京都以外からも来てくれるかたもいますね」
都市農業「アーバン・ファーミング」
※小倉さんは、都市農業の新たな可能性を追求するNPO法人「アーバン・ファーマーズ・クラブ」の代表理事でもいらっしゃいます。この「アーバン・ファーマーズ・クラブ」では、どんな活動をされているのですか?
「都会でも、簡単に言えばプランターひとつ置いて、自分たちが食べたくなるような野菜の育て方を知って、みんなで育ててみんなで食べることができるような、そんな社会を作りたい。その礎になるような形ということで、まずは都会の象徴のような、この渋谷のど真ん中でアーバン・ファーミングを実装するためのいろんな活動をしています」
●渋谷エリアには何か所ぐらい活動場所があるんですか?
「今は原宿と渋谷、恵比寿にそれぞれ畑を置いています。今3ヵ所ありますね」
●都会のど真ん中に畑っていうのがちょっと想像できないんですけど、どういう畑なんですか?
「プランターの大きなものと思っていただければいいんですけど、例えば原宿にあるのは東急プラザ表参道原宿っていう商業施設の中に、2メートル四方のプランターを4基置かせていただいているんですね。
そこでは、原宿にも3園、保育園があって、そこの保育園の子供たちと、春はサラダ野菜の種まきをして収穫してサラダを食べる。それが終わってからは今度は、ニンジンの種まきをして秋に収穫して食べるっていうような、食育みたいなことをしております」
●小倉さんが「渋谷区ふれあい植物センター」の園長をやることになったのも、そういった「アーバン・ファーマーズ・クラブ」の活動があったからっていうことなんですね?
「そうですね。私達自身が掲げているのは“未来を耕そう”っていう言葉で、社会にアーバン・ファーミングを実装しようと思っているんです。
いちNPOだけではなくて、行政とかの力を借りてやることによって、もっとその実装のスピードが速くなったり、拡散力が広くなるんじゃないかと思って考えている時に、ちょうどこのふれあい植物センターのリニューアルのプロポーザルのお話をうかがって、もし僕らでできるんだったらと思って、指定管理者に手を挙げさせていただいたって感じですね」
●渋谷区の中学校の屋上に菜園を作るプロジェクトが進行しているということですけれども、これも「渋谷区ふれあい植物センター」の取り組みなんですか?
「これは、私たちのNPOアーバン・ファーマーズ・クラブの取り組みです。私自身が農的なことに興味を持ったのがやはり東日本大震災で、アーバン・ファーミングは食料自給という防災的な観点でも価値があると思っています。
今、南海トラフとか、ああいったものがいつ来てもおかしくないと言われている中で、小学校中学校の屋上あるいは校庭に菜園があれば、仮にまた大きな地震が来て1日か2日物流が止まったとしても、そこの生徒たちはその野菜で何とか食べつなぐことができる、そういう仕組みが作れればいいなぁと思っています。
僕たちは、ちっちゃいNPOだから予算もあんまりないんですけど、自分たちのお財布でプランターを買って、お付き合いのある学校の屋上に(菜園を)作らせていただいて、生徒さん達と一緒に育てたり授業したりとか、そんなことを昨年の10月くらいからさせていただいていますね」
●学校の屋上に菜園を作る活動が、渋谷区からどんどん全国に広まったらいいですよね~。
「おそらく今、子供食堂って全国に1万件超えるぐらいになっているじゃないですか。あれも多分ひとつかふたつの取り組みから広がっていったと思うので、子ども食堂以外にも“子供菜園”みたいなのが、ばぁーっと広がっていってくれたらいいなと思いますね」
(編集部注:小倉さんが「アーバン・ファーマーズ・クラブ」の活動を始めるきっかけになったのが、先ほどもお話がありましたが、東日本大震災なんです。原発の事故もあり、首都圏での食料の流通が滞ったときに、当時、お子さんが生まれたばかりだったこともあってこの先、どうやって子供を育てていくのかと、不安と恐怖を覚えたそうです。
もともと雑誌の編集者で、東京で家庭菜園をやりたかった小倉さんは、たまたま知り合った相模原の若い農家のかたに手解きを受けて、農業を始めることに。そして編集者の勘で、都会と農村を掛け合わせるような活動は面白いと閃き、「アーバン・ファーマーズ・クラブ」を始めた、ということなんです)
やることは「植物のファン作り」
※ほかに「渋谷区ふれあい植物センター」らしい取り組みはありますか?
「私たち、家庭菜園講座をずっとやっているんですけど、ここが“農と食の地域拠点”として最終的にみなさんに手渡したいことって、やっぱり植物って美しいとか美味しいとか楽しいとかなんですよね。
その植物の素晴らしさみたいなものを、もし受け取っていただいたら、できたら家に帰ってご自分で、どんな種類の野菜でも植物でもいいので、タネを蒔いて育ててもらいたいなと思うんですね。
なので、それにつながるようないろんなイベントをやっているんですけど、例えば、野菜とかハーブのタネも、プランターにパラパラって蒔いて足りるくらいの量に小分けして、1袋20円とか50円で販売したりとか・・・あとはコンポスト講座、さっきの堆肥にする講座、あれも毎月やっていたりとか・・・。いろいろとみなさんにとって、ためになるようなこともいっぱいやっていますし、あとはビールだったりとか、お酒も造ったりもしています」

●この日本一小さな植物園に来園されるかたが、どんなことを感じ取ってくださったら嬉しいですか?
「本当に都会でも、土とタネとお日様と水があれば、どんな植物でも育てることができます。単に愛でるものではなく、ぜひ自分たちの生活に(植物を育てることを)取り入れてもらえたらいいなと、植物のファンになってくれたらいいなと思っています。
いつもスタッフと話しているのは、とにかく僕たちがやることは”植物のファン作りをすることだよね!”と話しているので、ぜひどんな形でもいいので、“植物最高だな~!”と思ってくれたらいいですね」

INFORMATION
食と農の地域拠点「渋谷区ふれあい植物センター」にぜひお出かけください。ガラス張りの温室のような空間にいるだけで癒されると思いますよ。
1階には柑橘類や熱帯系の果樹などの植物と、水耕栽培のファームラボ、2階にはカフェとライブラリー、3階にはトークショーなどに使われる多目的スペースがあります。そしてイベントのときだけ解放される4階の屋上ではお茶やホップなどが栽培されています。植物のパルスをもとに作った音楽「ミュージック・オブ・プランツ」は1階の中央にある小さな洞窟のような部屋で聴くことができますよ。

「渋谷区ふれあい植物センター」の開園時間は午前10時から午後9時まで。休園日は月曜日。入園料は小学生以上100円です。アクセス方法など、詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください。
◎渋谷区ふれあい植物センター:https://sbgf.jp/
小倉さんが代表を務めるNPO法人「アーバン・ファーマーズ・クラブ」の活動にもぜひご注目ください。詳しくはオフィシャルサイトを見てくださいね。
◎アーバン・ファーマーズ・クラブ:https://urbanfarmers.club/
2025/3/23 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. GARDEN OF DELIGHTS / LISA LOEB & NINE STORIES
M2. FLOWER GROWN WILD / BRYAN ADAMS
M3. BOTANICAL GARDENS / LORRAINE BOWEN
M4. SPRING SONG / LINDA LEWIS
M5. 存在 / WANIMA
M6. WILDFLOWERS / RELISH
M7. THE GOOD LIFE / TONY BENNETT & FRANCO DE VITA
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」