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春の植物観察、不思議いっぱい、身近なフィールドワークのすすめ!

2026/4/19 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、自然科学系ライター、そして気象予報士の「わぴちゃん」こと「岩槻秀明(いわつき・ひであき)」さんです。

 わぴちゃんには3年前にご出演いただき、その時は気象予報士として、おもに雲のお話をうかがいましたが、今回は自然科学系ライターとして『かんさつの眼をつくる 身近な植物ふしぎ発見図鑑』を出されたということで、改めて、番組にお迎えすることになりました。

 小さい頃から植物大好きだったわぴちゃんは、観察すればするほど、いろんな発見がある植物に大人になった今でも魅了されていて、独学で植物を学んだそうです。
 現在はいろんな人とつながり、情報交換を行ないながら植物の知識をブラッシュアップ! また、千葉県立関宿城博物館の調査協力員として、おもに川の植生などを調べているそうです。

 そんなわぴちゃんの新しい本は、タイトルに「図鑑」とついていますが、植物の不思議を、わぴちゃんと相棒のキャラクター「ふわぴかちゃん」との会話形式で解説する手法をとっているので、図鑑とは一味違った内容になっています。ポイントは「観察の眼」。いろんな視点で植物を見てほしいということで、60のテーマが設定されています。

 きょうはわぴちゃんに普段、何気なく見ている身近な植物の不思議について、花や葉っぱなど、観察のポイントなども含め、解説していただきます。

☆写真協力:岩槻秀明

岩槻秀明さん

タンポポは不思議だらけ

※普段、私たちが植物に目がいくとしたら、やはり花が咲いたときだと思います。4月から5月に身近に咲く花の不思議を教えてください。例えば、タンポポはどうですか?

「タンポポも不思議だらけですよ!」

●不思議だらけ!

「何年か前にタンポポだけで2時間も話したことがあって(笑)、それぐらい(不思議だらけ)」

写真協力:岩槻秀明

●本にも“タンポポは謎多き存在”と書かれていましたけれども、謎が多いんですか?

「そうなんです。タンポポって実は何種類あるかわかってないし、何の種類なのかっていうのが正直わかっていないんですよ。
 外国から来たタンポポは“セイヨウタンポポ”、日本にあるやつは“ニホンタンポポ”とか言ったりしますけれども、ニホンタンポポのほうは、わりかし研究が進んでいて、一応20種類ぐらいあるんです。

 千葉県だと“カントウタンポポ”と“トウカイタンポポ”っていう2種類があるんですけれども、外国から来たセイヨウタンポポのほうは、実はなんていう種類のタンポポが日本に入ってきているのかがわかってないんです。

 もしかしたら1種類だけじゃなくて何種類も入ってきていて、それをまとめてセイヨウタンポポって呼んじゃっているかもしれないとか。あともっと言っちゃうと、日本のタンポポと外国から来たタンポポが交雑して、雑種を作っちゃうんですよね。掛け合わさっちゃってね。それもすごくいっぱいあるんですよ。

 だから、タンポポがいっぱい生えている所をぐる~っとまわっただけで、丁寧に観察するとタイプの違うやつが10タイプ、20タイプと出てくるんですよね。そういう世界ですね(笑)」

●全部似ているように見えますけれども、それぞれ異なっているんですね。

「よ~く見るとやっぱり違うんですよね」

●では続いて、ツツジはいかがですか?

「ツツジもいいですよね! 4月から5月頃・・・5月がいちばんツツジの季節になるのかな。これもいっぱい種類が多くて、いろんな切り口があるんですけれども、よくあるのはどんな種類があるかっていうのはよくやるんです。

写真協力:岩槻秀明

 ひとつ、ぜひ花の仕組みにも注目していただければな~と思いまして・・・ツツジの花って花びらは何枚ですかね?」

●えーっと・・・5枚ぐらいですか? そんなイメージありますが、どうでしょう?

「(5枚)ありますよね。でも図鑑でツツジの花びらは5枚って書けないんですよ。5枚じゃないんですよね。5つなっていますけれども、(花びらが)つながっているんですよ」

●なるほど!

「筒みたいにつながっているんで、5枚とは言い切れなくて・・・だから図鑑を見ると花冠が5列とか、そういう表現になっちゃうんですね」

●先が5つに分かれているっていうことですね? 

「そういうのを合弁花(ごうべんか)って言いまして、意外に多いんですよ」で、いまのところ、400種くらいだとおっしゃっていました)

ハナミズキ、花はどれ!?

※この季節に見ごろを迎えるハナミズキには、どんな不思議がありますか?

「ハナミズキって花びらというか・・・ハナミズキの花びらって何色だと思いますか?」

●ピンク・・・?

「ピンク?」

●白・・・?

「白いのもありますよね」

●はいはい。

「あれ、花びらじゃないんですよ」

●えっ!? ピンクとか白とかの部分じゃないんですか? 花じゃないんですか?

「そうなんですよ。真ん中をよ~く見ると、ちょぼちょぼしたものがいっぱいあって、そのちょぼちょぼしたもの、ひとつひとつがお花、(白やピンクのは)そのお花を束ねるものなんです。

 束ねている部分で葉っぱが変化してできたものなんですよね。苞(ほう)とか総苞(そうほう)とか、そういうふうに言ったりするんですけれども、だからあれは花びらじゃないんですよね」

写真協力:岩槻秀明

●へ~〜、あの中央に黄緑色の、てんてんてんってあるものがお花なんですね?

「はい、お花です。ハナミズキは花が黄緑色なんですよ」

●なるほど~。

「外側の総苞がなかったら、多分誰も見向きもしないような花かもしれないんですけど(笑)」

●いや~勘違いしていました!(苦笑)

「面白いですよね。こういうのね」

●面白~い! あと千葉の名産と言えば、落花生です。落花生にも花がありますよね?

「ありますね。見たことがある人、少ないかもしれないんですけれども、最近は家庭菜園用の苗が売られるようになってきて、普通にホームセンターで買えるようになりましたね。
 私が子供の頃は落花生、ピーナッツってぜんぜん目にする機会がなかったですけれども・・・。だから今は割と簡単に、4月の終わりから5月ぐらいになるとホームセンターに苗が並び始めるので、育ててみたいと思った人はぜひぜひと思いますね」

写真協力:岩槻秀明

●家でも花はちゃんと咲きますかね?

「咲きますよ! 実もなりますよ! 面白いのが、花が咲いたあとに土の中に潜っていくんですよね、あれね」

●花が咲いたあとに潜る!?

「はい! 土の中であのピーナッツができるという・・・」

写真協力:岩槻秀明

●ピーナッツは土の中にできるんですよね。

「土の中に! だから豆なのに掘るんですよね」

●そうですよね~。

「はい!」

●潜っているわけですよね。

「自分から潜っていくんですよね。なんで潜っていくのかを考えてみると、不思議ですけれどもね」

●それを実際見ることができるっていうのはいいですね。

「そうですね! その潜っていくところを毎日観察してみるといいですよね」

(編集部注:落花生について、少し補足させていただくと、黄色の花が咲いたあとに、その根本から茎のようなものが伸びて、地中に潜り込み、実がなります)

雨の日にタネを飛ばす!?

※雨の時だからこそ見ることができる植物の不思議な姿はありますか?

「やっぱりいろいろありまして・・・まずひとつは、雨の日に植物の花は開いているのか、閉じているのかって観察してみるといいかもしれないですね。閉じる花も多いんですけど、閉じない花も結構あったりしてね・・・。結構かわいそうなことになっていたりするんですけれども、そういうのもあったりとか・・・。

 それから雨に濡れると、ちょっと表情が変わって見えるんですよね。なので、それを見てみるのもよくて、特に白い花は濡れると、なんかちょっと透き通るような感じになるものもあったりするんですよ」

●へえ~〜。

「そういうのを見てみたりするといいですよね」

●表情が変わるんですね。

「あと花だけじゃなくて、ほかのパーツ・・・例えば、さっきのタンポポだと、綿毛は晴れていると開いていてふわふわで、風が吹くと飛んでいくんですけど、雨の日は綿毛は閉じているんですよね。そういうのを見てみると面白かったり・・・。

 それから逆に雨でパシンとはじけて飛んでいくタイプのタネもあったりします。本にも書いた“ユウゲショウ”っていう植物は普段、実が閉じているんですけれども、雨が降った時だけパカーンと開いて、そこに雨が当たると雫でピシャーッと跳ねるので、その勢いでタネを飛ばしていくという、そういうのもあったりしますね」

●わぴちゃんがこれまでで、いちばん不思議だな〜と思った植物って何ですか?

「これ、いっぱいありまして、どれにしようかすごく悩んだんですけれども・・・植物の種類っていろいろありますよね。
 種類によって似ても似つかないような姿なのに、実はこれとこれが同じ種類だったりとかってすることがあって、一方で、これ何が違うんだろうっていうような、私が全然見分けがつかないようなやつで、全く違う種類だったりとかね。種類によってたたずまいが全然違うもんだから、不思議だなぁと思いますよね」

●例えば、どんなものがありますか?

「例えばなんですけれども、まずさっきのタンポポ、日本だけで20種類あるって言いましたけれども、正直そっくりなんですよ」

●そうですよね~。

「でも全然違う種類なんですよね。ほかにもいわゆる雑草って呼ばれる類のものに多いんですけど、例えば“ペンペン草”がいいかな・・・“春の七草”でもおなじみですね。

 あれって葉っぱの形がすごく変化するんですよ。ギザギザギザって鳥の羽のように切れ込むものから、全く切れ込まなくて、まんまるに近いものまで、“これとこれ同じ葉っぱなんだよ~”“ええっ、マジで?”みたいな・・・そんな感じになのが、“ナズナ”だったりするっていうね」

植物の世界が広がるキーワード!?

『かんさつの眼をつくる 身近な植物ふしぎ発見図鑑』

※新しい本には植物の専門用語も解説されています。その中からこの専門用語を知っていると、植物の見方が変わるとか、植物の世界が違って見えるとか、そんな用語があったら、教えてください。

「実はこれ、敢えて専門用語って呼ばれるものをたくさん入れたんですよ。今ってあとで調べようと思えば、ネットとかいろいろ使えるので、それに役立つキーワード・・・専門用語がキーワードとして使えるので、みなさんがフィールドに出て、そのキーワードをもとに自分なりに話を膨らませてほしいなっていう意味で、敢えていろいろ専門用語的なものをたくさん盛り込んだんですね。

 専門用語の数を増やせば増やすほど、“あっ、これにはこういう名前がついているんだな!”とか、さらにこの名前で何か関連する情報があるかなっていう感じで、世界を広げられるので・・・。

 やっぱり専門用語的なのを知って覚えていくと、話が広がりやすくなるのと、あと図鑑に登場する言葉、専門用語・・・花の形とか葉っぱの形、いろんな植物の葉っぱの形があって、言葉で表すんですけれども、ちゃんとキーワードがあるんですよ。

 例えば、切れ込みかた・・・浅く切れ込むのは、浅く裂けると書いて『浅裂(せんれつ)』とか、ちょっと深く切れ込むと、真ん中くらいまで切れ込むので『中裂(ちゅうれつ)』、深く切れ込むのは深く裂けるで『深裂(しんれつ)』、付け根まで全部裂けると『全裂(ぜんれつ)』とかって呼び方が変わったりするんですね。

 そういうキーワードを知っていると、図鑑の記述ってなんかおまじないみたいな難しい言葉が並んでいるように見えるけれども、実はその葉っぱの形を言葉で表しているのがわかるようになるので、そういう言葉も覚えておくと、いざという時いいかも知れないですね」

フィールドワークが育む「観察の眼」

※新しい本の中で「フィールドワークを大切にしている」と書かれていました。やはり、フィールドに出てこそ、わかることがあるということですか?

「いっぱいあるんですよ。むしろ図鑑に書いてあることは、本当にいろんな人たちが集めている情報の、わかっているところをちょっと切り抜いていて、しかも紙面の関係があるので、さらに情報を省いているだけなので、現物を見て得られる情報って全然違うものがありまして、図鑑に書いてないようなことがいっぱいあったりします。

 あとは、図鑑だと言葉と写真なので、目で入ってくる情報なんですけれども、実物と対面した時に“あっ、なんか触ってときにベタベタする”とか、“不思議な匂いがするな~”とか、“写真で見ている以上にちっちゃいんだな~”とか・・・。

 私が出前授業とかで(フィールドに)行ったときに、よくあるパターンが“えっ、これ、こんなにちっちゃかったのね!”っていうのがありますね。やっぱり図鑑だと、わかりやすく見せるために写真を拡大してパーンと載せますのでね」

写真協力:岩槻秀明

●やっぱり観察の眼はフィールドワークが育むと言っていいっていう感じですね。

「あっ、いいと思います! 実物、現物を見たものがまさにそれが答え、そこで自分で感じたものが答えですので、やっぱり自分の目で見て、自分で感じ取るのがいいかもしれないですね」

●では改めて著者として、新しい本『かんさつの眼をつくる 身近な植物ふしぎ発見図鑑』をどんなふうに活用してくれたら嬉しいですか?

「ありがとうございます。とりあえず60のテーマで観察の眼っていうのを載せてみました。“観察の眼”ってなあに? っていうと、植物を見る時の、こういう視点で見てみると面白いっていう、その“視点”なんですね。

 視点はとりあえず60載せたけれども、載せきれなかったものがいっぱいあるので、これをもとに自分なりの新たな観察の眼をどんどん作っていっていただければな、書き足していただければなというのと・・・

 先ほどちょっとお話しした専門用語ですね。キーワードをたくさん盛り込みましたので、キーワードをもとに調べてみたりとかして、自分なりに幅を広げていっていただくと、新しい発見があるのかなというところですかね」

●では最後に、この本を通していちばん伝えたいことはどんなことでしょうか?

「今はAIとか、それからネットが普及して、それこそパソコンとかスマホとかチャチャっとやると、いろんな情報が出てきて写真も出てきてね。それだけで知った気になっちゃうんですけれども、それってあくまで自分で見たものじゃなくて、既にあるものの寄せ集めに過ぎませんので・・・

 ぜひ自分の目で見て、自分の足で稼いで、自分の肌で感じて、自分なりの気付きを、この時代だからこそ、得ていただけると嬉しいなというところを伝えたいなと思って、(本の)はじめにと終わりにもその旨を書いてみたりしました」

(編集部注:フィールドワークが大切だというお話がありましたが、身近な場所でのフィールドワークでも注意していただきたいことがあります。

 服装は長袖・長ズボンが基本。これからの季節は帽子もお忘れなく。靴は履き慣れたものがおすすめです。虫刺されなどからお肌を守るために、首元にタオルなどを巻くのもいいですね。わぴちゃんはスカーフを愛用しているそうですよ。

 水辺などは特に足元に注意。道端での観察は車にも注意しましょう。里山などに行くと、危険な生き物もいますので、事前に調べてから出かけるほうがいいかもしれません)


INFORMATION

『かんさつの眼をつくる 身近な植物ふしぎ発見図鑑』

『かんさつの眼をつくる 身近な植物ふしぎ発見図鑑』

 フィールドワークに出かけて、植物を観察する際は、わぴちゃんの新しい本を持っていきませんか。オールカラーで300点以上の写真を掲載。知っておきたい植物の用語や、観察のポイントをわかりやすく解説してありますよ。
 時事通信出版局から絶賛発売中です。詳しくは出版社のオフィシャルサイトをご覧ください。

◎時事通信出版局:https://bookpub.jiji.com/book/b674423.html

 わぴちゃんのオフィシャルサイトもぜひ見てくださいね。

https://wapichan.sakura.ne.jp/

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