2020/5/16 UP!
<ネイチャー・ゲーム>
2020年5月16日放送
外出自粛が呼び掛けられる中、各地の『自然観察会』などの催しも相次いで中止になっていて、今年は冬から春への自然の変化に触れられなかったと、寂しく感じている方も多いのではないでしょうか。
特に子どもたちにとって「自然を身近に感じられる体験」はかけがえのないもの、「落ち着いたら子どもにたくさんの自然体験をさせたい」と、思っているかたも多いのではないでしょうか。
そんな皆さんに、おすすめしたいのが『ネイチャーゲーム』、遠出しなくても、特別な知識や技術がなくても楽しめる自然体験活動で、様々な体験プログラムを通して「自然の不思議や仕組み」を学び、自分が自然の一部であることにも気付かされます。
もともとは1979年にアメリカのナチュラリスト、ジョセフ・コーネルさんが著書の中で提唱した「シェアリングネイチャー」の考え方に基づく活動で、現在では日本を含む世界各国で親しまれています。
アクティビティは170種類以上あり、多種多様な活動を年齢や経験に関係なく楽しめ、大自然の中だけでなく、近くの公園や学校の校庭、家の庭でも手軽にできるんです。
外出自粛の今でも、場所ややり方を工夫すれば楽しめちゃいますね。ネイチャーゲームでは、大人が子どもに一方的に「これやりなさい」ではなく、一緒になって自然を感じ、体験や感動を分かち合います。
プログラムは、参加者の心の状態や学習テーマに合わせて個々のアクティビティを組み合わせる『フローラーニング』という手法で、「カワウソ」、「カラス」、「クマ」、「イルカ」と呼ばれる4つの段階があり、指導者はこの各段階の組み合わせで効果的な学習の流れを作ることができます。
どんなアクティビティがあるのか、気になった方は「ネイチャーゲーム」で検索すると、すぐ「日本シェアリングネイチャー協会」のオフィシャル・サイトが出てきますので、ぜひご覧ください。
◎日本シェアリングネイチャー協会のHP:https://www.naturegame.or.jp
2020/5/9 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストはバックパッカー、そして紀行作家の「シェルパ斉藤」さんです。

本名は斉藤政喜さん、1961年、長野県生まれ。学生時代に中国の大河、揚子江をゴムボートで下ったことがきっかけで、フリーランスの物書きに。そして、アウトドア雑誌BE-PALでバックパッキングや自転車、ヒッチハイク、犬連れなど、自由な旅の連載を、30年以上続けています。1995年に八ヶ岳山麓に移住。自分で建てたログハウスで田舎暮らし。踏破した国内外のトレイルは60本以上と、まさに歩く旅のスペシャリストでいらっしゃいます。
そんな斉藤さんが作家デビュー30年を機に、BE-PALの連載記事から「歩く旅」を厳選し、先頃、一冊の本として出版されました。きょうは歩く旅の魅力や忘れられないエピソードなどうかがいます。
☆写真協力:斉藤政善
「歩き=生活」という感覚
※まずは、斉藤さんはいつ頃、歩く旅に目覚めたのか、お聞きしました。

「30年以上前になりますね、最初は歩く旅じゃなかったんですよ。オートバイをやって、で、オートバイだと物足りないからっていうのもあって、自力で行こうと思って自転車に移ったんですね。それで自転車でアジアをずっと旅をしている時に、パキスタンとかインドとかずっと回ってネパールに入ったんですよ。
で、ネパールに入った時に外国人のバックパッカーたちが割と普通に“ヒマラヤにトレッキング行ってくるから〜”って言って気楽に出かけていたんですよね。これまでヒマラヤのトレッキングといったら本当にちゃんとした技術があったりとか、山専門の方の専門分野だと思っていたのが、意外にみんな旅人がふら〜っと行くもんだから、じゃあ自分も行ってみよう! と思って行ったらすごく楽しかったんですね。
それは何が楽しかったっていうと、本当にね、みんな歩いているっていう感覚。例えば、日本だとモータリゼーションというか、車が当たり前なので、歩いてしか行けないところって、実はあんまりなかったりするんですけど、ネパールを旅した時にはそこに生活している人はみんな歩いている、その中に僕が歩いて入り込んでいくっていう、本当に“歩き=生活”だっていう感覚をその時に味わって、それからですね、歩く旅って面白いなって。
それまでの僕はどっちかと言うと“遠くまで行かなければ! より遠くへ! ”って思いがあったんですけど、逆に歩くことで、遠くへ行かなくても楽しめることが分かった。しかも早く行く必要もないってこともその時に分かりましたね」
父と息子の男旅
※続いて、国内外の各地やトレイルを数多く歩いてこられた斉藤さんに特に思い出深い旅はどこだったのか、お聞きしました。

「実はまだ終わっていない旅なんですけれど、東日本大震災の被災地を一本の道で繋ぐ、みちのく潮風トレイルってあるんですよ。それを僕は(そのトレイルが)できる前からずっと関わっていたもんですから。距離が1000キロあるんですよ、それをずーっと小まめに歩いていまして。
歩き始めて7年経つんですが、未だに全然終わっていないんですよ(笑)。多分全体の2割もいっていないくらい。毎回行くことによってある意味、被災地に対する支援にもなっているかなって思いもありますし、それから子どもと歩いたりもしたんですよ、息子を連れて行ったりとか」
●父と息子の絆を深める「ザ・男旅」っていう、すごく、男同士の旅いいなー! って思いました!
「本当に僕もすごく印象に残っています。滅多に一緒に歩くってことがないし、小っちゃい子と歩く、まあ小学生くらいと歩くならいろいろと、お父さんがお父さんが! とかって感じになるんだけど、もう大人になってからの息子と歩くっていうのは・・・。ほとんど喋らないんですよ、あいつ!」
●そうなんですか〜(笑)
「僕もあえて喋らないし、黙ったまま。だからタイトルで“ザ・男旅”って付けたのも、喋らないんだなぁ。だけど、じゃあつまらないかっていったらそうでもなくて。その時うちの子が進路で悩んでいたんですよね。で、ああしろ! こうしろ! とは言わないけれども、父親としてアドバイスくらいはできるかなと。それを語る上で、家とは違って、歩いてからテントを張って、夜、焚き火を囲んで語り合うって、なんかいいんじゃないかな、っていう思いもあって連れて行ったんですけどね」
●なかなか普段だとそういった深い話とかもできないですもんね!
「そういう意味では、うん、歩く旅よかったかも知れないですね」
<みちのく潮風トレイル>
さて、きょうのゲスト「シェルパ斉藤」さんが特に思い出深い旅と話してくださった「みちのく潮風トレイル」。以前この番組でも私の名前、小尾渚沙にちなんで、東北の渚を歩くトレイルとして少しお話したことがありますが・・・改めてご紹介すると、『みちのく潮風トレイル』は青森県八戸(はちのへ)市から福島県相馬(そうま)市まで、東北4県・28市町村の太平洋沿岸をつなぐ総延長1000キロの自然歩道で、東日本大震災からの復興支援を目的に、環境省が中心となって整備しました。
最大の魅力は、海の景観をダイナミックに感じられるスポットの豊富さで、日本一美しい断崖や、リアス式海岸ならではの風景、世界有数の豊かな漁場などを、のんびりと歩いてめぐることができます。自然が作り出した素晴らしい景色や、海の幸・山の幸など自然の恵みを楽しむことができる一方、津波の痕跡など、自然の厳しさを見せつけられる場所もあります。
そしてそんな自然と向き合ってきた東北の人々の歴史や文化にも触れられます。
『みちのく潮風トレイル』を歩く上で必要な情報は公式サイトに詳しく掲載されていて、歩く距離やルート、立ち寄りスポットなどを分かりやすく説明したモデルコースもいくつか設定されています。
また、宮城県名取市にある『名取トレイルセンター』ではハイカーや地域住民がくつろぎ、交流できる空間を提供しています。『みちのく潮風トレイル』の全線踏破を目指す方は、『名取トレイルセンター』のホームページをチェックしてみてください。全線踏破した方に証明書を発行したり、達成した人だけが購入できる記念品などが掲載されています。
◎みちのく潮風トレイル:http://tohoku.env.go.jp/mct/
◎名取トレイルセンター:https://www.mct-natori-tc.jp
歩くことで前向きに
※続いて、歩く旅のいちばんの魅力について、お話いただきました。
「なんかつらい時とかね、特に今は本当につらい状況がどこも続いていると思うんですけど、それでも前向きな感じになれるんですよね」
●前向き?

「常に前に進んでいるからかも知れないんだけれども、割と肯定的に考えられるんですよ。
僕の場合はひとり旅をしているからっていうのもあるんだけど、ひとりで歩いていて何が面白いんですか? って言われちゃうんだけど(笑)なんか歩けばね、答えが見つかる気がするんですよ。
今じゃあ自分が何をすべきかとか、落ち込んだ時でも歩いていれば、なんかいいアイデアが浮かんだり。わずかながらでも進んでいる感じは“少しずつでも歩けば、必ず解決するんだ!”っていうポジティブ・シンキングになれるんですよね。自分の体力でここまで来たっていう自信というか、それもあるかもしれないし。それから、あまり人と会わないから、会う人に対して優しくなれるっていうか・・・。
実は家からずっと2日間、犬と歩く旅ってやったんですよ。誰とも会わないんですよね。
僕は今八ヶ岳の麓に25年間住んでいますが、歩いたことがない道があって、そこを歩くと、“あ、こんなところあったんだ!”っていう発見がありましたね。これがひとりで歩く旅の魅力かなと改めて思いました」
道草を喰いやすく

※「歩く旅」にこだわってきた斉藤さん、年齢を重ね、旅を重ねて、自分の中に何か変化はあったのでしょうか。
「ありますね、歳を重ねていろんな経験を重ねてくるとですね、“ここはこんな風になっているのか。それはどういう意味なんだろう”っていうことが考えられる。だから割と思考回路が働きながら歩くっていうのもあるし。それと欲張らなくなってくるんですよね。より遠くまで行きたいとかが、ここでやめてもいいやっていう、ある意味開き直りじゃないけど(笑)。すぐ妥協しちゃうところが、まぁそれは道草を喰いやすくなっているっていうことかなぁ」
●今後行きたい旅先はどこですか?
「矛盾しちゃうんだけど、要するにいろんなところに行けるって意味では、近くもいいけど遠くも単純に行きたいって思いもあって、フェロー諸島。デンマーク自治領か何かなんですけれども、そこは特異な景色が、すごい絶景があるらしくて。たまたま10年くらい前にオーストラリアのトレイルを歩いていた時に、そのフェローアイランドから来ている旅人と知り合って、“うち、いいからおいでよ!”って言われて、それからずーっと気になっているところです」
●へぇー!
「そこは大して長い距離はないんだけど、島から島へ、ゆっくり絶景を見ながらのんびり歩きたいなと思っていますね」
☆過去のシェルパ斉藤さんのトークはこちらをご覧下さい。
INFORMATION
シェルパ斉藤さん情報
新刊『シェルパ斉藤の遊歩見聞録』
シェルパ斉藤さんの新刊『シェルパ斉藤の遊歩見聞録』は、アウトドア雑誌BE-PALに連載してきた紀行文の中からハイライトともいえる旅を選び、「山を歩く」「島を歩く」「犬連れで歩く」など7つの章に分け、書き下ろしも加え、「歩く旅」の魅力に迫っています。また、歩く旅に必要な装備や犬連れ旅のアドバイスなども載っていますよ。
小学館から絶賛発売中です。ぜひ読んでください。
●小学館のHP:https://www.shogakukan.co.jp/books/09388766
斉藤さんのオフィシャル・サイトもぜひご覧ください。
●シェルパ斉藤さんのHP:https://team-sherpa.wixsite.com/sherpa
2020/5/9 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. WALKING MAN / JAMES TAYLOR
M2. GO SLOW / DENI HINDS
M3. BE THE HERO / NORBERT LEO BUTZ
M4. CHERISH THE DAY / SADE
M5. 裸の心 / あいみょん
M6. MOVING FORWARD / HOOBASTANK
M7. TRYIN’TO KEEP IT TOGETHER / NORA JONES
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
2020/5/2 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、フリーライターで写真家の「山本高樹」さんです。

山本さんは、1969年、岡山生まれ。出版社勤務と海外放浪のあと、2001年からフリーランスとして活動。2007年からはインド北部の山岳地帯「ラダック」地方を長期取材。その後、ラダックでの取材をライフワークにしながら、世界各地を巡る日々を送ってらっしゃいます。
そんな山本さんの新刊が『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』。ザンスカールとはラダックの中心地からおよそ450キロ、標高4000メートル級の峠を越え、やっとたどり着ける、秘境ともいえる場所で、大自然とともに生きる人々が暮らしているそうです。 今週は、極寒の高地で人知れず開かれるお祭りや、現地の人々の生活、そして秘境の旅の魅力などうかがいます。
☆写真提供:山本高樹
見たこともない祭り

※ではまず、なぜザンスカールへ行こうと思ったのか、お聞きしました。
「僕は元々、このザンスカールがあるラダック地方を集中的に取材をしていたんですね。2007年から2008年にかけて、1年半ぐらいかけてザンスカールに長期滞在して、『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々』という本を2009年に出したんですけれども、その長期滞在の頃からずっとこの土地を気になっていて、取材をし続けていたんですね。で、当時もこのザンスカールに夏だったり冬だったり訪れていたんですけれども、特に冬のザンスカールに関して、ちょっと伝えきれてなかったなっていう部分があったように感じていました。
それで今回の旅を思いついたのが、ザンスカールのいちばん奥のところにプクタルゴンパっていう古い仏教の僧院があって、そこで真冬にプクタルグストルっていうお祭りが行なわれるらしいって話を聞いて、ただ真冬にそこに訪れるのはすごく大変なんで、ほとんど外部の人は見たことがないお祭りなんですね。それをなんとかして見れないかっていうのと、前から思っていた冬のザンスカールの真の有り様みたいなものを見届けることができないかなと思って、この旅をすればそれを見ることができるんじゃないかと思って、思いついたのが今回の旅のきっかけだったんです」
●本当に非常に過酷な場所ですよね?
「そうですよね。標高が3500メートルぐらい平均でありますし、周りが5000メートル以上の山で囲まれているところなので、冬は峠を越える道に雪が積もって行き来ができなくなってしまうんですね。ただ本当に真冬になると地元のザンスカールの人たちが使っている道ができていて、それは氷の川の上を歩いていく道なんですね。
それを現地ではチャダルっていう風に言われているんですけれども、冬にザンスカールに行くためにはそこを歩いていくことしか基本的に方法がないっていうことなので、僕も今回そのチャダルという氷の川の上を歩いて旅をして、真冬のザンスカールを合計で4週間近くかけて旅をした、それが今回の冬の旅という本ですね」
●旅を続けるってすごく大変なことなんじゃないですか?
「ただ今回は10年以上前からの友達であるザンスカール人のパドマ・ドルジェという友達がいるんですけれども、彼は本当にこのチャダルを数え切れないくらい旅をしたことのあるスペシャリストでガイドなんですね。で、彼と彼の従兄弟のゾクパ・タルチンという若い男の子が一緒に来てくれて、彼らとずーっと旅をしていたんですね。本当にもう珍道中みたいな感じで(笑)くだらないことばっかり話しながら歩いていたんで、だから大変なのは大変だったんですけれども、つらいとかそういう感じではなかったなぁという風に思っていました、はい」
●一緒に行く仲間たちってすごく大事な存在ですね!
「そうですよね。すごく彼らに助けられたし、彼らを通じてその現地の人たちとも交流することができましたから、すごく貴重な体験をさせてもらったなぁという風に思っています」
食べ物のありがたみ

※山本さんは、新刊『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』の中で「自然と人の間にあるものを、いつからか追い求めるようになった」と書かれています。自然と人の間には何があったのでしょうか。
「ザンスカールの人たちっていうのはすごく強大な自然の力を前にして、その中で生まれ育って人生を過ごしてくっていうことをやっているんですけれども、彼らはやっぱり自然に対して畏れ、恐怖のほうじゃなくて、畏れ敬うという意味での畏れを抱いているところはあるかなと思うんですね。自然の力を身をもって知っていながらも、ただ怖れるだけじゃなくって尊敬の念、畏敬の念も抱いているっていう部分もあると思うので、彼らはやっぱりそういう思いを抱いているからこそ、あの自然の中で生きていけるんじゃないかなという風に個人的には感じました」
●旅をしていていちばん大きなハプニングなどはなにかありました?
「本を読んでいただけたら分かると思うんですけど、だいたい毎日何か起こっているんですよ(笑)」
●確かにそうですね(笑)
「だいたい全部ハプニングだったっていう(笑)、まぁ、でも一緒に旅をしてくれたパドマ・ドルジェとゾクパ・タルチンがいてくれたおかげで、僕は本当に安心して、彼らを信頼して旅をすることができていたので、大丈夫だとは思っていました」

●色々な旅の中での出会いっていうのもありましたよね。
「そうですね。僕は現地の言葉が少し喋れるので、それで少し彼らとの交流、コミュニケーションもできたかなという風に思っていますし、ちょっとでもこちらがあっちの言葉を喋るとみんなすごく喜ぶんですよね、お前分かってんだな、みたいな感じで。だからそれはすごく楽しかったです」
●旅の中でいちばんの楽しみっていうと何でしたか?
「やっぱりご飯ですかね(笑)。食事はやっぱり1日の中での楽しみというか、食べないと身体が温まらないっていうのもあるので、ちゃんと食べて身体を温めて、ちゃんと歩けるようにするっていう意味でもやっぱり食べ物はすごく大事です。長い旅だったので、材料も限られているので、同じようなメニューばっかりになってしまうんですけれども、それでも食べられるものがあるだけありがたいっていうのはすごく感じました。
あとザンスカールに入ると行く先々の村でご飯を出していただいたんです。冬なので僅かな蓄えから少しずつ出している簡素な食事なんですけれども、やっぱり本当に美味しかったですし、おもてなしの心を感じたっていう部分もありました」
●現地で親しまれている食っていうと、どんなものなんですか?
「チベット文化圏なのでチベットに由来のある料理、例えばモモってわかりますかね、チベット風の蒸し餃子みたいなものなんですけれども。あとはチベット風煮込み料理のトゥクパっていう、うどんのような料理だったりとか、大麦を炒って粉にして食べるツァンパという食べ物だったりとか。あとはバターとお茶を攪拌して作るバター茶とか、そういったものがあります」
押し寄せる変化の波

※続いて、ザンスカールの旅で出会った人たちの暮らしぶりについて聞いてみました。
「彼らにとっては1年の半分ぐらいの間、あの場所は大自然の力によってロックダウンされてるようなものなんですよね。外部とも簡単に行き来はできないですし。で、短い夏の間に僅かな畑を耕して、食料を蓄えて、家畜の餌だったり、冬の間、燃料にするものだったり、いろんなものを蓄えて、冬の間はお祈りをしたりしながら、ひっそりと過ごすっていうのが彼らのライフスタイルなんですね」
●なかなか外部の方々が行って見ることができないお祭りを実際にご覧になっていかがでした?
「なんだろう・・・お祭りそのものの行事も大切なんですけれども、彼らはそのお祭りを通じて交流というか、近況報告をしあったり、若い人同士の間では携帯のワッツアップのアドレスを交換したりとかして、出会いの場にもなっていたりします。もちろん山奥なんで携帯はなかなか繋がらないんですけど(笑)、街に出た時にはやりとりしようよ、みたいな感じで情報交換をしていたりとか。本当に彼らにとっての生活の一部であるし、祈りの行事でもあるし、すごく大事な行事だったんだなっていうのは、現場に居合わせてやっぱり一際強く感じたところだったですね。
これは10年以上前からそうなんですけれども、僕はこのザンスカールだったり、ラダックだったりという場所をずっと定点観測的に見守り続けていかなきゃな、って思っているところがすごくあります。特にここ10年くらいでザンスカールもすごく大きな変化の波が押し寄せていて、開発も進んでいる部分もあって、もしかするとあと10年くらいしたら、この本に書いた物事が全部失なわれてしまうかもしれないっていう風に思っているんですよね。
現代社会がもたらす変化が全部悪いとは思わないんですけれども、それによってもしかしたら永久に失なわれてしまうかもしれないものもあるので、やっぱり人間はそういうことをもっと気にかけるべきだと思うし、それはザンスカールに限らず、日本でも世界のどこの場所でも言えることなのかなと思っていますね。だからそういうことをなんとかしてずっと伝え続けていきたいなと、個人的には思っています」
自然に対して謙虚に

※最後に、山本さんは秘境と言われる場所を多く旅されていますが、そんな旅からどんなことをいちばん感じるのか、お話しいただきました。
「そうですね、割と本当におっしゃるように秘境とか辺境ばっかり行ってるんですけれども(笑)、人間ってそんな大層な存在ではなくって、自然を構成する要素の中のひとつでしかないんじゃないかなっていう風に思っているところが僕はあるんですね。
でも、人間ってのは結構傲慢なところもあるので、その傲慢さによって、それまで保たれていたバランスみたいなものが、急にガタガタって崩れてしまうことがあると思いますし、世界中にそういう例はもう既にあっちこっちにあると思うんですね。やっぱり人間はもうちょっと自然に対して謙虚であるべきなんじゃないかな、っていうのはすごく思っていますね」
☆過去の山本高樹さんのトークはこちらをご覧下さい。
INFORMATION
山本高樹さん情報
新刊『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』
山本高樹さんの新刊『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』は雷鳥社から絶賛発売中です。
山本さん曰く、この本は一緒に旅をしてくれたザンスカールの友や出会った人々、そして、はるか昔から何世代にもわたって、文化や伝統をつむいできたザンスカールに生きる人々の「冒険の物語」だそうです。ぜひ読んでください。
山本さんの近況を含め、詳しくはオフィシャル・サイトをご覧ください。
●山本高樹さんのHP:http://ymtk.jp/ladakh/
2020/5/2 UP!
<日本三大秘境>
2020年5月2日放送
世界にはまだまだ秘境と呼ばれる人跡未踏の地がありますね。日本にも、簡単には出掛けることのできない、秘境と言ってもいいような場所がけっこうあります。例えば、北海道の知床(しれとこ)とか、東京の小笠原諸島とか、宮崎県の高千穂(たかちほ)、鹿児島県の屋久島(やくしま)などは“秘境感”ありますよね。
ちなみに、「日本三大秘境」と呼ばれている場所をご紹介すると、まずは岐阜県の世界遺産・白川郷(しらかわごう)。
今でこそ車やバスで訪れる人が増え、人気の観光地となりましたが、山間にある日本有数の豪雪地帯ということで、かつては隔絶された集落でした。そのため合掌造りの家屋など、独特な文化や風習が現在まで残ったんですね。
二つめは、徳島県の祖谷(いや)。高知県との県境に近い山間の地で、平家の落人(おちうど)が逃れたという伝説もあります。訪れる機会があったら、ぜひ行きたいのが国指定重要有形民俗文化財にも指定されている「祖谷のかずら橋」。つる性の樹木「シラクチカズラ」で作られた吊り橋で、長さ45メートル、水面からの高さは14メートルあり、スリルと絶景が楽しめます。
そして三つめは、宮崎県の椎葉村(しいばそん)。周囲を険しい山々に囲まれ、こちらも平家の落人伝説が残っています。日本で唯一、焼畑農業を継承している農家があったり、国の重要無形民俗文化財の「椎葉神楽」が伝わるなど、独自の文化が受け継がれています。
なかなか行けないからこそ価値がある秘境、まずはネットで検索して、写真からその雰囲気を感じてみたいと思います。
2020/5/2 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. ON MY OWN (WITH MICHAEL MCDONALD) / PATTI LABELLE
M2. WALK ON BY / BOBBY CALDWELL
M3. HEART TO HEART / KENNY LOGGINS
M4. マインドトラベル / bird
M5. Mela! / 緑黄色社会
M6. TELLING THEM / STARSAILOR
M7. HUMAN NATURE / MICHAEL JACKSON
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
2020/4/25 UP!
◎『清水国明「ログハウス、面白いですよ!」 ~番組恒例の定点観測25回目!』(2020.04.25)
◎高砂淳二(自然写真家)『地球が危うい!~足るを知る。バケツ一杯の水!?~』(2020.04.18)
◎まえだ・なをこ(旅好きイラストレーター)『旅は妄想から始まる ~マイナス50度! 脳が凍る街滞在記 & 舌が笑う南国旅〜』(2020.04.11)
◎風間深志(冒険ライダー/地球元気村の大村長)『地球元気村から元気の輝きを! ~人があって自然がある、自然があって人がある〜』(2020.04.04)
2020/4/25 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、芸能界きってのアウトドアズ・マン「清水国明」さんです。

清水さんは1950年、福井県生まれ。73年に原田伸郎さんとコンビを組み、「あのねのね」でデビュー。「赤とんぼの唄」が大ヒットし、一躍人気者となりました。90年代は、アウトドア活動に夢中になり、2005年に河口湖に自然体験施設「森と湖の楽園」をオープン。その後、瀬戸内海の無人島「ありが島」に海の体験施設を作り、企業の社員研修などを行なっています。また、経営者やビジネスマンが集う「国明会」を主宰されています。
今週は、そんな清水さんに電話でお話をうかがいました。
ワクワクは大人になっても
※まずは、いつ頃からアウトドアにハマったのか、お聞きしました。
「今を去ること69年前ですかね(笑)」
●何かきっかけがあったんですか?
「田舎に生まれたということですよね。もう大自然の中にごろんと生まれ落ちまして、見渡す限り山と川と木とね、そんなもんの中で育ったんで、そこからアウトドアをずっとやっているという感じでしょうかね」
●小さい頃から自然がすぐ側にあったわけですね。
「そうですね、森の中で生まれ育ちましたから。いつからアウトドアをやっているかっていうような境目はないですね、ずっとアウトドアです。はい!」
●ご家族で無人島でキャンプされたり、ご自身でログハウスを建てられたり、バスフィッシングに夢中になられたりですとか、いろいろなことをされてきたそうですけれども、こういったスキルっていうのはどうやって身に付けられたんですか?
「小っちゃい頃、1歳〜3歳ぐらいの時から魚を手づかみしたりですね、池の鯉を釣って親父に怒鳴られたりですね、木に登ってその木の上に隠れ家作ったり、ヘビ捕まえたり、赤トンボを捕ってアブラムシにしたりですね(笑)、そういうことをずっとやってきたんですよ。
それがだんだん、例えば1〜2歳から10歳になったとすると、10歳の時もちょっとスケールはでかいけど、同じようなことをしていましたね。竿を使って魚を捕るとか銛で突くとかですね、もうちょっと大きな家を建てるとか。
それが20歳になるとさらにもうちょっとでかい魚を捕りに行ったり、行動範囲も広くなる。
何が言いたいかというと、結局小っちゃい頃やっていたことをそのまま大人になっても、スケールアップしてやっているっていう、そんな感じですね」
●やはり小さい頃の自然体験っていうのは大人になってからも大事なものなんですね。
「そうやね、この歳になって振り返ってみると、結局子どもの時に一番ワクワクしていたことを大人になっても、ちょっと環境は変わるけれども、同じことで。大人になって新しいことをやるんじゃなくて、結局子どもの時にやっていたことのスケールアップっていうような、グレードアップっていうのかな? そんな感じしませんか?」
●そうですよね!
「小尾さんって渚沙さんだよね? どんなところで生まれて育ったんですか? 」
●私は千葉県千葉市出身なんですけれども、ただ、森に行ってとか、ログハウス建てたりっていう経験はなかなかしてこなかったので、大人になってからというような感じですかね。
「それは多分、みんな自然の中で遊ぶノウハウっていうかスイッチはあるはずなんで、そのスイッチを入れないまま大人になってしまった、もったいない人が結構いるんですよね」
●いや、本当にそう思います〜。
「だから何かの弾みでね、スイッチが入って、山がすごく好きになったり、木に登りたくなったり、海に飛び込みたくなるようなね(笑)、そういうなんていうか、食べず嫌いみたいな感じで、まだ使ってないところをいっぱい隠し持っている人が、周りにもたくさんいるような気がしますね」
18棟目のログハウス
※清水さんは、ログハウスを作るログビルダーでもあるんです。自分で何かを作るのがお好きなんでしょうか?

「そうやね、小尾さんは家を作ったことありますか? 」
●ないです!(笑)
「ないの!? 家とか部屋の中を飾り付けたりするのはどうですか? 」
●あ、好きです!
「そうですよね、それの延長で自分の家を自分で作り始めたら、こんな面白いことってないですよ! 私は今18棟目のログハウスに取り掛かってますけれどもね」
●18棟!?
「そうそう、こんな楽しいことを人にお願いしてやってもらうっていうのは、すごくもったいないなと思うように途中からなったんですよ。だから自分で木を伐って皮を剥いて丸太を転がしてですね、自分のログハウスを自分で作り始めたり、木の上に家を作ったりすると、これはもう寝食忘れてっていうか、ごはんを食べるのもその時間がもったいないくらい私はのめり込みましたね!」
●ログハウス作りの何がそんなに魅力なんですか?
「そうやね〜、自然の中に溶け込むような、自分のスペースを確保できるっていうのが、すごく嬉しかった。最初ね、丸太を四角く組むでしょ、井の字みたいな。それを一段組んでその真ん中に、木屑だらけになって、ゴロッと疲れて寝た時に、宇宙までズバーンとそのエリアが自分のものみたいに“このエリアは俺のもんや!”みたいな、すーっごい気持ちよかったんですよ!
ところがね、今東京のマンションに住んでいるんですけどね。そこから通ったりしているんですけど、この上にもまだ何人も住んでいるし、下にも住んでいるし、タワーマンションに住んでいるんですけど、このエリアは俺のもんみたいな開放感は得られませんわな、都会ではな」
●そうですよねー。
「そんなのを感じましたね。ログハウス面白いですよ! 」
<ログハウスの歴史と特徴>
さて、清水国明さんが夢中になっているログハウス、その歴史は古く、世界最初のログハウスは3500年以上前に出現したと言われています。起源ははっきりしませんが、北欧で生まれて発達してきた建築物で、森林資源の豊富な地域を中心に伝わり、それぞれの地域に合った形に進化を遂げてきました。
森林を伐採し、開拓していく際に、伐採した丸太をそのまま使って最低限の工具で組み立てられたログハウスは、ある意味とても合理的な建物ですよね。北欧ではその後、工場で製造されたログ材を使用してシステマティックに建てられたマシンカットログが普及し、それに対して北米大陸では自然の中で暮らす“別荘”としての需要が高く、セルフビルド文化が根付いています。
同じ木造でも、日本で一般的な木造住宅とログハウスは全然違いますが、日本国内でも古くは正倉院(しょうそういん)の校倉造(あぜくらづくり)や、中部の木曽川(きそがわ)沿い、信州の山間部で多く見られる板倉造(いたくらづくり)はログハウスに極めて近いものです。また、昭和8年に日本初の本格的な山岳リゾートホテルとして誕生した上高地帝国ホテルは日本における近代ログハウスの元祖ともいえる存在です。
ログハウスのもうひとつの特徴は「木が、家が“生きている”」ということ。木材はログハウスとなってからも呼吸を続け、年月の経過とともに少しずつ変化していきます。木が縮んだり反ったり、ひびが入ることもあります。でも、しっかりメンテナンスすれば100年でも200年でも持ちますし、木の風合いが変われば部屋の雰囲気も違ってくる、そんな変化を楽しめるのもログハウスの魅力です。
子供から孫へと、何世代にも渡って受け継いでいける家って、ステキですねー。
ひとりで寂しいから作った!?
※続いて、河口湖にある「森と湖の楽園」について。森の中に自然体験施設を作ろうと思ったきっかけはあったのでしょうか。

「ふたり目の嫁さんの時に河口湖にいい場所があったんで、それで家族、子どもがその頃はまだ3人いたんだよね、それでみんな引き連れて“河口湖行くぞー!”って宣言したんですよ、“きょうから自然暮らしだー!”とか言ってね。そしたら家族全員が“行ってらっしゃーい”って言ったんですよ。“え、行かんの?”とか言って、で“しゃあないわ、ひとりで行くわ”って言ったら、その時のふたり目の嫁さんが、じゃあこれにハンコを押してって言って離婚届を出したんですよね。“ええ一緒に行かんの!?”って言ったら、子どもたちもそう言ったんだけどね、“いやパパは今までいろいろやってきたからいいけど、私らはこれから都会でも楽しみたいし、私には私の都合があるから”って言っていましたね」
●そうだったんですね。
「それでひとりで行ってさみしいから森と湖の楽園とか、自然楽校、自然を楽しむ校というのを作って、たくさんの人を招いてですね、みんなでわいやわいや言いながら自然体験をしているというような、そういう施設を作って、これが16年目になるかな」
●なるほど! そういった背景があったんですね。その河口湖の森と湖の楽園というのは改めてどんな広さ、なんですか? どんな楽園なんですか?
「えーっとね、坪でしか言えないんだけど、1万坪ぐらいですね。結構広いわな。そこにウォークボードっていう森の回廊ってのを作ってですね。それからバーベキュー場もあって、バーベキューは今500人くらい一気に出来んのかな。でっかいバーベキュー場があって、それからドームハウスもあったり、あとトレーラーハウスも10台くらい置いてあって、そこにも泊まってもらえるようにしています」
●自然体験もいろいろできるということですよね?
「もちろん! ただね、あんまり施設としては整っていないんですよ。なんでもできますけども、遊園地みたいなジェットコースターがあったり、観覧車があったりっていうようなところではないので、そういうのを想像して来た人は“あれ? ここなんにもないじゃーん”とかって言う人がいるんですよ。そういう人にはすぐ近くにある富士急ハイランドの割引券がたくさん ありますんで、“それを持ってって向こう行ってください。向こうだったらお金さえ払えば、なんでもサービスしてもらえますよ!“って。うちはもうほったらかしなんですけれども、その代わりなんでも自由にできる、焚き火しても大丈夫な施設なんで、自分で楽しもうと思って来る人は楽しい場所です」
ユーチューバーになる!?
※最後に、今進めているプロジェクトについてお話しいただきました。
「千葉県なんですけれどもね。そこで今度はまず杉林を買いまして、その杉を伐ってその木の皮を剥いて組み上げるという、ログハウスをちょっとひとりでやってみようと思っているんです」
●へえー!
「ほんでそれを手伝いたい人は手伝いに来てくださいとか言って、皮を剥いてもらったり、ログハウスの作りかたをね、きっちり教えますんで、はい、そういうのを始めます。それで、ユーチューバーって今芸能人がやっていますよね、やってみようかなと」
●あら! 清水さんが?
「うん、僕の相棒の原田伸郎ってのがいるんですけど、これが“のぶりんチャンネル”ってのを1年近くなんのかな、半年かな、始めていたんですよ。まあ今さらみっともないな、そんなの恥ずかしいぞと思っていたんですけども、なんと登録者数が、どのくらいだと思います? 300人ぐらいなんですね(笑)くっそ恥ずかしいでしょ?」
●いやいやいや!
「(笑)だってほら(登録者数が)50万とか20万とかって人いるじゃないですか。そうやってあいつ赤とんぼの歌を歌ったりしていますけども、ほんで俺は絶対ユーチューブをやらんぞと思っていたんですが、今度のログハウス作りをチェーンソーを買うところから、土地を探して土地を決めるところから、ずーっとドキュメントで毎日ユーチューブにあげていこうかなと」
●面白そうですね!
「そうでしょ、だからさっき言った家を作るということのイチから、チェーンソーの買いかた、どんな道具を買って、どんな場所でどういう風にしたら、1棟建てられるかというプロセスを全部見せようかなと。それを国明会の人たちにも見てもらって、みんなで自分のお城を造れるように、ユーチューブにあげようかなと。だから目標としては300人以上の登録する人がいるようなユーチューバーになろうかなと思ってます」
☆過去の清水国明さんの定点観測はこちらをご覧下さい。
INFORMATION
清水国明さん情報
企業の社員研修などで人気の、河口湖にある「森と湖の楽園」、そして瀬戸内海の無人島「ありが島」について、詳しくはそれぞれのホームページをご覧ください。
◎森と湖の楽園HP:http://www.workshopresort.com
◎ありが島HP:http://arigatou-island.jp
清水さんの近況はオフィシャル・サイトを見てください。
◎清水国明さんのHP:http://kuniaki.plus/
2020/4/25 UP!
オープニング・テーマ曲「KEEPERS OF THE FLAME / CRAIG CHAQUICO」
M1. TAKE IT EASY / EAGLES
M2. THE RIVER OF DREAMS / BILLY JOEL
M3. IF IT MAKES YOU HAPPY / SHERYL CROW
M4. BUILT TO LAST / MELEE
M5. やさしさで溢れるように / JUJU
M6. FUN DAY / STEVIE WONDER
M7. 生きる力 / 清水国明
エンディング・テーマ曲「THE WHALE / ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
2020/4/18 UP!
今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、奇跡の一枚をきりとる自然写真家「高砂淳二(たかさご・じゅんじ)」さんです。

高砂さんは1962年、宮城県石巻市生まれ。ダイビング雑誌の専属カメラマンを経て、1989年に独立。世界中の国々を訪れ、精力的に撮影を行ない、これまでに数多くの写真集を発表。昨年は「水」をテーマにした写真集『PLANET of WATER』を出されています。
そんな高砂さんの新刊が先頃、山と渓谷社から出版した『光と虹と神話』。この本は、これまで訪れた100カ国以上の中から選りすぐった34カ所で撮った写真と、その場所で感じたことを書き下ろした、集大成的フォトエッセイ集で、各地で目の当たりにした自然環境の変化にも言及しています。
今週は、これまでの集大成とも言える新刊をもとに、とっておきの体験談などうかがいます。
僕らも生きていけない
※まずは今回の新刊で特にどんなことを伝えたいのか、高砂さんにお話をうかがいました。
「一番、僕の中ではやっぱり人がね、今の生活はどんどん豊かになって、物も作って、買って消費して捨ててっていう、そういうサイクルに入っちゃっていますよね。それがいかに影響を及ぼしているかってことも自分自身も反省しているし、なんとか変えていかないと僕らも生きていけない世の中になるっていうのが自分の中では一番大きいですね。他のことも伝えつつそれを一番感じてもらえるように形を整えていきたいなっていう風に思って作りました」
●やはり多くのフィールドを見てきた高砂さんですけれども、現在、自然が置かれている状況は、はっきり言っていい方向ではないよっていうことですよね?

「いい方向ではないですよね。温暖化もずっと叫ばれていますけれども、かなり酷い状況になっていますね。僕がグリーンランドや南極、カナダの流氷のあるところとか、いろんなところに行って撮影していますけれども、その辺がここのところ(温暖化の影響が)顕著に現れているっていうのも目の当たりにしていますし・・・。
あとはプラスチックのゴミがどこ行ってもありますね。以前は自然が飲み込んでくれていたような感じがしましたけれども、今はもう飲み込みきれなくて突っ返されて、海岸線にどんどん戻されている感じがあってですね。生き物もどんどん(プラスチックごみの影響で)死んじゃっていますからね。それをなんとかしたいなと思って、自分でもやっぱり生活の中でプラスチックの物を買わないようにしたり、なんとか他の物で代用したりとかしています。そういうこともちょっとずつ話が出来たらいいなとも思っていますね」
自然からのプレゼント!?
※高砂さんの新刊『光と虹と神話』には選りすぐりの写真がたくさん掲載されています。その中にあるオーロラの写真についてお話しいただきました。

「あのオーロラの写真は、湖の前で撮っている写真で、湖にオーロラがそのまんま映っていたと思うんですけれども。普通オーロラっていうと寒い、雪と氷の中で見ているって印象があると思うんですけれど、実は、オーロラっていうのは実際、年中出ているんですよ。
寒いところだと夏場は白夜になっていて、暗くならないのでオーロラが見えないんですね。僕が(オーロラの)写真を撮ったのはだいたい9月ぐらいで、白夜がちょうど終わって短い夜が始まった頃なんです。なので、まだ寒くなくて、湖も凍っていない時に快晴の空にオーロラが出て、それで静かな日だったので、水面にそのまんま鏡のように映ったと、そういう神秘的なシーンでしたね。
そういうものって、オーロラだけじゃないんですけれども、たまに自然のいろんな条件がピタッと一致して“うわ! こんな状況が現れるんだ!”っていう、プレゼントみたいな時があるんですね。そういう時に“信じられない写真が撮れちゃった!”ってことがありますね」
●高砂さんの写真は、アザラシだったりペンギンだったり、生き物たちがとても近くに感じられたんですけれども、写真を撮る時、なにか心がけていることはあるんですか?

「相手が生き物の時はやっぱりなるべく向こうの気持ちを、目とか仕草を見て、読むようにしています。向こうが嫌がっていると、さっさと逃げちゃう場合もあるし、あとは逃げないまでも表情が固くなったりとか、普段の生活、普段の仕草じゃなくなっちゃったりとかね。そういうこともあるので、なるべく向こうが安心している、もしくは警戒心よりも好奇心のほうが強い状況にできればしたいんですよね。
なので怖がらせないように、その上でもしできるんであれば、向こうの気を引いて、なんだこのおじさんみたいな(笑)感じの気持ちになってくれると近寄ってくれたりとかする場合もあるんですよね。向こうの様子を見ながら、警戒心を解いて好奇心をなるべく膨らませてもらえるように撮影するっていうのを心がけていますね」
<プラスチックごみ問題>
今週のゲスト「高砂淳二」さんもとても危惧されている世界的なプラスチックごみの問題。レジ袋やペットボトルなどの原料のプラスチックは自然分解されにくく、捨てられたプラスチック製品は風に吹かれ、川に流され、最終的に海を漂います。
ビニール袋を、好物のクラゲと間違えて、ウミガメが飲み込み、犠牲になっていることを以前から指摘されていますが、他にも海鳥やアザラシ、イルカなど多くの生き物にも影響が出ています。もっと厄介なのが、波や紫外線で細かく砕かれ、およそ5ミリ以下になった「マイクロプラスチック」。最近の研究では魚からマイクロプラスチックが見つかり、問題となっているんです。
プラスチックごみは推定で毎年およそ800万トンが海に流出し、2050年には海洋中の魚の重量を上回るとの試算もあり、対策が急がれています。
今年7月からレジ袋の有料化が義務付けられます。これに先立ち、今月1日からレジ袋を有料にした店舗も多く、「エコバッグを持ち歩くようになった」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そもそもなぜ義務化されるのか、経済産業省によりますと、「普段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすること」を目的としているとのことです。エコバッグやマイボトルを使うなど、まずはできることから始めて、ライフスタイルを少しずつ見直していくことが大切ですね。
プラスチックごみを増やさない。そのためには、なるべく、すぐごみになるものは買わない、もらわない、そんなことを心掛けたいと思います。
進化はすごいシステム!
※高砂さんは生き物たちのどんなところに魅力を感じているのでしょうか。

「たくましさもあるし、それから例えばマダガスカルなんかだと、生き物のほとんどが固有種なんですね。なぜかと言うと、マダガスカルっていうところは大陸に属したことのないところで、生き物がすごくユニークなまんま、その場所に合わせて進化してきているんですね。そういうのってなんか普通に考えてもたくましいなーと思いますよね。
必要のないものはどんどんと削ぎ落とされて、それで必要とするものはだんだん身に付けていく、そういうのって何千年、何万年かけてそういう風になっていくわけです。このツノが欲しいとかこのトゲが欲しいとか、もうトゲがいらないとかって思って、それがずーっと続いていくうちに身体になって現れていくっていうのはすごいシステムだなと思っています」
●確かにそうですね!
「そういうのもダイナミックですよね」
バケツ一杯の水で充分!?
※最後に、ミクロネシアの小さな島での体験談をお話しいただきました。
「昔、トラック諸島って言いましたけども、そこにジープ島っていう島がありまして、だいたい直径が34メートルの、ヤシの木が20本くらい生えているだけの島なんですよ。そこは無人島じゃないんですけれども、現地のご夫婦が管理人として住んでいて、小屋がふたつ建っているところなんですね。
僕らみたいな旅行者が一応泊まれるようになっていて、そこにはもちろん水道もなければ電気もなければ電波もきていないし、何もないんですね。そういうところで例えば人間が住むのに必要な水はどうするのかっていうと、雨水を貯めておくバケツが置いてありまして、そこに貯まった水の中から小さいバケツに採って、それをひとりバケツ一杯使うことができるっていうシステムになっているんですね。
バケツ一杯で、歯を磨いて顔を洗って、それで身体を洗ってパンツも洗うみたいな感じなので、順番を考えてやらないといけないんですね。最初にパンツとか洗っちゃうと他にあんまり使えなくなっちゃうので(笑)、最後にパンツを洗って、それを頭から被ってシャワーにして寝るみたいな感じですけれども」

●へぇー!
「だけどやってみると、意外にバケツ一杯の水っていうのは結構あるもんだな、これで充分いけるんだみたいな感じもありますね。
これって不思議なものでね、日本に暮らしていると本当に湯水のようにって言いますけれど、シャワーなんかボンボンとバケツ何杯分使うのか分からないくらい使いますよね。でも、こうやって工夫すると水もこれだけで済むんだっていうことを感じますね。
あとはチュークの人たちっていうのはそもそも仕事を持っていない人が多いんですね。南の島なので暖かいし、その辺にバナナとか植えておけばすぐにバナナもなったりとか、あとはパパイヤとかそれからパンの木とかもその辺に生えていたりとか。海に入れば魚が泳いでいるじゃないですか。なのでほとんど自給自足的な生活をしている人のほうが多いらしいんですね。
若い人が獲った魚をお年寄りに分けてあげたりとか、畑のある人がなんか採れたものをそういう人たちにあげるとかね、そんなことで暮らしているので、例えば一生懸命ビジネスをやっている人とか営業している人みたいに、お世話様です〜とかなんかすごく気を遣ったり、そんなことをする必要もなくて。当たり前に物が採れて豊かだし、やっぱり余裕があるって言いますかね、食っていければいいじゃないみたいなところがあるんだな、それでいいんだよねと。
実際でも日本だって本当はその辺に何か植えておけば、ちゃんと食べられるようなものも生えるし、季節になると魚もカツオとか泳いできたり、わざわざ脂のせて泳いで北から降りてきてくれる時もあれば、潜ったら貝も引っ付いているしとかね。
元々はやっぱりこの地球って、その土地その土地でちゃんと生き物が暮らせるように食い物が、それから薬になるようなものも、ちゃんと生えているっていうのを改めてチュークに行って感じましたね。もっと自分の場所で生えているものとか、もしくはそこになくても自分でベランダででも育てて食べられるよね、とかね。そういうのも感じましたし、実際そういうこともあって僕は今、自分の家の小さなベランダでいろんな野菜を育てています」
●そうなんですか!
「はい! それでかなり今、野菜は買わないで自分のところでなったやつを食べているんですよ。 それでスーパーでビニール袋に入った野菜も買わないでも済むし」
INFORMATION
高砂淳二さん情報
『光と虹と神話』
山と渓谷社(1800円+税)
高砂淳二さんの新刊『光と虹と神話』は山と渓谷社から絶賛発売中です。高砂さんがこれまで撮影で訪れた100カ国以上の中から、選りすぐった34カ所の写真と、そこで感じたことが書かれています。ぜひ読んでください。
●山と渓谷社HP:
https://www.yamakei.co.jp/products/2819020490.html
高砂さんのオフィシャル・サイトには本の情報ほか、
これまで発表した写真や近況なども載っています。ぜひご覧ください。
●高砂淳二さんのHP:
http://junjitakasago.com/blog









