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Every Sun. 20:00~20:54

旅は妄想から始まる 〜マイナス50度! 脳が凍る街滞在記 & 舌が笑う南国旅〜

2020/4/11 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、旅好きイラストレーター「まえだ・なをこ」さんです。

まえだ・なをこさん

 「まえだ」さんは電子書籍で出版した、旅をテーマにした作品が大ヒット! そして先頃、人気作品をまとめた紙の本を出し、話題になっています。本のタイトルは『世界で一番寒い街に行ってきた〜ベルホヤンスク旅行記』!

  きょうは、冬はマイナス50度にもなるロシアの街の滞在エピソードや、マレー半島のおいしい南国旅のお話などうかがいます。

飛行機の羽が凍る!?

※まずはベルホヤンスクに行くきっかけはなんだったのか、お聞きしました。

「友人が、SNSで誰か同行者募集っていうのに食いついた感じなんです(笑)」

●あの、マイナス何度になるんですか? 

「最低気温としては、67.8度を記録したっていうことなんですけど、私たちが行った時はマイナス50度より下でした」

●実際、到着されてどんな気持ちでした? 

「ヤクーツクの乗り継ぎで飛行機の羽が凍っちゃって、それでなかなか飛び立たなくて、お湯をかけて羽を溶かしていて、それで本当に乗り継ぎ時間がギリギリになっちゃって焦って、それどころじゃなかったっていうか」

●飛行機の羽が凍ることってあるんですか!?  どんな服装で日本から行かれたんですか? 

「服装は、他の人は北極圏でも耐えられるみたいな服を持っていったりとか、買ったりとかしていたんですよね、私そんなお金ないし結構高いんですよね。だから自分で持っている一番暖かい服で行って、現地に行ったらもうブーツから帽子から全部借りました。

 ベルホヤンスクで借りたんですけど、ヤクーツクとかは割と都会なので建物に入っている間は別にそんなに問題なくて、暖かい空気をまとったまま、他の店にパッと行ったりするので、そこまでは。まぁ日本から持ってきた服でちょっと寒かったような気はするけど、事足りたかなっていう感じですね」

●フリースに、ダウンっていうような感じですか?

「ダウンにフリース二枚重ねに、暖かい下着ありますよね? そういうのを二枚重ねに、防寒防水ブーツでガシッと。その靴もなんか特殊な靴で、下がフェルトなんですよね、ゴムとかじゃなくて。あまりにも気温が低すぎてビシャビシャにならないので、下がそういう布っぽいものでもビシャビシャにならないで歩けるみたいな感じの、バーレンキっていうのかな? そういう靴なんですよね」

1日4食! 高カロリー!

※北極圏にあるベルホヤンスクに滞在している間はいったいどんな食事が出たんでしょうか。

まえだ・なをこさん

「主食は馬で、多分カロリーをすごく消費するから高カロリーのものばかりどんどん出てきて、1日4食という」

●4食? 

「はい、アテンドしてくれた方がいたんですけど、スケジュール表に、朝食、昼食、夕食、夜食ってあって、え? と思ったんですけど、寒いとカロリーをすごく消費するからたくさん食べるっていうことみたいです」

●例えばどんなものを食べるんですか?

「馬肉の茹でたもの、馬肉のハンバーグ、馬肉の刺身、馬肉のレバーとか、あと凍った魚を削って、ルイベみたいなものって分かりますかね? それをそのまま何もつけないで食べるっていう感じで。で、私は醤油とワサビ持っていって、みんなに“おぉ〜! ”って言われました(笑)」

●へぇー! 

「私が一番好きだったのはアイスです。外に放置していると出来るアイスで、ミルクとちょっとベリーを混ぜたもの。ベリーは、すごく短い夏があるんですけど、その間にバッて出てきたものを収穫して地下の天然の冷蔵庫に入れあるんですよ。それを混ぜたものを外に放置しているだけでアイスになるみたいな。それが私個人的に好きでした。かなり甘さ控えめなんですよね。

 あと友達がすごく喜んでいたのは馬が主食っていうことだったんですけど、馬の生レバーの凍ったやつが大好きで、すごく喜んで食べていました」

●現地の方々はどんな生活をされているんですか? 

「多分特殊なところなので半分くらいは研究員の方が住んでいる感じで。あとは狩りをしたりとか、河原に氷のブロックが積んであって、それを一輪車でガーッて運んで、各自ドラム缶の中に入れて水を作って、それをお風呂に使ったりとか、顔を洗ったりとか、そんな感じの生活をしています」

<サハ共和国って、どんな国?>

 さて、きょうのゲスト「まえだなをこ」さんが滞在したベルホヤンスクは、ロシア連邦の極東に位置するサハ共和国の都市で、共和国の首都ヤクーツクから北北東に675キロほどのところにあります。“共和国”…と言っても、もちろん独立国家ではなく、あくまでロシアの地域のひとつです。

 このサハ共和国、ほぼ全域が永久凍土地帯といいますから、それだけでも「寒い!」ってことは想像できます。冬は長く、厳しくて、1年のうち10月から4月までの7カ月は冬で、“最高気温”の平均がマイナス40度程度といいますから、その寒さ、もはや理解できません。

 一方で、夏には気温が30度を超えることもあるということで、1年の寒暖差は最大で100度!

 一体どんな人たちが暮らしているのかというと、最も多いのはチュルク系の民族のヤクート人で、その顔立ちはモンゴル人や日本人にそっくりなんだとか。

 厳しい土地だけに、手つかずの豊かな自然が残り、それが観光資源となっていますが、実は天然資源にも恵まれ、金やプラチナ、原油、天然ガスなどが採掘されていて、中でもダイヤモンドは世界最大の産地として知られます。世界に流通するダイヤモンドのうち少なくとも22%がサハ共和国産なんですって!
  皆さんが持っているダイヤモンドも、もしかしたらサハ共和国で採掘されたものかもしれません。

大好き! ニョニャ料理?

※続いて、マレー半島の旅でどんな料理に出会ったのか、お聞きしました。

まえだ・なをこさん

「本当に様々あって、例えばマレー半島っていっても、タイからマレーシアからシンガポールとかいっぱいあるんですけど、主にマレーシアのペナンって場所も好きで。そこは本当に中華とかインド、あとマレーの料理があって、中華とマレーのミックスされた“ニョニャ料理”っていうのもあって、私そのニョニャ料理がものすごく好きで」

●どういう料理なんですか? 

「口で説明するのはなかなか難しいんですけれど、中華系の男の人と、マレーの現地の女の人が結婚して出来た料理っていわれていて、すごく繊細で見た目も美しい料理なんですよね。例えばハーブが半分くらい入ったご飯とか、パリッとした揚げ物の中に、大根おろしじゃないんですけど、甘しょっぱいような野菜を細かく切ったようなものが入っているものとか色々あって、それが見た目が本当に綺麗で、食べたことがないような感じなんですけど、日本人の口にはすごい合うと私は思います」

●そうなんですね〜! 「まえだ」さんはマレー半島縦断されたっていうことですよね? すごいな〜! 縦断されてどうでしたか? 

「縦断して、国境越えとかもあるんですけれど、割と本当に簡単というか、すんなり何も問題はなくスルッと行けて。日本の感覚だと国境を越えるって結構、パスポート出して、税関あってとか色々あるんですけど、例えばマレーシアとシンガポールだと通勤でも使う人がいるくらいに スッと、本当に電車に乗り換えてチケット出すみたいな、それぐらいの感覚で行けるので、陸続きの国境越えって気楽だなって、すごく思いました」

旅慣れてもガイドブックは熟読

※最後に、旅のプロともいえる「まえだ」さんは、事前にしっかりスケジュールを立てて、出かけるのかお聞きしました。

まえだ・なをこさん

「スケジュールを立てるっていうのも楽しみのひとつなので、結構綿密にぎっしり書くんですよね。もしこうだったらっていう分岐まで書くんですけど、実際行く時は全然守らないですね」

●あ、そうなんですか? 

「自由になるのがすごく好きで、テーマもあるので、自分の立てたスケジュールからも自由でいたいっていうのがあって。そこはなんかよく分からないんですけど、スケジュール通りに動く必要もないっていうことがすごく快感なんですよね」

●不安はないですか? 

「不安はあんまり、もしかしたら感じない人種なのかもしれないんですけど(笑)。だけどすごく臆病であったほうがいいなと思っていて、海外だからやっぱり危ないこともあるし、日本の常識が通じないこともあるので、すごく気をつけているほうだと思います」

●例えばどんなところに? 

「旅慣れているのに、え? って言われるかもしれないんですけれど、ガイドブックを熟読します。例えば欄外に書いてあったりする、こういうところに気をつけろ!みたいなのは絶対読んだほうがいいし、危ない目にあうのは大体パターンがあるので、あんまり自分の勘をそこまで信じないほうがいいかなーって思いますね。

 旅は、どこに行きたいかなーみたいな妄想から始まっていて、まず検索して、実際行かないにしても行ったと仮定して、どのくらいで宿がとれるのかなーとか、いくらくらいでとれるのかなーとか、そこから空港までどうやって行くのかなとかめっちゃ調べる。で、それから行くか行かないかは気分とタイミング次第っていう感じ、まぁそこから始まっているかなっていう風に思います。本当に旅は色々楽しくて、行く前も楽しいし、行ってからも楽しいし、帰ってからもすごく堪能できる感じなんですよね」


INFORMATION

「まえだなをこ」さん情報

新刊『世界で一番寒い街に行ってきた〜ベルホヤンスク旅行記』

新刊『世界で一番寒い街に行ってきた〜ベルホヤンスク旅行記

 「まえだなをこ」さんの新刊『世界で一番寒い街に行ってきた〜ベルホヤンスク旅行記』をぜひ読んでください。「まえだ」さんが電子書籍で出版した人気の4作品をまとめた本です。講談社から絶賛発売中です。

●講談社のサイト:
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000333552

 「まえだ」さんのオフィシャル・サイトもぜひご覧ください。

●まえだなをこさんのHP:
https://www.nawoko.com/about

地球元気村から元気の輝きを! 〜人があって自然がある、自然があって人がある〜

2020/4/4 UP!

 今週のベイエフエム / ザ・フリントストーンのゲストは、冒険ライダー、そして地球元気村の大村長「風間深志」さんです。

風間深志さん

 風間さんは1950年山梨市生まれ。バイクでエベレストの6005メートルまで登ったり、同じくバイクで北極点や南極点に到達と、人類史上初の3つの偉業を成し遂げた冒険家です。82年には、日本人として初めて「パリ・ダカールラリー」に参戦し、二輪部門で6位入賞という快挙!

 88年には大自然の素晴らしさや自分の体験を伝えたいという思いで、「地球元気村」を創設、現在はNPO法人として、自然体験イベントなどを実施しています。
 冒険への熱い思いは健在で2017年と2018年には息子の晋之介さんとともに「ダカールラリー」に出場、2年連続完走を果たしています。

 実は風間さんはこの番組の、記念すべき第1回目のゲスト! 以来、毎年4月の第1週に出てもらっています。きょうはそんな「風間」さんに、改めて「地球元気村」に込める熱い想いなどうかがいます。

理想社会ってなんだろう?

※まずは「地球元気村」とはどんなプロジェクトなのか、改めて教えていただきました。

「今も変わらないんですけれども、僕らはやっぱり、物に囲まれて豊かに過ごしている。で、本当に豊かってなんだろう? 本当の幸せってなんだろう? って考えていくとやっぱり、自然っていうベースに立った上で、人間が健やかに生きていくっていうクオリティの問題ね。

 ご飯がありさえすればいい、これって大事なことですけど、便利になればいいだけではない、やっぱり人間の幸せっていうのは、足元から考える活動として、自然の中で原理、原則を学びながら、人間の生きていく方法をよりいい方向に考え直そうよ、っていうことなんですね。

 で、当時1988年っていうのはね、文明や文化がどんどん進んでいって、その中に人間性とかそういったものを忘れさっていく時代だったんですね、そんな中“ちょっと待った! “って感じで、色んな文化人の方たちに協力してもらって、きょうに至っているんですけど、やっぱり目的は達成してない。

 なかなか人間難しいですね、人と自然の関わり、人があって自然がある、自然があって人がある、そんな中で人がいて、そしてそのコミュニティがあって、村があるっていうね。人と人との調和のとれた渾然一体となった理想社会ってなんだろう? ってことを常に考えていく。

 おそらくこれから10年、100年経ってもね、その答えは常にみんな見出そうとして、よりいい方向を、もっといい方法があるんじゃないか、って考えることが大事なことだと思ってやっています! 」

炎のマークは命の輝き

※続いて、地球元気村のシンボルにもなっているマークについてお話いただきました。

風間深志さん

「あのマークは炎のマークなんですね。最初は焚き火の炎だったんだけどね。人間は火を使うでしょ? まあここにいろいろ会社や家族のありかたや、自分の未来っていうものをね、枝葉を付けていくっていう、基本はここからなんだ、っていう意味合いだったんだけど、よく考えてみるとあれは最近は“命の輝き”だって言っているんですよ。

 で、元気ってなんだろう? っていうことを考えていくとなかなか難しいでしょ? これを僕は地球元気村の村長だからいろいろ考えました。元気っていうのはこれ!っていう形ではなくて現象なんですね。今この一瞬に元気が輝く、っていう一瞬のことを言っててね。

 それはやっぱり身体の健康を確保しながら、心が非常に豊かで幸せな時に元気が一瞬光るんですね。その一瞬の輝きこそが元気であって、例えば幸せとか豊かっていう価値観が、例えばですよ。古い人間だから古い言いかたをするけど(笑)高級乗用車をよその家のお父ちゃんが乗っていると、でも自分の家は軽トラ、これで寂しいなって思ったら元気じゃないんだよ。

 物とかそういうものに非常に囚われるから、ありとあらゆる自分を取り囲む生活、境遇の中で豊か、幸せを感じるってことはすごく大事で、その時に身体の健康状態がいいと元気が生まれるんですね。よし、行こう! って前向きなね。だからそこは身体ひとつで幸せに思えなかったり、非常に脆い部分なんだけど、人生っていうのは幸せをなんだろうと考えることも大事だし、元気を抽出するためにはいろんな組み立てがあるからね。そんなことを考えながらやっているんですけどね。

 だから僕らはアウトドアが中心だから自然の中で大いに遊ぼう、学ぼう、っていうわけで、カヌーやっている瞬間が一番楽しかったり、ハイキングやっている時が楽しかったりね。その手法をこの自然という部分をベースに考えているから、自然と人間が関わると遊びが生まれるじゃない? 結局そこで今まで取り組んできたのは結構アウトドアの啓蒙だったんですね。  ただ、アウトドアだけじゃないんだよね。やっぱり自然の中に芽生えたいろんな芸能だとか、郷土の民芸品だとか、そういうものもやっぱり豊かな自然の中に育んだ人間の生きる力だったり、創造性だったり、そういったものの中から常に学んでいこうよと、楽しいんですよ。あんまり楽しすぎて答え出てない(笑)」

小さい頃の経験はすごく大事!

※続いて、地球元気村では、どんなイベントをやっているのか、お聞きしました。

「アウトドアっていうと何を想像しますか? 」

● うーんなんでしょう……。釣りだったりとかカヌーだったりとか、木登りだったりとか。

「そういうのをやってきました」

一同(笑)

風間深志さん

「もう単刀直入にそういうのをやってきました(笑)。ただね、生きることを考えることだから、まあ遊びだけじゃなくてね。例えば狩猟、罠、とか、そういったこともやっぱり考える。その中に生きるための猟ってこともあるし、そういうので他の動物や昆虫とか、そういったものとの共存も大きなテーマですね。僕がいくら言ったって何も変わらないんだけど、人間のひとりとして、そういうことを考える人もいますってことですね」

●どんな方が参加されているんですか? 

「ほとんどね、中心はやっぱ家族が多いですね。まあ大人も子ども、家族が非常に多くを占めるっていうのは、やはり子育てに一生懸命従事している親御さんは、子どもにとっての遊びの環境、学びの環境とか体験っていうのは、どういうものがいいんだろうって真剣に考えているってことなんだよね。

 その人たちがこの地球元気村に来て、自分たち家族以外の人たちと交わること、それからまたそれを教えてくれる人たちに疑問を投げかけて答えを貰ったりとか、そういう学習。あるいは渓流の周りをトレッキングしたとか、石がゴツゴツしたアスファルトじゃない道を歩いた、そこで足が川に落っこちたら、冬だったから随分冷たかったとかね。

 で、凍っている雪のところを歩いたら、すべすべでどうやって歩いたらいいかとか。それはやっぱり、片方は慎重に歩きながらも片方はバッて大胆に踏み出していくっていう、両方があってこそ上手く人間は歩行出来るんだよ、とかいろんなことをやれば学ぶんですよ。やらないと口で言っても分からないっていう部分があるからね。小さい頃覚えた体験は一生覚えているね。

 僕が冒険活動をやってきて、冒険で例えば誰もいない北極の氷のところで、さてどっちに行くんだ、って選んだ時に、こういう時に真価が出るんですよ。誰から教わったんじゃなく僕の感性で、第六感でこっちだ! ってやった方向で、結果僕は死に至らなくて、ある目的を達成してゴールしたのね。

 あの時のひとつひとつの、選択肢の方向をどうやって選んでいたんだろう?って、何が基準だったんだろう?と思うと、これは僕が小さい時からね、僕は山梨県の山村の生まれですよ。山で育ってキジを猟犬と一緒に追っ掛けたりとか、それが春夏秋冬ね、寒い冬と暑い夏があって、その中でなんか俺こっちがいいなっていう風景があって、だから非常に厳しい地獄絵図のような中でも、こっちがいいって選んだ直感は、昔僕が培った経験値に基づいた、ひとつの美学なんですよ。  その美学は何に焼き付けられるかって、幼少の頃からのここまでの体験なんだよね。そうやって人間は体験や経験の中から自分のサバイバルの、煌めき、そういったものを培っていく、だから小さい頃の経験はすごく大事ですね」

土を作るのが農業!

※地球元気村では、農業の体験プログラムも実施しているそうです。

風間深志さん

「農業は、土をいじって、種をまいて、土を被せて、肥料をやって、水をあげて、ひとつの生命、生き物が出来上がるっていう、植物という生き物を種から育てて食する立体感を感じてほしいね。

 スーパーに行っていくらだったとかっていうことじゃなくて、自分が育てた食べ物ね、生き物と接するってことがすごい大事なんですね。

 僕たちはほかの生き物を自分たちの身体の中に入れて、自分たちは生きているんだと。つまりお互い様のひとつの食物連鎖とかあるでしょ? 

 農業をやることは、ナスを育てるキュウリを育てるっていうだけが農業じゃなくて、もうちょっと深いところ、例えばナスやキュウリやトマトは自然になるんだよね、自然に付くんですよ、実。ちゃんと日光があって水分があればね。

 それは俺が作ったんじゃなくて、もとを正せば土壌、土は全て微生物の塊です。何十億の生命の中でその種が生まれた。だからナスが勝手になったんだよね。そのナスがなるような環境を人間が整えるっていうことが農業であって、トマトを作ることが農業じゃないんだよね。土を作ることが大事だってことをやってみると学ぶんですよ。
 だからこの地球は全て自分たちのためにあって、全てのものの生み出すもとなんだよね、だから杉も松も一個一個の名前っていうものは大事だけど、それ以前にもっと大事なものは自然っていう大きな生き物のもとになるやつね、こういったものを考えるのも面白いですよね」

夢はエンドレス

※最後に、冒険を続けるモチベーションはどこからくるのか、うかがいました。

風間深志さん

「言っちゃいけないけどフェミニストではないけども、自分を好きであることね。自分自身の夢を大切に思う気持ちがやっぱりその夢の先にある想像性とかね。夢ってのは捨てられないわけよ、夢を諦めきれないわけ。

 だから絶対やりたいなというポジティブさだね。ポジティブっていうのはいたずらにポジティブになれないんだよね、やっぱり夢でしょ、もっとやるぞ! っていう今よりさらに、っていう何か、まぁそういうことなんだよね、それが冒険屋さんとか、アグレッシブにバイタリティを持って歩む人のひとつの共通項はその辺だと思うね」

●風間さんの夢はなんですか?

「夢? 夢はですね、僕はもう何年か夢を持ちながら実行できていない夢が南極点に障害者たちを連れていって、それも全世界のありとあらゆる国々の人たちと一緒に南極点まで行って、イェイ! イェイ! ってやりたいわけ(笑)。

 それが出来ていないからそれもあるし、僕自身の頭の中でもちろん諦めちゃった夢もありますよ。僕はバイクで一生今まで走ってきましたよね。それはバイクに乗ること自体を楽しんでいるんじゃなくて、バイク=俺は何を目指しているのか、地平線を目指している、地平線をどこまでも手繰り寄せていくんだっていうこと。

 僕のスタイルはバイクを使った旅のスタイルになっているでしょ。その先に見た夢は、月をバイクで走る。僕はこれは出来ていないんですよ。空間を手繰り寄せていく旅人は結局宇宙空間に行くんですね。人間がやっぱり宇宙空間にひとつの未来を見つめるってのは正しい、あっているひとつのベクトルなんだよね。
 やっぱり僕も、たかがバイクでも月を走りたかった、でも月を走ってもその先に見えるものは、太陽系を離れて銀河の中でまた銀河を眺めて、その銀河をさら違う星雲の中から眺めるっていうわけでね。究極、夢というのはエンドレスですね。そこに至ればまた次の夢が見えるんですよ。だからこれはね、遠大なひとつの生命活動だね」


INFORMATION

風間深志さん情報

 NPO 法人「地球元気村」では今年も風間さんの出身地、山梨市ほかで、アウトドアでの体験イベントや、畑での作物づくりなどを実施する予定です。

 また「地球元気村」の活動を支えてくださる村民を随時募集しています。ビジター村民で500円、個人村民で2000円、家族村民で3000円、村民になると年4回の季刊誌が届くほか、元気村イベントの参加費が割引になる特典もありますよ。

 詳しくは「地球元気村」のオフィシャルサイトをご覧ください。

・地球元気村のHP:https://www.chikyu-genkimura.com

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