三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
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第58回:未来に受け継ぐ伝統の技「行徳神輿」

2021/8/13 UP!

今週は『未来に受け継ぐ伝統の技「行徳神輿」』について、神輿の製作、修理などをされている中台製作所の中台洋さんにお話を聞いてきました。もともとは3つあった行徳地区の神輿製作店さん、今は中台さんのところだけになってしまいました。今もつながる伝統の技やお祭りについてなどいろいろな想いを聞きました。

「やってることは宮大工さんに近いんですけど、扱っているものが建物じゃないので、小さいんですよね、簡単に言うと。宮大工さんは大きな建物をつくる、我々は、小さなやしろを作っているということで、あの道具もなので、大きい道具はあんま使わないですよね。神輿はもう単純に神の乗り物なので、御霊を移してね、氏子、地域を巡行するっていうのがメインの役割なので、それはもう昔から変わってないんですけど、それ以外にやっぱり地域の人々がお祭りっていうもので、ひとつになれるっていうことは、世代を超えて非常に地域のコミュニケーションツールとして、私は非常に、重要な存在ではないかなというふうには思いますよね。」

皆さんは、御神輿が担がれて街を練り歩く姿を見たことがあると思います。大変賑やかで、活気にあふれていますよね。「祭りの季節だな」と感じる方もおられるでしょう。中台さんは、その御神輿自体について、こんなふうにお話しされています。

「僕は神輿担ぐのもそうなんですけど、お客様にも言うんですけど、やっぱりそのつくりを見てもらいたいですよね。

彫刻とか、歴史を反映していることもあるし、やっぱり古くて豪華じゃないんだけど、その時代を反映して、その時代によくここまで作ったなって言うものもあるし。

だから本来はそのお神輿が渡御をしているところだけじゃなくて「神酒所」って、いわゆる担ぐ前に、お借り屋みたいな所にしまってあるのを、やっぱそばでまじまじと、あの神輿を見てほしいなあと思いますね。ありますよ。本当に昔の作りで何だろう?これってよくこんなのやったなあっていう。一年以上かかっただろうなっていう作りをしているものもあれば、その当時、お金が凄いあったのか、それは分からないですけどね。無い中でも、それだけやっぱりその神輿に対してお金をかけちゃおうっていうのが、やっぱり 信仰心の現れだと思うんですよ。だからやっぱそれは地域の力ですよね。」

神輿とは、その字が示す通り、神様の乗り物です。夏の終わりや秋に、その年の農作物がちゃんと出来ているのか?地域の人たちは健康でいるのかなど、地元の神様が、御神輿に乗って地域を見て回る。今でいう、視察のようなものでしょうか?ですから、神様への感謝の気持ちが御神輿の作りにも反映されているんですね。

御神輿は地域の結束力の象徴なんですね

中台さんは、中台製作所がある妙典駅近くに、ミュージアムを作られたんです。

入場無料。人数がそろえば、有料で制作工程を見る事ができるツアーもやってくれて、職人さんたちが道具や作業の仕方などを披露してくれるそうです。ミュージアムの中には、作り方の細かい解説が展示されていて、それを見ると、どれだけの時間と技術が結集されてできているのかというの がよくわかるようになっています。

御神輿は、近くで見ると、どこが作ったという、小さな看板のようなものがついている事があるのでそれを探すのもなんか「通」っぽいですよね。中台さんは、職人さんたちの技の継承も含め御神輿という文化を伝え続けていかないといけないと強く思っているとおっしゃっていました。

「お祭りって言えばなんか全て丸く収まるじゃないですけど、私の、ちょっと例えがいいかわかんないけど、その例えば学校の学園祭とか文化祭みたいなノリだと僕は思っていて、何かに向けてね、その盛り上げよう、それを成功させようじゃないけど、全然考え方も違う仲間が集って、そこでやっぱり議論し合うことが、で、その人となりが理解をできて、お祭りってやっぱある程度そういう平等というか、ある意味ね、いろんな歴史を知ったりとか、育っていくっていうと、やっぱり顔が見えるから、その地域に住んでても、普通に引っ越してきたんだけど、お祭りでいろんな人と会って話したら、なんかすごく溶け込んじゃって、やっぱ引っ越してきてよかったなあっていうふうになればいいじゃないですかって、私は思うんですね。」

みんなの心が一つになる、地域のコミュニケーションの大事なチャンスの一つとしても、お祭りっていいのかもしれないですね。みんなが挨拶しあえる街、防災にも大事なことかもしれません。地域をひとつにする、つなぐ、御神輿にはそんな役割もあるんですね。中台製作所は 地元だけでなく全国各地のお神輿の製作や修理、リニューアルを行っているそうです。個人で御神輿を発注する、っていうことはなかなかないと思いますが、素晴らしい職人さんたちの作品、伝統工芸を、まずはミュージアムでご覧になってみてはいかがでしょうか。

ミュージアムのほか、市川市役所1階にも中台製作所のみ御神輿が展示されています。

行徳神輿ミュージアム

http://www.mikoshiya.com/museum/

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