三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
首都圏からのアクセスもよく、
通勤圏でありながら海や里山の豊かな恵みをあわせもち、
自然とともにある生活を楽しめるエリアです。
そんな「千葉の魅力」を支えるさまざまな活動や
想いムーブメントなどにスポットを当て、
現地取材の声も通して「魅力あふれる千葉」をご紹介していきます。

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※「YOU 遊 チバ」は、ミンナノチカラ~CHIBA~と連動し週ごとにさまざまなテーマで千葉の魅力をお届けしているコーナーです。

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第77回:千葉交響楽団

2021/12/24 UP!

第77回でご紹介するのは千葉交響楽団です。1985年設立。36年の歴史がある、地域に根差したオーケストラを目指して主に県内での演奏活動を行なっている楽団です。

音楽監督を務め、指揮者でもある山下一史さん、あの世界的に有名な指揮者・カラヤンのアシスタントをしていた時に、急病となったカラヤンに代わり黒のジーンズのまま指揮をして、演奏会を大成功させたと言うとんでもエピソードをお持ちの方なんです。まずは山下さんに「指揮者」ってどういう役割なのか聞きました。

山下さん:『音楽家なのに楽器を演奏しない指揮棒を振るだけ。これはおかしいですよね?普通の感覚からいくと。ちょっと考えていただきたいのは、お芝居の演出家。演出家っていうのは、台本をすべて理解して、もうセリフの言い回しも全部自分で理解した上で、それを色んな人に割り振っていく。または役者の個性もありますから、割り振るだけじゃなくても、役者の良さも引き出すとか、そういう役割ですね。演出家っていうのは本番でいつも客席の後ろの方ですね、手に汗握るしかないわけですけども、指揮者の場合は同じ舞台に立つことが出来るっていう。これは演出家より幸せなことだと思っています。』 

2016年4月から音楽監督として千葉にやって来られた山下さん。演奏活動をしながらいろんなことを感じたんだそうです。そこで出したスローガンが「おらが町のオーケストラ」。その思いについて伺いました。

山下さん:『まず僕が千葉に来た時に千葉交響楽団っていうのが、千葉の皆さんにそこまで知られてないという認識があったんですね。で、これをなんとか知っていただきたい。そのためにはどうしたらいいか。もちろん良い演奏することなんですけれども。やっぱり、これはたとえ話で、野球のチームとか、サッカーのチームで必ずあるじゃないですか。僕は広島生まれですから、広島東洋カープってことですね。それからサンフレッチェというのがあって、とっても強いからいいっていうんじゃなくて、自分の街のチームだから愛して行くんだっていう気持ちが地方都市にあったと思うんですよね。で千葉っていうのは、あまりにも東京に近すぎて、首都圏という括られ方しますよね。そういう意味で、もしかしたらそのローカルの気持ちが少ないのかもしれないけれども、それでもやっぱり千葉愛って絶対あるじゃないですか。その中に千葉交響楽団を加えていただきたいというふうに思って、わざとちょっとくだけた物の言い方で 「おらが町のオーケストラ」っていうふうに言わせていただいているわけです。最近、少しずつ千葉交響楽団も今言った仲間に県民の方々の口にのぼるようになってきたかなっていう実感はあるんですけど、、、』

これまで、定期演奏会はもちろん、県内各地での県民芸術劇場公演や学校に出向いての音楽鑑賞教室などをたくさの活動を通じて、県民の皆さんに音楽をより身近に感じていただけるようにと取り組んで来られたそうです。そんな思いがある千葉交響楽団ですが、コロナの影響で演奏活動ができない時期が続いていました。ですが、少しずつではありますが演奏活動を再開しています。

そんな状況の中もっと困ったのが練習です。個人練習は家などでそれぞれがすることができますが、オーケストラはいわば全員野球。演奏会当日に来て「はい、やりましょう」と言うわけには行かない。オンラインで繋いでやろうとしても、微妙にタイミングもズレるし、音のレベルも違う。昨年の8月に再開した演奏会に向けての久々の練習は、とても感慨深かったようです。そして、その演奏会で、オーケストラ、観客の両方の顔を見ることができる山下さんは、このように感じたそうなんです。

山下さん:『まあプロフェッショナルっていうとね、仕事っていうイメージがありますけれども、もともとは音楽好きが高じて、それが仕事になったという幸せな人種なわけで。逆にまた音楽できるっていうことが、こんなに嬉しいことなんだって再認識できたっていう面もあったんじゃないかと思うんですよね。お客様と我々、要するに、舞台の上とそれから客席、この距離がもう飛躍的に縮まったと思うんですよ。去年の8月1日のコンサート。これ我々にとって、半年ぶりのコンサートだったから、演奏するだけで嬉しかったんですけども。指揮者なんて、お客さんの顔はだから最初と最後しか見ることができないんですけども、まあ終わってホッとしてお客様の方を向いた時のお客様のその笑顔と拍手。ああー、その要するに音楽を求めてたのは我々プロフェッショナルの音楽家だけじゃないんだなと。聴衆の皆さんもライブの演奏を待ち望んでいてくださったんだ。それが言葉なしにね、もう一瞬にして通じたのがわかったんですよね。で、それから先っていうのは、いつでももう近くにいるっていう感じが。まあ、僕は個人的な意見ですけどね、してるんですよ。 』

地元に支えられている千葉交響楽団、年明けのコンサートが決まっています。「ニューイヤーコンサート2022」 千葉県文化会館大ホールで1月8日土曜日14時開演です。

山下さん:『特にニューイヤーコンサートの場合は、女性の団員はいつもはね、黒い衣装なんですけども、赤いドレスだったり、青いドレスだったり、中には着物を着てくる人もいるんですよね。そういう華やかな雰囲気をぜひ楽しんでいただきたい。やっぱり楽器からこう出てきた音が空気に乗って耳に届くわけですよ。これは何千万円のですね、オーディオ機器を使っても、電気に変換された音っていうのは、99.9%は本物に近づけるかもしれないけど、残りの0.01%、これが違う。その違いこそが、大きな違いなんだという事を訴えたいと思います。足を運んでくださって、もしお聴きいただけたら、絶対それは心を掴むね、自負は持っているんですよね。千葉交響楽団は「おらが町のオーケストラ」というスローガンを掲げて、やっております。これも心から千葉県民の皆さんに愛されるオーケストラになりたいと思っていますので、ぜひぜひコンサートに足をお運びいただければと思います。』

オーディオでは再現しきれない0.01%、それが最大の魅力。オーケストラに限らず、音楽イベント、これから色々と再開していくことになるでしょうがやっぱり、生の演奏に勝るものはないと思います。ニューイヤーコンサートについて、詳しくは千葉交響楽団のホームページに掲載されています。ぜひご覧いただき、コンサートにお出かけください。

千葉交響楽団 ニューイヤーコンサート2022

2022年1月8日(土)14時開演 / 千葉県文化会館大ホール

千葉交響楽団

https://chibakyo.jp/

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