三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
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第83回 世界に味噌文化を発信! 田所商店

2022/2/4 UP!

みなさんは味噌、どのぐらい食べていますか?味噌汁や味噌煮込み、もろきゅうにつけてなど色々な食べ方がありますが、今日はラーメンを通じて世界へ「味噌文化」を発信して いこうという会社のお話です。

ご紹介するのは、 「蔵出し味噌 麺場 田所商店」です。千葉県内だけでなく、全国的に展開をされているお店で、行かれたことのある方も多いと思いますが、味噌ラーメンの味はもちろんのこと、その経営力の高さも評価され、「千葉県経営革新企業」として2度も表彰されているんです。

千葉発の味噌ラーメン店ってことだと思いますが、味噌ラーメンっていうと、 北海道!ってイメージだけど、このお店の成り立ちはどんなだったんでしょうか。社長の田所史之さんにお話を伺いました。

田所さん:味噌ラーメンの専門店を150店舗、国内で営業させていただいている会社ですね。それがメインです。私生まれ、福島です。まあ本当、小さい、小さい味噌蔵だったんですけどね。味噌で学校も出していただきましたし、味噌でご飯も食べさせていただきました。はい。私の実家はですね、私も35歳で一度倒産してるもんですから、倒産と同時にすべてなくなりましたんでね、実家の味噌は現在ありません。まぁ起業するつもりもなかったんですけど、たまたまの巡り合わせだと思うんですけどね、その時に何かにこう頼ると言いますかね。それやっぱりご先祖様と言いますか、私が育ってきたこの味噌に頼ったんだと思うんですよね。これがね、19年前ですね。あの味噌ラーメンの時代というと札幌味噌ラーメンの時代でしたんでね。おそらく35年、40年前、皆さん札幌に旅行に行かれて、あのラーメン横丁で味噌ラーメンを食べて帰ってくるっていう、それがあの「道産子」さんになって「くるまやラーメン」さんってチェーンになっていったんだと思うんですよね。それもまあ、あの一段落して実は下火になってた時代でしたね。横浜の家系ラーメンさんっていうのは、全盛の時代だったんですね。

ラーメンブーム、色々ありましたよね。

田所社長は再チャレンジにあたり、家系全盛の時代に、醤油や豚骨ではなく、「味噌ラーメン専門店」に特化して展開されました。それが現在北海道から沖縄まで国内143店舗。もちろん「味噌ラーメンファン」は多いとは思いますが、なぜ ここまで受け入れられたのでしょうか。田所社長、こんな風にお話されています。

田所さん:ラーメンをやってるっていうイメージがあまりないんですよ。これ、うちの社員もそうだと思うんです。この間、鹿児島の駅の中にですね、あの味噌ラーメンを出させていただいたんですけど、実はラーメンが3軒並んでます。地元の昭和23年創業のラーメン屋さん。私どもの隣が24年創業のラーメン屋さん。で、私どものラーメン屋があるんですけどね。通常であれば、おそらくラーメン屋で考えれば出さないんだと思うんですけど、私はもう味噌を売ってるっていう感覚なんですね。ですから、もちろんラーメンの形にさせていただいているんですけれども「味噌を売ってる」という感覚なもんですからね。ですからまあ、鳥取県の米子で行きますとですね。人口15万人ぐらいの、小さい町なんですけどね。ここにラーメン屋さん何軒もありますけれども、私どもが出ていっても、よそのラーメン屋さんも売り上げ落ちてないと思ってますし、よそのラーメン屋さんが・・大きいラーメン屋さんが出てきてもですね、われわれの売上が落ちないんですね。ですから、あのラーメンなんですけれども、我々は味噌売ってるっていう。ラーメン屋なんですけど、ラーメン屋じゃないみたいなあの形でその営業させていただいているんだと思うんですよね。

味噌は日本古来の発酵食品。「手前味噌」という言葉がありますが、かつては日本全国、各地、各家庭でそれぞれの「味噌」が造られていました。海外で日本食が注目されるなか、栄養価が高く、必須アミノ酸・ミネラル・ビタミンが豊富で、ビタミンB2やカルシウムの補給にも役に立つほか、調味料としても重宝されてきた「味噌」。「味噌ラーメン」を通じてトライしている「海外への味噌文化の 発信」についてもお話しいただきました。

田所さん:あの2007年にですね、ブラジルが1号店だったんですけどね。海外の2号店の台湾、で、の後が、シリコンバレー、ニューヨークもこれもみそ専門でやってきましたけどね。ラーメンっていうくくりでいくと、もうラーメンやっぱりチャイニーズなんですよね。豚骨がジャパニーズになってきて、この味噌ってのはどこにも入ってないんです。未だにあまり入ってないですね。味噌ラーメンを食べると健康っていうか、その発酵食っていうこと自体ですね、よくわかってないと思います。なぜその日本食がですね、今ユネスコなんかにも登録されたりですね、やっぱりこう世界でブームになっているかと言うと、やはりこれは日本人が長寿だからなんだと思うんですよね。食べることがイコール健康というところにつながっていってるんだと思うんですよね。そういう意味での味噌という発酵食というところでのその認知をされてまして、ですね。そこからラーメンへの、ブラッシュアップをしていると言うかですね。そのまだ程度だと思っています。昔のね、その日本のことわざですと「医者に金を払うなら、味噌屋に払え」っていうぐらいのことわざがあったようですけどね。江戸時代にはですね。腸をきれいにしたのが、この発酵食であって、その代表だったのが味噌っていうことらしいんですけどね。まあ、そういう意味でのその健康食という言われるところなんだと思いますけどね。

300年以上前の医学と食に関する本『本朝食(ほんちょうしょっ)鑑(かん)』(1695)には、「味噌はわが国では昔から『1日も欠かしてはならないもの』であり、元気をつけて血のめぐりをよくする効果がある」と記されています。元禄の時代から知られていたこのパワーが海外の方にもっと伝わるといいですよね!

最後に田所社長の今後の夢についてお話しいただきました。

田所さん:海外での味噌の製造含め、ですね、そちらに入ってきたいというふうに思ってます。で、それを踏まえてラーメンの味噌ラーメンは、やっぱりまた世界にこう広げていけるようなですね。今ちょっとコロナでつまずいてますんでね、また、これを修正して前進をして行きたいという風に思っています。当初ですね、19年前にこれをさせて頂いた時に、なんとか50店舗作りたいと。各県に1店舗を作りたいということで始めたんですよね。今、こうやってでも150店舗させていただいたんですけど、でも、まだまだ作れるところいっぱいあるんですよね。北陸なんかまだ出てませんしね。そういうところにもどんどんあの出店をしていってですね、全国の、味噌屋さん、私の実家なんかもそうですけど、小さい味噌屋さんがやっぱりさらに、小さくなってるお店やさんもあるんでね。こういうところにそのもっと、もっとその活力と言いますかね、あのもう一回元気になっていただけるような、「味噌文化」を、ラーメンを通して、作れたらいいなと思ってます。

ちなみにこちらは田所社長からいただいた、オンラインショップで販売されている「味噌ラーメン」を自宅で作っていただくDJの中西悠里さん。お店でもおいしくいただいたそうですが、自宅でも本格的なお味噌の味が沁みたそうです。

田所商店の味噌は自社製造で、北海道・信州・九州・江戸前・伊勢など日本各地の味噌の中から各店舗ごとに選んだ三種類の味噌を基本にバリエーションを楽しめるようになっています。お近くのお店を見つけたらぜひいろいろ比べてみてください。(お店はこちらから検索できます)

https://misoya.net/

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