2022/6/3 UP!
今回は、たてやま 海の鑑定団をご紹介します。NPO法人たてやま・海辺の鑑定団。南房総・館山沖ノ島を中心に、海辺を感じて自然を知る、環境の保全について一緒に考えてみようという活動をされています。南房総の海の魅力と、活動を通じての想いについてご紹介していきます。

NPO法人「たてやま・海辺の鑑定団」理事長の竹内聖一さんに、まずは活動拠点でもある沖ノ島の自然の魅力を語っていただきました。
竹内さん:NPO法人たてやま・海辺の鑑定団の代表の竹内と申します。沖の島の場合、黒潮の影響がまず強くて、東京からそんな遠くないにも関わらず、もう沖縄なんかいかなくてもいいぐらい、海の中のポテンシャルが高い。でもそれは、もともとそうなんですね。それと同時に海と森が一体となってて、南房総の自然環境の縮図みたいな場所ですね。自然を本当純粋に楽しむ、すごく穏やかなんですね。小さいお子様とかでも海にわりと身近に親しめる。その周りの海辺も全く同じで、南房総自体も海と森が繋がってますし、変化に富んだ海岸線があって、砂浜もあって、岩場もあって、そこに貝がいっぱいうち上がってて、海岸を歩いているだけでも本当気持ちがいい場所だというふうに思います。特に夏ぐらいからは黒潮に乗っかって、沖縄とか暖かい方にいる魚たちもいっぱいやってくるんです。熱帯の海にいるような魚たちも見られます。
そんな沖ノ島は、都心から車で2時間という近さなのに、黒潮の流れに乗ってやってきた暖かい海のカラフルなお魚たちがたくさん生息しいる、沖縄と張り合えるくらいの豊かな海が楽しめるところです。それをまずは多くの人に知ってもらおうとNPO法人を立ち上げたそうなんですが、活動を続けていくうちに、少しづつある変化に気づいたようなんです。
竹内さん:南房総館山のエリアにポテンシャルの高い自然環境たくさんあって、その中でも身近に感じ取ることができる、海のそのアイテムというか、題材として海岸の漂着物っていうのを一つ注目して活動していましてその海岸に流れ着く漂着物を、ある意味何でも鑑定しますよみたいな意味で「たてやま・海辺の鑑定団」という名前になりました。2004年からスタートっていうことだったんですけれども、発足当初は一番は本当の海の楽しさとか綺麗さとか、例えば東京からそんなに離れてない海にも、実は珊瑚が生きているとか、そういうことを伝えることがメインだったんですけども、そういう活動をしているうちに2010年ぐらいからですかね。海の環境自体がちょっとずつ変わってきてるっていうか、変化してるんじゃないかなっていう感覚があって、環境保全的なことにすごく力が入ってきたっていうのが現状ですかね。
竹内さん、長年海の紹介をして、海とつきあっていると、少しづつ何かが変化していると感じることが増えてきたのだそうです。例えば「磯やけ」。これは、簡単にいうと海の中の砂漠化のような感じで、藻とか、植物が育たなくなって岩と砂だけになってしまうような現象なんですが、そういうことも起きているそうです。海の環境は、台風など、自然災害による影響も大きくて、自然相手だと思ったようにいかないこともあるそうです。それでも、沖ノ島の海は魅力で溢れていて、「多くの方にそれを知ってもらいたい」という熱意は冷めることなく、竹内さんは、年に一度、千葉大学で講義もされているそうです。さて、この沖ノ島、魚だけでなく、実は貝も多くの種類が見つかっているんです。どんな貝がいるのでしょうか。
竹内さん:貝殻の量とかも種類もそのうち上がりっていう雰囲気、ザクザクあるんです。砂浜がドカーンとあるところとはちょっと違うんですよね。特徴的な貝は宝貝って貝があるんですよ。はい、この宝貝っていう貝は昔、実はお金になってたみたいな貝なんですけども、これが種類が五十種類ぐらいは確認されてるんですね。館山で、宝貝だけで。日本には八十八種類かな、そのもう五十種類っていうとかなりの量・・種類が見つかるんですよ。まあそういう黒潮のめぐみが本当に息づいている感じですかね。まあ、特に本当これからの季節スノーケリングをして、自分で魚をみるとかっていうことになると、その価値は身に染みてくるというか、そんな感覚があるかもしれませんね。僕たちはその活動、楽しい活動のあとにも必ずその水のサイクルの話をしますので、え、楽しい海と、みんなのおうちの水が流れていく排水溝も繋がってますよっていうことでお話はしていますね。
竹内さんたちは、この豊かな海、自然を未来に残すための心構えを多くの方に持ってもらいたいと、さまざまな海の体験の後には、必ず、「この海とお家の排水溝は繋がっているんだよ」という話をされているんですね。「たてやま海辺の鑑定団」では、子供たちだけでなく、大人も参加できる 海の体験プログラム、、探検や磯観察、スノーケリング、釣り体験などを行っています。海岸に打ち上げられた漂着物やゴミを拾ってその由来を考えるビーチコーミングでは、その拾ったものでアクセサリーを作る教室も開いているそうですよ。時にはイルカのジコツ(耳の骨)、サメの歯など、ラッキーアイテムを見つけられることもあるんだそうですよ。最後に竹内さんに、沖ノ島にきた方に何を感じてもらいたいか、そしてこれからの活動についてお話いただきました。
竹内さん:僕たちはその海の自然の素晴らしさとか楽しさを皆さんに伝える事をしていますので、そういう中でもその自然のことをまず知っていただくっていうことが一つ重要なことで、楽しいことを伝えるっていうことももちろんあって、そこで実際に生き物に触れてみたり、貝殻を探してみたり、そういう楽しい色々な宝探しみたいなことをやりつつも、現実的には今こういうことが起こっていますよ とかっていうことを皆さんに知っていただく。その知っていただいたことで、一つはその方が何か次の行動を起こしていただくちょっときっかけになればいいなっていうのと、自分のこととしてそういうことを捉えてもらって、場合によっては、僕たちがそれをやってるそういう環境再生の活動とかにもまた参加していただいたりとか、そういう風になってくれるといいなと思ってます。
沖ノ島の豊かな素晴らしい海と自然。50年後、100年後にそれを繋いでいくためには、沖ノ島近隣の皆さんの努力だけでは絶対に成立しません。私たち一人一人が、海、川、山、、、と豊かな自然を保っていこうという意識を持つことが大切なんですよね。ぜひ、海を楽しむためにも、毎日の生活の中でできることを考えていきましょう。
豊かな自然を体感、体験できる沖ノ島。海の中は北限域の珊瑚やカラフルな魚たち、そして豊富な貝やそのほかの生き物たちで溢れています。いざ目の前にすれば、千葉の海にきっと魅了されますよ。百聞は一見にしかず、ぜひ、ご自身で確かめに行ってみてはいかがでしょうか?