三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
首都圏からのアクセスもよく、
通勤圏でありながら海や里山の豊かな恵みをあわせもち、
自然とともにある生活を楽しめるエリアです。
そんな「千葉の魅力」を支えるさまざまな活動や
想いムーブメントなどにスポットを当て、
現地取材の声も通して「魅力あふれる千葉」をご紹介していきます。

毎週月~木 18:35頃~「YOU 遊 チバ」はこちら
※「YOU 遊 チバ」は、ミンナノチカラ~CHIBA~と連動し週ごとにさまざまなテーマで千葉の魅力をお届けしているコーナーです。

Every Fri. 18:45~18:59

第14回:我孫子市

2020/10/9 UP!

今回の取材は我孫子市。手賀沼湖畔にある白樺文学館に行ってきました。

この地域、とても静かでいいところだなと思っていましたが、実はある時代、別荘地として大変な人気があったところなのだそうです。

それは、明治・大正期に活動した日本文学の一派で「白樺」という同人誌に参加した文学者や美術家の方たち・・いわゆる白樺派の面々が、この地に集い活動されていたということ。志賀直哉、武者小路実篤、有島武郎といった錚々たるメンバーがここ我孫子に居を構えていたそうなんですね。

その白樺派の資料を展示した文学館が手賀沼の近くにあります。どうして我孫子が別荘地になっていったのか、学芸員の稲村隆さんに お話を伺いました。

お話によると、常磐線の我孫子駅ができて、東京までのアクセスが良くなってから別荘地が広がっていったそうです。特急で40分、緩行でも1時間15分という立地に集まった別荘族の中に、日本オリンピックの父と呼ばれる柔道の神「嘉納治五郎」がいたのだそうです。その甥の柳宗悦が白樺派のメンバーの一人で、学習院大学の友人や先輩後輩関係の志賀直哉や武者小路実篤を誘ったりして、我孫子が文化人の集まるところになった、ということだそうです。

つまり、今でいう、ハイソな皆様方が、我孫子の辺り良さそうだぞということで、一人二人と仲間が仲間を誘って増えていったということなんですね。志賀直哉は我孫子で「城の崎にて」をはじめ多くの名作をここで執筆。長編小説も我孫子で連載を始めています。武者小路実篤も、執筆活動を盛んに行っていたようですし、柳宗悦が民芸という現在も続く運動のきっかけを掴んだのも我孫子だったとのこと。彼らにとっては第二のステップを踏む重要な場所であったと回顧しています。

その時代の貴重な資料や、今でいう流行発信文学雑誌の白樺のレプリカ本(全冊!)も見ることができます。レプリカ本に至っては、手にとって読むことができます。今読んでも面白い!ですよ

都会からのアクセスが良い風光明媚な場所で、ひとつの大きな文化のうねりが生まれた。千葉県にはそういう側面もあるんですね。白樺文学館は我孫子市手賀沼のほとりにある手賀沼ふれあいラインから一本奥に入った住宅街にあります。白い大きなオブジェが目印です。夏目漱石が志賀直哉に宛てた手紙の本物やロダンの彫刻の本物など興味深いものがたくさん展示されています。じっくりと見学するのがおすすめです。

我孫子市マスコットキャラクター「手賀沼のうなきちさん」がお迎えしてくれますよ!

白樺派のカレーもお土産として販売してました。どんな味なのでしょう?

館内の工事による休館から営業を再開した白樺文学館では、白樺創刊110年記念・我孫子市市制施行50周年記念企画展『志賀直哉展~山田家コレクションを中心に』として、志賀直哉の子孫である山田家寄贈による資料の展覧会を11月8日まで開催しています。この秋、我孫子で白樺派の文化・芸術に触れてみてはいかがでしょうか。当時の文化人たちが好んで集まって暮らしていた我孫子。今日は、新しい千葉の魅力を発見できた気がします。

◆白樺文学館のホームページはこちら↓

https://www.city.abiko.chiba.jp/event/shiseki_bunkazai/shirakaba/index.html

公式ツイッターでも情報を発信しています。

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