三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
首都圏からのアクセスもよく、
通勤圏でありながら海や里山の豊かな恵みをあわせもち、
自然とともにある生活を楽しめるエリアです。
そんな「千葉の魅力」を支えるさまざまな活動や
想いムーブメントなどにスポットを当て、
現地取材の声も通して「魅力あふれる千葉」をご紹介していきます。

毎週月~木 18:35頃~「YOU 遊 チバ」はこちら
※「YOU 遊 チバ」は、ミンナノチカラ~CHIBA~と連動し週ごとにさまざまなテーマで千葉の魅力をお届けしているコーナーです。

Every Fri. 18:45~18:59

第32回 睦沢町

2021/2/12 UP!

今回は、睦沢町を取材。

睦沢町は、房総半島の中央部に位置し、町のほぼ中央部を埴生川・瑞沢川・長楽寺川が流れ、恵まれた土壌を生かした農業が盛んな地域です。地下には、豊富な天然ガスが埋蔵されているのだそうです。おととしの台風の時も停電の中、この天然ガスで発電した電気が道の駅や町営住宅に電気を供給していたそうです。すごいですね。

このまちで、鮭の稚魚の放流活動が行われています。

これは、「鮭の稚魚を放流する会」が続けているもので、現在、三代目の会長である松本敏男さんに町内を流れる瑞沢川で放流を始めたきっかけを伺いました。「他の町から越してきて、ここの街のいいところを聞いても、誰も特にないという話ばかり。サケが上がってくるのも見たし、緑が豊富、夜空の星もきれいなのに何もないってどういうこと?転勤族だったので、元いたところの自慢話をしてくれよとよく言われていた。睦沢の人たちが巣立っていって、「何もないところ」というのはよくない。なんとかこれ(鮭の遡上)のことを知ってもらいたいと思ったのが大きな気持ち。でこの活動に参加し始めました。

松本さんは元々は東京にお住まいだったそうです。睦沢に移住してきて、その環境の良さ、自然の豊かさに日々感心していたのに、周りの人たちはそうでもない。改めて町を見つめてもらうきっかけの一つとしてこの活動に参加。ただ、この活動は楽しそうではありますが、大変なこともあったそうです。

放流に関して、最初は2000〜3000匹。だんだん増えていって、今回準備しているのは、1万粒の卵(イクラ?)を入手して今、孵化している最中。孵化は、卵を預けた方の自宅や学校でやってもらっているそうです。最近は埼玉の入間川にサケを放す会に分けていただいていたそうです。卵を里親の皆さんにお分けるときに育て方マニュアルも渡しているそうです。最初のころは中学生に卒業式の前に育ててもらったそうです。今では放流日も2月の第2日曜日と決めてて、一般の方も参加していただけるような形で放流しています。

ところが、今年は、頼りにしていた埼玉の入間川にサケを放す会がコロナの影響で放流活動を断念。ということで卵の入手ができなくなってしまったそうなのです。小学校の授業の一環にも取り入れてもらっているのにと、会長の松本さんは東北地方や新潟を訪ね、卵を分けていただけるように働きかけたそうで、多方面に問い合わせや足を運んだ末に、新潟から今回はなんとか分けてもらったそうです。

鮭の稚魚は2月の第2日曜日という寒い時期に、一度に放流します。その理由を松本さんはこう教えてくださいました。「いっぺんに放流する理由、それはまとまった集団になるからなんです。稚魚たちが移動するのは夜になってからで、しかも塊(かたまり)になって1ヶ月ぐらいかけて忍者のように海へ動く。その間に川の水の匂いなどを覚えていくらしい。水が冷たいこの時期は稚魚を食べてしまう他の魚の動きも鈍い。ということは襲われず、川に帰ってくる率も上がってくるかなと思っています。」

効率よく、なるべく多くの稚魚が海に出られるのにはこの時期がいいということなんですね。

活動を始めて10年、放流した稚魚たち、そのうちの何匹が実際に帰ってきているのかは、調査はできていないようなんですが、おとなのサケが泳いでいるところは多くの方が町内で毎年目撃しているようなので、成果が少しづつ出てきているのでしょう。睦沢のまち自慢がしっかりできていますね。今頃子供たちも放流直前でワクワクしているでしょうね。ロマンがありますね!

確実に町の財産になっている鮭の稚魚の放流。町のミンナノチカラで育てた稚魚がたくさん帰ってくるといいですね。

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