三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
首都圏からのアクセスもよく、
通勤圏でありながら海や里山の豊かな恵みをあわせもち、
自然とともにある生活を楽しめるエリアです。
そんな「千葉の魅力」を支えるさまざまな活動や
想いムーブメントなどにスポットを当て、
現地取材の声も通して「魅力あふれる千葉」をご紹介していきます。

毎週月~木 18:35頃~「YOU 遊 チバ」はこちら
※「YOU 遊 チバ」は、ミンナノチカラ~CHIBA~と連動し週ごとにさまざまなテーマで千葉の魅力をお届けしているコーナーです。

Every Fri. 18:45~18:59

第40回:市原市

2021/4/9 UP!

今回は市原市を取材。市原市には実は世界に誇る地球の歴史に関わる重要な証拠を見ることができる場所があるんです。チバニアンと言う言葉を最近お聞きになった方、多いと思います。

「チバニアン」はラテン語で「千葉時代」という意味で、その名前で呼ばれるのは、およそ77万4千年前から12万9千年前までの時代。その名前の由来となった地層が市原市田淵(たぶち)の養老川沿いにあるんです。 今日は、その地元で頑張っている皆さんの活動についてご紹介します。

まずチバニアン時代とは何か?地球の歴史上、地磁気が入れ替わったり場所をが入れ替わったりすることが数回あったのだそうです。その時の証拠がここにあるというんです。

この市原市田淵の養老川沿いの地層には一番新しい地磁気逆転の記録が最もよく残っていて、地質年代を分ける境界がよくわかる唯一の地層だと2020年1月に認められました。そこで、地球の一時代に「千葉時代=チバニアン」という名前が付けられて、世界的に注目されることになったんです。

その現地で、チバニアンの魅力を多くの方に知っていただこうと、ビジターセンターを 運営しているのが田淵チバニアンズというN P Oの皆さん。有名になる前はこの地域も過疎などの問題を抱えていたそうなんですが、徐々にある変化がおきてきました。昔は地元の皆さんで婦人会が地元の絆のために活動をしていました。そして時代の流れとともに、婦人会が解散して新しい地元組織ができ、それも時代の流れとともにまた活動が先細りしてきていたそうです。

そこにチバニアンの話が持ち上がり、昔使われていた道を整備すれば、現地に行き易くなると言うことで、草刈りを始め、活動が復活していきました。

ところが、話が少しづつ大きくなっていき、多くの人が来るようになると、予期せぬ出来事も色々起きるようになったそうです。会の代表の石井あゆみさんにお話を伺いました。

「2017年の秋に1次審査を通った後は、1ヶ月半で1万人の方が押し寄せたんですね。とにかく見たこともないような人数の人が集まって。で、市の職員が交通整理に出るという状態で、知らない車が家に入り込んで来たとかっていう騒ぎもあって、ちょっとしたパニックになりました。すごい勢いで人が、マスコミも押し寄せましたので、その時に本当に驚きました。」

近いうちに、駐車場から地層が見える養老川の河原までの道の整備と、そこに、新しく、チバニアンを勉強するための施設「ビジターセンター」が建設されることが決まりました。現在は、近くの駐車場にコンテナハウスがあり、そこが暫定のビジターセンターとなっています。こちらの中には、チバニアンの説明や、どの部分がその証拠になる地層なのか?などの説明が詳しく展示されています。ほかにも、地層を見ただけではわからない いろんな魅力を案内してくれるチバニアンガイドツアーもあるそうです。これがかなり人気なんだそうですよ.

石井さんは、NPO活動の今後についてこのように語っています。

「ただ単にボランティアでやりたい人だけがやっているという組織は長続きしませんので、いろんな人たちが、それぞれ自分のやりたいことをやりながら、それがなおかつ自分の利益にもなるっていうような、上手くかみ合った活動ができればいいなと思っていますので、そうすることによって仕事の場というのができれば、地域に住んでいる若い人たちの中で、仕事としてN P O(法人)に入ってきて、一緒に地域おこしをやれるっていうことも可能になってきますので、自分達が年とったら終わりではなくて、若い人たちにバトンを繋いで行けるような、そういう組織作りをしたいなと思っています」

私も現場を拝見しました。パッと見ただけでは崖なんですが、説明を受けると、川底に見えるものや地層の意味がわかってきます。貝の化石も結構出土しています。そうすると、突然、「すごい!」感が出てくるんです。不思議ですね。地元の皆さんが気持ちよくお客様を迎えようと言う気持ちがあることもしっかり感じられた取材でした。

前の記事
次の記事
サイトTOPへ戻る
WHAT’s NEW