2021/4/30 UP!
今回は匝瑳市に取材に行ってきました。匝瑳市は2006年に八日市場市、匝瑳郡野栄町が合併してできた市です。
ここは隣接する東金を含め、千葉県の木でもあるマキやクロマツといったものに代表される日本庭園や公園などを飾る樹木・植栽の栽培が盛んなところなんです。
ということで今回は、匝瑳市植木組合の組合長 大木忠さんにお話をうかがいました。まずは匝瑳地域で植木業が始まった歴史について。
「戦後、都内で公園を作ってみたりとか、緑化を国で進めていたんです。そこで植木を植えるという時代になっていったんじゃないかなと思います。元々はこの地域は畑に芋作ったり麦作ったりをしていたのが、植木が売れるようになって、植木を作るようになっていったんじゃないかと言われてます。自分達の年齢だと、二代目三代目という方が多いですね。私は63(歳)ですね。種を蒔いてから、芽が出ますよね。早いものだと3年とか出荷できるものもありますけど。 古い家の垣根にあった木を畑に移動して、それを形に作って売れるようになると、それには10年以上かかります。早くでも2〜3年、要するにあとは10年ぐらいかかる。」
そうです、木も最初はタネから始まるんです。そこから、数年かけて育てていく。根気が要りますね。
千葉県特有の温暖な気候と、首都圏の消費地に近いという条件に恵まれて徐々に発展し、現在では日本有数の栽培面積と多種多様な栽培樹木数を誇り、2018年農林水産省の資料によると植木生産の都道府県別出荷額は千葉県が1位、そのおよそ半分を匝瑳市が担っているということなんです。
皆さんの家の近くの木々も匝瑳市から来ているものかもしれませんよ。
匝瑳の植木まつり(昨年と今年は中止)は例年大変な人気があり、植木を買うこともできます。毎回、100万円単位の植木が売れるそうですよ!
植木のイベントなどでは、バサバサ生えっぱなしの植木を1日かけて1日かけて枝を割ったりして形を作って、1日で仕上げるというパフォーマンスを披露することもありますてね。ただ、カットじゃなく手を加えてよく見せるというこのパフォーマンス。県の要請もあり、毎年、成田空港には出発ロビーで、坪庭(つぼにわ)を作って海外の人にアピールしてみてもらうようにしているんだそうです。
大木さんの話によりますと、手入れされている植木を見ると、地方によっても形の作り方や、見せ方が違うようで、どこの地域の植木なのかわかるのだそうです。なかなか素人には難しい話ですが、、、
この20年で植木を買う人たちもだいぶ様変わりしたようです。
大木さんは、「輸出が盛んになり出したのは15年か20年くらいですよね。その前は、ほとんど考えられなかったですよね。 土を海外に持っていくこと自体がね、だめでしたから。バブル期はね、このゴルフ場であったり、盛んに植木が動いた時代もありましたけど、今はね、輸出。海外に広めたいということで、フランス、ヨーロッパも(ありますが)やはり中国が1番、大きいでしょうかね。自分も何度か行ったことあるんですけど、中国にも植木はあるんですよね。ただ、形造っている物は日本がいいらしいんです。向こうではないわけですからね。 今後もまたコロナを抜けて。またね、これるようになったらまたどんどんくると思います。来て欲しいです。またね、気に入ったものを気に入った金額買ってくれると思いますね。」
と期待も大きいようです。
匝瑳市ではマキやクロマツのほか300種もの植木を生産しているそうです。新しい技法や流行を取り入れながら、植木を育て、庭を造る植木組合の皆さん。ホームページには組合の皆さんの取り組みなどについても詳しく掲載されていますので、お時間あるときに覗いてみてください。国内外で高く評価されている匝瑳の植木。これからも世界レベルでどんどん有名になってほしいですね。