三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
首都圏からのアクセスもよく、
通勤圏でありながら海や里山の豊かな恵みをあわせもち、
自然とともにある生活を楽しめるエリアです。
そんな「千葉の魅力」を支えるさまざまな活動や
想いムーブメントなどにスポットを当て、
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※「YOU 遊 チバ」は、ミンナノチカラ~CHIBA~と連動し週ごとにさまざまなテーマで千葉の魅力をお届けしているコーナーです。

Every Fri. 18:45~18:59

第48回:富里市

2021/6/4 UP!

今回は富里市を取材してきました。

富里といえばスイカというイメージですね

実は千葉県はスイカの産出額が全国2位なんですが、中でも随一の 生産量を誇るのは富里市で「富里スイカ」のブランド名でも親しまれています。富里市にはスイカ部門で日本でただ一人、農林水産省から富里スイカの地域特産物マイスターに認定されている方がいらっしゃいます。スイカ栽培のスペシャリスト篠原弘安さんにお話を伺いました。

「富里は 北総台地といいまして標高40〜50mの台地の上にあって田んぼが少ない。台地で、水はけが良すぎちゃって、作物を作るのに水はけが良すぎてなかなか育たない。スイカは原産地がアフリカの砂漠地帯なので、水がなくてもよく育つ。かえってないほうが美味しいスイカができる。台地なんで内陸性の台地の気候で昼間は温まりやすく、夜冷えちゃう。その寒暖差で甘みが乗ったスイカができるということで産地になりました。昭和の初期から作ってます。組合をつくって始めたのが、昭和8年からスイカ出荷組合。まとまって、遠くに送って やってきましょうということで本格的に始めました。それから80年ぐらいずっとスイカ作り頑張ってます。」

富里の出荷量は年間およそ3万6千トン。シーズンは5月半ば辺りから3ヶ月ほど・・1位の熊本の出荷シーズンの4月から1か月半くらい遅れてスタートするそうですが、「3ヶ月間」出荷し続けるには農家の皆さんのある工夫がありました。 

「富里でスイカ作っている人は200人ぐらいいるんですけど、農協通して出荷している人が170名。5月の今年は8日から出荷が始まりまして、5月は、大きいハウスで作ります。暑くなって来ると、少しトンネルを小さくして、人間がやっと入れるぐらいの、小さいトンネルで6月。7月でもっと暑くなると、もっと小さいトンネル。その時期に合わせてスイカが好きな温度にしてあげるために、トンネルの大きさを変えてます。で3ヶ月間順次出荷しています。一気には出ない。5月ハウスの時期は寒い時期なので、寒さに強い品種を作って。ハウスの時期だと「春の団欒」とか「祭囃子R G」っていう品種。寒くても糖度がのって美味しいスイカができる。6月になったら雨の時期の梅雨にも負けない品種で「味きらら」とか「こうだい」って品種。雨が降っても甘くなるんです。で7月が暑くなると暑さにも強いってことで種無しスイカとか自根スイカとか暑くても美味しくなるスイカを作ってます。」

というお話でした。春の団欒とか祭囃子RGというスイカ品種の話は聞いたことがなかったので、とても興味深く伺いました。

スイカは大きく育てるのがいいのかと思っていましたが、実はそうでもないそうで、こんな話もしていただきました。

「大きいとやっぱり収穫が大変。輸送も大変。運送屋さんも大変。カットして今売るのが多いんで、カットする人も大変だって、やっぱ理想としては中くらいの大きさ2Lぐらいが1番売れる。S、M、L、2L〜5Lっていう規格があるんですけど、やっぱり2Lを取りたいんですね。7キロから8キロが2Lになります。1キロ刻みでスイカってあって、10キロ以上が5Lで、その中で2Lは7キロから8キロ。持って歩くにも楽です。農家の人も。それでいて値段が結構いいんです。味も乗りやすいんです。」

では美味しいスイカはどうやって見分けるのか?ここ一番大事なところだとおいもいますが

「味を見分けるには、撫でるといいんです。こう2つあって1個がつるっとしている。もう1個は緑色の部分が膨らんで、縞の黒い部分が凹んでいるとボコボコしています。ボコボコしたスイカの方が、甘くて美味しい。お店行って叩くより撫でた方がいいといいと思います。お店ではあまり叩かれたくないでしょう?撫でた時に、おいしいよっての手に伝わってきます。」

だそうです。スイカを撫でると本当に凸凹しています。興味のある方は試しに触ってみてください。

スイカ農家の皆さんは普段はライバルですが、助け合いもしています。

「一人でスイカをつくってるようなんですけど、やっぱ独りじゃないんです。みんなで。大変な時もあるんです。天気が悪くて、今ミツバチ交配なんですけど、ミツバチが飛ばなくてどうするとかっていう困った時とかは、情報交換して、ちょうど今頃雨が降っていて、今日はハチ休んでるから人間がつけましょうとか。情報交換とか。あと、今年は雨が少ないんで、ちょっと肥料やってあげようかとか、ちょっと水あげようかとか情報交換することで、みんなの腕があがるし、味もみんな良くなっていく。困った時もみんなで、嬉しい時もみんなで共通して頑張ります。やっぱ組合はみんなで頑張ろうって気持ちになるので、大事かなと。そして富里のスイカはイカの顔をしたトミちゃんというマスコットがいるんですけど、そのマスコットの絵のついたシールがスイカに貼ってあります。1個1個のシールがあって、箱にもトミちゃんの絵がどーんと大きく出ています。そのトミちゃんを目印に買って頂ければ美味しいスイカなんです。あたりです。」

これからスイカがさらに美味しいシーズンです。トミちゃんを探してみてくださいね。

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