三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
首都圏からのアクセスもよく、
通勤圏でありながら海や里山の豊かな恵みをあわせもち、
自然とともにある生活を楽しめるエリアです。
そんな「千葉の魅力」を支えるさまざまな活動や
想いムーブメントなどにスポットを当て、
現地取材の声も通して「魅力あふれる千葉」をご紹介していきます。

毎週月~木 18:35頃~「YOU 遊 チバ」はこちら
※「YOU 遊 チバ」は、ミンナノチカラ~CHIBA~と連動し週ごとにさまざまなテーマで千葉の魅力をお届けしているコーナーです。

Every Fri. 18:45~18:59

第50回:長南町

2021/6/18 UP!

今回は長南町を取材してきました。

かつて長南町には、カリスマ的な存在の蓮根(れんこん)農家さんがいらっしゃいました。長南町の自分の水田で品種開発をし、育成方法も確立して、日本の蓮根農家さんで知らない人はいない、蓮根の神様とまで言われた方なんですが、残念なことに十数年前に突然亡くなられてしまったんです。そこで呼び戻されたのが、東京で就職したものの仕事がうまくいかず、引きこもり気味になっていた息子さんの金坂あきひろさん。思いがげず蓮根づくりを引き継ぐことになってまさに青天の霹靂だった そうなんです。

家業の手伝いとして作業をしたことはあったのですが、自分が責任を持って作るということはしていなかったので、とても悩んだそうです。近所の方に教わったり、独学で研究をしたりしたそうです。

金坂さんは同時をこう振り返っています

「父親が亡くなってまあ誰かしらが父親の品種を残さなきゃいけないってところで、ただレンコン作りをやり始めたら、「あのお父さんの息子さんだ」ってことで辞めることが出来ないので、そこが就農するのにかなり躊躇しましたね。(レンコン業界の)偉い人たちがお父さんにお世話になりましたとか頭を下げたりとか、そういうの見てて、あの父親の偉大さというか、それを実感したりしましたね。関東だと7割ぐらいですかね。父親の品種。 ここで、はい作ったタネが全国に行ってますね。最初やっぱり知識もないですし、新規就農で、あのー、これからここでどーやってこう生き残っていこうか? と(そればかりを)考えていましたね。」

そんな亡くなられた父親の偉大さを改めて知ることになったのですが、金坂さんは、東京で仕事をされていたけど、引きこもり気味になってネットゲームばかりやっていた時期だそうで、農業はまったく引き継ぐつもりがない。「でも、あの蓮根の神様の息子さん、あの水田を引き継がないってことはないでしょ?」と言われたりしたそうですが、全く経験も知識もなかったので、跡を継ぐのが恐れ多く、とても悩まれたそうです。

でも自分なりにやっていこうと腹を決め、周りに生えている竹をチップにして土壌を作ったりして、他に負けないレンコンを作ることにまずは取り組みます。

食味を上げることに集中して土壌改良を進め、レンコンとしては驚異の糖度9を実現できることができたんです。糖度9とはフルーツトマトレベルなんです。揚げ物や煮物になることが多いレンコンですが、単体でこの糖度は十分存在感を出せるレベルです。

ここで、金坂さんは色々と考え、自分の作るレンコンのブランド化を考えます。

名前を金坂蓮魂としてネット販売を中心に始められました。こちらでは夏の終わりごろから販売を始めるそうです

http://kanesaka-lotus-root.com/

ダイレクトに消費者の声が届くのが、嬉しく、励みになる。美味しいものをもっと作りたいと思うようになったそうです。直接尋ねてくる方もいるそうなんですが、驚いたのは、ある日、インド人の方が金坂レンコンを買いにわざわざやってきたこと!ひょんなことから金坂レンコンを食べてその味に感動した、ということでまさに「インド人もびっくり!」(笑) どんなところで作っているのかと、やってきてしまったそうです。

全く家業を継ぐ気がなかった金坂さんですが、今では、SNSや通販を通じていろんな方と繋がり、そして作ったものへの評価がダイレクトに伝わるということに、楽しみでもあり、シビアでもあると、話していただきました。

なかなか出ない糖度9のレンコン、おすすめの食べ方は、オリーブオイルをひいてただ焼く。シンプルですが、これが一番甘みを感じられるそうです。塩胡椒でちょっと味をつけると余りが引き立つそうですよ。

ぜひ一度お試しください。

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