三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
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※「YOU 遊 チバ」は、ミンナノチカラ~CHIBA~と連動し週ごとにさまざまなテーマで千葉の魅力をお届けしているコーナーです。

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第61回 どうも!粒すけ です!

2021/9/3 UP!

千葉県では主に4品種のお米を栽培しています。全国で生産されている人気の「コシヒカリ」、千葉県独自品種である「ふさこがね」と「ふさおとめ」、そして今回ご紹介する「粒すけ」です。令和2年度デビューの千葉県独自品種「粒すけ」の開発秘話をご紹介します。

ということで訪れたのが 香取市佐原にある千葉県農林総合研究センター水稲畑地園芸研究所水田利用研究室。

こちらの西川康之さんに、千葉県が開発したコメの新種「粒すけ」についてお話を伺ってきました。

西川:ここは稲の研究をしておりまして、主に新しい品種の開発と、開発された品種のどのようにしたらよくうまくできるかというその栽培試験も検討しております。昨年デビューいたしました新しいお米の品種「粒すけ」を開発いたしました。今美味しい品種コシヒカリに比べて粒が大きいという特徴があります。あとは、コシヒカリ・・・千葉県であの6割の田んぼで作られている大品種で皆さん美味しい品種としてよくご存じなんですけども、背丈の長い品種なので倒れやすくて農家の皆さんが非常に最近苦労されているということで、農家のみなさんが安心してできる倒れにくい品種という特徴も持っております。粒の大きさではコシヒカリよりも10%、大きいですし、背丈を比べるとやはりこれはコシヒカリよりも10%を短いということで倒れにくい品種になります。

農家の皆さんんが育てやすいように、そして、おいしいものをということで、開発したというのはわかるのですが、開発とはどういうことをするのでしょうか?

西川:美味しい品種で有名なコシヒカリを親にしまして、もう一方の親としては倒れにくいですね、草丈の短くて、あと粒の大きな品種を人工交配しました。それから生まれてきた「4000種類」ほどの稲を選抜にかけましてだいたい13年のうちの後半の10年ですね・・10年間は「コシヒカリに負けない品種を作る」ということで、ひたすら食味の試験を実施してきて、それで選ばれてきたのが粒すけになります。私どもの仕事は、さまざまな稲を一旦作りまして、自分たちがそのまあ、今回は倒れにくくて、粒が大きくてまあ収量も取れそうな稲をですね。選んでいくというのが私の仕事になりますので、最初はいかにいろんな稲を作るかっていうことから品種育成が始まります。

とにかく、交配を続けていろんな種類をつくり、そこからより分けていくということのようなんです。。。粒すけもこの中の1つだったということです。開始から13年かかっているということですが、そのうちの10年は「食味」つまり、「味」を追求することに使われているということなんですね。最終的には「粒すけ」は「食味の良い「コシヒカリ」を母に、茎が短くて倒れにくく大粒な特徴を持つ「佐(さ)系(けい)1181」という、こちらも千葉県の独自品種「ふさおとめ」の子どもを父として、人工交配して、それぞれの長所を引き継いだ、おいしくて作りやすい品種として完成しましたそうです。気の遠くなる話ですね。

県が開発した主食用米の新品種は2006年デビューの「ふさこがね」以来、14年ぶり。粒すけは収量が多く、肥料の量などを工夫すれば同じ面積でコシヒカリより2割多く収穫できるとか。 おいしいお米がたくさんとれるのは嬉しいですよね。

そして、大事な味を見つけるのに10年近くという話でしたが、どのようにして探していったのでしょう?

西川:13年のうちの10年間は食味試験を繰り返したんですが、だいたい一日七種類のお米をですね。お米収穫してから3ヶ月間ひたすら毎日食べ続けて。だいたい延べで3500種類のお米を食べ続けてそれで残ってきたのが粒すけということになります。粒すけのおいしさの特徴としては大粒ということで、コシヒカリに比べて非常に弾力があって、非常に食べた時のお米としての存在感があるということを、昨年の評価の中でも言われてきておりまして、ただ、あのコシヒカリに比べても外観、艶だとか、白さはコシヒカリよりもやや優っておりまして、あとはコシヒカリの特徴的な粘りですね。粘りについてはコシヒカリに負けない粘りを持っているということで、コシヒカリと全く同じ食味というよりはまた違った形で、ご飯を楽しむお米。お米の存在感があるので、ご飯好きの人にはたまらないようなあの食味というふうに認識しています。粒すけを食べる・・・ご飯を食べるってことを楽しんでいただくというにはうってつけの品種だと思いますので、ぜひ試していただきたいと思います。

とにかく、実食に次ぐ実食。これあるのみでした。

粒すけ デビューの後、ここではどのようなものがまた新たに開発されていくのでしょうか?

西川:粒すけはコシヒカリとほぼ同じ時期に収穫される千葉県では1番最後に収穫される奥手の品種になるんですけども、千葉県の稲作の最大の特徴は、早場米といいまして、関東でも1番早く収穫できる地域なんですよね。ですから、もっと早くできる早生品種について、食味をさらにレベルアップすることで新品種を出すことで、千葉県産米を改めて認識していただけるような、千葉県産米全体を引っ張っていくような品種をですね。作っていくことを実際に行っています。全国いろんな気候風土がありますけれども、やはり私共の仕事はですね、千葉県の田んぼこの気候風土でいかに美味しくて収(穫)量も取れて、品質の良いあの品種をデビューさせるかということが使命でありますので、それに向かって努力して行きたいと思っています。

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