2021/10/29 UP!
今回の取材は、香取市佐原に行ってきました。
発酵フレンチ、あまりきいたことないですよね?江戸の風情が残る町並み水郷() 香取市佐原)にある「佐原商家町ホテルNIPPONIA」のレストラン「ル・アン」でいただけるんです。
以前、この番組でもご紹介しましたが、佐原の町は、江戸時代、利根川の水運で栄えた町なんです。良質な早場米が獲れる土地で商人が街を取り仕切り、醸造業も発達。長く「発酵文化」が根付いている町なんです。そこにまた新たな価値を生み出そうと、ある方々が活動を始めたんです。NIPPONIA佐原の藤本薫さんにお話うかがいました。
藤本さん:観光まちづくり会社「NIPPONIA佐原」企画広報・フジモトと申します。香取市佐原地区にある古民家や蔵などの歴史的建造物をリノベーションし、ホテルやレストランとして活用する取り組みを続けています。元々は江戸時代に水運で栄えた町で、すごく川沿いにも商家がたくさん建ち並んでいた。その街並みをだんだんと人口がどんどん街から外に出て行ってしまったりという中で、地元の方々がそれを保存する活動を地道に続けてこられた結果が、国の重要伝統的建造物群保存地区というものに指定されたことにもつながっていますので、最近は特にメディアとかでも度々取り上げられて、「小江戸の街並み」ということで知られるようになったんだと思います。この「NIPPONIA佐原」が活動を始めるにあたって、その保存のその先・・・新しく価値を作るっていうところ、新たな取り組みをしていくっていう中で、思いとしては「その街の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい」だとか「広めていきたい」というところが共通していますので、そういった中で街を盛り上げていけたらなという風に思っています。
古い建物が今もたくさん残っていて、雰囲気を出している佐原のまちでどんなものが食べたくなるでしょうか?ニッポニア佐原の皆さんは、せっかくここにきたらなら 唯一無二の体験の中に、食事も入れよう。どんな食事がいいか?ということでメニュー開発に取り組んでできたのが発酵フレンチなんだそうです。ちなみにレストランは、佐原の造り酒屋さんの大きな建物を改装して開かれたもので、建物の構造は酒蔵そのもの。内装は綺麗にリノベーションされているんです。佐原商家町ホテルニッポニア シェフの天羽英実さんにお話伺いました。
天羽さん:かなり価値のある建物でありますから、お料理もここでしか食べれないお料理っていうところ。コンセプトというのは、発酵フレンチという風にコンセプトをさせていただいていますが。もともと佐原が水の豊富な土地だったというところと、あとは関東一の米どころっていうところですごくお米作りも盛んで、昔からある老舗の造り酒屋・蔵元様がございます。元酒蔵であったその建物でしか食べれないお料理というところで、発酵フレンチっていうふうにさせていただいております。メニューを考えるにあたり、じゃあいわゆる「発酵」っていうところ・・・食文化、お酒もそうですし、あとはお醤油とかお味噌とか、すごく発酵食が盛んなところですので、お酒を醸造する中でできる酒粕や麹、さらに麹を発酵させた甘酒そちらを、何もすべて酒粕味にするわけではなく、調味料として味を膨らませて。フランス料理なんですが、さらにここでしか食べれない味わいっていうものを、はい。
味噌味!酒粕味!ということではなく、食べた時に、この豊かな味は、、、?と感じさせてくれるお料理ということなんですね。麹を使ったお料理って最近人気ですけど、フレンチに使うっていう発想はなかなかないですよね。ちなみにレストランの名前は「ル・アン」。この「アン」はフランス語で数字の「1」を意味 するものなので、唯一無二とつながるものがありますね。
天羽さんはこうもおっしゃっています
天羽さん:美味しいお料理・・・・もちろん美味しいお料理を出すのが大前提ではあるんですが、別にここじゃなくても食べれるっていうのは出す価値はないかなと思ってるんですね。あとはあのフランス料理っていうものが多様性というか、和食と、大きく違うところで言うと、和食はどちらかと言うと、雑味を全て削ぎ落として本質だけをぬくと言うのが日本料理の神髄だと思うんですが、フランス料理では、逆にこう味をたしていく足し算して、さらに味わいを深めていくっていうところで、こちらのお料理はフランス料理というところにさせていただいている。ここでしか食べれないというような・・という風に言っていただけると嬉しい。ホテルですので、宿泊のゲストの方おられるんですが、やはりこの旅の目的になるようなお料理というか。お食事もそのひとつとしてもっていってただけたらと思います。
ちなみに、9月から11月のメニューはこんな感じです
(ホームページから抜粋)
■9-11月
【乾杯ドリンク】味醂トニック またはノンアルコール味醂トニック
【アミューズ】一口のお愉しみ
【前菜】銚子産戻り鰹とセルヴェル・ド・カニュ発酵ビーツのマリネ
【スープ】佐原サツマイモと糀のポタージュ 黒ゴマの香り
【魚料理】銚子産鮮魚の天火焼きと芳源マッシュルームの炙り塩カボスのブールブランソース
【肉料理】黒毛和牛のブレゼ 季節の温野菜添え
【デザート】馬場本店酒造”最上白味醂”のサバイヨンとバニラのグラス酒粕ショコラのクランブル
【食後のお飲み物】コーヒー or 紅茶
ここでしか味わえない江戸時代から根付く佐原の「発酵文化」、そしてそれとともに味わえる地元食材を使った 唯一無二のフレンチ。是非ともお試し頂きたいと思います。