2022/1/7 UP!
今年もよろしくお願いします。
山武市の国道126号沿いに いちご園や直売所が並ぶ「ストロベリーロード」があるのをご存知でしょうか?
このエリアには、およそ20軒もの観光苺園がありまして、イチゴ狩りシーズン、たくさんのお客さまをお迎えしようとみなさん、頑張っていらっしゃいます。およそ20軒の苺園から組織されるこの組合では、「真紅の美鈴(黒イチゴ)」や「白いちご」といった珍しい品種も含めると20種類以上のイチゴが栽培されているそうです。今回は、観光苺組合の組合長でインパクトのある名前のいちご園「順子のいちご園」の園主、中村隆幸さんに、お話を聴いてきました。まず、イチゴよりも先に気になるのがその名前。順子さんって、どなたなんでしょう?

中村さん:順子はうちの母でございます。イチゴっていう字が草かんむりに母という字を書きますので、まあうちの親父が母ちゃんの名前でうちはいこうと言うことで、この名前になりました。以前は中村いちご園ということで、名字での園名ではあったんですけれども、この方がインパクトがあるということで好評いただいております。東京の高級フルーツ店などに卸す出荷組合が母体となってまして、そこからだんだん観光に舵を切っていくのが、それが40年ぐらい前からということですかね。千葉県の耕作地の土壌の性質というのを地図で見ますと、この辺一帯はですね、黒土、すごく肥沃に富んだ土地柄でありまして、特に甘いイチゴを作る。そういう地力のある土と言うことで、すごく合ってたんだと思いますね。

取材時には順子さんはお出かけ中で会うことはできませんでした。
順子のいちご園では、12月初旬から直売所、年明けからいちご狩りが始まっています。8種類の美味しいイチゴを作られているそうで、食べ比べできるのも楽しいところ。「とちおとめ」「あきひめ」「ふさのか」「おいCベリー」「やよい姫」「かおりの」「紅ほっぺ」「チーバベリー」で8種類だそうです。それぞれに特徴があって、美味しい時期も少しずつズレているので、シーズン中 何回行っても楽しめます。

いろんな種類の中でチーバベリーという名前のものがありますが、これは一体どんな味がするのでしょうか?
中村さん:葉県の試験場で開発・育種された品種でして、もう10年以上前試験段階の頃から成東地区ではずいぶん作ってました。当時は千葉S4号という名前で試験栽培として、この辺で実証試験みたいなことをやってたんですけれども、もうこれを世に広めようということで「チーバベリー」という名前で皆さんから公募したと思います。はい。育種登録をし世に出たわけですね。特徴としては割と大果です。大きいです。粒が。甘みもあるんですけれども、酸味とほどよいバランスですごく濃厚芳醇な、果汁も多いので、そういった食べ応えのあるイチゴだって、そういう印象ですね。そこはやっぱり千葉県が満を持して世に出すイチゴですから、相当その試験場の方々も苦労なさったのではないかと思います。直売とイチゴ狩りの2本立てなので、うちは苺狩りのみなんですけれども、もちろん直売店で買える園もございます。
名前からも分かる通り、千葉で開発されたイチゴなんですね。

食べ比べも楽しいいちご狩りですが、だいたいは5月の大型連休ごろまで楽しめるのだそうです。まだ4ヶ月もありますが、長い期間私たちを楽しませていただくために、イチゴ農家の皆さん、大変なご苦労もあるようです。
たとえば、現在2022年のこの時期に収穫できるようにするためには2019年の秋から準備を始めなくてはいけないそうです。「夏の間は暇そうでいいね!」ってよく言われるけど、そんなことは全くなくて、サウナ並みに暑くなっているハウスの中で、イチゴの手入れをされているそうです。そして 令和元年、2019年の秋に千葉を直撃した台風ではこの地域に壊滅的なダメージを与え、次のシーズンを諦めようと考えた農家さんも多かったそうです。

中村さん:まあ、私共組合の中にはやはり高齢の方で70代半ばぐらいになる方もいらっしゃいます。ほぼほぼ台風19号でハウスが倒壊してしまい、正直どうするのかなと思ってたんですが、まあ、政府のいろんな支援もありまして、ハウスをまた立て直し、またね、いちごを作ってるんですね。おじいちゃんが言ったことがですね、やっぱりお客さんが待ってるからさっていうんですね。私の所も被害は少ない方だったんですけれども、それでも、もう本当にまさに途方にくれる、呆然としてしまう、何から手をつけていいんだろうっていうような感じでした。で、ちょうどやはり、どうかなと、大丈夫かなと思ってたんですけども、うん、やはりお客さんの顔がこう思い浮かぶんでしょうね、頭にね。待ってるお客さんがいるから、やっぱり苺作らなくちゃっていう。そういう思いがあってのイチゴ作りなんだと思いますね。

お客さんのためにというその思い。ありがたいです。その思いのお陰で味わえるこの美味しさ。スタジオでも楽しませていただきました。
この番組を聴いて、山武にいちご狩りに行きたいなと思った方、中村さんにいちご狩りに役立つ「アドバイス」伺いましたよ!美味しく楽しむために、何時頃行ったらいいんでしょうか?

中村さん:もうこれは朝イチに限りますね。早くから入った方から順番に、大きい実だとかおいしそうな実をどんどん口にして、だんだんそういう実が少なくなってきちゃいますので、できれば午前中に来ていただければ、もう充分かと思います。午後きたらちょっと、小さい粒、小ぶりな実にもね、ちょっと手を伸ばしてみてほしいと思いますね。割と小粒の方が美味しいって言って召し上がる方ずいぶん多いです。食べ放題なので、もう100個200個食べても全然大丈夫なんで、はい、とにかく美味しい実をいっぱい食べていってもらいたいですね。山武市成東観光苺組合はですね、感染症対策もキッチリとして皆さんのお越しをお待ちしております。ここに来ないと、なかなかこういったいちごってのは食べられないと言うのが、正直、お客様、いろんな方から聞く声なので、是非ともですね、私たちが最高の状態で捥いできたいちごをぜひ召し上がっていただきたいと思います。食べればわかります。これは間違いなくわかります。

朝イチからイチゴ三昧とは贅沢な感じですね。大きいのだけじゃなく小振りでもおいし〜いものもたくさんあるそうですから、しっかりと見極めたいですね。

山武市の「ストロベリーロード」、ぜひ皆さんも、現地で食べてみてください。完熟いちごはサイコーですよ!近くには人気の道の駅「オライはすぬま」もあって、地元の新鮮な野菜や水産加工品などもいろいろ買えるので、是非立ち寄ってみてください!