2022/3/4 UP!
第87回でご紹介するのは、銚子海洋研究所が行っているイルカ・クジラウォッチング。豊かな漁場が広がる銚子の沖合では、出産や子育てのため銚子沖へ回遊してくる野生のイルカやクジラを、ほぼ1年を通じて見ることができて人気を博しています。まずはイルカ・クジラウォッチングを始められたきっかけを銚子海洋研究所の所長 宮内幸雄さんに 伺っています。

宮内さん:この銚子海洋研究所としてイルカ・クジラウォッチングを始めてかれこれ24年になりました。その前は私は水族館の飼育員として、水族館で23年ほどいろいろお世話になって、いろんな生物の飼育・展示をしていました。水族館時代に、ちょっとイルカを、野生のイルカを見るきっかけがありまして、銚子の海のことについては、我々は陸上の人間は知らない世界ですので、ですから、そういうことであれば一度見せてくれということで、乗ったのが最初ですね。その時見たのがカマイルカという、今じゃうちのイルカウォッチングのメインとなってイルカなんですけど、一番最初に800頭近いイルカに出会ってしまったんです。そのときの衝撃っていうのは、もうなんて言うのかな、自分の今までの知識とか想いとか、本当に恥ずかしいぐらいちっぽけに感じました。ですから、野生の800頭の姿を見た時の思いがですね、ずっと、もう頭に入って。それからですね。もう本格的に 調査をしようと思ったんです。
銚子沖ではほかにもカマ・セミ・イシ・スジ・マイルカ・ハナゴンドウ・ハンドウ・スナメリなどたくさんの種類のイルカを見ることができるそうです。ところで、銚子のイルカウォッチング、港を出てからどのぐらいのところでイルカたちに会うことができるんでしょうか?教えていただきました。
宮内さん:沿岸の本当に近い場所2 キロ3キロに定住してます。銚子のこの沿岸域に定住しているスナメリというイルカがいます。これはもう厳密に言うと、宮城県の仙台からずっとこの沿岸を通って、福島、茨城、この千葉、銚子から九十九里、東京湾の入り口までずっと定住してます。それぞれ地域に定住しています。それが銚子の海に妊娠個体が集まってきて、ここで出産育児します。ですから頭数が増えてきますね。ですから、そういうのもウォッチングできるのが、この銚子の海なんですね。ですから、本当に船を出して10〜20分でそのスナメリたちに会う場合もあります。ですから、大きな時間はあんまり使わないで一年中っていうコースを設けてます。そのときの水温域とか、でまた例えば餌となる鰯とかサバがどこで漁場になっているのかで、またまた漁師さんたちがですね、帰ってくるときに「見かけたぞ」とか、そういう情報が結構多々入ってくるんですね。そうしますと、じゃあ今日は、昨日はここにいたから、じゃあ今日はちょっと ずれてるな、ここに行くぞっていうことでピンポイントで決めます。

宮内さんのお話によりますと銚子の海では24種類のイルカは確認しているとのことなんですね。日本で、クジラ・イルカウォッチングができるところは沖縄や小笠原、和歌山沖などありますが、これだけの種類が見られるのは銚子だけなのではないかとのことです。
地元の漁師さんの貴重な目撃情報や、長年の経験からイルカを見られる確率は相当高いようですね。宮内さんがこっそり教えてくれたイルカウォッチングの驚きの効果についてご紹介してまいりましょう。

宮内さん:
普通イルカというとね、皆さんの海にいるイルカ10頭20頭ぐらいっていう思いがありますけれども、実際来てみて、800頭とか多い時にはもう2、3000頭いますからね。あの世界に入っちゃうと確かにギャップがありすぎますよね。やっぱり何回見ても「おっ」て思いますね。「すごいなあ」っていう思いは毎回毎回あります。お客さん以上に我々の方がちょっと興奮してるのかなっていう気がしますけれどもね。今まででご連絡を受けた例なんですけど、五組ぐらいは、このイルカウォッチングきっかけで結婚された方がいるという。ちゃんとくるんですよ。写真付きで「結婚しました」お陰でって。イルカを見ている最中、終わった後、船で帰港する最中に彼からプロポーズされたとか、本当にそういうお手紙頂いたりするとね、やはりこのイルカが取り持つ縁というか、魅力もしくは魔力ですね。イルカの力っていうのはすごいなと思う次第なんですけど。

このイルカウオッチング、4時間かかる本格的なものから、所要時間1時間から1時間半程度のものがあり、こちらは3歳のお子さんから船に乗ることができます。また、海では、イルカだけでなくマンボウ・サメ類・キタオットセイ・飛び魚・コアホウドリ・クロアシアホウドリなどにも出会えるほか、波や空の風景などの 素晴らしい景色も堪能できるそうです。
そのツアーについて気をつけていること心がけていることについて伺いました。
宮内さん:我々はね、彼等の世界にお邪魔させていただいてるわけですよね。ですから、群れをバッて見ても絶対後ろから行くことはもうご法度です。ですから群れを見つけたら、まず群れの端から失礼しますっていう感じで入っていく。入って行くんですけどね、気が付くと、もう前後左右全部いるかです。囲まれます。銚子の海ですね、今現在、日本一の水揚げを11年連続なりました。それに準じてイルカのクジラの種類も多く集まってくる場所です。今ですね、季節によってはいろんな種類のイルカ、クジラたちが来てくれるこの銚子の海。また頭数も多い場所ですから、ぜひですね、一度銚子の海に来ていただいて、実際にイルカやクジラの出会いというものを体験していただけると、これが銚子の海っていうことで知っていただくと、楽しいと思います。よろしくお願いします。

SDGs(持続可能な開発目標)目標の14番目、「海の豊かさを守ろう」。海を知ること、守ること、未来の子ども達にいつまでも青い海を残すため活動していこうということなんですね。イルカウォッチング、クジラウォッチングを通して海洋環境も一緒に考えていただけるといいですね。銚子海洋研究所には、実は19坪ほどの「世界一ちっちゃな水族館」という水族館も併設されています。多くは銚子の海で採集した、クラゲをはじめとする海の生物、ヒトデやナマコといった磯の生き物など。


イルカマジックにかかってみたい方、チェックしてみてください。
https://choshi-iruka-watching.co.jp/
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