三方を海に囲まれる房総半島に位置する千葉県。
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第91回 春の味覚!大多喜の白タケノコとは?

2022/4/1 UP!

千葉県産の筍、生産量は、令和2年の調査では関東地方で第1位。その量だけでなく、味もピカイチ!その中でも特に美味しいと言われている 大多喜のブランド筍、白タケノコについてご紹介します。

「白タケノコ」。日焼けのない白い皮とふくよかな形が特徴で、えぐみが少なく、柔らかいので、生でも食べられるというブランド品です。大多喜町では、地面に顔を出す前に掘り出された「白子筍」の中でも特に色が白いものを「シロタケノコ」と呼んでいて、これは相当珍しく貴重なものなんだそうです。(一説には100本に1本ともいわれているそうです!)

大多喜にある君塚農園の君塚啓二さんにお話を伺っています。まずは、なぜ大多喜で「白タケノコ」がとれるのか、教えていただきました。

君塚さん:君塚農園・園主の君塚啓ニです。筍農家としては、商売としては15年ぐらいになりますけれども、もう掘り始めは、祖父母について幼い頃から掘ってたんで、物心ついた頃ですから、もうそうですね、55年ぐらいにはなるんじゃないですかね。大多喜全体見て非常に竹林面積がまず多いということが、一つの絶対条件。それで一つには土壌ですね。酸性白土の重粘土質。経験上、傾斜の方がゆっくり育っていくと。平らだとすぐ頭出ちゃいますんで。じっくり養分と水分を蓄えて出てくるということ。である程度傾斜の方が、白タケノコが出やすいということ。そこで掘るたけのこですから、やはり白タケノコが多いという。そういったことがございますね。

筍は地下の茎、地下茎から真っすぐに上を目指して伸びていきますが、山などの傾斜があるところだと、地面から顔を出すまでの距離が長くなる。そこまでの間に養分をたっぷりと蓄えて、さらに光を浴びていないのでえぐみも少ないということらしいんです。人工的に陽の光を当てないで育てるウドやホワイトアスパラのイメージかもしれません。

では、白タケノコはどういう条件で育ち、収穫されているんでしょうか。

君塚さん:やはり土壌がまず違うということですね。えぐみが無いと同時に白いままでということですね。それと同時にあと管理の仕方もそうですけれども、うちなんかだと、例えば、抜竹から始まって5年ごとにある程度親竹を間引いていって、品質の良いものの親竹を立てて、品質の良い子を育てるということ。もう一つは、竹林整備をすることによって、これから筍最盛期に向かうわけですけれども、その時、表面の落ち葉だとか吹いて地面の地割れをみつける。通常筍は頭がだいぶ出て穂先が黒くなっただとか青くなったそういうタイミングで掘るっていう方が一般的に思うかもしれないですけども、うちなんかだと地面の中に潜っているもの、地面が割れて盛り上がった状態で筍を掘るということで、非常にえぐみがなくて白い筍を掘れるということです。

この地面の割れめ、お分かりいただけますでしょうか?これが筍のサインです。これを見つけるには、枯れ葉などがあっては難しいですよね。

君塚さんは早朝、太陽が昇る前からヘッドライトをつけて盛り上がった土を探しているそうです。この辺は、もうちょっとかなというところには目印を立てたりして、地面から顔出しちゃう前に掘り起こすようにする。相当な熟練の勘と技術が必要そうですね。実は今年はタケノコにとっては裏の年になるらしいんですが、どういった違いがあるのかお話しいただきました。

君塚さん:それはもう量ですね。質は一切関係ないです。量がただもうとにかく落ちるというだけで、その生産する量がとにかく落ちるってだけで、一つ一つの筍はきちんと筍になるわけですから。肥料蓄えて、やっぱり色々水分を蓄えてになるわけですから。やっぱり裏年だとその量が少ないというだけであって、きちっと筍になるわけですから、まったく品質については問題ないです。でも、それでもやっぱり試行錯誤しながら、じゃあ次はこういった栽培法しよう、こういった間引きだとか、親竹の立て方しようだとか、とにかく提供しなくちゃ意味ないんで。本当に自然に勝手に出たもんだと、やっぱり「もう今年は無いですよ」で終わってしまうし、毎年できるだけあたりはずれはあるにしても、それを最小限に抑えるような工夫をする。なんていうんですか、気の遠くなるような作業を、あの広い山の中で竹林の中でやってますね。年間を通して、そして提供し続けるということにやっぱり意味があるし、それが農業だと思っています。

ところで、味噌汁、天ぷら、煮物など様々な調理方法で楽しめる筍ですが、君塚さんに、もうどうしても紹介したい!というレシピをご紹介いただきました。意外なもの、そして外せない定番をご紹介いただきます。

君塚さん:スイーツですよね。うちなんかだとケーキなんかも昨年は作りましたね。筍でケーキ。その他にそうですね、私は個人的には唐揚げが好きなんですね。止まらない。もうスナック感覚でこうバクバクいっちゃう。特にお酒のおつまみとかで非常に合います。たまらないですね、やっぱり。今晩あたり、例えば唐揚げって言った場合には、その日はかなり楽しみにして。詳しいことはわからないんですけども、普通に筍にちょっと下味をつけて、めんつゆとかで。それであとは、少しつけといて、あとは片栗粉ですか、そういったものをふってカラッと揚げて、それでいいんじゃないですかね。もうそこは試す価値充分ですね。是非とも、逆にためしていただかないと困るぐらいのやっぱり美味しさはありますね。

大多喜には「たけゆらの里 おおたき」という道の駅があり、筍のシーズンになると、筍目当てのお客さんが開店前から行列をつくるのが定番なほど人気なんです。いろんな農家さんが出されているので、お客さんによっては、もうお目当ての農家さんが決まっているなんて方もいるそうですよ。量は少ないとのことですが、実は秋にも筍が収穫できます。秋子(あきこ)というそうで、こちらも小振りですが、ファンの方多いそうです。これから春の筍がまさに最盛期を迎えようとしています。特に白タケノコは、えぐみがないので、糠などを使ってのアク抜きは一切必要ないと君塚さんはおっしゃっています。「たけゆらの里おおたき」のホームページのリンクを番組ブログに貼っておきます。ぜひ掘り立ての美味しい筍を、大多喜でゲットしてくださいね。(※放送時4月1日の時点では「旬はこの後」でした。今年は裏の年にあたり収穫量が少なめの年ということですので、リンクから最新の情報をチェックしておでかけください)

https://www.facebook.com/kimizukaFARM/

たけゆらの里おおたき

https://www.takeyura.net/

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